ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~ 作:ナッパにウィッグを。
ナメック星へ向かう宇宙船の状況──3人は必死に修行を続けており、ブルマは新しいマシーンの設計図などを書いている。
ヤムチャは、隠れている岩陰から少し離れて繰り広げられている戦いに目を見開く。
「む、武天老師様……あのターレス……先ほどよりさらに強くなっております……!」
「あの実には身体を強くする作用……つまるところ、ドーピング効果があるようじゃな……じゃが!」
「はい! ……ラディッツの強さが……互角……いや、それを上回っています!」
ちらと同じ場所に隠れている天津飯と亀仙人を見ると、どうやら自分と同じことを思っていることに気付く。
(あ、あのターレスとかいうサイヤ人のパワーアップをさらに上回るパワー……ラ、ラディッツのやつ……一体どれだけの鍛錬を……!)
そう、先ほどより一回り以上強くなったであろうターレスの攻撃を、すべて躱しているのだ。
しかも回避に精一杯という風体ではなく、余裕を持った動作──のように見える。
その証拠に、ターレスは息が徐々に上がっているのにたいし、ラディッツは汗一つかいてなさそうな顔だ。
──もうあいつひとりだけでいいんじゃないかな。なんで攻撃しないかわかんないけど。
そう思いつつヤムチャは……ふと、自身の手が握り拳を作っていることに気付く。
その握った拳が若干震えていることにも……。
(これは……なんだ? すごい武者震いか? ……いや違うな……なんだこの気持ちは……)
自分の拳を無理やり開き、手のひらを見つめる。
……鍛錬をしているからか強張った手をして──。
「……む、ヤムチャどうした……自分の手を見つめて……」
「……」
ヤムチャの様子に気付いた天津飯が、声をかけてくる。
だが彼自身、それに対し何と返せばいいのか決めあぐねていた。
心に浮かぶ『何か』──、それをヤムチャは考えていた。
「……いや、なんでもないさ」
(……なんだろうな、このもやもやは)
ヤムチャがそういうと天津飯は少し怪訝そうになったが、それ以上の追及はしてこなかった。
「……そうか……、でも何かあるのであれば言えよ?」
「ああ、そうだな……」
(まぁ……この戦いが終わったらあの車でデートすればおのずと答えは見えてくるかもしれない、ヨシ!)
なにがヨシか──。
そう自分を卑下しつつ友の言葉に感謝した彼は、ふと何かがここにやってくる気配を感じた。
小さい気がここを目指して近付いているような──。
「武天老師様、天津飯。小さい気が三つ、ここに近付いています!」
「……む? ふむ、たしかに近付いてきておるわい」
亀仙人も天津飯もその気を探り当てたのか、それが向かってきている方向へ顔を向けた。
しばらくすると、その何かがグサッと突き刺さるような音がして──特に天津飯には聞き覚えのある声がした。
「……し、信じられん……ユーリンの言う通り……あそこにターレスがいるぞ!」
「あ、あなたは……! た……桃白白……」
天津飯がそう呟くようにいい、亀仙人が驚きの目で彼らを見る中、ヤムチャは一人考えていた。
(あの子……すごくかわいいな! いっしょに車でトゥギャザーしてくれないだろうか)
その表情から察するに、先ほどの悩みはいったん鳴りをひそめたようだった。
◇◇◇◇◇
ユーリンは聞き覚えのある声を聞いてそっちに顔を向ける。
そこには……。
「……ついに見つけたぞ三つ目ハゲ!」
師を裏切り、自分との約束を破りノウノウとライバル側についた男、天津飯がいた。
「ゆ、ユーリン……お前までいるのか……!」
「けっ……ここで見つけたが百年目……めったんめったんのぎったんぎったんにしたいところだが……」
彼女はそういいつつ、少し離れた場所で髪の長い男性と対峙する
ターレスに視線を向けていた。
(……やっぱり、ここにいたんだなターレス……バカが、ボロボロじゃねえかよ……)
「……今はそんなことどうだっていい。頼む、状況を、教えてくれ……なぜ、ターレスはボロボロなんだ? なんで戦ってるんだよ!」
「……あの服からまさか、とは思っていたが……やはりお前たちとターレスは繋がっていたのか……!」
彼女の──昔、信頼していた兄弟子である天津飯はそういうと構えていた。
その光景が、さらにユーリンの感情を揺さぶる。
「繋がっていた……? ど、どういうことだよ! まるでターレスが何か悪い事したみてぇに……ま、まだあいつは暗殺もしてないんだぞ!」
「悪い事? ……目の前の光景を見てみろ。植物は枯れ果て、土はむき出しに……ここに来るまでにたくさん見ただろう。すべてが! このすべてが!! あの男のせいなんだぞ!!!」
(ターレスのせい……? これが……嘘だ、嘘だ……あいつは……嘘……!)
すごい剣幕で怒鳴り散らす天津飯の姿にユーリンは言葉をつづけられない。
「……ふん、まるで見てきたかのようにいうではないか、天津飯よ」
「……二度目はないと、私は過去にいったはずですが……桃白白さ……桃白白……!」
呆然とする彼女に代わり、桃白白がユーリンの前に出て天津飯に語り掛ける。
激昂する天津飯にも彼は動じなかった。
「……私が見てきたターレスは、そうだな……。なんかめっちゃ強いけどめちゃくちゃ食べるし、力の加減を間違えてよく物を壊すし……あと少し冗談を真に受けるタイプだったな」
「……」
「──手のかかる『弟子』だ。ああそうさ、手のかかる『弟子』だ。己が食べることを自覚してなんか恐竜とかマグロとかめっちゃとってくるし、壊した物を前にしてすごくショゲていたし、真に受けた冗談をユーリンに言って私が追い掛け回されるのを笑顔で見ていたし……」
「……なにが、言いたいんですか……! 時間の無駄だ!!」
先の見えない桃白白の言葉に苛立ちを感じ、天津飯が声を荒げた。
話を遮られた桃白白はチッ、と軽く舌打ちすると天津飯を見据える。
「……そんなどことなぁーく抜けている『弟子』が……私たちが住む地球の暗殺をするわけがなかろう、たわけがッ! この私の『弟子』を愚弄するでない、この裏切者めッ!!」
「なんだと! 武の道をはき違えた奴に言われる筋合いは──!!」
「……両者とも、そこまでじゃ」
ますます激化する言い合いに静かな声が響き、二人はその静かな声の主──鶴仙人に視線を向けた。
彼はそっとユーリンを見やり、次に二人を見る。
彼女は静かに泣いており、それを知った二人は気まずそうに押し黙る。
「……こうして言い合いをしても話は平行線のままじゃ。そこで……お互いのこれまでの経緯と、状況をきちんとまとめないか?」
「……そうやって、嘘をつくんじゃないだろうなジジィ……!」
そうやって毒づくヤムチャに鶴仙人はやれやれとため息をつくと、少し悔しさを滲ませて言う。
「……つくづく誠に、まことに遺憾だが……わしらではお前たちに勝てんよ。それに──『弟子』のことがあるからな……おい亀、それでいいか?」
「……うむ、よかろう鶴」
「……礼は言わんぞ」
「やめぃ、サブイボがでるわ」
だいぶ期間が空いてしまって申し訳ないです。
最近仕事の方が忙しくなってきたんですよね。
オラワックワクしねぇぞ!
こういった作品を執筆するだけのタブレットか何かが欲しいなぁって考えているところです。
書くだけだから安くていいからなんか探すかなぁ。中古とかで。