新入生歓迎行事の内の1つの模擬レース、観戦しに身に来るとそのレース走者の中になんと芦毛の怪物オグリキャップがいた。
そりゃこんなに人がいるもの納得だ、
新入生の入学祝い的な模擬レースなのにとんでもない豪華レースになったな。
「それではレースを始めます、走者はそれぞれ出走準備を始めてください。」
どうやらそろそろレースが始まるらしい、周囲は誰が勝つかの話で盛り上がっている。
「メアちゃんはどの先輩が勝つと思う?」
「やっぱりオグリ先輩かな」
そんなこんなで話しているとどうやら出走準備が整ったようだ、周囲がすんと静かになりレースが始まる瞬間を今か今かと待っている。
それにしてもレースが始まる前のこの緊張感というか高揚感というかこの感覚は前世の時に感じた感覚と同じ、いや自身がウマ娘になった事でより大きく感じている。
各ウマ娘が位置に着いて・・・、スタートした!
このレースは競馬場で見るようなレースでは無く模擬レースなのでゲートでは無くトレーナーの掛け声でレースが始まる。
「すごい・・・これがトレセン学園か・・・。」
出走者の走り方もこのレースにかける思いも今まで何度か俺自身がウマ娘として何度かちびっ子レース出走した事があるが、それらが子供のお遊びに思える程に・・・。
いやちびっ子レースとプロのレースを比較するのもおかしな話ではあるが、今まで画面の向こうの遠い世界だった中央レースで今度は自分達がそこで競い合うんだと考えると楽しみな気持ちがある反面、そんな舞台で戦って行けるのかという不安も同時に感じた。
注目のオグリキャップは中団辺りにいたやはり伝説のウマ娘、他のウマ娘から徹底マークされている。このレースは模擬レースだが新入生に所属チームを宣伝する機会でもある。それ故に走者達の迫力が凄かった。
「私達、いつかここで走るんだね・・・。」
その言葉からは俺と同じ不安な気持ちも感じられた。
最後の直接に入った、最初に上がってきたのはオグリキャップだった。
逃げで先頭をとっていたウマ娘を軽々と追い越して、スピードは落ちる所かドンドン加速していった。
後続は懸命にも追いつこうとしているが離された距離は縮まらずなんなら長くなる一方だ、これがG1ウマ娘いや”芦毛の怪物”と呼ばれるウマ娘の実力か。
そしてゴールイン、1着”オグリキャップ”・・・。
レースが終わると走者達がレース観戦者もとい新入生達の元へときた、先輩と新入生の交流会のようだ。
そんじゃレースも見終わったしそそくさと帰りましょうかね。
「ミラ子、レースも終わったしカフェテリアでお茶しない?」
「え、別に良いけど先輩達と話さなくて良いいの?」
「いやぁ、心の準備が出来てないといいますか・・・。」
「あひゃぁ!」
突然後ろから肩に手を置かれ思わず変な声を出してしまった、いきなり触ってくる野郎は何処のどいつだ!振り向いて顔を見るとよく知っている顔だった、知り合いでは無くテレビでよく見た顔だ。
「タマ、どうしてここにいるんだ?」
「・・・はい?」
「今日は家族で外食に出かけると言ってなかったか?」
そう話してかけてきたのはオグリキャップだった。
え、もしかしてオグリキャップさん俺の事をタマモクロスさんと人違いしてるんじゃ?
確かに今の俺は140㎝台の芦毛のウマ娘だから似ているっちゃ似ているが・・・、
横にいたミラ子に助けを求めるように視線を移す。
ミラ子に視線を合わせた途端、私は関係ありませんよと言わんばかりに視線を逸らされた。
コイツ・・・後で憶えとけよ・・・。
国民的アイドルウマ娘オグリキャップ、そんな話かけられた事でパニック状態になっている
「おーオグリ、帰ったで。いやーチビの一人が熱出してもうてな、夕食はまた今度にって・・・何してるんやオグリ?」
声がする方に目線を向けるとそこにいたのは正真正銘タマモクロス本人だった。
た、助かった・・・。
「タマが・・・二人?」
「そんな訳無いやろ!まさかアンタそこの新入生をウチやと勘違いしてたんか」
此処でようやく人違いにきずいたようだ、オグリキャップはハッとなり頭を下げた。
「すまない・・・人違いだったようだ、気分を悪くしたなら申し訳ない。」
「いえいえ、そんなに気にしてないんで大丈夫ですよ」
「そうか・・・それなら良かった。そうだ紹介が遅れた私はオグリキャップ、何か困った事があれば言ってほしい」
「ウチはタマモクロス、オグリが迷惑かけたようですまんな」
「おr、私はバーンメアゴールドと言います、皆からはメアと呼ばれています」
「君はメアというのか、そういえばコレを」
渡されたのは“チームライラック トレーニング体験会”と書かれたチラシのようなものだった。
「オグリさんこれは?」
「私の所属しているチームが開催するトレーニング体験会のチラシだ、もし良ければ参加してほしい」
周囲がざわめきだした、ただ体験会のお誘いなのだが勧誘しているのがオグリキャップ本人だからか周囲の視線が俺に集まってきた。ただでさえオグリさんとタマモさんを目の前にしているだけで内心パニック状態だったのにそこに周囲からの視線も集まってもうどうにかなりそうになっていた。
「分かりました」
とだけ言って受け取った、しかしこの短い返答でのちにとんでもないことになるのは今の俺はいや俺達は知る由もなかったのだった。
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「いや〜それにしても大変でしたね〜」
「知らんふりしてないで助けて欲しかったな〜」
「ごめんてー」
今はミラ子とカフェテリアに来ている、俺はコーヒーをミラ子はパフェを食べながら今日の事について話し合っていた。
「それにしてもオグリ先輩にチームにスカウトされるなんて凄いじゃん、いいなぁ」
「スカウトって何か勘違いしてないか?ただ体験会に誘われただけだよ」
「だとしてもオグリ先輩に誘われるのも凄い事でしょ、レジェンドウマ娘なんだよ! それにもしかしたらベテラントレーナーさんと契約出来るかも、なんてね」
確かにアプリとかだとプレイヤーは皆新人トレーナーだけど普通はベテラントレーナーとかの経験や実績がある人の方が良いんだろうな、トレーナーにとっては何度かあるレース生涯でもウマ娘にとっては一度きりのチャンスなのだから・・・。
「だけど俺はベテランのトレーナーよりかは俺のしたいようにさせてくれるトレーナーと契約したいかな、それが新人トレーナーだとしてもね」
「メアちゃん、以外とそういう所考えてるんだね」
「以外ってなんだよ・・・逆にミラ子はどんなトレーナーと契約したいのさ」
「私?そうだなぁ優しくて面倒見てくれて緩い感じのトレーナーさんかなぁ」
「ミラ子はマイペースだからスパルタトレーナーの方が良いでしょ」
「じゃあそれいうならメアちゃんだってマイペースそのものじゃん」
そんなこんなでのんびり話していた、ふと時計を確認すると門限の時刻が刻一刻と迫っていた。
「あっやべ、ミラ子もうすぐで時間になる寮に帰るぞ!」
「アッ待って、メアちゃん!」
そしてまたトレセン学園での1日が終わった。