ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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閑話の書き方を結構変えてみたりなんだりいろいろとうんうん唸っていましたが、
色々試してみた結果、しっくりくる戦い方が見えた気がします!
……多分だども。

ナメック星、開始します。


弟はナメック星へ 兄はあの世へ 強敵は地球へ ★1

「悟空さ! あんれまぁ……こ、こんなひどい姿になって……でも生きててよかっただ……悟飯ちゃんもこんな傷だらけに……怖かっただな……」

「チ……チチ…………」

「お母さん……ぐすっ……」

 

 飛行船が着陸すると、チチは真っ先に降りて悟空と悟飯のもとにすっ飛んで行った。

 自分の愛する夫が生きていることに安堵し、同じく愛する息子を抱きしめた。

 

「よしよし……もう大丈夫だべ……」

「……チチ……」

「う……、……ひ……く、うっ…………」

 

 抱きしめた悟飯の背中を優しく撫でつつ、チチはふとラディッツの声が聞こえないことに気が付いた。

 何気なく、そのことを口にする。

 

「悟空さ、悟飯ちゃん……ラディッツさは、どうしただ?」

 

 ──場の雰囲気がとたんに重苦しいものになる。

 

「! ……兄ちゃんは……チチ……兄ちゃんが……!!」

「……う、あ、……うわぁあああああん……お、お、伯父、さんは……僕を……かばって……!!」

 

 その二人の様子を見たチチはまだ、ラディッツがどうなったのかわからなかった。

 いや、わかろうとしなかったのだ。

 無事であると、信じたかったのだ。

 

「……兄ちゃんは……死んじまった……」

 

 悟空の声が響く。頭の中で、無情にも繰り返される。

 

(ラディッツさがどうしたって? 死んだ……?)

 

 あの愛する夫の頑張りぶりを、まるで自分のことのように自慢する義兄が──

 自分や夫とは違う視点から悟飯を気にかけ、一緒に過ごしてくれた義兄が──

 義理の妹であるヒステリックな自分に対し、根気よく相談に乗ってくれた義兄が──

 

 ──死んだ……? 

 

 一瞬、気が遠くなりそうになる……が、チチはグッとこらえた。

 

(……オラがしっかりしねぇでどうすんだべ! しっかりしろチチ! 悟空さや悟飯ちゃんはそれ以上に悲しいはずだべ!)

 

 しかし……なんとか元気づけようと言葉を探すも、二人にかけるべき言葉が何も出てこない。

 すると……。

 

「……オラ……慢心してたのかもしれねぇ……チチ……」

 

 悟空が曇っていく。

 ──やめるだよ。

 

「オラ……兄ちゃんと同じくれぇ強くなって……大丈夫だって思ってた……」

 

 ──悟空さ やめるだ。

 

「……オラ、オラがわりぃんだ……オラが弱かったか──」

「……歯ァ食いしばるだよ、悟空さ」

 

 バチンッ! 

 

 悟空の横っ面から弾くような音が聞こえる。

 チチが思いっきりビンタした音だった。

 

「チ……チチ……?」

「悟空さは馬鹿だべ! 大馬鹿もんだべ!!」

 

 バチン! とまた悟空の横顔にビンタが飛ぶ。

 

「誰が悟空さが悪いって言っただか!? 誰が、誰が、弱いから悟空さのせいだって言っただか!?」

 

 バチンと悟空にビンタが飛ぶ。

 

「オラの旦那様は地球のために頑張っただ! 自慢の息子も頑張っただ! ラディッツさも命をかけて頑張っただよ!」

 

 バチン! 

 

「わりぃのはラディッツさを殺したやつだけだべ! それともオラ自慢の旦那様は罪があるって言うだべか!?」

 

 バチン! 

 

「ラディッツさなら背負ってただろな! なら代わりにオラがその罪背負ってやるだべ! ……悟空さよりうーんと強くなって背負ってやるだべ……! だから……」

 

 バチン……

 

「一人で苦しまないで欲しいだ……悟空さ……」

「チチ……! ……すまねぇ……オラ、また抱え込んじまった……」

 

 何度もビンタしていたチチの手に、悟空の折れていない側の手がそっと重なる。

 そのチチの手の平は、自分よりはるかに強い悟空を何度も本気でひっ叩いたおかげで、真っ赤に染まっており痛々しかった。

 

(謝るのはオラもだよ悟空さ……息子のいる前で夫にビンタするなんて、母親としても妻としても失格だべな……)

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「……だ、誰か知らないけど大丈夫か、アンタ……」

「へ……へへ……初めまして、だから知らねぇのも当たり前だぜ……」

 

 ナッパは、自分の姿におっかなびっくりといった様子で近づいてきたクリリンにそう答えた。

 

「……クリリン、そいつは元は侵略者だ……ラディッツがこいつをおかしくしやがった」

「えっ、ラディッツが言ってた二人の片割れってことか!? お、おかしく……?」

 

 ピッコロがクリリンによくわからない説明をし、クリリンもよくわからないといった表情でそんなピッコロを見つめる。

 

「……おい、緑ハゲさんよぉ、直球で言わんと伝わらん言葉もあるんだぜ? ナメック星人のくせにそんなこともわかんねぇのか?」

「黙れサイヤハゲ。髪と一緒に脳まで抜けたか?」

「てめぇこのや……あいててててて!!!」

 

 自身の身体の状態を忘れて動こうとした結果、激痛が走りそれ以上言い返せなかった。

 

「よ、よくわかんないけど悪い奴じゃないってことはわかったよ……えぇと、俺の名はクリリンっていうんだ」

「お、おお……俺の名前はナッパ……みっともねぇ姿でわりぃが……よろしくだぜ、クリリン」

 

(このハゲはハゲなのにまともなハゲっぽいな)

 

 自身のハゲを棚に置いてそんなことを考えつつ、そういやメディカルマシーンとかこの星にあったら便利なのにな……と考えるナッパだった。

 

「とりあえず飛行船に運ぶから……痛いだろうけど我慢してくれよ? 天津飯、手を貸してくれるか?」

「了解した、クリリン」

「へへ……今もいてぇから変わんねぇさ……ありがとうだぜ、クリリン」

 

(またハゲが増えたぞ。地球人って……ハゲ多くね?)

 

 

 

「こんなサイヤハゲ、蹴り飛ばして飛行船にいれればよかろう」

「てめぇ身体が治ったら覚悟してろよ緑ハゲ!」

 

 ピッコロがまたもや憎まれ口をたたき、ナッパもそれに応戦する。

 

「……あ、あのよー……剃ってるとはいえ俺もハゲだから少し傷付くんだけど……」

「………………俺は生まれついてのハゲだが……」

「……わりぃ」

「……すまん」

 

 新たに重たい沈黙が、この不毛な大地に宿った──。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「……」

 

 悟空とナッパ、ピッコロ、そしてアルマジロを加えた飛行船の中は、勝ったにも関わらず重い空気が漂っていた。

 戦死者は一人。たった一人なのだ。

 その一人に、皆、最近は心を動かされてきた。

 

 ──ラディッツ。

 

 彼の遺体はブルマの父親の会社で保管することになった。

 ……去り際にベジータが言っていた、ナメック星へと行くために。

 

「ナメック星、か……ピッコロの故郷になるってことか?」

「……俺は地球で産まれたからな、存外、感慨深くないかもしれん」

 

 方法はどうする? 誰がナメック星へ向かう? そういった会話をする皆の話を、悟飯は碌に聞いていなかった。

(お母さんはベジータが悪いんだって言ってたけど……。それでも、僕がもっと強ければ伯父さんは約束を破らなくて済んだんだ……)

 

 終わりのないどろりとした思考が、悟飯の心を包み込む。

 僕は強くないから。もっと強くならなきゃ。もっと。もっと。もっともっともっともっともっともっとも──

 

「──……はん……おい、悟飯!」

「はわっ!? ぴ、ピッコロさんどうしたの大声だして」

 

 自分の師であるピッコロの大きな声に驚き、悟飯はビクッとちょっと飛び上がった。

 

「何度も声をかけても反応がないからだ……よからぬ思考にでもかられたか?」

「う……」

 

 ピッコロはふん、と鼻を鳴らして続けた。

 

「まぁいい……ラディッツから預かったお前宛の遺言があるが、聞くか?」

「……伯父さんからの?」

「『俺が死んだことを自分のせいだと思うな、お前がやりたいように生きることが俺の望みだ……約束を守れなくてスマン』だとよ」

 

 ──僕がやりたいように……

 

「そういやナッパ、お前も宇宙船に乗ってやってきたんだよな? それを使えばナメック星に行けるか?」

「ああ、行けるぜクリリン……だが、これは一人専用のポッドなんだ……さすがにベジータがいるであろう星にそれで乗り込むのは危険だぜ」

 

 ──僕がやりたいこと……

 

「……その宇宙船、あとで私の家に運んでくれる? パパにも相談してみないとだけど……改造してみるわ」

「お、おい人様の船を……いや、まぁいいか……」

「うーん、そんならオラがちっちぇえ頃に乗ってきたかもしんねぇ宇宙船とかもつかえっかもな……! 兄ちゃんのは……あー……壊れているかも知んねぇけど……」

 

 ──そんなの、決まってる! 

 

「あの……いいでしょうか?」

 

 悟飯は少し大きめに声をあげた。皆の目線が悟飯に集まる。

 

「どうしただ? 悟飯ちゃん?」

「あ、うん……えっと、ナメック星に行く人って決まったんですか?」

「その件は、いったん保留となっているが……おい、悟飯! まさか……」

 

 ──伯父さんを生き返らせたいんだ! 

 

「……僕は、ナメック星に行きます! 行かせてください!」

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 ──界王星

 

 

「界王様」

「なんじゃ」

 

 飛行船の様子を界王様を通してみていた俺──ラディッツは困惑していた。

 

「なんで皆、俺のことでそんな躍起になってるんだ……?」

 

 なんだバブルスくんその顔は。

 何か文句があるならいいたまえ! 

 

「お前マジか……」

 

 界王様も頭を抱えてる。なんで? 

 

 

 

 

「……天然の人たらしは厄介なもんじゃのー」

 

(誰のことだ、人たらしって……、ミスターサタンか?)




ドラゴンボールスパーキングゼロでなんか指が筋肉痛おこしてます。
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