ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~ 作:ナッパにウィッグを。
ええ、皆さん私の思惑通りにツッコミを入れてくださったようで何よりですよ、ほっほっほっ(震え声)
「おいターレス」
「……なんだ?」
夕飯後、ユーリンとターレスは二人一緒に炊事場で後片付けをやっていた。
この時間は弟子同士での会話で結束を高められるとかなんとかとってつけたようなことを口実に鶴仙人と桃白白がサボっているからだ。
──まぁ実際にそうなってはいるのだが。
「さっき、何考えてたんだ?」
「さっき……?」
「ほら、桃先生に服を頼んだあとくらいの話だよ……なんかお前……なんというか寂しそうだったぞ」
ああ……、とターレスは皿を拭いていた手を止める。
なお、最初の方は力加減がわからず10枚中5枚くらい割っていた皿拭きも今や10枚中ほぼ0枚に抑えていた。
「……俺ァ、今がすごく楽しいんだ」
「…………」
同じ様に皿を洗う手を止め、ターレスの話をユーリンは待った。
「鶴師匠は胡散くせぇジジィだし、桃先生もずる賢いジジィだけどよ……でも何だかんだこの俺を気にかけてくれるのがわかってんだ。お前もこうやって、わざわざ俺のくだらねェ話を聞いてくれるしよ」
(ターレスのやつ、鶴師匠と桃先生のことそう思っていたのか……)
「そんなくだんねェ話ができる今が楽しいんだ……だがな、考えちまうのさ……俺に記憶が戻ったら今が壊れちまうんじゃねェかな、とな……くだんねェ話だろ?」
ターレスは皮肉交じりの笑顔で吐き捨てる。
だが、その表情は寂しそうであった。
「記憶は戻ってないが、俺は恐らく碌な人間じゃねェ……何となくわかんだ、背中にある罪がよ……。ハッ、湿っぽい話ィしちまった──」
「あのよターレス、そんな難しく考えることは無いと思うぜ」
話を強引に締めくくろうとしたターレスに対し、ユーリンが待ったをかけた。
「なんだ? 慰めのつもりなら遠慮して──」
「記憶が戻ろうが戻るまいが……俺や鶴師匠、桃先生はこう思うだろうよ、ターレスはターレスだってな」
「……お前…………」
「それによ、記憶を取り戻したときにどんな罪を背負ってるかなんて、暗殺を担う鶴仙流じゃむしろハクになるってもんだ、だから心配すんじゃねぇよ」
それに、と彼女は続ける。
「もしお前が記憶を取り戻してここから離れそうなら……殴ってでも連れ戻してやんよ。……もしお前が記憶を取り戻して、その罪が重荷ならよ……お、俺が少しくらい、担いでやるよ……一緒……、に……」
彼女はターレスに背を向けており表情を伺うことはできなかったが、耳が赤くなっていた。
ターレスにとってそれは、今の悩みが吹き飛ぶくらいとても──愛おしい反応であった。
「──ユーリン、お前……いい女だな」
「は!? な、なに言ってんだよば、馬鹿……」
ますます耳が赤くなるユーリンに対し、ターレスはふと知人二人が彼女に隠れて言っていた言葉を思い出した。
「ああ……いい女だぜ。胸がでけぇしそれに」
──ターレスは吹っ飛んだ。お皿も割れた。
◇◇◇◇◇
「前が見えねェ」
炊事場から追い出され、顔が見るも無惨な姿になったターレス。
「ぷふふー! 顔をボッコボコにされるとはまだまだ鍛錬が足りんのうターレス!!」
「でも今の顔のほうが男前じゃないか! ワッハッハ!」
ねぇ今どんな気持ち? と言いながらターレスの周りをぐるぐるする鶴仙人と桃白白にターレスは軽く殺意を覚えるが、すぐにニヤリと笑みを浮かべた。
──ボコボコなので表情はわからないが。
「ユーリンにはきちんと情報の出どころは伝えたぜ……弟子の風呂を覗き見したときにお二人さんが思ったらしいことだってな」
「「えっ」」
瞬間、ピタッと動きが止まる二人。
そしてゆっくりと顔を合わせる。
「──おほん。兄者、そろそろ夜回りの時間じゃないか?」
「──そうじゃな弟。地球の平和のため、夜回るか」
そういいつつ部屋から出ていこうと襖を開いたときだった。
「私 も 参 加 し ま す ね」
「「ヒェッ」」
ユーリンが、ものすごい笑顔でそこに立っていた。
「兄者、悪いが未来ある弟のために死んでくれ!」
「ば、バカモノ! 兄を置いていくやつがいるか!!」
「失礼ですが……ブッ飛ばさせていただきますわ! どどん波!!」
「うおっ……さ、サングラスが無ければ即死だった……!」
慌てふためき逃げる二人に追う一人。
そんな様子をターレスは──。
「あっははははははは!!」
本当に楽しそうに笑いながら眺めていた。
◇◇◇◇◇
「かれこれ10日くらいは経過したかしらね。あと20日くらい? ふぁあ〜……」
下着姿のブルマは、汚部屋と化した宇宙船で暇そうにしていた。
「姉さんの小説は読んじゃったし……うーん暇ねー」
「……暇なら片付けをしてみたらどうなんだ、ブルマ」
いつの間にか重力トレーニングルームから出ていたピッコロにそう咎められると、ブルマは肩を竦めた。
「あのね、乙女は暇じゃないのよピッコロ……」
「いやさっき暇だと……」
あー忙しい忙しい! 、と言いながら汚部屋から別の部屋へ行くブルマを目で追いかけるピッコロ。
「ピッコロ……乙女とか自称するんなら下着姿で出歩くのやめて欲しいよな」
いつの間にかピッコロと同じくトレーニングルームから出ていたクリリンは、そう言うと部屋の片付けを始めた。
「……ブルマと結婚するやつは大変そうだな、クリリン……悟飯もブルマみたいなのに引っかからんといいが……」
「そうだな……というか親目線なんだなピッコロ……」
何を当たり前なことを、という目線をピッコロから向けられたクリリンは考えるのをやめた。
同じ頃、トレーニングルームでは悟飯がビーデルのことを思いほっこりしていた。
ドラゴンボールスパーキングゼロのヤジロベー調整予定という字面で草