ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~ 作:ナッパにウィッグを。
ピッコロ大魔王がピッコロ大魔王でピッコロ大魔王にピッコロ大魔王でしたね。
ふと、目を覚ました。
「知らない天井……いや空、だな……」
俺は……たしか……。
あーベジータに一撃を入れようとして……
そうそう、元気玉の効果が切れて死んだ……。
ここはどこだろうな……あの世か?
「ほ……っと!」
勢いをつけて立ち上がる。
いやあの世かここ?
そんな雰囲気でもない。
なんというか……。
どこか、見たことある気がする。
「知っている空だったか……」
俺は知っているぞ、この場所を……。
何故だろうな。
近くにあった岩に腰掛け、目をつむる。
──たぶん、ここは。
在りし日の、ラディッツの記憶にある惑星ベジータ──。
◇◇◇◇◇
「伯父さん……ねぇ、お、起きてよぅ……! お……おねがい……! 死なないでよぉ!! 針千本なんて飲まなくていいから……! だから目を開けてよぉ!!!」
──大好きな伯父さんの腕に抱きつき、泣きじゃくる甥っ子、悟飯。
「ら、ラディッツ……! てめぇ……死にかけて生きて死んでふらふらしてんじゃねぇ!! 生きることに専念してろよ、弱虫のくせに……!!」
──仲間として男泣きするダチ、ナッパ。
「………………」
──呆然と元部下の亡骸を見つめる王子、ベジータ。
そして──。
「兄ちゃん……!!」
──兄の安らかな顔を見つめ、涙を頬にこぼす弟、悟空。
(これ……おれの仙豆のせいだったり?)
──遠くで見ていて冷や汗をこぼす肥満児、アルマジロ。
あとには沈黙という膜が場を包んだ。
「──くだらん」
沈黙を破る、吐き捨てるような声がした。
先程まで震えていたベジータだ。
今はすでに立ち上がり、腕組みをしてラディッツの亡骸を見ている。
「──なんだと?」
その言葉にピク、と反応するように悟空が立ち上がる。
怒りが込められた言葉を吐きながらベジータを真正面に捉える。
「『くだらん』と言った!」
「……何が、くだらねぇ」
「たった一人のクズのために泣くのが、だ」
その瞬間、悟空は物凄い速さでベジータの目の前に走りよりそのまま右手で殴ろうとする。
──が。
「……!」
殴りをかわされ、ベジータからその右腕にカウンターを食らう。
──ペキィ、と嫌な音がした。
「ぐぁああぁあ!!」
「おっと……右腕の骨が折れたな、寝かせてやろう」
言うが早いか、蹴りを放ち悟空の左足、右足を圧し折る。
「この野郎! ベジータ!!」
ナッパがベジータに殴りかかるが──
「戦場では見極めんと生き残れんぞナッパ!」
「いがぁあああ!!」
ナッパの攻撃をかわし、両肩に手を置き握り潰したあと蹴り飛ばす。
「ちっ……これがあの『弱虫』が守ろうとしたものなのか? 脆すぎてあくびが出るぜ……クズにはクズどもがお似合いということか……。ん?」
「うわぁああああぁ!!」
ベジータのその言葉に何かが切れた悟飯が今度は殴りかかる。
だが──
「ほう、重さだけはあるな……だがそれだけだ」
「んげっ!」
手のひらでパンチを受け止め、ニヤリ──と笑みを浮かべたあと、お腹を蹴り飛ばす。
吹っ飛んでいった悟飯は岩に叩きつけられる。
ガラガラと岩が崩れ、埃が舞う。
「……く、クズじゃ、ない!」
悟飯は懸命に痛みを堪え、小さい身体を奮い立たせる。
「お父さんも、ピッコロさんも、ナッパのおじさんも……クズじゃない!」
「……」
追撃をせず、その言葉を静かに聞くベジータ。
「伯父さんも……ラディッツの、伯父、さん、も……クズじゃ……!」
「ふざけるなよ!」
ラディッツの名前を出した途端、声を荒げてベジータは叫んだ。
「あいつが一番のクズだ!! あいつは!!! あいつは!!!!」
「この俺から『勝ち逃げ』しやがった!!」
「頭にくるぜ! 自分より弱いクズをかばい!! 俺を叩きのめしたうえで、勝手に死に逃げするだと!?」
ベジータは天を見上げ、叫んだ。
「ふざけるなよ!!!!!」
「く……狂ってる……!」
悟飯はそうつぶやき、ブルッと震えた。
「……この星のドラゴンボールはどうでもいい! てめぇらを殺してナメック星に行き、ドラゴンボールを使ってやる! 本場ならさらに強力だろうからな! ……!!」
ベジータは冥土の土産とばかりに喚き散らしていたが、ふと背後から何かを感じ、飛び上がった。
──元気玉が、飛び上がったベジータの真下を通っていった。
◇◇◇◇◇
テクテクと惑星ベジータを歩く。
「ふーむ……」
これが故郷か……。
しかし、建物とかあるのに……誰ひとりいないなぁ。
これは多分、幻影か幻覚か、または走馬灯の類に近いんだろうか。
そっと地面を掴み、サラサラと零す。
「血塗られた惑星、か」
天を見上げる。
「はぁ〜……」
俺はため息を吐く。
その勢いでポツリと呟く。
「もっとうまくできなかったのかなぁ……」
「ケッ……辛気臭い顔しやがって……それでも俺のガキか?」
背後から声が聞こえる。
突然な声にも関わらず……俺──ラディッツは驚かなかった。
振り返り、まるでわかっていたかのように自然と言葉が口から出ていた。
「ああ……親父ぃ……」
自分から出た声は、嬉しさと懐かしさに震えていた。
──懐かしいなぁ……
この作品をお読みいただき、ありがとうございます!
以下は個人的な話です。
私は某笑顔動画で動画投稿してる人なんですが、
動画作成をするうちにふと文章力を鍛えたいなと思い、
匿名機能を使ってこちらのハーメルン様に
投稿をさせていただきました。
初めての二次創作作品であり、自分の脳内をリアルタイムで吐き出しているものにはなりますが、
予想を超えたたくさんの皆様にお読みいただき
本当にびっくりしています。
改めて、改めて誠に感謝いたします。
これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
──太陽拳。