ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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弟はナメック星へ(まだ行ってません)
兄はあの世へ(ターレスとともに)
強敵は地球へ(ニューチャレンジャー待機中!)

劇場版も混ぜると地球はいつでもハチャメチャちほー!



弟はナメック星へ 兄はあの世へ 強敵は地球へ ★23

 暫くして占いババに案内されあの世に戻った俺は「あ、お疲れ様ですラディッツさん!」と迎えてくれた閻魔大王様の部下の方たちに、ブルマから押し付けられた食べ物詰め合わせセット入りホイポイカプセルを渡す。

 中身は戦闘力5のおっさん農家の詰め合わせだ。

 

「うわー、ありがとうございます! ラディッツさんには毎日現世に戻って欲しいなぁ……と、閻魔さまへは今の内緒にしておいてください!」

「毎日戻れたら俺としてもありがたいんだがな、そうは世の中のルールは許してくれんさ……大丈夫だ、俺は何も聞いてない」

 

 占いババにも案内料として詰め合わせセットカプセルを渡し、部下の方とともに閻魔大王の仕事部屋の前までやってきた。

 先ほどまで色々とお互いに話していた部下の方が閻魔大王に近くなるとドンドン口数が少なくなっていたのが不思議だったが、部屋の中に入ったときに理由がわかった。

 

(ガチの閻魔様がいる……顔怖っ)

 

 いつも顔が怖い閻魔大王だが、今日はさらに凶悪度が10倍増しであり、裁かれる魂も心無しか泣いているように見えた。

 

「で、では……私はこれで……」

 

 そそくさと部下の方が部屋をあとにする。

 仕方ない、自分の上司がこうなら誰だってこうする。

 俺もそうしたいが、原因多分俺なんだよな。

 ドラゴンボールに頼んだら閻魔大王の怒りを鎮めてくれるかな? 

 今からこのクソこわ鬼と誰が話すの? 俺? 俺だなぁ……。

 俺が入ってきてからめっちゃ睨んできてるし。

 

 ──覚悟、完了。

 

「オッス! オラ、ラディッツ! おめぇが閻魔大王さまか! すげぇでけぇなぁ!!」

「何しとるんじゃおまえー!!」

 

 くそっ、弟の力を借りれば乗り越えられるかと思った俺がアホウだったか……! 

 

「ま、まて落ち着け兄弟子! まずは平和的に話し合いを……!」

「なぁーにが平和的な話し合いだ! 戦闘民族サイヤ人のくせに話し合いを求めるな! ……いやあれか!? 話し合いとは殴り合いか!? サイヤ人だもんな! なぁ、サイヤ人だろお前!! 地獄行きの首を置いていけ!!!」

「界王様ー!! 助けてくれぇー!!!」

 

 その後、俺は閻魔大王の真横に正座で座らされた。

 閻魔大王は死んだ魂にたいし判決を言い渡しながら俺に体感で1時間ほど説教をしてくれた。

 

 内容としては「ターレスを組手の相手として界王星に連れていきたい」と頼んだことだった。

 

 閻魔大王的にはターレスは「神の所有物である神精樹をあろうことか濫用し、多くの星を死に至らしめた」罪で、輪廻転生もNGな万年地獄送りにしたかったようだ。

 

 界王様もそれ自体は賛成だったようだが、しかし俺の頼みも(界王様のメシを作ってる手前)聞いてあげたい……と、閻魔大王と話し合いをしてくれたらしい。

 そこからラディッツに甘すぎるだのなんだのハデな口喧嘩になったそうだが、閻魔大王が最終的に折れたとのこと。

 

 そんな話を俺への恨み節を織り混ぜながらコンコンと1時間ほど聞いていた俺は──。

 

(界王様ありがとう助かる……今日のメシは一品追加するか!)

 

 と、界王様に感謝しつつ何を作るか考えていた。

 

「──というわけだ……おい、聞いてるかアホ面ラディッツ!」

「よし、今日はきのこのバターケチャップ炒め添えハンバーグにするか(聞いてるぜ兄弟子、すまんかった)」

「おまえメシテロ罪を適用してやろうか? ──ターレスなら別室にいる。……界王星に行くのはいいらしいがその前にお前と話をしたいらしいぞ」

「まぁ……そうなるよな……」

 

 正直、自分が殺した男に会いに行くのは気が引けた。

 しかも話をする内容も内容だ。

 

 ──おまえを殺したのはこの俺だ、俺と契約して組手の相手になってよ。

 

(ただのサイコパスじゃないか……)

 

 だが引くわけにはいかない。

 あいつの──ターレスの師匠と約束したからだ。

 

「──あいつは今どこだ?」

 

 決意を新たに俺は、閻魔大王に尋ねた。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「─……これはこれは、先ほどぶりのお方だ」

 

 オレは目の前に表れたラディッツに対し、言外によくも顔を出せたな、という含みをもたす。

 

「そうだ、先ほどぶりだな。素直に待ってくれてるとは思わなかったが」

「オレを殺したやつがノウノウとオレの前にツラァ見せんだ。どんな厚顔か拝みたいと思ってよ」

「そうか。……ハデにイケメンだろ?」

「…………おまけに無恥ときたか」

「ムチムチ?」

「ちげェよどアホ」

 

 クソみたいなやり取りをしつつ、オレは一種の穏やかさを感じている自分に内心舌打ちをする。

 

(調子が狂うぜこいつと話していると……本当にサイヤ人か?)

 

 内心では舌打ちしたものの、一度地球で穏やかさを知ってしまった身である。

 

 心の底からこういう会話ができるのがシンプルに言うなら楽しいのだ。

 

 それに──ラディッツに対して複雑な思いはあるものの、その思いは怒りではなくいやむしろ──

 

(……ありがてぇ、と感謝したい気持ちがでかいな)

 

 あいつらの顔を拝ませてくれたこと。

 地球での記憶を取り戻させてくれたことそして──。

 

 ──その地球を滅ぼそうとした自分を止めてくれたこと。

 

 それを思い出すと頼みの一つくらいは聞いてやるか、という気持ちになる。

 その頼みは、ここで待機するように指示したあのクソデカ男から聞かされてはいるが。

 

「お前、面白いことに死んだあとも鍛錬してるみたいじゃねぇか。ただ、ちょうどいい組手の相手がいないんだってな?」

「まさしくそのとおりだ。貴様にはそんなちょうどいい組手相手になって欲しい……貴様の師匠である鶴仙人の頼みでもあるのだ」

「……ケッ、鶴のジジイからの御達しでもあるのかよ」

 

 組手相手を探している、か。

 こいつの強さは生きてるときに経験したが、驚くほどに強かった。

 そして戦闘力のコントロールも上手なのか、神精樹の実を食べて昂ったオレをさらに上回る戦闘力を解放し、丁寧にオレのサイヤ人としてのプライドをへし折っていた。

 

 ──なんだかへし折られたことに対して怒りが込み上げてきたぜ……よし。

 

「──断る、と言ったら?」

 

 断るつもりは毛頭ない、むしろサイヤ人として強者と渡り合えるのは願ったり叶ったりだ。

 だが少しの怒りに身を任せ、おふざけをしてみたくなったのも事実だ。

 

 これで相手が力でねじ伏せようとしてきたらそれはそれで楽しいだろう。

 皮肉げな笑みを浮かべ、ラディッツからの返答をまっていたオレは、そいつの返答で笑みを消すことになる。

 

 

 

 

「──その……ものすごく困る……」

「……そうかよ……」

 

 今のオレは呆れた表情を浮かべているだろう。

(こいつは本当にサイヤ人か? オレと同じ種族なのか? なぜ力で支配しようとしないんだ?)

 

 予想外の返答に唖然としていると、ラディッツはバツが悪そうに頭をかきはじめた。

 

 その様子が、どこかとても懐かしく、鶴仙人たちを思い出してしまい──。

 

「へっ……」

 

 思わず本気で笑みをこぼしてしまった。

 

(駄目だ、こうなったら負けだな)

 

 そう思うオレの心は、地球で見たあの青空のように清々しかった──。

 

「……ま、その頼みを聞いてやろうじゃねぇか……金魚のラディッツさんよ」

「それは俺が金ピカでハデにかっこいいってことか!?」

「そういうことじゃねぇよ馬鹿かお前よォ……」

 

 その青空が曇った気がした──。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 ターレスを説得できて良かった……思った以上に素直で簡単すぎて拍子抜けしたが。

 ちょっと前にいた地球での、鶴仙人の言葉を俺は思い出す。

 

 〜〜〜

 

「ラディッツよ……あの世にいるターレスの世話を頼めるか?」

「ん? ああ別にいいが……」

 

 鶴仙人の提案を聞いて、そんなことは願ったり叶ったりだと俺は思った。

 

「わしはの、いつかドラゴンボールを集めようと思う」

「!?」

 

 それは……まぁ別にいいとは思う。

 フリーザ編が終わってデンデが来たら叶うんだっけな、1年以内縛りが消えて。

 

「だからそれまで……アヤツを頼む」

 

 そう言いながら地面に触れるのではないかというくらい頭を下げた鶴仙人に俺はすこぶる動揺し、任せろ、とつい言ってしまった。

 

 〜〜〜

 

 その後は、残りの時間でやりたいことをやってのけ、『あの世』へと帰ってきたのだ。

 ……界王様を説得することと、閻魔大王のお小言が一番の難敵だったかもしれない。

 

「で、このあとオレはどうしたらいいんだラディッツ……ここで組手するのか?」

「ここでやったら俺が兄弟子……いや閻魔大王に説教で殺されるからやめろ!!」

「お、おう……わかった」

 

 ものすごく焦った。

 サイヤ人だしターレスだし本当にここでおっぱじめるつもりかと。

 だが素直だなこいつ……素直過ぎて不気味だ。

 

「ごほん……俺たちはここからとある場所に向かう。そこは土地は狭いが、組手場所としては最適だし、武芸を教えるのが得意なチョー偉い人がいる。……お前を仕留めた最後の技もその偉い人から学んだものだ」

「……マジかよ。あんなやべぇ技教えるやつがいるのか……」

 

 あんなやべぇ技、と言いつつターレスの目がギラギラ輝いてきたことに俺は気付いた。

 ──俺は何とか撃てたけど、ターレスは習得できるんだろうか? 

 

 それと同時に俺は大事なことを思い出した。

 

「……ところでターレス、お前……シャレ……ダジャレは得意か?」

「はぁ? ……いや得意ではないが……桃のジジイがよくなんか言ってたな……」

「……それをできる限り思い出しておけ……このあと役に立つ」

「……それってどういう──」

「 か な ら ず ! ……役に立つから!!」

「オッ、オウ……」

 

 桃白白のセンスがどういうもんかわからんが、助かった……。

 ターレスはダジャレを言いまくるキャラには思えなかったからな。

 ターレスのあの低音ボイスで「鼻くその秘密を……そっと……話くそう……」とかは一度聴いてみたいが。

 

「ま、まぁ何はともあれ……よろしく頼むぞターレス……」

「……ああ、よろしく頼むぜ、アニキ」

「なんでや」

 

 アニキ呼ばわりした眼の前のサイヤ人に思わず関西訛りでツッコんだ俺に対し楽しそうにターレスは説明を始めた。

 

「鶴のジジイから頼まれたってことはお前は鶴仙流の客将みたいな扱いだ……つまり兄貴分……オレがアニキと呼ぶのが道理ってもんだ」

「なるほど、わからん」

 

 あれ、俺の知らない血の繋がっていない弟が増えた。

 もしかしてここノースティリスだったりする? 

 あ、こいつそういやニヤリ系サイヤ人だったな……。

 

「ま……サイヤ人同士、仲良くしようや……」

 

 ターレスはニヤリと笑みを浮かべた──。




悟空「に、兄ちゃんにオラの知らねぇ弟が生えてきた気がする……」
ナッパ「何いってんだこいつ」
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