闇の帝王ファウスト   作:四隅

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アーシアちゃん。ペロロ様はイィですよ。ペロロ様♪

 

 バイザーとの一戦後に帰ってきたクロナさんと最愛ちゃんは満足そうな顔をしていました。

 でも、バンビエッタ様的には最愛ちゃんの戦い方は100点中35点だったよで戻ってきた2人を爆破して中庭へ吹き飛し、朝まで可愛がってました。巻き込まれたクロナさんはご愁傷様です。

 

 最愛ちゃんとクロナさんはボロボロの体で登校していきました。バンビエッタ様は可愛がりが終わるとORTさんのところに行ってしまいました。私は少しでも早くペロロ様の話がしたくて、アーシアちゃんのいる教会に来ました。学校は仮病で休んでいます。

 

 教会にはインターホンがないので、あいさつをして入りました。少し前まで廃墟だったのですが綺麗になっています。所々でボロボロですがアンティークな雰囲気で良いですね。

 

「お嬢さん、どうしたんですか?」

 

 銀髪の青年の神父様がいつの間にか立っていました。

 

「昨日、アーシアちゃんと会ってペロロ様の話をもっと聴きたいと言われたのでお話に来ました♪」

 

「あん? その抱えてる鳥?の事で合ってます?」

 

 神父様は私の抱えている40センチのペロロ様人形を指します。

 

「はい、コレがペロロ様です。神父様も興味出ましたか?」

 

「いえ全く。シスター アーシアは大事な用事があるので今日はお会い出来ません。申し訳ございませんがお帰りをお願いします」

 

「いつなら空いてますか?」

 

「私にも分かりませんね。どこかのタイミングで会うと思いますので言伝を頂けましたら伝えますが?」

 

「会えるまでここに居ますので大丈夫です。もし今日会えませんでしたらまた、明日来ます」

 

「シスターは多忙ですので明日も会えるか分かりませんよ」

 

「大丈夫ですよ。会えるまで来ますので」

 

「帰っていただきたいと言ってるのですが」

 

「アーシアちゃんにはペロロ様の良さを伝えないと行けないのです。何時頃に会えますか?」

 

 ガリガリと聞こえそうな勢いで神父様は頭を掻きむしる。

 

「いや、ね? 君はアーシアとは会えないの。なに? 明日? 会えるまで毎日? 会えるなら今日会わしてるでしょ。直接帰れって言ってるのになんで帰らないんだよ!」

 

「え、今日会えるんですか?」

 

「会えないっていただろ! 都合のいいところしか聴いてるんじゃねーよ」

 

 荒れ始める神父様。やはり、神に祈るよりペロロ様に祈る方が良いですね。アーシアちゃんには直ぐにでも合わないと行けないですね。

 

「フリードなにやってるすか?」

 

 奥から金髪ツインテールでゴスロリ風の服を着た少女が出てきました。アーシアちゃんの同僚でしょうか?

 

「ミッテルトさま。この子がアーシアたんと合わせろとしつこくて」

 

「さっさと追い返せば良いでしょ」

 

 神父様は取り繕う事すらしなくなりましたね。上司なんですかね。アーシアちゃんと同じベクトルの人間ではないですね。優しさを感じません。

 

「痛い目見たくなかったらさっさと帰りな」

 

「無理だと思いますよ?」

 

「ほんと、オレっちの上司、加減知らないから荒事になる前に帰りなよ」

 

 でも、ORTさんの空想樹の種子にすら傷を付けれそうにない人に言われても引く理由にもなりません。私はアーシアちゃんにペロロ様について語らないと行けないのです。

 

「アーシアちゃんとはいつ会えますか?」

 

「ダァかぁら! 合わせる気ないの! 怪我したくないなら帰れ!」

 

「あんた、私を見た目で判断してるでしょ。本当に力尽くで追い出すぞ」

 

 この2人はアーシアちゃんの知り合いっぽいですが同僚でもなさそうです。教会の人はもっと優しいはずです。無視してアーシアちゃんを探しましょう。

 

 奥に居住スペースがあるのでそこにアーシアちゃんはいるかも知れません。

 

 いざ。

 

「ペロロ様! お願いします!」

 

 持ってきたペロロ様を上空に投げます。申し訳ございませんペロロ様。あとでしっかりと汚れを取ります。これで2人の視線はペロロ様に釘付けです。

 

 居住スペースの扉を開けるとソファにだらしなく寝ている黒髪の女性がいました。アーシアちゃんはどこでしょう。

 

「クソがき! 早くこれ持って帰れや!」

 

「う」

 

 襟を掴まれて、ペロロ様が私の手に収まります。神父様にはペロロ様では時間稼ぎ出来なかったよです。汚れがないので落ちる前に取ってくれたよです。

 

「騒がしいようですが、何か有ったのでしょうか」

 

 奥からアーシアちゃんが出てきました。

 

「ヒフミさん! 今日来られたんですか!」

 

 アーシアちゃんも私に会いたかったよで喜んでいます。ペロロ様に興味を持っていただけたのですから布教しにくるのは当たり前じゃないですか!

 

「今日はいないって言われましたがやはり、いたんですね」

 

「会えないとしか言ってねーよ」

 

「なんなんすかコイツ」

 

「えーと、来週ぐらいに時間を作りますので、今日はお引き取りをお願いしても」

 

 アポなしで朝イチの訪問は迷惑でしたね。普通じゃなかったですね。

 

「ペロロ様について話したくて、つい来ちゃいました。冷静に考えて迷惑ですよね」

 

「オレの言葉は聞かないのにアーシアちゃんの言うことはすぐに聞くのかよ。さっさと帰れクソがき」

 

「本当になんなんすかコレ」

 

「学校が終わったらまた来ますね!」

 

「来週だって言ってるだろ! 時間が決まったら連絡してやるから早く帰れ!」

 

「アーシアちゃんにはこのペロロ様をお渡しします。他に祈る事があるのでしたら是非このペロロ様に祈ってください」

 

 バックから私が今、持っているペロロ様人形と同じものを出してお渡しします。

 

「良いのですか?」

 

「はい!」

 

「ありがとうございます大切にいたします」

 

 昨日、話しただけでしたがペロロ様の良さを知っていただけていたようです。素晴らしい笑顔が見れて良かったです。

 

 

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