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No.4 カティヤ
Day1
やった!ついにミカエラと一緒にL社に入れたぞ!
PM支部っていうところで働くみたい!
どんな仕事をするんだろうか。私でもできるかな?
え…
アブノーマリティってなに…?
お世話すればいいの…?
私の担当は妖精と骸骨…?
妖精のお世話ができた。外に出てきてるが大丈夫なのだろうか。
あ、作業が来た。
妖精がこっちに近づいてくる。
ちか…づい…て…
────
Day46
いつも着ている寝間着とうるさく音を鳴らす目覚まし時計を見て状況を把握する
どうやら私はまだトラウマを克服出来ないらしい
モソモソとベッドから抜け出し今日の業務に向けて準備を始める
私が所属している会社はロボトミーコーポレーション、通称L社。都市有数の大企業「翼」のうちの一つであり、私が勤務している会社
正確には私はその支部のうちの一つであるPM支部に所属しているわけだが
一通り支度が終わり、支給されている腕章を手に持ち更衣室へと向かう
私のEGOである「黄昏」はあちらに置いてあるので、毎回向かうしかない
更衣室には幼馴染兼同僚のミカエラがもう着替え終わった状態で退屈そうにスマホをいじっていた
私に気づくと笑顔を浮かべ、
「おはよ、カティ」
と言ってきた。私もそれに対して
「おはよ、ミラ」
と返す
「カティ、貴女今日嫌な夢でも見た?」
「…妖精に食われる夢を、毎回思うんだけどなんでわかるの?」
「勘よ。何年友達やってきてると思ってるの?」
「それがわからないの、ミラってば初対面の相手の嘘も見抜くじゃない。」
「いやだから勘としか言えないんだって」
「ほんとぉ?」
「ほんとほんとぉ」
他愛もない話をしつつ黄昏を着用し、そのまま持ち場へ足を向ける
ミカエラとは担当部門が違うのでずっと話が出来ないのが辛い
懲戒部門につく、といっても私のすることは脱走したアブノーマリティや試練の鎮圧だ
それまではひたすら待機...なにもすることがない
かなりの時間暇を持て余していると警報が鳴った
どうやら夕暮れの試練が出たらしい
管理人が指定した場所につくと黒尽くめのスーツの男と、偽善を着たオルガが戦っていた
が、次の瞬間、オルガの体が青色の触手に貫かれた
「あ」
「オルガ!」
庇う暇もなくオルガは絶命した
────
Day46
…またか
いつも着ている寝間着とうるさく音を鳴らす目覚まし時計を見て状況を把握する
何かを失敗して「ああ、時間を巻き戻せたら…」なんて考えたことはあるだろうか
普通、それは叶わぬ夢のはずなのだが、この会社はT社の技術提供を受けそれを可能にしている
更衣をすませ懲戒部門のメインルームまで行くと、そこにはいつも通りの胡散臭い笑みを浮かべたオルガがいた
「いやー!まさか死んじゃうとは!アッハッハ」
「死んでそんなに調子よく振る舞えるのは中々ね」
「先輩が遅かったからでしょう!?」
「弱点属性相手に管理人への報告を行わなかったやつが悪い」
「そんな〜」
さて、違和感に気づいてくれただろうか
そう、私達は時が巻き戻ったにもかかわらず記憶を保持している
PM支部にいる者達は時間遡行…いや、特異点に対して耐性や適正を持っている
再挑戦しても記憶があるのは当たり前、EGOへの適性を持っている人はそこそこいる、EGOを本当の意味で使いこなす人もいる
PM支部はそんな職場だ
だが私には時間遡行を行ったさいに記憶を保持する力しかない、同僚や先輩にはすごく強い人もいるし、装着しているEGOは私よりも下のランクの物なのに私より鎮圧が得意、なんてことはざらだ
私には、特別なものが全くなかった
1日が終わった
オルガに小言を言い、ミカエラと駄弁り、そのまま自室に戻って明日の支度をする
いつもと変わらない、普通の業務だ
でもそんな業務が嫌いではない
だってオフィサーと仲良くでもならない限り、絶対に誰かがいなくなることはないのだから
────
Day48
「無茶だカティヤ!やめろ!爪相手は時間稼ぎなら俺でもできる!」
「セルゲイ先輩、すでに、満身創痍、なのに、そんなこ、と、言うんですね」
「満身創痍はどっちだ!それに俺はまだ──」
「クリフォト暴走」
「ッ────」
「今の状況で対処できるのは、先輩だけです。このまま先輩、が、行ったら一人死ぬかどうか、じゃなく、全滅までいきますよ?」
「だが…他に手立てが…」
「行ってください。早く作業が終われば、私も助かるかも」
「…わかった。絶対に死ぬなよ」
「はい」
私は爪がいる部屋へと向かっていった
───
ああ、私は最低だな。勝てないなんてわかりきってたのに、すぐわかる嘘なんかついて
ああ、でも、
わるくは、ないかも
────
Day1
「───はい!よろしくおねがいします!」
「──え?」
目の前にはコントロールチームのメインルームが広がっていた
おかしい
私はたしか爪の攻撃で腹を貫かれたはずだ
それにあれは再挑戦をするような場面ではなかったはず
そう思い腹へと視線を落とす
そこには傷も、EGOもなく、最初の頃に支給されていたスーツだけがあった
混乱していると、セルゲイ先輩から警棒を渡される
「なんですか?これ」
同じく警棒を渡されたミカエラがセルゲイ先輩にそう尋ねた
私はその答えを知っていたが答えられない、いやな汗が止まらない
そんな私の気持ちをよそにセルゲイ先輩は説明をはじめる
「ミカエラ…だったか?まあ勤務してたらわかるよ」
なんで
「お前たちにはアブノーマリティというものの管理…いうなれば世話を行ってもらう」
やめて
「担当の相手にやってもらうんだが…えーと…カティヤ」
それ以上言わないで
「お前には、妖精の祭典とたった一つの罪と何百もの善…妖精と骸骨の世話をおこなってもらう」
『終わりのない恐怖』