僕の英霊アカデミア   作:バンバドロ愛好家

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fake続報でモチベが上がってます


2話

「これは…すごいね…」

 

己の身長の2倍は悠に超えているであろう扉を見上げて流樹は呟く。

 

「流石は天下の雄英。やることなすこと規格外だね、バリアフリーの極地だ」

 

がらりと扉を開けながら中を見ると生徒が数人。どうやら早めに来れたようだ。

席を把握しさっさと荷物を置くと席を立つ。目的は試験説明の時にいた眼鏡の少年。

向こうも認識したようで破顔しながら近づいてくる。

 

「合格したようで何よりだ。これから3年、よろしく頼むよ」

「森羅君も合格していたのか!こちらこそよろしく頼む!」

 

流樹は朝から元気な返事に微笑む。談笑する2人のふわりとした空気にあてられてか他のグループもだんだんと笑い声が増えてくる。

 

「二人とも仲良いな!同中だったのか?」

 

そんな二人に赤髪の少年が気持ちのいい笑みとともに話しかけてきた。同中、という単語の意味がわからず「はて?」と首を傾げる流樹に飯田が「同じ中学校、って意味だ」と耳打ちする。

 

「失礼だが、君はの名前を教えて貰えないだろうか?オレは飯田天哉でこっちは森羅流樹だ」

「ああ悪い!逸っちまった!俺は切島鋭児郎だ!よろしくな!」

 

マイペースに得心する流樹を他所に飯田と切島が自己紹介をする。

 

「失礼、ボーっとしていたよ。僕らは同中ではないよ。試験の説明の時に隣だったんだ」

「なるほどな。すげえラッキーじゃねえか!」

「ああ、オレとしてもあそこで知己を得られたのは僥倖だった…すまない少し離れる」

 

その時ドアがガンと開かれ白いイガグリの様な頭の少年が入ってくる。真っ赤な目は周囲を威圧する様睨み、自分の席まで行くと机に足を乗せるのを見て飯田は眉をしかめて離れていった。

 

「入学初日から飛ばしてんな!アイツ!」

「そうだね。しかし机に足を乗せるのはいただけないな。まぁ、飯田に任せておこう」

「トラブルにはならねえといいが…」

「だね」

 

和やかだったクラスの空気が渇き、キリキリと空気が張り詰めていく。

二人の口論は次第にヒートアップするがそれを止めたのは扉から入ってきた二人組だった。

どうやら知り合いらしく飯田が説教を切り上げ彼に話しかける。

 

「飯田の同中だろうか?」

「違うんじゃねえの?てか同中気に入ったのか?」

「ああ、端的に伝えられて僕好みだ」

 

隣のほんわか少女と3人で再び自己紹介をしていると今度は白イガグリの方から突っかかっていった。

対象は飯田ではなく緑谷。「かっちゃん」とやらがさらにキレて流石に止めに入ろうかと切島と目配りした時…

 

「友達ごっこしたいなら他所に行け。ここは雄英だぞ」

 

よく見ると黒い芋虫のような男性がモゾモゾと這っている。無精髭を生やし、黒い髪を流した男は寝袋から出るとどこから出したのか体操服を取り出す。

 

「着替えたらグラウンドに来い」

 

担任の『相澤』と名乗った男はそうとだけ告げると教室を出て行った。

 

〜グラウンドへ〜

 

「「個性把握テストォ!?」」

「ああ。森羅、お前が主席だったな。投げてみろ」

「個性は使っても」

「そういってるだろう」

 

クラスに緊張が走る。自らを計るような姿勢に晒されながらも流樹は余裕の表情だ。

 

「彼は見たところ異形系個性ではない…だけどかっちゃんを抜いての主席なら相当に戦闘能力があるはず。範囲殲滅?いや、それなら試験会場にも被害が及んでレスキューポイントをろくに得られない。移動もできる個性?なら…

「ブツブツ怖えよ!」

 

緑谷の推測を聞いた峰田が突っ込むが、流樹は彼を好ましく思う。そうやってライバルとなり得る者の能力を推測することは何処かでも大切だった…ような気がする。

 

「そうだ、お前中学では何メートルだった?」

「31mです。ですが、なんら関係ない数字です」

 

円の中に立ちボールを握る。しかし振りかぶる様子は見せない。ある者は怪訝な顔をし、ある者は日和ったかと鼻で笑い、ある者はさらに個性の推測を進める。

彼の足元から三つ、金色の波紋が広がる。そこから伸びる鎖は指のように器用にボールを掴むと伸び続ける。

 

「森羅。それ、どこまで伸ばせる?」

 

ギャリギャリと音を伸ばし続ける鎖を横目に相澤が尋ねた。

それを聞いた流樹は目を閉じて眉間に皺を寄せる。が、しばらくすると堪忍したように逆に尋ねる。

 

「今どのくらいの距離ですか?」

「そろそろ2キロだ」

「まだまだいけます」

「学外に出るからやめておけ、余計な騒ぎを起こすのは非合理的だ」

「じゃあ2キロでいいです」

 

鎖を勢いよく巻き戻し手元にボールを拾い上げ相澤に渡した。

 

「すっげえ面白そう!」

「面白そうか?君たちはこの3年間、そんな腹積りでいる気か?」

 

シーン…とクラスが静まる。ボールを軽く握りながら相澤は笑みを浮かべる。その笑みが深まるにつれて生徒たちの顔が真っ青になっていく。

 

「そうだな…よし、そうしよう。トータル成績最下位の者は見込みがないとし、除籍処分とする」

「「「はぁぁぁぁ!?」」」

 

「生徒の如何は教師の自由。これが雄英高校ヒーロー科だ。」

 

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