ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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皆の元気と現金が集まってくるのを感じるぞ!(元気玉)


優れた自慢の弟に兄如きが勝てると思っているのか? ★14

「ねぇピッコロさん」

 

 自分の伯父さんであるラディッツがベジータ達をこの場所─荒野まで案内し、そこで戦う。

 そしてできるなら追い返す、という作戦のためここで待機していた悟飯だったが、ふと同じく待機している隣のピッコロに話しかける。

 

「……なんだ」

 

 最初はこの作戦─というよりラディッツの指示で動くのに反対していたが、悟飯も参加すると聞くやいなや

 

『魔族として鍛えているこいつの実力をみるにはいい機会だ』

 

 と急に手のひらクルーで作戦クルーに参加したピッコロは、はたから見れば不機嫌なのかと勘違いしそうな抑揚で返した。

 

「ピッコロさんってお父さんや伯父さんと敵対してたんだよね?」

「そうだ。……今もやつらとは敵対している、一時的に協力してるだけだ」

「そうなの? でもお父さん言ってたよ! 昔ほどピッコロさんは悪い人じゃないって!」

 

 ピッコロはチッ……と顔をしかめ、天を見上げる。

 親の仇である孫悟空……命のやりとりをしたはずの相手と仲間に囲まれ、その環境に居心地が良く感じている自分自身に顔をしかめた。

 

「あと伯父さんが言ってたよ!」

 

「ピッコロさんは『からかって遊ぶ』と面白いって!!」

「よーし悟飯、お前の伯父さんで魔貫光殺砲をレクチャーしてやる、お前の伯父さんは優しいからなぁ!!!!」

 

 もう一度風穴を空けてやる……とピッコロはさらに顔をしかめ、決意するのだった。

 そして本当に魔貫光殺砲を準備しようとしているピッコロを、悟飯は必死に止めるのだった。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「ハーックション!」

「うわ汚え! 鼻垂れラディッツじゃねぇか!」

「情けない面を晒すなラディッツ!」

「す、すまねぇベジータ、ナッパ……」

 

 

 誰か俺の噂してんのかな……と呟くラディッツにナッパは苦笑いを浮かべつつ、ここに来るまでに交わしたベジータとの話を思い出していた。

 

『ラディッツを生き返らすんだな?』

『冗談いうな、あんな役立たずなんぞもういらん』

 

『このまま年老いもせず永遠の命を……ってのはどうだ?』

『……なるほど、そりゃあいいぜ!』

 

 ラディッツと永遠の若い命とを天秤にかけ、表向きはベジータに賛同したナッパだったが─

 

(いやー……ラディッツがいないと、ぜってぇ俺が顎で使われるよな……)

 

 地球に来るまでの道のりでたまたま目が覚めたとき、そんなことを考えていた。

 そのため、地球でラディッツが生きている姿を見たとき─意外と喜んでいる己にナッパは驚いたのだった。

 

 ─生きててホッとしたぜ……これで俺がアゴで使われることはねぇ! 

 

 生きていてうれしい理由がパシリの標的にならなくて済む、ということではあったが。

 ニヤリと笑みを浮かべるナッパは、その横を飛ぶ男の目に気付かなかった。

 

 ─ラディッツを見るベジータの目が恐ろしく冷たいことに。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「やつらがドラゴンボールを隠しているのはここのあたりだ」

「へぇ……なんにもねぇなこのあたりは……」

「人が来ない場所だからこそ隠すのにちょうどいいということか」

 

 ふぅ、なんだかんだ緊張したな……

 無事、合流できそうだ……お、いたいた

 演技はいりまーす! 悟飯気付いても手を振るんじゃない! 

 

「ひぃっ! い、い、いたっあそこ! あそこだ!!」

「あん!? へっ……小さいガキじゃねぇか! ……手を振ってやがるぞ……?」

「なるほど、歓迎してくれているわけか……もう一人は例の……お前が勝てないわけだ……行くぞ」

 

 なんか悟飯が手を振ってくれていたことを挑発行為だととらえてくれたようで、

 内心ホッとした俺は、ベジータたちとともにピッコロと悟飯の前に降り立つ。

 ……ピッコロさん、どうして滅茶苦茶睨んでるの? 

 

「また貴様かラディッツ……今度こそ殺してやる……!」

 

 その手の形って魔貫光殺砲じゃん!!!! 

 え、冗談だよね!? 演技上手ですねピッコロさん!!!! 

 

「オ、オジチャンタチ ナ、ナンノヨウダー」

 

 ─ご、悟飯……いやこの年に演技を求めるのが悪いか……! 

 

「おいおいおい、ご挨拶だなぁ、ぇえ?」

「……なんでガキの方はカタコトなんだ」

「オレニモ ワカラン」

「お前もどうしたラディッツ」

 

 ……ゴホンッ! 

 気を取り直して。

 

「ハァーッハッハッハッハッ! お前たち!! 俺の仲間が来たから今度という今度はハデにオシマイだぜ!!!」

「ヘッ! 雑魚が騒ぎ立てやがって! ドラゴンボールは渡さんぞ!」

「ソ、ソウダー! ワタサナイゾー!!」

 

「な、なぁ、ベジータ……ラディッツのやつどうしたんだ?」

「……地球で馬鹿になったんじゃないか? ……とりあえずあの二人の戦闘力を計ってみるか」

 

 ピピ……

 

「……ガキの方は2000、ナメック星人の方は3000だとよ」

「へっ、それじゃラディッツには荷が重いはずだぜ!」

 

 よしよし、気を抑えてくれているな。

 これなら油断してくれるか。

 

「御託はいい! さっさとかかって来い!」

 

 ピッコロが『俺を睨みながら』言う。

 え……俺ピッコロに何やったっけ……? 

 

「威勢がいいこったなぁ! なぁ俺にやらせてくれよベジータ!」

「ああ、いいぜ」

 

 よし……二人とも大猿にさせるわけにはいかないからな……油断させつついこう! 

 

「だがその前にな」

 

 ガシッ、と俺の腕を掴み、ポイッと上に投げるベジータ

 ─あれ、これって

 

「ベジータ! ラ、ラディッツに何を……!?」

「よく見てろナッパ! これが役に立たんサイヤ人の末路だ!」

 

 ベジータから気が放たれる。

 ─ナッパが処刑されたときのやつじゃないか! 

 

 俺は気に包まれた。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 カッ─ドォオ……

 

 ラディッツが気に包まれ爆発する。

 

「こ、こいつ……自分の仲間を……」

「ベ、ベジータ……流石にやりすぎだぜ……!」

 

 ピッコロと……仲間であるナッパでさえもベジータを信じられない者を見るような目で見つめる。

 

「あいつは地球を掃除できなかった。言ったろ? 役に立たんサイヤ人の末路は─ん……なんだ?」

 

 ベジータのスカウターが上空に反応を捉える。その上空を見上げると─

 

「なっ……!? き、キサマ……!?」

 

 ─なぜ 生きていやがる! 

 

 そこには、消したはずのラディッツがベジータを見下ろしていた。

 

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