そんな未来で世界が終わるとか誰かが死ぬとか……そんな展開、ねぇから!!(たぶん) 作:クレナイハルハ
便利屋68に錬金術で石ころから金塊へ錬成した金塊を渡し、その金塊を換金し便利屋68から受け取った金を便利屋68と俺で半々で分ける。
こうしたサイクルを数日繰り返した結果、見事に俺と便利屋の元には大量の金が生まれた。
最初こそ興奮した様子で分け前を得ていた便利屋だったが、繰り返す度に何故か顔を青ざめていたのは何故だろうか?
そんなことを考えつつ、いつの間にかずっと使ってしまっている廃墟できちんと買った水に口をつける。
「最初と比べりゃ、充実してんなー」
『
『
『
「水が最高にうまい……砂漠だからかすっげーぬるいけど、この際言ってられないか」
そう思いながらかなりの量のペットボトルが入ったダンボールを一別して廃墟の崩れていない天井を眺める、この数日間、本当に色々とあったな。
大量に畳まれたダンボールを眺めつつ、おれはまたペットボトルに口をつける。
この大量につまれたダンボールは、便利屋に頼んで最初に金塊を売った金、俺側の取り分の半分で大量に買った水だ。
便利屋に依頼し、近くのショッピングモールや店から大量に買ってくるのを追加の報酬を払うかたちで依頼し受け取った数ヵ月分の俺の水と食料、になる予定だったものだ。
今の残っているのは、俺があと数日は過ごすことが出来そうな食料と水のみ。
「全く、我ながら無計画にも程があるなぁ」
『|ホパホパパパホーパホー、ホパホパ、ホパホパホパホーパホパ《その通りですよホータロー、数ヵ月分になる食料を、ただであの人たち分け与えるなんて》』
そう、便利屋が離れたあと廃墟にボロボロのヘルメット団らしき少女達が侵入し水と食料を要求してきたのである。
どう見ても銃弾の残ってなさそうな感じのライフルを向け、乾燥からか喉からカサカサした声で要求してきた。
中には今にも倒れそうな奴もいた、そんな奴らを外に放るのは出来なかった。
もし、俺がこいつらケミーやデイブレイクの力を与えられずこの砂漠に落とされたこうなっていたのは俺かも知れなかった。
ゆえに、オレはソイツらに食料と水を与えた。
水と飯くったら寝ちまって、オレは少し離れてから寝た。そしたら次の日の朝にはどっか消えたけど。
『
「まぁ、俺よりかは未来があるだろうし。常に理想は高くってやつ?一応、仮面ライダー……ヒーローなんだし、手の届く奴らくらい助けてやるさ」
『|ダッシュダッ、ダシュシュダーシュ。ダーシューシュ《元軍人として、心から尊敬するよ。ホータロー》』
それにしても、本当にこの世界はおかしい。ブルーアーカイブの世界であっている筈なのだが、何故こんなカードが、アビドス砂漠の中に落ちていたのか。
そう思いながらガッチャードローホルダーを開けて一枚のカードを取り出す。
そのカードには、ホッパ1やスチームライナー、ゴルドダッシュのように炎のマークが描かれておらず、通常のケミーカードであり左上に7と記され、太陽をデフォルメしたようなイラストが描かれていた。
「《ザ・サン》ねぇ……」
あれは水と食料を確保した後の事だ、ケミーライザーを使っていたところ何故かサーチ機能が近くにケミーの反応を発見し、ゴルドダッシュと向かったところ砂漠の中に反応を示しており少し掘ったところ、ザ・サンが砂に埋もれていたのを発見した。
「そういや、なんでホッパー1達の声が聞こえんのにこいつの声だけ聞こえないんだ?」
俺は別に宝太郎のようにケミーと希薄な状態になってないし、いや……もしかしてケミーと話せるのってデイブレイクケミー限定なのか?
考えてみれば、ガッチャードの変身者が使ってたライドケミーカードから声は聞こえなかったし。
取りあえず、こういう面倒なことはガッチャードに変身してるであろう転生者に投げとけばどうにかなるか。そう思いながらガッチャードローホルダーにケミーカードをしまう。
「今頃、本編はどこまでも進んでんだか」
アビドス砂漠にいるとはいえ、学園の様子は見えないしどこにあるのかも分からない。だからこそ、原作への下手な介入はしなくて済んでいる……と思いたいが、最初にこの世界に来たときに既に原作には関わったといっても過言じゃないからなぁ。
そもそも、この世界にガッチャードの転生者がいる時点で多祥なりとも変化はあり得るか。
「ったく、ゲームなら良かったけどいざその世界で生きるって考えたらこの世界は不安要素が多すぎるなぁ」
そう独り言を言いながら床に寝床に仰向けで横になる、床に砂はあるが砂が入らない場所にマットやタオルを敷いているので、ある程度は寝られるようになっている。
「取りあえず、明後日にはまた便利屋68に金塊の換金と水の調達を頼むか」
そう呟きながら俺は目蓋を閉じてじわじわとやってきていた眠気に身を任せる。
どーせ来客なんて無いし、アイツらも昨日に水と食料をかなり持っていきやがったから暫くは来ない。働くのも、現状の金を売ることで生きるための金は足りてるからしなくていいし。
『すまないが、起きて貰えないだろうか』
その声が聞こえた瞬間、目蓋を開けば俺は見覚えのある真っ白な家具で統一され、真っ白な壁に床が特徴的な場所に立っていた。
そして俺の目の前では、例えるならブルアカで良く見かけたコユキのような泣き顔と涙を流しながら摘ままれて宙吊りとなっている俺を転生させた転生神見習いと、それを行っている五十代くらいの男のみ。
「は?どういう状況?俺、少なくともまだ死んで無いんだけど」
『こいつのやらかした数々の無礼と失礼、改めて謝罪させてほしい。ホータロー殿』
「謝って済む問題じゃないんだが?まぁもう終わっちまった事だし前の世界に蘇生させろとかは無理なんだろ?」
『面目ない……』
そういうと男性は本当に申し訳なさそうな表情で頭を下げた。
「それでアンタは?」
『コイツの上司と言えば伝わりやすいですかな、まぁともかくホータロー殿。貴方にはお願いがありまして、こうしてこの空間にあなたの意識だけを繋げたのです。勿論、お願いに対するお礼はいたします』
「お願いねぇ、取りあえずソイツがミスして出来たデイブレイクケミーなら受け取りは拒否だぞ?三体以上増えたらこっちが面倒見きれない」
『まあ、彼女はもうケミカードに関する転生特典の製作は一度停止して貰っているから問題ない。今のところ被害は少ない方ですから、コイツが申告してないカードが無ければの話だが』
『も゛う゛づぐっでないでずよぉお……』
上司の言葉にまたもやコユキのような泣き顔で返事を返す俺を転生させた転生神見習い、そんな二人のやり取りに神様の世界も結局は人間と同じだなぁとそんなことを考えていると、男性の神様はコント咳払いをすると真剣な様子で口を開いた。
『ホータローさん、どうかあなたが彼女から与えられた転生特典の1つ……ガッチャーイグナイターを、ガッチャードの転生者へと譲渡して頂けないでしょうか?』
「理由を聞こうか、なんで俺が渡されたベルトについてたガッチャーイグナイターをアイツに?アイツが錬成するとかじゃないのか?」
『ホータローさん、あなたが持つガッチャードライバーとイグナイターは本来なら私がガッチャードの転生者の試練の報酬として与える予定の物でした。』
そういいながら男性が宙に手を翳すと宙にアビドスの奴らと過ごしている一人の少年、どこか一ノ瀬宝太郎の面影がある彼が、デイブレイクガッチャードと戦っている風景が映し出された。
『本来ならば、彼の転生した世界のガッチャード……彼はアビドス学園の小鳥遊ホシノ誘拐時に私が一時的にこの世界へ現界しデイブレイクとして戦闘を挑み、私に一撃を与えた報酬としてガッチャーイグナイターを彼に与える予定だったのだ』
「へぇ、なるほどね。神様の試練を行おうとした矢先にソイツが」
『誤って君を殺し、それを隠蔽するためガッチャーイグナイター付きのガッチャードライバーとデイブレイクケミーを与え彼の世界に転生させてしまった。故にこの世界の、彼の未来も大きく外れる可能性が出てきた。』
「ちなみに、聞いて言いか?このままだとコイツら……この世界はどうなる?」
『小鳥遊ホシノの救出時、結果として黒見セリカは片腕を失い砂狼シロコは片目を失う。そしてそんな中でも全てを守ろうとしたガッチャードは片目を失い、結果として自身がすべての元凶だと思い込んだ小鳥遊ホシノは心を壊し常に幻覚を見るようになる、そんな全員を見た彼は
「そいつは、随分とハードだな。プレ先ルートよりも」
『いや、ここから更に崩壊していく。トリニティで起こるエデン条約ではガッチャードを頼ったレジェンドの二人の活躍も空しく、百合園セイアは死に先生は瀕死の重態となり聖園ミカは魔女として虐めを受け自ら命を絶つ、そして友達を二人失うこととなり桐藤ナギサは心を壊し引きこもるようになった。ゲヘナにはガヴもいたが、彼もまたヒナやイオリ達を守りきれず怒りのまま暴れ命を落とした』
「は?」
『そしてデイブレイクとなったガッチャードはその全ての破滅への運命を自身一人で解決しようと覚悟を決めタイムロードはその願いを自身の命と引き換えに叶え、彼を過去へと飛ばす。そうして彼は過去を変えるため過去で活動を始める』
「レジェンドは、どうなった」
『彼は戦闘でガッチャードの足を引っ張るようになる。そんな中でデイブレイクとの方向性の違いから殺しあいとなり二人が変身解除のタイミングを狙った人物からの銃撃をガッチャードを庇って受け命を落とした。』
なるほどね、全てのブルアカのバッドエンドに繋がる線路への分岐点がガッチャードイグナイターで、俺がこの世界に現れた事から転生者も含めた全員が生き残るブルアカ本編ルートへの線路が無くなりつつあると。
「なぁ、そいつの処罰ってかなりヤバくなるよな?もしそのままなら世界滅ぼしてんぞそいつ」
『そうなのだホータロー殿、故に貴方にはガッチャーイグナイターを彼へ譲渡しその世界から消えてほしいのだ』
「ちょっとまて!それだと俺が死んでないか!?ソッチのミスで死んだ上に使い捨てか?!」
『そこは問題ない、ホータロー殿には新たな世界へ再転生して貰うこととなる。簡単に言うならば、別の世界を移動するという感じだ。そのため、我々が君の行動を監視しガッチャーイグナイターを与えた後に良い感じで消えるように手配する』
「はぁ、ともかく俺がガッチャードの転生者にイグナイターを譲渡すればいいんだな?」
『その通りだ、それさえしてくれるなら可能な限り君の願いを聞いて別世界へ再転生して貰う』
「まぁ、元から望んで得た特典じゃねぇから構わないが………渡し方はこっち任せか?可能なら戦闘なんて面倒なんで避けたいんだが」
『そこはホータロー殿にお任せする、此方としてはガッチャードイグナイターだけさえ彼に渡すことができれば良いわけだからね。転生する世界についてはまずそちらの世界での事を終えたら考えようか』
「了解だ、取りあえずガッチャードの転生者に渡したらいい感じにその世界から消えるの頼んだぞ、神様?」
『あぁ、頼んだぞホータロー殿。小鳥遊ホシノの誘拐犯もう始まっている』
「はっ!?ちょっとま────」
「まて!って……」
気がつけば、俺はいつも廃墟へと戻っていた。
随分とまぁ、急に色々なことを押し付けてくれるじゃ無いの。
「やっぱり、主人公すぎるなぁ……ガッチャード転生者は」
アイツが全てを失いながら突き進んでいく世界ねぇ、そんなの青春がテーマなこの世界で許されるわけない。
アイツにイグナイターを渡して、俺はさっさと別の世界におさらばさせて貰うとするか。
ご愛読ありがとうございました
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お待ちしています。
次回で最終回になるかと思います。
お楽しみに