ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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あけましておめでとうございます。
まだ体調が正直なところ戻っておらず、緩やかに過ごしております。
間隔があいてしまうかもしれませんが、投稿します。

いつもお読みいただいている方、ありがとうございます。
書き続けたいとは思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。


弟はナメック星へ 兄はあの世へ 強敵は地球へ ★27

ナメック星──

 

かつて栄えたであろうこの星は、一度災害により滅びかけた星である。

しかし星の力なのか、はたまた星に住んでいる人たちの生命力が強いのか……ナメック星は滅びず、ナメック星人たちは復活の兆しを見せていた。

 

細々と、だが決して不幸ではない充実した平和な日々を暮らしていた彼らには果たして罪はあるのか。

──いや、ドラゴンボールを生み出してしまったのが彼らの罪なのかもしれない。

 

「やれやれ……やっと到着しましたね」

 

ふよふよと空中浮遊するゴブレットのような乗り物から一人の男があたりを見回す。

 

「これがナメック星ですか……なんというか……」

「寂れてるっつー感じがするぜ……」

 

その両脇を固めるように歩く紫太ましい男と細身の男がそれぞれ率直な意見を述べる。

 

「ほほほほ……そうですね、こんながさついた星ですが……とてつもないお宝があるんですよ、ベジータさんには感謝しないといけませんね」

 

「ドラゴンボールという存在を教えてくれたことに……ね……ホォーホッホッホッ!」

 

宇宙の帝王フリーザは高笑いをする。

その目はすでに目的を果たしたかのように、とても楽しげで。

──とても冷たかった。

 

「さて……宇宙を完璧に支配するための一歩を、みなさん……踏み出しますよ?」

 

「「ハッ!」」

 

 

◇◇◇◇

 

 

「クソッタレ……」

 

募る焦りと苛立ちについ、無意味な悪態が口からこぼれ出てくるベジータ。

 

休憩した惑星の同僚から、フリーザにドラゴンボールの存在がバレたことを知ったベジータは、ナメック星へと宇宙ポッドで急いだ。

先の地球でラディッツに恐怖を植え付けられプライドを粉々にされたことを思い出すたび、奮える身体をなんとか抑えながら─。

 

そして辿り着いたナメック星。

流石はサイヤ人の天才か、気を把握しコントロールする力をある程度身につけており、彼にとって最悪な事態であることもまた認識してしまった。

 

(こ……このオレ以上のパワーを感じる……フリーザか……!)

 

スカウターで気取られてはまずいと最大限パワーを落とすベジータ。

フリーザの圧倒的なパワーに真正面から挑んでも勝てないと判断した彼は、ほくそ笑む。

スカウターと視覚を頼りとする奴らとは違い、自分はスカウターが無くても情報が把握できるのだ。

 

(できればスカウターを破壊したいが……どんな手を使っても構わん。オレの野望のため……集めてやるぞ、ドラゴンボール!)

 

「そうだ……最後に笑うのはこのベジータ様だ!!ハァーッハッハッハッ!!!」

 

◇◇◇◇

 

 

同じ頃、地球にも魔の手が迫っていた。

「ふふふ……なんとも良さげな星ではないか……」

 

トゲトゲとした実を片手でクルクルと回しながら、宇宙船の中で男は青い星を見ていた。

緑色の肌を持つ、まるでピッコロのようなその男は手に持つ実をかかげ、誰に話しかけるともなく面白げに呟いた。

 

「あの宇宙船を襲ったのは正解だったな……回収したこの実をいくつか齧ってから……まるで若い頃のような力が戻ってきておるのだ」

 

そういうと男は手に持つその実にガブリと齧りつく。

クワッと目を見開き、さらに上昇した己のパワーに酔いしれたかのように笑みを浮かべる。

 

「あの星をクルーザーに改造してやればとてつもなく快適だろう……それにこの実を手にしたオレにもはや勝てるものなどおらん!」

 

フフハハハハーッハッハッハ……!!と宇宙船に高笑いが響く。

 

「全宇宙を支配するのはこのオレ、スラッグ様だ!」

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「というわけで地球に危機が迫っておるぞ〜」

『おるぞ~……って、他人事みたいに言わないでくださいよ界王様……』

 

俺だ、いつもの通りラディッツだ。

界王様に「緊急の話がある」と呼び出されたが、ターレスのようにどうやらまた地球の危機が訪れたらしい。

ヤムチャが界王様にトホホ……といった感じで抗議するが「うむむ……だって忙しかったもん……」と言う始末だ。

……あっ、多分忙しかった理由は俺とターレスの修行だな、すまん。

 

『ブリーフ博士が望遠鏡で見たというのがそれじゃろうな……して界王様、どんなやつが来ておりますのやら』

「……スラッグ一味というやつじゃ。そいつらは宇宙を荒らし回り、気に入った星を乗り物に改造しておると聞いた。今回は恐らく地球がターゲットになったんじゃろう」

「ハデに迷惑なやつだな本当に……」

 

亀仙人が敵戦力を確認し界王様が返事をする中、俺はするりと迷惑だなという言葉を発した。

 

恐らく部下たちは天津飯たちで倒せるだろう……が、スラッグ本人を今、生きている地球の人物で倒せるやつがいない。

 

「……おい、あんた……いや界王さんよぉ、そのスラッグと言うやつに地球は対処できんのか?」

 

やけに深刻な表情をしたターレスが界王様に問いかける。

……うーむ、やはり鶴仙流の人たちが気になるのかな。

 

「……例え悟空やナッパが怪我から復帰しておっても無理じゃな、スラッグはあのフリーザより強いかもしれんと言われとるんだ」

『あのフリーザよりつええだと!?』

 

ナッパが大声で叫ぶ。

そのあと「あっすまねぇ」という声が聞こえたから多分病院の看護師さんあたりに怒られたのだろう。

 

『フリーザ……?』

「ああ、宇宙の帝王じゃ……もし出会ったら逃げろ、やつには誰にも勝てん……つまり、スラッグにも今現状、戦えるもんがおらん!ドラゴンボールでもなんでも使って逃げるんじゃ!!」

 

おーおー好き勝手いいなさる……。

まぁでもそうかもしれん。

 

『んな無茶苦茶な……』

「無茶も苦茶もヤムチャも承知だわい!」

『そ、そんな……俺が無茶苦茶なんて……そ、そうだラディッツを占いババ様に頼んで……』

『ヤムチャ……その手はもう使えねぇはずだぞ、兄ちゃんはもう……1日だけあの世から帰ってきたじゃねぇか……』

 

仲間たちの会話を聞いていた俺はふと視線を感じたのでその方向に顔を向ける。

するとターレスがジッとこっちを静かに見ていて……コワ……。

 

思わず頷いてしまうと、ターレスは一度目を閉じたあと再び開き、口を開いた。

 

「……1日限定で生き返れるんだろ?……オレがやってやろうじゃねぇか」

 

……それ、俺が提案しようとしたことなんだけどな……。

だが、自ら立候補するとは……ターレスも成長したもんだ。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「……おい、あんた……いや界王さんよぉ、そのスラッグと言うやつに地球は対処できんのか?」

「……例え悟空やナッパが怪我から復帰しておっても無理じゃな、スラッグはあのフリーザより強いかもしれんと言われとるんだ」

 

……フリーザより強いとか、本当にバケモノじゃねぇか……。

そんなやつが地球に来てる、か……。

 

なんか続けてガチャガチャ地球のやつらが話しているが……多分あいつらじゃ守りきれねぇってのはもうわかる。

 

(だが、すでに死人のオレには関係のな……)

 

ズキン、と殴られたとも蹴られたとも違う痛みが胸を走る。

思わず顔をしかめると脳裏に浮かぶのはユーリンと、ジジイ二人組だ。

 

(甘くなったものだな、ターレスよ)

 

そう自分自身に呼びかける。

できることならオレが地球に駆けつけたい。

だが方法が──。

 

『そ、そんな……俺が無茶苦茶なんて……そ、そうだラディッツを占いババ様に頼んで……』

『ヤムチャ……その手はもう使えねぇはずだぞ、兄ちゃんはもう……1日だけあの世から帰ってきたじゃねぇか……』

 

……ある!この摩訶不思議な惑星にはある!!

 

……しかし、オレに地球を守れるんだろうか。

いやそもそも守る権利はあるのか?

 

オレを倒して地球を救った男に視線をやる。

そういえばあいつも……昔のオレのように侵略してたらしいが……。

 

オレの視線を感じたのか、あいつもオレに顔を向ける。

そして……。

 

──こくり、と頷いた。

そして、お前なら大丈夫だ、とオレの心を読んでいるかのように……。

 

(あぁ……敵いやしねぇかもな、『アニキ』には……)

 

もう迷いはない。

オレはオレの思いを口にする。

 

「……1日限定で生き返れるんだろ?……オレがやってやろうじゃねぇか」

 

──脳裏に浮かんでいた三人が笑ってくれた気がした。




ところでスラッグの部下ってダボダボいう人がいた気がするけど、変わった語尾ザウルス。
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