ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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ナッパ「これが元気玉だぁああ!!!」(カッ)

フリーザ「し、視界が……!」
悟空「なんも見えねぇ……!」

ナッパ「これで最後だぁあああ!!」
フリーザ「ちくしょーぉおおお!!」
悟空「うわぁあああああ!!」

=====
ウィッグは必要ですね。


優れた自慢の弟に兄如きが勝てると思っているのか? ★21

 筋斗雲に乗って移動する悟空の顔は険しかった。

(た、たのむ……急いでくれ、筋斗雲……!)

 

 悟空は今、一人で飛んでいた。

 皆の制止を振り切り、一人で筋斗雲に乗り、もう一つの戦場へと急いでいた。

 

(身体はほぼ動かねぇ……けんど……)

 

 悟空の身体は先ほどのDr.ウィローとの死闘により、気を使い果たした状態だった。

 それでも悟空には、無理にでも動く理由があった。

 

(兄ちゃんが死んじまったら……2回目なんだ……!)

 

 揺るがない真実に怯える。

 

(も、もうドラゴンボールで生き返ることが……)

 

 ──できねぇんだ! 

 

(頼む筋斗雲! オラは兄ちゃんがいないと──)

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

(お、おおー……できるもんだ、な……げ、元気玉……)

 

 そう、俺の手のひらに浮かぶ小さい玉は元気玉。

 やってみっかの精神で試したら元気玉作りが成功しました! おすすめです! (約30歳 サイヤ人男性のコメント)

 

 心が善なものなら使える元気玉ではあるが、俺は悪が混じっている。

 なので作り方だけ界王様に教えてもらっていたのだが、ふと思いついたのだ。

 ──悪いが元気をいただくぞの精神であれば、悪の心を持つものでもできるかもしれない。できた。

 

 サンキュー前世で遊んだドラゴンボールゲームのセル! 

 この世界でも悟飯にぶち消されてくれよな! 

 

「お、おい、なんだよこりゃあ……!」

 

 ナッパがこの光の玉に驚いている。

 俺が元気だったら初日の出とかやりたかった。

 

「げ……元気玉……というやつだ……う、ぐ……」

「お、おいラディッツ!?」

 

 かろうじて留めている視界がぐらりと揺らぐ。

 なんとか気を入れなおし、意識を取り戻す。

 

(ま……まだ、死ぬわけにはいかん……)

 

「な、ナッパ……ピッコロを呼んでくれ……」

「あのナメクジだな?! わかった!」

 

 ナッパがピッコロの下へ向かおうとする。

 

「ま、まて……」

 

 再び俺のもとにくるナッパ。

 このあとの行動に失敗したら……。

 これが最後の会話になるかもしれんや。

 

「な、ナッパ……」

「なんだ!?」

 

 色々と、伝えたいことがある……が俺はこれだけを伝えた。

 

「べ、ベジータを……」

 

 

 ──頼む。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「悟飯! ヤジロベー! あの野郎から必ず距離を取れ! 近付かれたら回避と防御に徹して隙を見て離れろ! 気弾をうまく使え!」

「は、はいっピッコロさん!」

「お、おれ気弾得意じゃねんだけども!」

 

 対ベジータと向き合いながら指示を出すピッコロ。

 ヤジロベーのことは無視して考え始めた。

 

(今の俺たちでは勝てない!)

 

 勝てる見込みは二人。

 微かだが感じる悟空を待つか、それとも……。

 

(死人に期待するしかないのか……)

 

 ピッコロはラディッツが死ぬであろうことを直観で理解した。

 いや違う。あいつはもう──肉体的に死んでいる。

 魂だけが肉体にとりついているような状態である。

 

 ベジータの攻撃を避けながらピッコロは考える。

 本来であれば命取りとなる行動だが、疲れなのかベジータの動きが悪い。

 大振りで隙だらけなのだ。

 

(あいつは……なぜここまで戦った?)

 

 ラディッツとの出会いは最悪だった。

 一方的な蹂躙を受け、殺す対象であった悟空との共闘。

 冷酷で非情で小心者─そういう印象を持つ男。

 

(なぜここまで守ろうとした?)

 

 そんな男を味方として悟空から紹介されたとき、気でも触れたかと悟空に詰め寄ったことを覚えている。

 だがアイツは──甘っちょろかった。自分でも腹が立つほどに居心地の良い甘さだった。

 

 ここまで考えて、ピッコロは悟った。

 シンプルな答えだったのだ。

 ラディッツが身を挺する理由、それは。

 

 ──孫悟空の兄、だからか

 

 ふと自分がラディッツに呼ばれているような気がした。

 見るとナッパがこちらへ近づく。

 

 ああ……腹が立つ。

 ──死ぬな、と無駄な願いを……よりによって神に祈っている自分に。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

(俺はサイヤ人の王子ベジータだぞ!!)

 

 ベジータは冷静さを欠いていた。

 本当であれば、もうすでに自分はドラゴンボールを手に入れ「不老不死」を手に入れていたはずである。

 

 それが今はどうだ。

 自分よりも明らかに格下なガキ、デブ、そして緑ハゲから変わるように元部下のハゲに翻弄されているのだ。

 近づいて殴ろうとしたら何故か避けられ、距離を取られる。

 一気に詰めると横から蹴りや気弾が飛んでくる。

 

(ただのアリンコどもに恐竜が負けるはずがない!!)

 

 自分は誇り高きサイヤ人なのだ。

 何度だって言う。この誇り高き血の前には──例え誰であろうと邪魔をするならば排除するまで。

 

「魔閃光!」

 

 背後から声とともに何か放たれる音が聞こえ、舌打ちをしつつ避ける。

 その途端、ただの気弾が顔面に当たる。

 その方向を見ると眩しい筋肉ハゲがニヤついていた。

 

 ベジータにとってその攻撃は、蚊に刺された程度の痛みでしかない。

 

(ハラワタが煮えくりかえる……!)

 

 その感情はさらに掻き乱されることになり、そして……。

 

「ちまちまちまちまといい加減にしやがれ貴様らぁー!」

 

 自身にも多少傷を負うが、気を爆発させ周囲を吹き飛ばす技『爆裂波(原作ではずあっ!!)』を──

 

「ここをてめぇらの墓穴にしてやるぜ!!!!」

 

 感情と共に解き放った。

 

 ──いや、解き放とうとした。

 

「がっ……がは……!?」

 

 突如、腹部に重たい一撃を受け、くの字で苦悶するベジータ。

 

「その墓穴は……貴様の墓か?」

 

 プルプルと震え、殴ってきた男をベジータは見た。

 

 

(ば、馬鹿な……)

 

 

(あ、ありえない……アイツは……アイツはもう死んでいるはず──)

 

 

 

 

 

 

 

 ラディッツ──!




ラディッツがなんで動けてるのかは次回。

劇場版とか見られている方ならあれか?とか思うかもしれない。
今時点でできるとかやばくね?とかになるかもしれない。

そんな意見に太陽拳!
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