こちらL社PM支部   作:マタタビの元

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この支部のオフィサーはWAW相手でも逃げません
つまり害悪度が増しているということです
本編でも敵だのなんだの言われてるのに...

今回の話も別サイトで公開しているものです


No.2 セルゲイ

 

『うわあああああった、助けて!ゼータ──』

 

 

ぐちゃり

 

眼の前で俺の同僚が物言わぬ肉塊に変わった

頭を鉄塊にしたやつにぶん殴られて

遅れてエージェントがやってきた

鉄塊野郎がすぐに鎮圧される

 

 

『オフィサーの方、大丈夫ですか?』

 

 

なんでもっと早く来なかった

なんで避難誘導をしようとしない

もう我慢ならない、ひとこと言って──

『あ、ああ。大丈夫だ。助かった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが俺の罪です」

【──汝の罪を許そう】

 

罪善の作業が終了し収容室を後にする

それと同時に無線から忌々しいあの声が聞こえてきた

 

[セルゲイ、次は『何も無い』に愛着作業]

「了解、それ含めてあといくつだ?」

[『何も無い』だけだ。相変わらずの手際の早さに惚れ惚れするね]

「そういうのはいいから管理に集中してくれ」

 

白昼の試練が終わってから2サイクル目のクリフォト暴走、なぜか管理人はその全ての対処を俺に一任した

理由を聞くと

 

 

[だって色々考えることが増えて楽しいでしょ?]

 

 

と言ってきた。こいつは命を預けられているという自覚はあるのだろうか

 

...ないか、確か認知フィルター越しだったもんな

 

 

そうこうしているうちに『何も無い』の作業が終わった

 

[おつかれ]

「だからそういうのいいから、次はどこだ?」

[...いや、ひとまず休憩だ]

「めずらしいな?いつもは業務終わりまで休まず俺に作業させるくせに」

[少しは労おうかと思ってね...あと溶ける愛のクリフォトカウンターが少なくなってるし]

「後者が本音だろMs.腹黒」

[ばれっちゃったかー]

 

とはいえ休憩があるというのは嬉しい

久しぶりにあいつらにコーヒーをいれてもらおう

 

 

────

休憩が終わりしばらくアブノーマリティの作業を続けていると警報が鳴った

どうやら夕暮れの試練が発生したようだ

発生した試練は...緑か

 

[セルゲイそこのエレベーターを──]

「上か?」

[そうだ、頼むぞ]

 

すぐにエレベーターを使い上へと上がる

そこには夕暮れの緑と新人エージェント──そしてオフィサーが数名いた

新人は俺の姿を確認して立ち去っていったが、オフィサーは逃げようとしない。”逃げれない”

オフィサーがパニックになるのはまずいので[規制済み]は使わず星の音のみで対処を行う

…ダメだ、削り切る前に奴らが出てくる!

このまま戦っていれば前に出ているオフィサー達が肉塊に変わるのは想像に難くない

そう考え無線に手を伸ばし管理人と通信を行う

 

「管理人!」

[なに?]

「俺が一人で対処する!オフィサーの奴らを逃がせ!」

[だめだよ。それじゃ君が危険だろう。]

「ALEPE2つ持ちがか!?」

[そうだ、君じゃあいつらを1度に相手するとなると不安が残る]

「他の奴らはどうなんだ?それなら...」

[あいにく出せるやつはいない、ユージーンもT-01-31の鎮圧中だ]

「なら一旦俺も逃げて体制を立て直す!それなら──」

 

 

 

 

[なんでオフィサーを守ろうとするんだい?]

 

 

 

 

「…は?」

 

管理人が放った言葉を一瞬理解できなかった。

 

[あんなの対アブノーマリティじゃほぼ敵でしょ。]

 

脳が徐々に言葉を処理し始め、それと同時に怒りがふつふつと湧いてくる

 

「お前、何を──」

[元エージェントである僕から言わせてもらうけど、君の命はそこらのオフィサー達より何百倍、いや何万倍も価値があるよ]

[エージェントに少しだけバフを与える奴らと、エネルギーの生産とアブノーマリティのご機嫌取りが両立できるやつじゃ優先度が違うんだ]

 

ブチッと血管が切れる音が聞こえた

 

「おい!話を聞け!管理──」

 

「キャアアアアア!」

 

空気を切り裂くような悲鳴にハッとなって振り返る。そこには緑の黎明に串刺しにされ、緑の白昼にミンチ肉にされたオフィサー達の死骸があった

 

 

────

「…管理人」

[夕暮れは無事収束した。あとはエネルギーを溜めるだけだ]

「違う、業務内容の確認じゃない」

[?]

「再挑戦だ、再挑戦をしろ」

[はぁ?]

「次は、次こそは助け出す。だから──」

[君今日おかしいよ?]

「おかしいのはお前らの方だ!」

 

気づいたときには声を荒げていた

 

「なんでお前らはそう安々と命を売る事ができるんだ!それにあのオフィサー達が死ぬ必要なんてなかった!もっと設備を整えていたら、あいつらは!」

[セルゲイ]

 

俺の言葉を管理人が遮る

 

[…君も知っているはずだ。アブノーマリティは人を殺すとエネルギーを多く生成する。そしてこの会社は都市のエネルギー供給の大半をまかなっている。]

「だが!」

[それ以上でもそれ以下でもない。私達がオフィサーを見捨てエージェントを生かすのも、な...わかったら業務に戻れ。次は赤ずきんの傭兵だ]

 

ブツリと無線の電波が一方的に切られる

 

 

…ふざけるな

 

なんでオフィサーに、人にしわ寄せがいくんだ

 

オフィサーが死ななくても業務はまわるだろう

 

なんで、なんで、なんで

 

なんでお前らは平気でいられるんだ

 

なんでなにも解決しようとしないんだ

 

管理人も、エージェントも

 

全員…!

 

 

 

「──おいセルゲイ、お前らしくないな、何があった?」

見知った顔(初日からの同僚)が俺に声をかけてくる

「...ユージーンか」

 

「さっきの赤ずきんの作業、悪い判定が出たと聞いたぞ?」

 

「...それがなんだ」

 

「いつものお前ならあいつらが嫌う作業でも良い判定を出せるだろう、お前が不調だと他のエージェント達も危険に──」

「またそれかよ!」

 

「...?」

 

「いつもてめえらはそればっかりだ!なんでオフィサーを助けない!?なんでエージェントを、俺を優遇する!?」

 

「セルゲイ...?」

 

「オフィサーの死なんか気にしないくせして俺らエージェントの死には敏感に反応しやがって!こんなこと...許されるわけがねえだろうがっ!」

 

「...」

 

「ああっくそ...もう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前らなんか、全員死んじまえよ」





『理不尽への怒り』
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