ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~ 作:ナッパにウィッグを。
ターレス「同じサイヤ人で、同じ兄を持つ……数少ない生き残り同士……仲良くしようや……」
悟空「…………勝てんぜお前は………」(バチバチ……)
ラディッツ「サイヤ人同士で仲が良いことを指差し確認、ヨシ!!!」
──ドゴォン!
拳と拳がぶつかり合う。
二人の男が繰り出したそれは、空間に波紋を広げ、音が周りに響く。
だがその音は一度ではなく、次から次へと激突の波紋が響くのだ。
だが──それは決して命を賭した激突ではなく──。
しかして──それは戯れには程遠い波紋であった。
「はぁっ……はぁっ……待った、ここまでにしよう」
幾度かの激突が過ぎ、ついに片方の男が相手の拳を手のひらで受け止め、提案をする。
「ハァー……ハァー……な、情ねぇなぁアニキ……ハァッ……もう音を、上げるなんて……」
「……そ、そういうお前は息が……はぁっ……上がってるじゃないか……」
「ちっ……お互い様か……わかったわかった……アニキの面に免じて組手は一旦止めるか……」
そういうが早いか、その二人はお互いに地面へとへたりこんだ。
ここは界王星──ウッホウッホとバブルスくんがそんな二人をよそに散歩をしていた。
◇◇◇◇◇
(……神精樹の実を食べてるせいで、ターレスの元々の力が強くなってるのはわかっていたが……『界王拳』も覚えさせると更に強いな……)
俺はへたり込んだまま、チラリとそばにいるターレスに目をやる。
ターレスも、先ほどまで生意気なことをほざいていた割にはまぁまぁ限界に近かったらしく、空を見上げたまま肩で息をしていた。
(……今のところは俺の方がちょびっとだけ強いが……あと少しで逆転されそうだな……ま、何がどうあれ味方に引き込めた奴が強くなることに越したことはない)
あと少しで悟飯たちもナメック星に到着すると聞いた。
ということは悟空たちも仙豆を貰ってそろそろナメック星に向かうはずだ。
その間、地球に何ごとも無ければそれはそれでいいのだが……既にイレギュラーが発生している。
地球に既に残ることを聞いている亀仙人やヤムチャ、天津飯やチャオズも順当に強くなってきてはいる……が……。
もしもの時の控えとして、激烈に強い戦士はいた方がいいからな。
「おーおー人の星で好き勝手へたり込みなさる……」
この声は……界王様か。
悟空たちにこちらの近況と、悟空たち側の状況を確認してくると言ってたが、どうやら終わったようだ。
「今日の夕飯つくらんぞ」
「いくらでもへたり込んでいいに決まっとるだろラディッツくん」
「なんだこいつら」
俺と界王様の即席漫才にツッコミを入れてくるターレス。
なかなか変な組み合わせだが馴染んできたと思う。
「で、界王様、地球はどうだった?」
「そうじゃな……まずは……ナッパとタイツが結婚した」
俺はブーッと吹き出してしまった。
え、タイツって確かブルマの姉か……まじか。
「……正しくは結婚の約束をしただけじゃな」
「そ……そうか……今度、俺が祝福していたと伝えといてくれ」
クリリンにこの話を聞かせたらまた結婚いいなぁとか言い出すんだろうな。
お前にはハデに美人な嫁が来る未来があるから大丈夫大丈夫。
よく考えたらそこでへたり込んでいる奴も嫁(予定)いるな。
俺は?
…………駄目だ……クリリンと同じ思いを抱きそうだ。
だって俺も男だもん。
「次は……鶴仙人たちじゃな」
へたり込んでいたターレスがパッと起き上がる。
が、すぐに興味がないかのように口笛を吹き始めた。
下手くそっ…… 感情の隠し方が……っ!
「相変わらず憎まれ口を言っておったぞ……ええと、『どうせバカだから風邪引いてる』『腹が減りすぎて石を食ってるんじゃないか?』『ターレス以上の強い弟子探すから帰ってこなくていいもんねー!』だと」
「最初から順に『無理したり病気になったりするな』『腹が減ってないか心配だ』『気負いしなくていいからゆっくり過ごせ』だと翻訳してみたぞ。いかがかな?」
「……余計なお世話だぜ、クソアニキ」
素直じゃない奴らの言葉翻訳検定の資格を持ってて良かった〜(自称)。
俺がいなきゃこじれちゃうねこの関係。
鶴仙流由来かっ……この感情の伝達が下手くそなのは……っ!
「ちなみに今のターレスの発言は『ありがとう素敵な兄上』だとほんや゛っ!!!」
「おっとわりぃわりぃ……オレの拳が素敵な素敵な兄上様の顔にめり込むくらいに滑っちまった! ま、お優しい兄上様なら許してくれるよな?」
このクソ野郎……!! 拳が顔にめり込んでて話せねぇ……!!!
お前、後で界王拳でぼこるわ……。
「……喧嘩ならあとでやらんか。さて、あとユーリンからターレスに別で伝言があるぞ」
俺の顔から拳が離れ、視界が広がる。
「『顔が見たい、もし地球に来ることがあったら真っ先に会いたい』だと……」
「ほんはふはふほおひゃは(翻訳は不要だな)」
「……おう、そうだな」
なんだか表情が暗いな……。
話を聞こうとするが頑なに話さないんだよな鶴仙流のことになると。
「さ、さてと……次の話じゃが……孫悟空からじゃな」
おっ、弟の話か。
いやぁ、あのターレスとの戦い後に会いに行ったけどまーた少ししょんぼりしてたからなぁ。
恐らく自分自身が戦えないことによる罪悪感とかだろうけど、きちんと話はしたはず……。
チチさんにもフォローは頼んだから大丈夫な……はず……。
「……タ、ターレスのことを話したら『どっひゃ〜兄ちゃんに弟が増えたのか、オラおでれぇたぞ!!』…………とか言ってた……と思うぞ」
「思うぞって……おいおい、界王様しっかりしてくれよ……」
……とは言うものの、なんだか界王様、すごく疲れてるんだよな。
何があったかは知らんがあまり追求しないでおくか。
「チチからも『死人に体調があるかは知らんけど、気ぃつけるだよ』だと……他にも色々たくさんあるが、また夕飯のときにでも話してやるわい」
「そうか……ピッコロたちの方は?」
「うむ。……今日もどうせ話すんだろう? それは夕飯のあとにしよう」
「ああ、助かる」
「今日の夕飯はなんだよアニキ」
「……お前は食べなくても平気だろうが……!」
「いやいや、こんな格言があるぜ……『飯を食わねば死んだあの世で暴れられぬ』てな」
「……本当にサイヤ人は物騒だなおい」
界王様、なんだそのブーメランを見る目は。
◇◇◇◇◇
パチリ、と目を開ける
修行のあとの休憩でついつい寝てしまったらしい。
でも、なんだか懐かしい声がしたんだ。
なんだかとても暖かくなるような声が──。
『悟飯、聞こえるか、悟飯』
「……! その声は伯父さん!」
ボクの心がパァッと明るくなる。
その、お父さんともピッコロさんともまた違った優しい声に。
「くあぁあ……」
お行儀は悪いが、思わず欠伸をしてしまう。
『おっと……もしかして寝ていたか』
「ううん……うん。ちょっと寝てました! でももう大丈夫だよ」
『そうか……どうだ、修行の方は』
「うん! えっと、今日はピッコロさんが技を教えてくれて……クリリンさんも……」
ボクのとりとめのないお話にも伯父さんは『おお、そうなのか』『すごいぞ、悟飯!』と、きちんと全部聴いてくれて相槌をくれる。
それがすごく嬉しくて、もっともっと伯父さんとお話しをしたいけど、残念ながら伯父さんは人気なのである。
ボクの話し声で起こしてしまったブルマさんやクリリンさんが後ろでソワソワしているのがわかる。
かいおーさま? の力で全員と一度に話せるみたいだけど、一人ずつきちんと話をしたいという伯父さんの意向で、伯父さんとお話をするときはこうやって一人ずつ話している。
「伯父さん、お話聞いてくれてありがとう! そろそろブルマさんたちにかわるね!」
『お、もうそんなに時間が経ったか……悟飯の話が面白くてわからなかった。……修行も学業も、そしてナメック星も大変だろうが無茶はするなよ?』
「はいっ!」
まだまだある、そして増える予定のお話の山は、心の宝箱にしまっておこう。
大事な宝物は、伯父さんが帰ってきたときに開けたいから。
◇◇◇◇◇
「あんたが死んだせいで宇宙で暇なんだけどどうしてくれるの?」
『それ俺のせいか?』
ま! ち! が! い! な! く!
あんたのせいよあんたの。
そんなふうにわたしが言うと、すまんすまん、と笑いながら謝るアイツの声がする。
『わりぃわりぃ、オラのせいか〜』
「孫くんのマネをしても駄目よまったく……あ、そう言えば、あんたが頼んでたあのカプセルができそうよ」
『まじか……いや流石はブルマ大権現様……』
前に暇つぶしとしてなにか欲しいものは無いかラディッツに聞いたところ、「どんなに離れていてもボタンを押したら開くカプセル(厳しい環境で耐えられるもの)」と提案された。
何に使うか気にはなったけど、ラディッツだから悪いことには使わないでしょという気持ちから持ってきた暇つぶし用の開発キットで作ってみたのだった。
「ほ〜っほっほっほっ……もっと褒めなさい!」
『開発界の天下一! 地球一の才色兼備!! 銀河一のマドンナ!!! クリリンと代わってくれ!!!!』
「はぁ〜い……じゃなくて、どさくさにまぎれてクリリンと代わろうとするんじゃないわよ!!!」
『チッ……駄目だったか……』
危ない危ない、あと少しで卑劣な罠にかかるところだったわ。
さらにレディー相手に舌打ちした罰として私の話にトコトン付き合ってもらうわよ。
◇◇◇◇◇
「だ、大丈夫か、ラディッツ?」
『おそらきれい』
「せ、精神が……死んでる……!」
『ハッ……! 俺としたことが、ブルマのマシンガントークであやうく考えるのを辞めるところだったぜ』
放心してたらしいラディッツが我を取り戻したらしい。
……こりゃあまり話さないほうがいいか?
「疲れてるだろ? なんなら俺は別にいいけど……」
『いや……全然大丈夫だ……修行の方はどうだ?』
ラディッツに暗に休めと伝えたが、大丈夫だといわれ逆に質問されてしまった。
修行かぁ……う〜ん。
「そうだなぁ……悟飯とピッコロたちはトレーニングルームで100Gを超えて修行してるな……俺は90Gくらいでヒィコラ言っててちょっと情けなく感じるぜ」
『いや普通90Gで動けるだけでもすごいと思うが……』
すごいか?
……いや、俺の感覚がおかしいだけか。
周りが強いやつばかりだし……今、話をしているやつも……。
やっぱすごく無くない?
「おいおい、そっちはなんか150Gでも動けるらしいじゃん、バケモンかよぉ〜」
『俺が化け物…………? 違う俺はあくm』
「まぁ界王拳っぽいのは昨日なんとなくできるようになったけどよ……これ使わないと悟飯たちに追い付けないぜ」
そうそう、ラディッツにちょびっとだけ聞いていた界王拳を出せるようイメージトレーニングしてたら、なんか赤い気を纏えるようになってて……。
あーこれが界王拳かーとか考えてたらピッコロが俺を見ていた。
あのとき俺の姿を見たピッコロの表情すごかったなー。
『え……?』
「え? ってお前……お前が教えてくれたんじゃないか」
『い、いやそうだがな……クリリン、お前そういう気の扱い方とかのセンス、やっぱり抜群だと思うぞ』
「え? そ、そうかぁ? へへへへ……」
恐らくお世辞なんだろうが、ちょびっとピッコロたちに追い付けないことにより感じていた負い目が軽くなる。
『……なぁ、クリリン……口頭でしか説明できないが……教えたい技がある』
「ん? 俺でもできる技ならいいんだけど……」
なんだろう。俺でも扱える技かな?
『……元気玉、という技だ』
◇◇◇◇◇
──なるほど……たしかに強力な技だな、それ。
クリリンと、恐らくラディッツが話をしている後ろで俺は瞑想をしている。
たがしかし、頭に浮かぶのは眼の前にいるちんちくりん坊主がまさかの『界王拳』を習得したことだ。
(……あの技は俺も習得を目指したが未だに習得できていない……)
少し前のピッコロであれば歯ぎしりして悔しがっていたかもしれない。
だが今は……素直にクリリンにたいし、『凄い』と思える自分に驚く。
(やれやれ……本格的に変わっちまったな……俺も)
「おーい、ピッコロ! ラディッツが話したいらしいぞ〜」
俺を変えた要因の一人が俺と話をしたいらしい。
へっ、いいぜ……お前の知らない悟飯の話でもしてやるか。
『ピッコロ、ナメック星人は口笛が苦手と聞いたから確かめさせてほしい。えっいいってありがとう! ターレス、オメェの出番だぞ!!』
「は? いやまて、まつんだラディッ」
『〜〜♪♪』
「うぉぉ!!! や、やめ、やめろ……やめんかバカどもぉ!!」
『『〜♪♪』』
「口笛二重演奏するな貴様らあああああああ!!! ……い、いかん……全国のピッコロファンのみなさ……」
──しばらくしてピッコロは意識を失った。
ドラゴンボールスパーキングゼロ、ずっとシングル戦でサイバイマン使ってたんですけど意外と使いやすいですねこのキャラ
未来悟飯とラディッツとザーボンさんとサイバイマンばかり使ってるけど。何だこの組み合わせは。