戦場の花ー死神と言われた男とエリートの物語ー 作:Scotchs
刻一刻と迫り来る時間にクウェンサーとヘイヴィアは立ち向かうのか
「おい待て、ヘイヴィア。」
そういうと、クウェンサーは指を指す。
ヘイヴィアはすぐさま目線を向ける。
ヘイヴィアの目に映ったのは、
ブロンドのショートヘア
青い対Gスーツ
背丈160cmぐらいの少女
が、銃を持った敵兵士に連れられていく。
「嘘だろ…」
ヘイヴィアはボソッと口にする。
ヘイヴィアが見た少女は見間違えることはない、普段見慣れた姿。
「あれ、お姫様じゃねぇか!」
そう、ミリンダが出した答えは…
ー生存ー
それも
“自己犠牲”で成り立つ生存。
ミリンダは自身が囮となり、恩人であるクウェンサー含めた味方全員の生存という選択を選んだのだ。
「チッ」
クウェンサーはそこにいる人物が“お姫様”ということを確信する。
そして、迷うことなく。
カチャッ
銃口をお姫様の方へと向ける。
スゥゥ
鼓動が止まり、目の前の景色が止まって見える。
「クウェンサー何を!」
パスッパスッ
パスッパスッ
クウェンサーはヘイヴィアの声など全く無視をし、素早く引き金を引く。
しばらくして、敵は地面へと倒れる。
「クリア」
そういうと、クウェンサーは素早くミリンダに駆け寄る。
「お姫様こっちに」
そういって、クウェンサーは右手でミリンダの左手を掴み走り出す。
一方、ヘイヴィアは呆然としてその場に立ち尽くしていた。
「ヘイヴィア何突っ立ってる?いくぞ!」
「おっおう。」
その声で我に帰るヘイヴィア。
そして一行は侵入してきたところから基地外へと
脱出して、当初いた見張り台へと無事に帰る。
その時だった…
「どうして助けにきたの!敵も無線で私のことを話してた。
いずれバレて探されたりすればどうなるかぐらい分かるわよね?」
「もちろん!まぁもう探しには来ない…いや」
“これないけどな”
そういって、クウェンサーはミリンダ達に“伏せて”とだけいうと、ズボンのポケットから起爆スイッチを取り出す。
そして、壁に背を向け赤いボタンを押下する。
ボンッ
と、敵基地の格納庫方向から爆音が見張り台の中へと響き渡る。
一行はその場に留まる。
しかし、5分経っても何も起きない。
「クウェンサー爆破したけど、本当に倒せるのか?」
「まぁまぁ時期に終わさ。あと2分でな。」
そして、クウェンサーは時計を見ながらその時を待つ。
1分前
外では、敵兵の声が聞こえてくる。
“バレたか…”
ー旧見張り台から足跡が続いてるぞ!ー
大声で敵兵がそう言う。
クウェンサーは、ミリンダ達へ目線を向け小声で“大丈夫”と口にする。
30秒前
足音が聞こえてくる。
それも1人、2人どころではない。
大勢の敵の足音。
じわじわと、ゆっくりと近づいてくるのが音で何となくわかるほど近い。
息を呑むヘイヴィアとミリンダ。
3
ジャリッ
雪を踏み締める音
『こっちだここにいるぞ!』
2
ジャリッジャリッ
「2人とも口を開けて耳を塞げ」
クエンサーはヘイヴィアとミリンダにそういう。
1
「ナウ」ドォォォン
地響きとともに、強い爆風、遅れて爆音が鳴り響く。
それもかなり長く続く。
そして、3分ほどだろうか。
さっきとは違い一瞬にして静かになる。
それも不気味なほどに。
「ヘイヴィア、お姫様を頼んだ。」
「おい、クエンサーどこに行くんだ!」
「やることがある、絶対ここから離れるなよ!」
そう言い残して、クエンサーは見張り台から勢いよく出て地面に転がっている敵兵の頭に一発づつ入れながら敵基地へと向かう。
静かに堂々と敵基地内を歩くクウェンサー。
基地内はさっきの爆発のせいだろうか、コンテナは綺麗に並べてあったコンテナは散乱し、格納庫は一部を残して骨組みだけとなっている。
そして、動かない死体、黒く焼けた死体、肉片となった者と基地の中心に行けば行くほど、残酷な光景が広がる。
それでもクエンサーは物ともせず進む。
そして、1人の男の前に立つ。
「おぉいたいた、お前がこの部隊の指揮者だな?」
“ガリバー”
「そうだが、貴様は何者だ…」
座った状態で、返答するガリバー。
「そのことについてはお前が知る必要が無いことだ。それより、俺の質問に答えろ。」
「どこぞもわからない野蛮人にこた…」
パンッ
「あぁぁぁぁ貴様ぁぁぁぁ!」
躊躇いもなく引き金を引くクウェンサー。
「いいか?その野蛮人が、貴様の後ろにあるオブジェクトを破壊したんだ。」
「ありえない!貴様1人でどうこう」
割って入るようにクウェンサーは口を開ける。
「これを見ても理解できないほど、低脳では無いだろ?」
「そんな…馬鹿な…しかしどうして!」
目を丸くして唾を吐きながら質問するガリバー。
クウェンサーはポケットからあるものを取り出す。
“制御装置”
「それがなぜここに・・・まさか貴様!」
ここでなぜ、オブジェクトが爆発したのかを理解する。
説明しよう。
六角形の白い板状のもので、各部位の動作・部位の識別を司っている。
そして、オブジェクトにある“秘密保護装置“はこの制御装置を介して異常が発生した際に、どこが壊れていて起動させる条件に満たしているのかと言うのを判断している。
もし、この制御装置がない部分で異常をきたすとシステムは正常に作動できない。
それも、クウェンサーが仕掛けたのは足部分の部品。
そう、この制御装置を抜いた状態で爆弾を爆発、本来であればシステムが自己分析を行い軽度であれば的確な処置を命ずるが、制御装置を失った状態では正常に作動することもなく、システムは行動不能を判断をし秘密保護装置を起動し自爆した。
これも全て、クウェンサーの計画通り。
「いいか?俺の質問にだけ答えてれば命は保証してやる。
わかったなら、頷け。」
「それでいい、なぜここにいる?」
「“中央“の中央統括長からの直々の命だ。」
「もう一度聞く、なぜ。
“第1特殊戦術機械化大隊”
全てを統括している“中央“という機関の直轄部隊であり、特殊部隊コマンドからも干渉を一切受けないず存在じたい不明に近い極秘部隊。
なぜお前がわざわざ出てきた?」
「私ごときが知ってるとでも?ただ神のお導きの通りを頂いた統括長からの言葉に従っただけだ。」
「そうか、ご苦労だったな。」
「おい貴様、何を」
「見てわからないか?」
「おいこの…“悪魔”」
パンッ
「その悪魔を呼び起こしたのは貴様らだ、あの世で後悔するんだな。」
そういうとクウェンサーは静かにその場を離れる。
そのあとは、淡々と進んでいった。
クウェンサーはヘイヴィアが持っていた携帯型ミサイルを用いてへと連絡し、現在いる座標を伝える。
30分後には部隊が到着、お姫様たちと無事帰還した。
そして、今回の功績は、
「讃えましょう、1人でエリートを救出しオブジェクトを破壊した英雄」
『ヘイヴィア』
そうして幕は閉じ、エリートを救った英雄として次の日の報道及び新聞の一面を飾ったヘイヴィアだったのだ。
エリートを無事救出し、帰還した一行
そして、祖国「正統王国」は大いに歓迎し表彰式まで開催された。
しかし、表彰されたのは果敢に戦った”ミリンダ”と”ヘイヴィア”だけだった。
その上、事実とは異なった情報が国王含め全員に伝わっていた。
それに、
不満をもつ者
安堵する者
不信感を抱く者
が現れる。
なぜ、”クウェンサー”は表彰を受けなかったのか。
なぜ、情報が歪められて伝わったのか。
6話「大人の事情」