ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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ブルマは「あいつとは友達よ、ともだち!」といいつつ、実は好きだった(振られた)話でも書こうかなーと思ったらめっちゃ長くなってしまって、しかもまだ書けてないので、ベジータ王子に考慮してチチのちちを書きます。


弟はナメック星へ 兄はあの世へ 強敵は地球へ ★25

 今、オラは病室で寝転んでいる。

 すぐ横にある椅子にはチチが座っていて、大量に置いてあるりんごの皮を剥いていた。

 

「な、なぁチチ……外は晴れてっし気晴らしに散歩してきたらどうだ?」

「や、大丈夫だよ。ここが心地良いだ」

 

 ニコニコと笑顔で答えるチチは、話しながらも器用にりんごの皮を剥いていく。

 いや、そうじゃねぇんだチチ。

 

「えーと、じゃあさチチ、オラ……チチの手作りの肉まんが食いてぇなぁって」

「おや、奇遇だな悟空さ! 見舞い土産に保温ホイポイカプセルに沢山入れてきただよ!」

「お、おぅ、サンキューな……」

 

 うーん、嬉しいっちゃ嬉しいが、違うんだよなチチ……。

 オラが求めてるのはそれじゃねぇ。

 

「……悟空さ〜、ちゃぁ〜んとわかっとるだよオラには……オラの居ぬ間に修行さしたいんだな?」

「ギクッ……あ、あはは〜い、いやぁそういうわけねぇじゃねぇか〜チチぃー……」

 

 じんわりと嫌な汗が背中を流れる。

 ──やべぇ、バレてっぞ。

 

「ギクッって口に出とるだよ悟空さ……まったく、この前オラが買い物に出とる間にベッドから抜け出して筋トレしてただーって医者の先生から聞いたべ……オラもおこられちまっただよ!」

 

 その時のことを思い出したのかチチの手に力が入り、哀れなりんごがブシュウッと木っ端微塵と化した。

 

「い、医者のセンセーは何でも大げさに言うって、聞いたぞ。オラ、ほんのすこーし腹筋をしてただけ……」

「そ れ が ! 駄 目 だ ! という話をしとるんだべ!」

 

 潰したりんごから垂れる果汁をタオルで拭き取りながら、チチは如何にも怒ってますという顔でオラに言う。

 いや、実際怒ってんなこれ……。

 

「わ、悪かった、悪かったてばチチ……」

「…………〜! …………はぁ…………」

 

 ひとまず詫びの言葉を口にするとチチはキッと口を閉じたかと思うと、脱力するかのように息を吐いた。

 その、少し悲しそうな顔にオラも本当に申し訳ない気持ちになってしまった。

 

「……本当にわりぃ、チチ」

「もういいだよ、悟空さ。オラもまーたヒステリーさ起こして、頭ごなしに怒鳴っちまって……すまなかっただ」

 

 そういうとチチは新しいりんごを手に取り、皮を剥き始める。

 

「……この前の戦いで焦っとるんだろ、悟空さ」

 

 チチのいう『この前の戦い』とは、兄ちゃんとターレスが繰り広げた死闘のことだと思う。

 

「……悟空さがあの戦いで思ったこと、当ててやろうか?」

「思ったこと?」

 

 オラがそう聞き返すと、チチはクスッと微笑み返す。

 その仕草に、最近慣れてきたはずのチチへの感情がぶり返しそうになり慌てて気を落ち着かせる。

 

「そうだべな……一つは、『あんな強ぇやつと戦けぇてぇ』だな?」

 

(それも、オラの中にあるな)

 

 首を縦に振ることで肯定したことをチチに伝える。

 チチはオラのその仕草を見て、もう一つは……と言葉を続けた。

 

「──怪我で伏せとる間に周りは修行していて……焦っとるだな?」

「──!!」

 

 そうだ、それが一番近い。

 なんともいいようがない心の、奥底にある何かがピタリとハマった感覚にオラはポンと心で納得した。

 

「チチ……そうだ、オラ……焦ってるな」

「そうか……ま、悟空さだからな、無理もねぇだ。……この際、その心ん中にしまっとるもん吐き出しちまった方がスッキリするかもしれねぇだよ?」

 

 そうチチに言われ、そういうもんかとオラは心の中を口にする。

 

「オラ、この前の兄ちゃんと……ターレスだったか? の戦えの気を探ってたんだ」

 

「あのターレスちゅうやつもめちゃくちゃ強かったけんど、オラの兄ちゃんは更にそれを上回る強さだった……そして……その二人はどちらも、オラよりもすげえ強ぇ」

 

 悟空は目を閉じる。

 あのときに感じ取った気を思い出すかのように──。

 

「……いつもの悟空さなら、あれだ……ワックワクしてるだべな!」

「ああ、そうだな……でもよ、今回はそれ以上に……な……」

 

 ついこの間、Dr.ウィローやベジータ相手に死闘を繰り広げたはずなのに──。

 ほんの少し休んでいる間に気がつけば自分の兄は何倍にも強くなってしまった。

 天津飯やヤムチャ、亀仙人のじっちゃんだってそうだ。

 どうやらこの間、ラディッツから界王拳を改めて教えてもらったらしく、三者三様に徐々にものにしていってるらしい。

 

 自分の目の前にあったはずの兄の背中が、仲間の背中が、遠く感じてしまう。

 今もまた強くなっているのだろうその姿は、悟空から離れるようにさらに遠くへ歩みを進める。

 

(待ってくれ! 皆……兄ちゃん……オラを……おいてかないでくれ! オラを……除け者にしないでくれ……)

 

 そう強く願うが、兄を中心とした仲間たちは止まらない。

 その背中がどんどんと小さく──。

 

「悟空さ──」

 

 淀みきった思考に陥っていたオラはその声に引き戻される。

 閉じた瞼を再び開き、チチに向ける。

 

「ラディッツさは、確かにすんごい強くなっただべな」

 

 ──でもな、とチチは続ける。

 

「それは、悟空さのことを考えてだと思うべ」

「オラのことを……」

「んだ。地球や悟空さの友達を守れるのは何も悟空さだけじゃねぇべ、だから気負わなくていい、背負わなくていい、安心して今は休むべきだって思ってるだよ」

「……」

 

 ──それにな。

 

「あと……これはオラの自慢の旦那様、という贔屓目もあるにはあるだが……悟空さは仲間やラディッツさの強さにすぐ追い付くと信じてると思うだよ、ラディッツさは」

「……そうか……」

 

 過去に、兄ちゃんがオラに言ってくれたことを思い出す。

 

『お前が背負わなくてもいいのに背負ってしまったものは! すぐにはおろせないだろう!!』

『ならお前が安心しておろせる日まで! 俺も一緒に背負ってやる! だから!!』

『──地球でもよろしくな、カカロット」』

 

(オラには、仲間がいる。そして……背負ってくれる兄ちゃんもいる)

 

 だから、今はその言葉に甘えよう──。

 

「チチ、ありがとな」

「何言ってるだ。オラの自慢の旦那様を元気づけるなら当たり前のことだべ!」

 

 ふんす、と胸を張って言うチチ。

 揺れてる。チチのちち……でけ……おっと。

 

「それでもだ、ありがとな」

「……それ以上はダメだべ、悟空さ……オラ、ちょっと恥ずかしいだよ」

 

 頬を赤く染め、その自分の頬に手を添えるチチ。

 今は結婚前の大会の髪型をしているため、そのポニーテールがゆらゆら揺れている。

 

『おーい、悟空やーい』

「おっ、界王さまだ」

「悟空さ、どうし……あー、界王様か、オラ、リンゴの皮でも剥いとくだよ」

「サンキューチチ! 界王さま、どうしたー?」

 

 この会話ははたから見ると誰もいない空間に話しているようにしか見えない。

 が、幸いにも病室の中には悟空とチチしかいなかった。

 

『おまえにはラディッツの近況でも伝えといたほうが安心するかと思ってな』

「ひゃー助かる! で! 兄ちゃんはどうしてんだ?」

 

『ああ……この間、ラディッツが一日だけ蘇ったときに戦ったターレスとかいうのいたじゃろ? あいつと修行しとるよ』

「へぇー……オラ、いまこんな感じだからなぁ……しっかし、ターレスっちゅうやつもよく修行する気になったな」

『わしもそう思っとったが、今では仲良く修行しとるよ。ちょうどお前さんとラディッツがここで修行してた時を思い出すわい』

「……ふーん」

 

 なんだかスッと渦巻く何かがオラの心に新たに湧いてきた。

 なんだこれは。

 

『あ、そうそう……実はな、そのターレスがラディッツのこと、【アニキ】と呼んでおってな、まるで兄弟みた──』

「 は ? (どっひゃー! ラディッツの兄ちゃんに弟が増えたんか、オラおでれぇたぞ!!!!)」

『ご、ごくう?』

「ご、悟空さ?」




とある未来のお話。

「お前……それブルマの写真を渡すつもりか……?」
「えっ、な、なんでわかったんだ!?」
「ほざけー!お前の妻のを渡せばいいだろう!チチのちちをーっ!」
「超えちゃあならねぇ一線があるんだぜ、ベジータァアアアアアアアアアアア!」
「カカロットォオオオオオオオオオオオ!キサマァアアアアアアアアアアアア!!」

魔人ブウ「……」
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