ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~ 作:ナッパにウィッグを。
ドラゴンボールヒーローズって結構「ヘキ」が壊れそうだなぁって調べてて思った。
天津飯とヤムチャ、亀仙人は『神精樹』目掛けて進んでいた。
悟空やナッパはまだ動けるような身体ではない。
「おい天津飯、チャオズはどうしたんだよ?」
「チャオズは置いてきた。……もしかすると、俺たちのあずかり知らんところで皆が襲われるかもしれんからな」
「その方が良いかもしれん……『気』が凄いわい……」
そして皆、口を閉ざす。
決して口にすることはできない……いや、してはならない言葉が口を開くと出てきそうだからだ。
──俺たちは、勝てるのか? 悟空やラディッツ、ピッコロたちがいない状態で勝てるのか?
そんな言葉が浮かび、それに対する回答もまた言葉として浮かぶ。
──お前達では、勝てない。
いくらその言葉を頭の隅に追いやっても、それはまたあらわれる。
まるで彼らを嘲笑うかのごとく、厳しく妥協を許さずそして、現実なのだ。
そんな不甲斐なく、情けなく、悔しく感じる言葉がずっと浮かんでは消えていく。
(いや、まだやりようはあるはずだ……如何様にも)
下がり続ける己の士気を鼓舞するかのように、天津飯は思考を挟む。
ヤムチャや武天老師様とともに重力トレーニングルームで鍛えたのだ。
20Gで動けるようになり、30Gに入って基礎トレーニングに入る手前ではあったが……それでも。
得られたのだ、追い付けなくても悟空たちの助けになるかもしれない力を、ほんの少しだけだとしても。
(この状況、一番歯がゆいのは俺達より悟空だろう……)
地球の危機に動けないであろう悟空の気持ちは、とんでもなく苦しいだろう、と予想が簡単にできる。
故に天津飯は思う。
(例え悟空がいなくても今回の天変地異は必ず……俺が『魔封波』を使ってでも……)
かつて失敗したこの技を、今の俺なら……と、そっと持ってきた小瓶に意識を向ける。
──天津飯は気付かなかった。
後ろを飛ぶ亀仙人が、そんな考えをまるで見透かすかのように彼の背中を見つめていたのを……。
(新車買ってローンがあるんだ! 負けるわけにはいかないぜ!!)
ヤムチャはヤムチャだった。
◇◇◇◇◇
(何度考えても思い出せねぇな)
先ほど記憶を取り戻した男──ターレスは、ぐんぐん成長する神精樹を見守りながら考えていた。
どう考えてもおかしい。あの脱出用ポッドに乗ってから、先ほど殺したクソみたいな現地人を殺したところまでの間の記憶が何故だかすっぽり抜けている。
何故記憶が抜けていると気付いたか、それは自身の服装にあった。
フリーザ軍から支給された戦闘用ジャケットは着ておらず、みょうちくりんな服を着ているのだ。
胸元に『殺』と文字が刷られており、背後には『KILL YOU』と描かれている。
(俺はこんな服は持ってねぇからな……)
そこでターレスは考えたのだ。
俺がポッドに乗った直後、頭を打った記憶があるがそのときに一時的ではあるが、記憶喪失になったのではないか。
その後地球に降り立った俺を、この星の誰かが匿ってくれた。
ただ匿っただけではなくこの身体も普段より調子が良いことから、メシや風呂、果ては住むところまで用意してくれたようだ。
──俺自身の記憶が戻ったときに、都合よくその記憶だけが喪失してしまったのだと理解した。
(なかなかどうして……この服──いいセンスじゃねぇか……)
ターレスはこの服を用意してくれた喪失した記憶にいるであろうその人物が知りたかった。
ふつうであればお礼を言ったり恩を返したりといった、善意な感情の上での『知りたい』だろうが、彼はサイヤ人だ。
(誰かわかれば、苦しまずに殺してやれたものを──)
残虐で冷酷なサイヤ人なのだ。
(ん……?)
彼の戦闘センスが感じ取ったのか、今いるこの場所に誰かが近付いてきている気配を彼は感じた。
あからさまにこの『神精樹』にとって敵意を感じる気配であることから、彼は内心面倒だ、と舌打ちをうつ。
まだ育ち切っていないそれを万が一でも壊されたら面倒だ──。
邪魔者は排除する。
今までやっていたように。
これからも変わらず、己の心に従うのだ。
(それにしても……俺はこんなに気配をよむことが上手だったか?)
多少疑問には思うものの、ターレスは近付いてくる気配を迎え撃つ準備をするのであった。
◇◇◇◇◇
「そうか……考えたなラディッツ! お前さん、一日だけあの世からこの世に戻るつもりじゃな!」
「ああ……流石に今の地球の状況じゃ、そうせざるを得んだろうな」
占いババを呼んで欲しいといった俺に対して、界王様は合点がいったと納得する。
このカードはまだ切りたくなかったが……しかし今使わないと地球は滅ぶかもしれない。
「今のお前なら大丈夫じゃろ、と言いたいが……あの『神精樹の実』を植えた張本人は必ずその実を口にしとることじゃろう……、油断はするんじゃないぞ……?」
「油断なんてしないさ、俺は兄弟子の閻魔大王様の元へ行くから占いババへの連絡は頼むぞ!」
「うむ!! ところで……」
界王様が言いづらそうにモジモジとしている、まるで想い人に素直になれない乙女のように。
なんだ……? まて、まさか、おいまて、俺にはそんな趣味はないぞ!?
なんか顔も赤くなっている気がするし……やべぇもしかしてこれジャンプじゃなくて別の週刊誌に掲載された世界線のドラゴンボールだったり──!?
俺が絶望から膝を折りそうになったそのとき、界王様のお腹がグゥー……と鳴った。
「すまん、お腹が減っててな……やれやれ、食い意地が張って恥ずかしいわい……」
「よかった助かったありがとう週刊少年ジャン〇。生地は伸ばしているからピザソース塗って適当に具材乗せてチーズをばらまいて焼けばいいさ。具材は界王様が選んでくれ、セルフピザだ」
「お、おおわかった……しかしよかった助かったとは……週刊少年〇ャンプとは一体……?」
何やら考え始めた界王様をそのままに、俺はさっさと兄弟子の元へ飛んで行った。
でぇじょうぶだ!占いババで一日限定でよみげぇれる!
あとは知らね!