書きたい展開が出来たからそこまでは頑張ります。
カボチ村に向かう中、何度か魔物と出会すことになった。
最初のうちは経験を積むためだとアベルたちに戦いを任せていたのだけど……
うん、メタリンが強すぎる。そりゃあメタル系だし、敵の魔物もろくにダメージを与えられないでしょ。
メタリンがその硬さと素早さで相手を撹乱しながら魔法で攻撃。その隙をついてピエールとスミスが攻めかかり、アベルは全体を見ながらバギマやブーメランなどの範囲攻撃やホイミでの回復を担当している。
悪くないチームだ。けど……思ったより強くはない。
アベルは強い。『はがねのつるぎ』で服だけを切り裂く技量もあるし、強敵だろうと思っていた【さまようよろい】とも有利に戦えている。
でも、まだ経験が足りてないのを感じる。
「まあ仕方ないか」
確かアベルは6歳から10年間奴隷として過ごし、脱走してからまだ1年も経っていない……はず。
戦い方や戦略は文字通り戦って学び身につけている状態だ。経験が足りないのは仕方ないことだ。
でも気になるのは……
「アベル、酒場で出会った時から聞きたかったのだけど、あなたに剣を教えたのは誰? その腕前、かなり腕の立つ人に学んだんじゃない?」
そう、アベルの剣技。これだけはどういうわけか洗練されている。
原作でも剣の師らしい人物は出ていないはずなのに……。独学かな?
「おお、それはこのピエールも気になりますね! アベル殿、よろしければ教えていただけませんか?」
ピエール、ナイス支援。これで話しやすくなったんじゃないかしら?
するとアベルは何かを懐かしむような顔をしてから口を開いた。
「……俺の剣の師は二人いてね、一人は長く苦しい生活を過ごしている時に『いずれ必ず役に立つ時が来る』って剣の振り方を教えてくれたんだ。剣だけじゃない、魔法も知識も彼らに学んだ」
長く苦しい生活……もしかすると奴隷生活の時かしら?
10年もあればそういった出会いも確かに無いとは言えないものね。
「もう一人の師は……厳密に言えば師ではないんだ」
「それって?」
「……父さんだ。 教えてもらったわけじゃなくて、父さんの剣をイメージして、父さんのように剣を振っているんだ」
父さん……パパスのことだ。確かにパパスはゲームでも強かった。
1ターンに2回行動、レベル27にしてHPは400を超えていた。その上、ジャミとゴンズという強力な魔物2体を同時に相手にして圧勝してしまうほどの。
でも、パパスは確か……そう、アベルにとって因縁の相手になる魔物ゲマによって目の前で跡形もなく殺されてしまった。
だから……。
「本当は父さんに直接学びたかった。でも……」
「……軽はずみに聞いていいことじゃなかったわね。謝罪するわ」
これは少し考えれば分かるはずなのにそこに至らなかった私の落ち度だ。普段下げることのない頭を下げることも辞さない。
「いえ、いいんです。むしろ、ありがとうございます。
この剣を通じて父さんとまだ繋がっていると感じられるから。
それに、形だけとはいえ父さんの剣を褒めてもらって嬉しいんです」
──ああ、眩しい。彼は心の底からそう思っているのだろう。
彼の剣が、亡き父との遺された関係だって。
……ならこのイベントの先で──。
「そう……あ、また魔物の群れね。近づいてくるわ」
「デボラさん、下がって──「あなたたちだけに任せるのも気が引けるから、今度は私だけで相手してあげるわ。下がってて結構よ」──え?」
道具袋から取り出したのは『きせきのつるぎ』。他にも色々持っているけど、今回はこれでいいでしょ。
「行くわよっ!」
現れたのは【さまようよろい】二体に【メタルライダー】、【まほうつかい】。 まずは【さまようよろい】から倒す!
「しっぷうづき!」
特技による一撃で【さまようよろいA】があっさりと撃沈。【まほうつかい】がヒャドを唱えたから高く飛び上がりそれを回避。そしてそのまま落ちる勢いを合わせて剣を振り下ろし【まほうつかい】を縦に両断。
「な、なんという身のこなし!? ああもあっさり【さまようよろい】と【まほうつかい】が倒されるとは!」
ピエールの驚く声が聞こえるけど、正直まだまだ序の口。
【メタルライダー】が私に対抗してか高く飛び上がり攻撃してくるけど、これを回し蹴りで迎撃。その勢いでどこかへ飛んでいった。
残すは【さまようよろいB】だけ──っと。
「
仲間を呼ぶ構えを取った【さまようよろいB】を隙ありとみて袈裟斬りにする。
戦闘終了。お疲れさまでした、と。
「ザッとこんなものね。 どうだったかしら?」
「デ、デボラさんとってもお強いんですね……」
「す、すげぇ。 戦乙女と呼ばれていたのは誇張でもなんでもねえんだなぁ」
「まあ昔から妹を守るために魔物相手に鍛えていたから。気づいたら戦乙女なんて呼び名がついていたのだけど。
でもこの程度なら、いずれアベルにも出来るようになるわ」
アベルは主人公だし、パパスの血を受け継いでいるなら出来るようになっても不思議じゃない。だって、私にも出来たんだから。
「じゃあ、先に進むわよ。 カボチ村ももうすぐ見えるはずだから」
この後も何度か魔物と遭遇することがあったけど、今度は私とアベルたちで共闘することになった。
ソロで戦うのもいいけど、仲間がいると必要以上に警戒することもなくなるから戦いが大分楽になった。
そして、私たちはカボチ村へと辿り着いたのだった。
デボラがしれっと特技を使っていますが、この作品の仕様です。
ドラクエだし、折角なら魔法だけじゃなくて特技も目立たせたいなと思った次第。