ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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サタン「ラディッツさん、新しい変身フォームの名前を考えたんですよ」
ラディッツ『ほう』
サタン「6という数字と私って多分相性がいいんですよね、なので『ロックマ〇』がいいんじゃないかと……」
ラディッツ「絶対に止めよう、いろいろと怒られるから!」


弟はナメック星へ 兄はあの世へ 強敵は地球へ ★29

(兄者、そっちは何人やった?)

(ざっと50人……くらいか、そっちは何人だ)

(51人だ……兄者、腑抜けたか〜?)

(……数え間違えておったわ、実は52人じゃ)

(ずりぃ! ……あっ実はワシも数え間違えてて53人だ!)

(なんの……54人!)

(55人!!)

 

 竹藪の茂みに隠れて獲物を仕留めつつ、物騒な内容であること以外は平和な兄弟喧嘩をする鶴仙人と桃白白の二人。

 しかしふと茂みの傍を通り過ぎていく兵士二人から桃白白は気になる会話を聞いた。

 

(兄者……この兵士たち、どうやら援軍を呼んだらしいぞ)

(うむ……ワシも聞いた。メダマのお茶がどうとか)

(そう、それだそれ、目の抹茶が来てくださるとか……)

 

 お茶の援軍……お茶くみ係でも出てくるのか……と二人は一瞬真剣に考えたが、すぐに次の行動の方針に切り替えた。

 

(……そろそろユーリンも西の都へ着いた頃じゃろ……ワシらも西の都へ引き上げるとするか弟よ)

(承知した兄……む! なにやつ…………ひっ……スーパーどど──)

(おいっ、どうした弟! 聞こえてるか! 桃!!)

 

 突如、弟とのテレパシーを通じた会話が途絶え、鶴師匠も弟へ呼びかけるも反応は無かった。

 それはつまり──。

 

(……許せ、桃……ワシの力が足りぬばかりに……!?)

 

 直感で弟は死んだと考え、そして──。

 ふと何かに見られている気配がして振り返るとそこには……。

 

 鳩尾への強烈な衝撃で意識が途切れる寸前に鶴仙人が見たのは──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 満月のように大きな眼球であった。

 

 

 

 

 

 

 

 ──ケケッ。

 

 ◇◇◇◇◇

 

「なんでわざわざ遠い西の都へ薬をもらいに……ブツブツ……」

 

 鶴仙人と桃白白の心を知らず、ぶつくさと文句を垂れつつもユーリンはジェット機を西の都へ飛ばす。

 過去に鶴仙人から「お前は操作するな!」と言われたジェット機であるにもかかわらず、今回は運転の許可を得られていたことの違和感に彼女は気付いていなかった。

 

 だいぶ荒い運転をしつつも、徐々に西の都へと近付く彼女。

 ふと雲に覆われた空を運転席の窓から覗く。

 ──いや、正確には空の向こうにあるとも言われている『あの世』を、見えないことはもちろんわかりつつも見ようとしていた。

 

(ターレス、『あの世』で元気にしてんだろうか……)

 

 この世にはいない、想い人に思いを馳せる。

 あのターレスが死んだ日から、鶴仙人と桃白白のわがままな命令に翻弄され忙しくしていたためゆっくりと考えている暇がなかったのだ。

 

(あのとき、オレがもっと上手くやれていれば……ターレスを生かせたんだろうか……)

 

 答えの出ない答えがぐるぐるとユーリンの頭を巡る。

 だがぐるぐるしているうちに、確実に自責の念が自身の肩に蓄積され、暗い方向へと思考が寄っていく。

 

(オレは……ターレスのために何もできなかった……あいつのためにと思ってやったことはタダの自己満足じゃないのか……?)

 

 恐らくターレスが傍で聴いていたら全力で否定するであろう考えと後悔の念がどんどんとユーリンから溢れていた。

 こんなとき、人はさらに注意力も散漫になり、さらなる失態を犯すものだ。

 ──もっとも注意力が足りていたとはいえ、後ろからジェット機の翼を目掛けて放たれたエネルギー波をかわせる人がいるかは不明だが。

 

 ジェット機の機体がガクンと落ち込み、運転席でバランスを崩したユーリンは慌てて叫んだ。

 

「ッ! な、なんだってんだよ!!」

 

 徐々に高度を落としていくジェット機の中で、ユーリンは窓から左右の翼が無くなって煙がもうもうと上がっていることを確認した。

 

(な、なんだこれ……何が起き……いや! 今は早く外に出ないと……!!)

 

 思いっきりドアを蹴り開け、タイミングを見計らってジェット機からユーリンは飛び降りた。

 それと同時に、なにか放たれた音がし後ろのジェット機が爆発する。

 その爆風に煽られ、ユーリンは地面へと叩きつけられた。

 とっさに受け身をとったがそれでも叩きつけられた衝撃で一瞬気を失いそうになる。

 それを必死の思いで繋ぎ止めて立ち上がったのは、なにか良からぬ気配が二つほど近くにいることにようやく気付いたからであった。

 

「おいゼエウン、無闇矢鱈と破壊しようとするんじゃない……もしも有用な人材だったらどうすんだ!」

「ふん、こんな原始的な星にそんな人材がいるとも思えねぇ……スラッグ様のために少しでも蟻は排除すべきだと思うがなアンギラ」

 

 近くに落ちたジェット機からもうもうと上がる煙の中から、そんな会話とともに二つの人影が現れた。

 

(な、マジで何だってんだよ……)

 

 出てきたのは、赤い肌をもつ巨体の男と、青白い肌をもつ男。

 とっさに構えるが、どうあがいても勝てそうに無い雰囲気をユーリンは感じていた。

 

「おっと! ……貴方はこの星にお住いの方ですね? 実に運が良いですよ! なぜならこの星は──」

「この星はスラッグ様の乗り物として利用され、お前達原始人はスラッグ様の支配下に置かれる。この先の道は宇宙の支配者となるスラッグ様のために働くか、それとも無様に死ぬか……だ。さぁ今、ここで選ぶのだ」

 

 唐突な話にユーリンは一瞬ついていけなかった。

 何を言っているか理解するために彼女は考え──。

 

「おいゼエウン、そんな高圧的な態度はやめろ! 素直に従えば悪いようにしない、と寛容的に接してこそ余計な反乱を起こさせず、後始末が楽になるだろ!!」

「ふん……わかっていないのはアンギラ、お前の方だ。わざと反乱を煽り、そしてそれを潰してこそ心は折れて支配しやすくなる。スラッグ様のためにはそれが一番手っ取り早い」

 

 ──られなかった。目の前であーだこーだと言い争う二人を前に、元来短気で考えることが苦手な彼女は、イライラが募り、そして──。

 

「てめぇらふたりともうるせぇぞ! グダグダグダグタとつまらねぇ言い争いなんかしやがって!! 選べだと!? てめぇらにそんな権利があるわけねぇだろ!!」

 

 ──つい、叫んでしまった。

 

「……そうか、それがお前の答えか」

「ちっ、いくら良い星でも野蛮な人種がすんでるってわけか……素直に従えば生きていられたかもしれないものを……」

 

(あ……こ、殺される──)

 

 目が据わった様子の二人を見て、そう直感したユーリンはしかし、さほど恐怖心は無かった。

 心にあるのは──。

 

(ごめんなさい鶴師匠、桃先生……薬を貰えそうにないです……、でも……ターレスに会いにあの世へ行けるぜ……)

 

 ゼエウンが腕を大きく振りかぶった。

 自分の死を受け入れ、ユーリンは目をギュッと瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──いくら待っても、痛みが襲ってこない。

 

(もしかして……もう死んでるのかオレは……)

 

 そんなことを思いつつそっと目を開いたユーリンは、目の前に信じられないものを見ていた。

 

「な……こ、こいつオレの拳を受け止め……ギャアアア!!」

「ふん……ただの握手のつもりだったんだが『ついうっかり』……握りつぶしてしまったようだ」

 

 ──オレはこの『声』を知っている。

 

「ゼ、ゼエウン! お、お前はいったい何も──」

「どどん! ……おっと! ちょっと小洒落たご挨拶のつもりが『ついうっかり』頭を貫いてしまったか……」

「あ、アンギラーッ!!」

 

 ──オレは……この『どどん波』を知っている。

 

「く、くそっ手を離せっ……こ、殺してやる!!」

「お、そうか……『離してやる』よ」

「な、グァアアア……お、オレの肩が……ちぎれ……!!」

 

 ──オレはこの後ろ姿を知っている。天使の輪みたいなのが付いてるけど。

 

「『離してやった』ぞ……さて、スラッグとやらは何処にいる? 素直に言えば悪いようにはしない」

「…………す、スラッグ様の居場所を……え、ええい言えるわけがない!!」

「そうか、じゃあさよならだ……どどん!!」

 

 ──相手の急所を的確に狙うこの強さをオレは知っている。

 

 自然とその名前を口に出していた。

「ターレス……」

 

 ユーリンのその声ににその見知った男はゆっくりと振り返り──。

 

「っ……待たせて、悪かったな……」

 

 どこか少し悲しげな顔をしたターレスが、ユーリンを見つめていた。

 地球に来る前には絶対に見せないであろう、優しさと淋しさを携えたその目で──。

 




一気に勢いで書きましたが、スラッグの部下のセリフってどんなのだったかうろ覚えでございます。

あと前回の感想欄に『ナッパにウィングを』って記載いただいた方がいて笑ってしまいました。
僕たちは天使だった……(byナッパ)
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