ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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何故か毎日投稿してましたが、その日その日にどういう話にするか考えて書きあげてるので色々と大変なことに気が付きました(今更)

無理せず投稿していきます。


閑話 〜天使と悪魔 その③〜

 ──東の都の病院

 

「寝てしまいましたね……子供の寝顔は宝だ……」

「そうだな……」

 

 手術室の前のベンチでは、悟飯とビーデルが、病院から借りた毛布にくるまって眠っている。

 男はビーデルの寝顔を慈しむような顔で覗き込んだあと、壁によりかかっているラディッツへ近寄った。

 

「……あの、えっと……」

「ラディッツだ……自己紹介がまだだったな……名前を知らないより知った方が声をかけやすいだろう」

「ああ……! た、確かにそうですね……。私はマーク……格闘技を少々やっておりまして……そちらではミスター・サタンと呼ばれております」

 

 ちょっと自慢気に話しながら手を差し伸べるサタンを見て、ラディッツは(ああ、あのサタンだ)と考えつつ、その手を握り返した。

 

「いちちちち!!? や、やはり、つ、強いですね……」

「す、すまん、ちょっと手加減をミスってしまった……」

「い、いえいえ……ははは、あなたみたいな人もミスするんですね……おーいたたた……」

 

 そのとき、手術室とかかれたランプが消灯した──

 

 ラディッツもサタンもそのランプが消えた「手術室」の扉をじっと見つめていた。

 静かに、祈るように。ただ、ただじっと。

 

 しばらくして、中から疲労困憊といった様子の医師がでてきた。

 

「せ、先生……妻は……ミゲルは……!?」

 

 出てきた医師にしがみつくようにすがるサタン。

 医師は少しよろめくが、しっかりと地面を踏み、結果を報告する。

 

「マークさん……手術は──」

 

 ──成功しました。奥様は無事です。

 

 その言葉を聞くやいなや──

 

「ほ……ほ……や……よよ……やっやや……」

「……マーク、医師が困ってるぞ…………よかったな、本当に!」

 

 へなへなと先生を掴んだままへたり込むサタンを片手で掴み上げ、しっかり立たせたラディッツの顔には喜びの表情が浮かんでいた。

 医師はラディッツの力に驚いていたが、見なかったことにしたらしい。

 そのまま、サタンへ説明を続ける。

 

「今回の手術は……マークさん、医師としてお恥ずかしいお話ですが……奥様が助かったのは『奇跡』に近いですよ」

「ほぇ……?」

「そうなのか……たしかに血はたくさん流れていたが……」

 

 まだ状況の把握ができていないのか、サタンは心ここにあらずと言った様子であったので

 ラディッツが代わりに医師へ返事をした。

 

「ええと、確かに血がたくさん流れていましたが……すぐに病院へ駈け込んでいただきましたので問題ありませんでしたよ。あと少し遅かったらまた事情は変わっていたかもしれませんね」

 

 それよりも、と医師は続ける。

 

「奥様は……何発も撃たれたんですよね? ……そのすべてにおいて、致命的なものはなかったんですよ。流石に、多少の傷はお身体に残るとは思いますが……」

「な、なんと……」

「……奥様の名前はミゲル……天使を模した名です。……もしも私が医師でなければ、こう言ってましたよ」

 

 ──天使様がお守りしたのだ、とね。

 

 今後の入院の段取りなど細かいところはまた看護士から……と言って医師は去っていった。

 

「ラディッツさん……」

「ああ」

「ミゲルは……妻は、助かったんですよね」

「そうだ」

「ラディッツさん……こ、ここここここ、これは……夢じゃ、ないですよね」

 

 涙と鼻水を垂れ流しながら震える声で確かめるサタンに、ラディッツは笑って提案する。

 

「ああ、頬をつねろうか?」

「いいいいいいいい、いえ大丈夫です、頬が無くなっちまう……」

「しっかりしろマーク……、はやく娘に教えてやれ」

「ああ、そうだった! ビーデル、ビーデル!!」

 

(助かってよかったな、サタン……しかしこの後、どうなるんだか)

 

『原作』との圧倒的な違いに苦笑いを浮かべるラディッツであった。

 それでも、人が死ぬより生きて幸せになる方がいい──

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「よかったね、ビーデルちゃん! 本当によかったぁー!」

「うん、うん! ママ……助かってよかったぁ……」

 

 悟飯は自分のことのように喜び、ビーデルは安堵の表情を浮かべている。

 

「……これも悟飯くんたち『天使様』のおかげね、本当に、ありがとう!」

 

 悟飯は『天使』という言葉を聞いて、閻魔様に謝ることにした。

 

「あのねビーデルちゃん……僕たち、実は『天使様』ではないんだ……ごめんね……」

 

 その言葉を聞いたビーデルは、悟飯に微笑みを浮かべる。

 

「……悟飯くんが『天使様』じゃなくても……わたしがお祈りしたら現れて助けてくれた君は──」

 

 悟飯の手をそっと両手で包み、頬を紅潮させ、恥ずかしそうに目を伏せる。

 

「わたしにとって……一番の『天使様』、だよ?」

「……そ、そっか……えへへ……な、なんだか恥ずかしいなぁ……」

 

 悟飯も顔を真っ赤にして、照れ笑いを浮かべていた。

 

「ね……悟飯くん、そろそろ帰っちゃうんだよね……また会えるかな……」

「……う、うん……きっと、また会えるよ!」

 

 寂しそうなビーデルの言葉に対し、地球の命運を賭けた戦いに赴く予定の悟飯は何とも煮え切らない返事を返すことしかできなかった。

 が、ビーデルはそんな悟飯をキッとにらみつけ、両手で包んだ悟飯の手をぎゅっと力強く握りしめた。

 

「『きっと』じゃダメ! 『絶対』また会えるって約束して! ……じゃないとわたし……この手、離してあげないもん……!!」

「ビ、ビーデルちゃん……。うん、わかったよ! 必ずまた会いにくるよ! 約束するよ!!」

「……必ずだよ、悟飯くん! ……指きりげんまん──」

 

 ──将来、『おしどり夫婦』と呼ばれることになる二人の出会いなのであった。

 

 

 

 

 

 

「……ラディッツさん、あなたの甥っ子……なんだか、みょ~~~~~おにうちの娘と仲がいいですなぁ……?」

「……あまり嫉妬するなよマーク。……過保護なパパは娘さんに嫌われるぞ」

「むむむ」

 

 自分の娘と仲が良い悟飯に父親らしい嫉妬を向けるサタンに、ニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべるラディッツ。

 

「……とと……と、そうだラディッツさん……そろそろお別れですね……」

「思い出したかのように言うな……すまんな、もっと長くいてやりたいんだが、俺たちも大事な用事があるからな……」

「いえいえ、そんなそんな……」

 

(地球の命運がかかっているからな)

 ラディッツはその思いを飲み込んだ。

 

「ゴホン……私と娘の命だけではなく……妻の命もお助けいただき……本当にありがとうございます!」

 

 ラディッツに深々とお辞儀するサタン。

 

「『悪魔』に『天使』が微笑んだだけさ……俺が言うと似合わんなこんなセリフは。……頑張れよ、マーク……そろそろ行くぞ、悟飯!」

「はい! ラディッツさんもお元気で!」

 

 ふわりとラディッツと悟飯は身体を浮かせる。

 

「ばいばい! マークさん、ビーデルちゃん!!」

「悟飯くん! 絶対にまた会おうね! 絶対だよ!! あっラディッツさんも!!!」

 

(ついでみたいに言われたぞ俺……)

 がくっと落ちそうになったラディッツであった。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「見えなくなっちゃったね、パパ」

「そうだな……ビーデル……あっ!!」

 

 ラディッツと悟飯の姿が視認できないくらいに遠ざかったとき、サタンは気が付いた。

 

「し、しまったぁー! ラディッツさんにどこに住んでいるのか聞くの忘れてた!!」

 

(妻の容態が落ち着いたら、相談したいことがあったのに……オヨヨヨヨヨ……)

 

 がっくりと言った様子で落ち込むサタンに、娘のビーデルは「にひー」と笑顔を見せて一枚のメモ書きを渡す。

 

「ふふ、パーパ! ラディッツさんから、こんなメモもらってるんだーわたし! あげる!!」

「ら、ラディッツさんから……? どれどれ?」

 

 そこにはこう書かれていた。

 

 ────-

 マークへ。

 

 今は奥さんのことでいっぱいいっぱいだろうから、

 メモに残しておこうと思う。

 

 もし俺に会いたくなったら、『カプセルコーポレーション』をたずねてこい。

 ……ブリーフ博士やブルマが俺に連絡をいれてくれるはずだからな。

 

 お前の友達、ラディッツより。

 

 追伸:待ってるぜ、『世界チャンピオン』

 

 ────-

 

「……はぁ……何もかもお見通しってやつですかラディッツさん……必ず、会いに行きますよ! 友達として!!」

 

 空へ向かって、ラディッツへ向かって叫ぶサタン。

 

「あ、見てパパ!」

 

 ビーデルがそんなサタンに呼びかけ、別の方角の空に指を向けた。

 その指の先をみたサタンはおお、と感嘆の声をこぼす。

 

「虹!」

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「ふぅー……流石に眠いな……悟飯は大丈夫か?」

「僕は少し寝たから大丈夫だよ! ……ねぇ伯父さん」

「んー、どうした悟飯ー」

 

 目をこすりながらラディッツは、少し不安そうな顔の悟飯に返事をした。

 

「……僕、ビーデルちゃんに会えるかな……」

「カプセルコーポレーションの場所に来いってメモを残したから大丈夫だと思うが……」

「そうじゃなくて……このあとの戦いで、僕……死んじゃったりしないかな……」

 

 意気消沈している悟飯の頭をラディッツはくしゃくしゃと撫でた。

 わわっ、と慌てる悟飯を見て、ラディッツは微笑みながらこう言った。

 

「お前は俺と……そうだな、ピッコロも守るから安心しろ、悟飯!」

「う、うん……でも……伯父さんもピッコロさんも死んじゃだめだよ?」

「……死なないさ、俺もピッコロも……そんなに心配か?」

 

 悟飯はちょっと考え、ううん、と首を横に振る。

 そして思いついたようにラディッツの手を握った。

 

「じゃあ、伯父さん約束して! 必ず生きて僕のドリルとか見て勉強教えてくれるって!!」

「ん!? お、おう……わかった……」

「かならずだよ! 嘘ついたらはりせんぼんのーます──!!」

 

 ──指切った!




今思ったんですけど、ここから本編に戻ってラディッツの死で曇りそうな人多くない?!
だれだよこんなふうに書いたやつ!





俺だわ……
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