ドラゴンボール~兄より優れた弟は存在する!~   作:ナッパにウィッグを。

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優れた自慢の弟に兄如きが勝てると思っているのか? ★9

 蘇ったその日はゆっくり休み、俺はクリリンや亀仙人たちと修行を共に始めた。

 悟空はピッコロと悟飯をここでの修行に連れてくる、として出て行った。

 ナッパやベジータが来るまでの間、ここでダメ押しの修行をすれば

 皆が生き残る確率は高まるだろう。

 

 それにしてもだ。

 

(なんで亀仙人も修行してんの?)

 

 このときの亀仙人は、自分にはもうかなわん世界じゃ、として隠居していたはず──

 ところが今はヤムチャたちに交じりミスターポポと組手をしていた。

 

(何か……思うところがあったのか?)

 

 あともう一つ気になることが。

 

(スカウターで見ているわけじゃないから数値はわからんが……皆、なんか原作より強くね?)

 

 ─なんで? あっもしかしてバグった? ここ実はゲームの世界? ヤムチャが急にフリーザになって味方になったりする? 

 

「よっ、ラディッツ!」

 

「……クリリンか、昨日はなんというか……すまんな」

 

 やっていた腕立て伏せの手を止め、傍にクリリンが寄ってきたのでひとまず謝罪した。

 

「昨日? あー、ヤジロベーの件か……いいよ、お前が悪いわけじゃないんだしさ」

 

 完 全 に 俺 が 悪 い で す 。

 原作を思い出して『アルマジロ』って言ったから俺が悪い。

 無論、前世の記憶からあんな発言をした……今は反省している。とか言ったらやべぇやつになるので言えないが。

 

「そ、それでもだ、すまなかった……」

 

「ははは、もーいいって。なーんというか、悟空と違って律儀だよなお前って……」

 

 昨日もそうだったが─やけにクリリンが俺に気を使ってくれているような……。

 やはりこいつイケメンか? 鼻がないけど。

 クリリンが18号と出会うときに俺がまだいたら全力でフォローしよう。

 

 神殿の地べたに俺たちは座り、話を続ける。

 

「あのよ……ラディッツから見て俺たちは強いと思うか?」

 

 クリリンの問いかけに俺は考える。

 先程も思った通り、原作よりは強い。

 あくまで原作よりは。

 

「……俺がこの地球を制圧しようとしたら、手こずるだろうな」

 

 あえてぼかした返事を聞き、クリリンは「そっか」と軽く相槌を打った。

 

「……なぁ、もし悟空もラディッツもいない状態で、今来ようとしているサイヤ人2人に……対抗できると思うか?」

 

 さらに確認するように確認してくる。

 ……なんでこんなに気にするんだ? 

 しばらく考えたあと、俺は自分の考えを話す。

 

「ふたりのうち……ナッパ、には犠牲を出すかもしれないが……勝てるとは思う」

 

 本当にそのぐらいには強くなってる気がする。

 だが──

 

「─ベジータには無理だ。やつはそれほどにまで強い。これは決してお前たちを侮っているわけではないんだが……」

 

「いやわかってるよ、気にすんな。正しく評価してもらった方がありがたいぜ。変な自信で挑んで死ぬのはいやだからな。しかし、あんだけ頑張って修行したのにまだ勝てそうにないか……ちょーっとがっかりだなー……」

 

 ははっ、と軽く笑うクリリン。

 何かフォローをした方がいいか、するならどんなフォローがいいか……

 考えている俺を後目に、クリリンは吐露するように話し始めた。

 

「ラディッツ、俺な。悟空が言うから賛成したけど、個人的には反対だったんだよ、お前を蘇生するの」

 

 言いづらそうに、しかしはっきりと。

 俺は黙ってその続きを待った。

 

「あー……誤解はしないでくれよ。こうやって話してみて、今はそう思ってないからな……でも、その時はほとんどみんな反対していた」

 

 俺がもし逆の立場だった場合、俺だって反対すると思う。

 ─しかし、ほとんどみんな? クリリン以外にも賛成してくれたやつがいるのか。

 

「お前以外にも……誰か賛成したのか?」

 

「ああ……ほら、あそこにいるミスターポポと組手している人がいるだろ?」

 

「……たしか武天老師、と言ったか。カカロ……悟空の師匠だと聞いた─あの人が賛成したのか?」

 

 亀仙人が? 悟空の師匠として俺は素晴らしい人だと思うが。でもなぜ賛成してくれたのか。

 

「そうなんだ。そのときの話なんだけどな──」

 

 クリリンはそのときに亀仙人が語ったことを俺に話してくれた。

 俺のこと。悟空のこと。そして強くなること。

 

「あのご老体が、そんなことを……」

 

「ああ、普段はちょっとスケベな人だけど、やっぱ武天老師って名前だけのことはあるよな」

 

 心の中で、クリリンに同意する。

 

「……弟は、良い師匠をもったな」

 

 亀仙人への評価が鯉のぼりだ……いや鰻登りだっけ? 

 うな重食べたいな……はっこれがサイヤ人の思考か!? 

 な、なんて恐ろしい思考なんだ……!!! 

 

「……なぁラディッツ、もう一つ質問いいか?」

 

「うな……、なんだ?」

 

 頭の中のうな重を振り払い、俺はクリリンの質問を待った。

 

「残された時間の中で、俺たちがさらに鍛えれば……悟空を安心させることはできるかな?」

 

 悟空を安心させることはできるか? 

 敵に勝つ、勝たないではなく、悟空のことを考えての発言。

 クリリンらしい。

 

「……無責任なことは言えん。だが─やってみる価値は、絶対にあるだろうな」

 

 俺の言葉を聞いて「よし!」というとパンパンと自身の両頬を叩き鼓舞するクリリン。

 そして俺の目をみてこう言った。

 

「俺……もっと強くなる。悟空には敵わないかもしれないけど……」

 

 それでも、と。

 

「あいつが倒れそうになったとき、肩を担げる存在は……ひとりでも多くいたほうがいいからさ!」

 

 言ってる途中で恥ずかしくなったのか、

 はは……と頭をかいているクリリン。

 しかしその目は、闘志に燃えているのだった。

 

 俺はもうひとつ付け加えた。

 

「俺の弟は─素晴らしい友人を得たな。なぁ、クリリン」

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「お、お父さんだ! お父さぁん!!」

 

「久しぶりだなぁ悟飯! えれぇ強くなったなぁ〜おめぇ〜!」

 

 悟飯は悟空の姿を見つけると、力のかぎり抱きつき、

 対する悟空は優しく抱きかかえた。

 長いこと会えなかった親子の再会……、

 そんな様子をどこかよそよそしく見ていたピッコロがいた。

 

「よぉピッコロ! 聞いたぞ、あのたたけぇのあと悟飯の面倒をみてるちゅーのは! サンキューな!」

 

「……フン! ただの気まぐれだ」

 

「あのね、お父さん! ピッコロさんってすごいんだよ!!」

 

 ……あの人見知りの悟飯から凄い尊敬されてんなぁピッコロ。

 なんかピッコロの顔がどんどん茹でたタコみてぇな色になってっぞ。風邪か? 

 

「それからね、それからね! わわっ!?」

 

「ははっ! 悟飯、続きはまた今度な?」

 

 頭をクシャクシャッと撫でまわすと、えへへ……、! と笑う悟飯にほっこりしつつ、ピッコロ─茹ですぎたタコみてぇな色だな……─に悟空は話しかけた。

 

「なぁピッコロ─」

 

「断る! なぜ俺が、行かねばならん……!!」

 

「お、おぅ……いやなんかおめぇ顔が茹でタコみてぇな色になってっからオラ、医者に行くか、っちゅー話をしようとしたけんど……そんなに医者は嫌か?」

 

「─は?」

 

「ピッコロさん風邪なの!? か、風邪ならお医者さんに行かないと……」

 

 ピッコロの顔が緑色に戻る、ひゃー顔の色まで変えられるとかすげぇなぁと悟空は考えていた。

 

「ごほん、い、いや風邪ではない……心配はいらん……それよりもどうせ貴様のことだ、あの神とあの男のいる神殿に連れて行くつもりだろ!」

 

「そうだけんど?」

 

 なに当たり前のことをいってんだという悟空の態度に

 ますますピッコロはヒートアップする。

 

「ふざけるな! お前という敵! お前の兄という敵! 神とかいう敵敵敵だらけの場所に俺がわざわざ行くと思うか!? ……それに、大体お前の兄の存在は悟飯が嫌がるだろうが!!!」

 

「ねぇピッコロさん! 僕……たしかに怖いけど、お父さんとピッコロさんがいるなら怖くないよ!!」

 

「─、だが、そうだな……敵だらけな場所で修行するのも面白い……フン、お前の言う通りにしてやろう!」

 

「なんだこいつ(サンキュー、ピッコロ!)」

 

 ……なにはともあれピッコロと悟飯を皆のいる神殿に

 連れてくることに成功した悟空だった。

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