ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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優れた自慢の弟に兄如きが勝てると思っているのか? ★17

「流石……流石だソンゴクウ! やはりキサマの身体が私は欲しい!! お前が欲しい!!!」

 

 あちこちに損傷があるにも関わらず、恐ろしいまでの執念でDr.ウィローは悟空と対峙する。

 その執念に薄っすらと寒気すら覚える悟空は、考えていた。

 

(やべぇ……今のオラじゃ、どの技も決め手に欠ける……か、賭けるしかねぇ……『元気玉』に!)

 

 しかし……溜められるのか? と自問自答する。

 

(む、無理だ……ちくしょう……オラが、オラが弱─)

 

「どどん波ーっ!!」

 

 悟空の背後から細く鋭い気が横を通り抜け、Dr.ウィローに着弾する。

 

「これは……ソンゴクウ以外の雑魚か……!」

「天津飯!?」

 

 驚く悟空。

 

「ボクもいる! どどん波ー!」

「俺もいるぜ! 繰気弾!!」

「チャオズ! ヤムチャ!!」

 

 次々とDr.ウィローに放たれる技。

 当のDr.ウィローには効果があるように見えず、

 鋼鉄の身体からは邪悪な微笑みが浮かんでいるようにも感じた。

 

「み、みんな下がってくれーっ! オラがなんとかする! なんとかするから!! オラが……!!」

 

 悟空が悲痛に叫ぶ。誰も死なせたくない。自分以外だと死んでしまう。だから早く逃げてくれ、と。

 

「─その『なんとかする』には時間がかかるじゃろ? 悟空」

 

 肩をポンと叩かれ、その声に悟空は驚く。

 ……自分の師はそのまま話しかけた。

 

「こういうときこそ、頼らんか悟空よ。ワシらは確かに悟空より弱いが、時間稼ぎくらいはできるぞい!」

 

(亀仙人のじっちゃん!)

 

「ただ、これだけは頼むぞ悟空……。あの気に入らんやつに─」

 

 ─どーんと一発、かましたれ! 

 

 そう言い残し、戦いに混ざりに行く武天老師。

 その小さくも大きい背中を見て─

 

(オラ、亀仙人のじっちゃんには……まだまだかないっこねぇなぁ……)

 

 強くはなったが人間としてはまだまだ負けていることに苦笑し、悟空は両手を天に掲げる。

 

「地球よ! オラに元気をわけてくれ!」

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 ─ゴシャア

 

 俺─ラディッツは横っ腹を蹴り上げられる。

 こみあげる痛みをなんとかこらえ、お返しとばかりに相手の追撃をかわして背後に回り、背中を両足で蹴り飛ばし距離を取る。

 

「げほっごほっ……やるな、ベジータ」

 

 蹴り飛ばされた先で血が混じった咳をしながら、俺はベジータを睨みつける。

 前世では多分こんなこと経験しなかったが、不思議と恐怖を感じず戦えていた。

 サイヤ人の血か? これが……。たしかに口の中にサイヤ人の血を感じるが……。

 

「貴様とは『格』が違うからな……だが」

 ペッと口から血を吐き出しながらイライラした様子でベジータが続ける。

「このベジータ様に気高き血を流させやがって……代償は重いぞ!」

 

 なるほどな、たしかに強い。

 

「……そんなことか」

 

 ─だが。

 

「そんなこと、だと……!!」

「その程度で取り乱して、自分を見つめ直したり周りを見ないお前は」

 

 ─俺には勝てんよ。

 

 そう言い切ったらベジータのこめかみに青筋が浮かんだ。

 あんなにきれいに浮かぶんだ、きれー。

 サインもらいたいね。サインどころか死因になりそうだけど。

 

「そんなに死期を早めたいのか! ……いいだろう……死ね!!」

 

 ベジータはそういうと頭上高くに飛びあがり、両手を腰にもっていって構えを……いや待て……アレは!? 

 

 ─なるほど、ここでそれを出すか。

 それならばこっちもこれで返さねば……不作法というもの……。

 

「……技を借りるぞ、カカロット!」

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「ギャリック砲!!!!」

 ベジータの構えた両手が前に突きだされ、そこから紫のエネルギー波がラディッツに向かってほとばしる。

 

「このまま地球もろとも宇宙のチリになりやがれー!!」

 

 ─勝った。誇り高き俺には勝利以外はないのだ!! 

 

「ドラゴンボールはどうせナメック星に行けばある! こんな星のを無理に手に入れなくても!!!」

 

 ふと、ギャリック砲の矛先にいるラディッツが……構えているのを見た。

 

「かめはめ破──ーッ!!!」

 

 ─バチッ

 ─バチチッ

 

 ギャリック砲とかめはめ破がぶつかり合い、拮抗する。

 

「お、俺のギャリック砲とそっくりだとぉ!」

「ぐっ……流石ベジータだ!」

 

 ─ぐぬぬぬぬ! 俺の全力を込めているのになぜ貫けない!! ……だが、確実に押している!!! 

 

「ベジータ! もう一つお前が勝てない理由を教えてやろう! よく見てやがれ!!」

 

 ラディッツが声を上げる。そして─

 

「界王拳……2……いや、ハデに3倍だ!!!」

 

 ─ギャオッ

(ば、バカな、俺のギャリック砲が!?)

 

 ラディッツが赤いオーラに包まれ、ベジータのギャリック砲がかめはめ波に飲まれていくように押され始め、そして─。

 

(誇り高いサイヤ人の! こ、この俺が死ぬ!? ここで!? こ、こんなサイヤ人の面汚しごときに!? い、いやだ! 嘘だ! いやだ!! くそったれ!!!)

 

 ─ドォッ

「う……うわぁああ──────!!!!」

 

 かめはめ破の波動に包まれ、ベジータは空高く登って行った。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「ハァッ……ハァッ……界王拳の負担はやはりすごいな……仙豆が欲しい……」

 

 ラディッツは、手元にないチートアイテム『仙豆』を思う。

 ここに来る前のカリン様との会話を思い出す。

 

『二粒あったはず……なんじゃが……一粒しか見つからんのじゃ』

 その一粒を武天老師様に預け、ここへ来たが……。

 

(二粒あったはずの─もう一つの仙豆はいったいどこにあるんだ?)

 

 見つからない一粒の『仙豆』に、少し胸騒ぎがするラディッツだったが、

 乱れた呼吸を整えることに専念するため、頭からそれを追い出した。

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