【推しの子】ヤケクソハッピーハーレムルート   作:ただの暇神

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屋上

『深ワン』の放送も大好評に終わり、8月末にあったB小町Rのライブは相変わらずの大盛況。

今回は東京ドームではなく、大阪の大型ドームでライブは行われた。

現地も当然のように満員だが、恒例となっている有料のネット配信でも中継されており、凄まじい数の人に喜びと感動を提供していた。

 

「ルビーちゃん、フリルちゃん、みなみちゃん!ライブ見に行ったよ〜アイドルの生ライブって初めて行ったけど想像の100倍は凄かった!」

「皆元から可愛いのにアイドル衣装着て本気でパフォーマンスしてたから女の私も見惚れちゃった」

「わざわざ大阪まで行った甲斐があったよね〜」

 

夏休みが終わり、再開された学校ではルビー達に数名の友人が話しかけた。

どうやら彼女達はB小町Rのライブチケットを入手できたらしく、現地でライブを見ることができたようである。

嬉しそうに報告する三人に、ルビーは笑顔で返事をする。

 

「ホント?嬉しい!きてくれてありがとね〜……でも、よくチケット取れたね」

 

予約殺到でファンクラブ経由での抽選方式がほとんどだったため、ルビーは彼女達の幸運に驚きを露わにする。

 

「私らファンクラブ入ってるからね〜」

「ほら!」

「じゃん!!」

 

そう言って三人が取り出したのはファンクラブ会員証。

推しメンバーの顔がプリントされており、それぞれルビー、フリル、みなみの三人になっていた。

自分のクラスにそこまでのファンがいると知らなかったルビーは目を丸くして驚く。

これまでクラスメイトがファンクラブへと入っているという情報を聞いたことがなかったのだ。

ライブについて裏話などを聞きたがる彼女達に対してルビーが受け答えをしている間、余裕があったフリルは静かにしているアクアへと声を掛ける。

 

「そういえばファンクラブってマリン入ってるの?」

 

自分たちのファンといえばアクアが第一のイメージが強く、関係者席として毎回席を確保できる彼が入る意味はあまりないと知っていてもつい気になって尋ねた。

 

「入ってるけど入ってないな。枠にはカウントされてないけどミヤコさんがこれはくれた」

 

そう言ってアクアも一枚のカードを取り出す。

他の会員証は推しメンのカラーリングになっているのだが、アクアのカードは角度を変えると白、桃、赤、紫、青と5色に色を変える特別な代物だ。

メンバーのイラストも五人全員の集合写真で会員No.0と記されている。

 

「ズルくない?それ」

「ミヤコさんに言ってくれ。『アナタはどうせ箱推しし続けるんだろうからこれでいいでしょ?』って渡してきたんだよ」

 

フリルの言葉ももっともだが、アクアが自分で選んだわけではないのだからそのあたりは大目に見て欲しいというのがアクアの正直な気持ちだ。

当然内心では世界に一つだけの特別なグッズだと喜んでいるのだが、そんなものは卓越した演技力で表に出さない。

 

「アクアさん8月あんなに忙しかったのにライブ来てくれてありがとうな」

「気にするな、俺が見たかったから行っただけだ」

 

むしろB小町Rのライブに行くことで元気をもらってアクアが健康に過ごせているぐらいだ。

実際ライブを見てから8月の多忙さに溜めていた疲れが霧散しており、アクアは最近は好調なくらいだった。

 

 

「アクアくん、フリルちゃん!『鷹研ぎ』最新話見たよ!いよいよ最終章って感じで毎日ワクワクしながら見させてもらってる」

「星野マジですげぇよ、何あの演技、ちょっと今度教えてくれね?」

 

そんな中、今度はアクアとフリルが出演している月9についての話題をクラスメイトから持ちかけられた。

今もっとも話題のあるドラマ『才ある鷹は陰でひっそり爪を研ぐ』は社会現象と呼ばれる域に片足を突っ込んでいた。

当初は20%なかった視聴率だが、今や30%近くに到達しており、この時代にこんな数字出るのかとプロデューサーなども大騒ぎをしているくらいである。

 

「視聴率が伸びるのは嬉しいけど、俺たちだけじゃなくて脚本がでかいと思うぞ」

「確かに。カントクのストーリーラインが綺麗な上にいいところでラブロマンスも混ぜ込んでるのがいい塩梅だよね。あとは事件のトリックが『乱歩』の作者が提案しているだけあって面白い」

 

アクア達は自分たちの実力がないとは言わないが、作品自体が魅力的なのだと自分たちの意見を口にする。

ただ外から見ている視聴者としてはクラスメイトというのを除いても二人の功績は大きいと感じていた。

 

「脚本もあるけど、やっぱ星野と不知火の掛け合いが面白いんだよ。普段も時折やってる二人の掛け合いもいいし相性いいよな」

「分かるわ〜本質が似てるのよねこの二人。漫才コンビ組んでもやっていけるんじゃない?」

「お前らは俺たちを何だと思ってんだよ」

 

色々好き勝手いう男女二人にアクアはため息を吐く。

現時点でこの調子ならば最終回が放送されようものなら阿鼻叫喚だなと予想して当日を恐怖した。

 

「みなみ〜『深ワン』見たよ〜」

「ドッキリ食らった後の反応最高だった!」

「あれはほんまの動揺なんよ……恥ずかしさがどうしても出ちゃうんよね」

 

唯一この中で話し相手が手持ち無沙汰になっているみなみを見つけて他のクラスメイト達が近付く。

話題は『深ワン』についてであり、トレンドで暴れていただけあって視聴者数も普段の比にならない。

みなみのある種の痴態も広まっていると考えるべきだった。

 

「星野と寿のやり取りもこんな良かったんだなって気付くの遅かったけど知られて良かったわ」

「そう?これからはフリルちゃんほどやないけど共演したらもっとアピールしよかと思わされるわ」

 

アクみなが他のメンバーよりニッチな推しと知ったみなみは、これまでより少し気合を入れて行動しようかなと少し思わされた。

 

「その後五人で実況動画撮ってたみたいだけど、ツッコミやトークがあれば二度面白くて満足感すごいよ……やっぱ五人で一緒に活動するの見ていて楽しいね」

「今度別の番組でもやらないの?」

「うーん……『今ガチ』の頃ほど気楽には人を集められへんけど数名単位でよかったら提案してみようかな」

 

よほど楽しかったのだろう。

みなみの言葉に笑顔を見せて同時視聴の感想まで言うクラスメイト。

みなみは今後の参考になるだろうと彼女から見た番組やみなみへの意見を引き出していく。

他にもいくつか今後アイドル活動をする上で使えそうな話がでて、みなみとしてはそれなりに収穫ある雑談となるのだった。

このようにアクア達は夏休みということで起きた出来事について休憩時間の度に質問攻めされ、中々忙しい登校初日となった。

 

 

放課後、アクアは荷物を片付けたところで、B小町Rの皆と一緒に帰るつもりで三人が集まっている方へと向かう。

アクアが近付くより前から揃っており、どうやら彼女達は片付けもせず何かを相談しあっていたようだ。

一体何をしていたんだろうかと不思議そうな表情をするアクアに、三人のうちの一人、みなみが少しいつもよりも緊張した面持ちでアクアの顔を見ながら声を掛ける。

 

「アクアさん、時間もらってもええ?少しだけ二人で話したい事あって」

「ん?ああ、俺は大丈夫だが」

 

アクアは同じく一緒に帰ろうと声を掛ける予定だったルビーとフリルへと視線を向ける。

特にルビーは用事がないのであれば家も同じなのでどこかで待っていてもらうつもりだった。

そんなアクアの考えを察したのだろう。

視線の合ったルビーはバタバタと手を動かして誤魔化すような動きをしてからそうだ!と思い付いたように手を鳴らしてから口を動かし始める。

 

「……あっ!私今日フリルちゃんとかな先輩とあかねちゃんとクレープ食べに行く約束が!!ね!フリルちゃん」

 

どうだと言いたげに自信満々なルビー。フリルはそんな彼女に対して演技は苦手ではないのに嘘は本当に下手だなと思いながらフォローを入れる。

 

「ごめんねマリン、みなみ。これから行くクレープ屋は四人用なの」

「そーそー!!ということで……またね、おにいちゃん!」

 

何のフォローにもなっていなかったフリルの言葉に同意するルビー。

大変わざとらしい言葉を残して去っていく二人をアクアは呆れた表情で、みなみは恥ずかしそうに見送った。

置いて行かれた二人は少しの間沈黙したものの、気を取り直したみなみから口を開く。

 

「えっと……その〜お、屋上行かへん?」

 

それは一度このなんとも言えない空気をリセットする意味があると同時に下手な人に聞かれたくない話だという意味を込めた提案だった。

みなみが少しテンパっている様子を見せているのは、果たして先ほどの二人のせいか、それともこれからする話のせいか。

 

「……分かった」

 

そんなみなみからの勇気のある提案に対してアクアは頷きながら短く了承を返す。

アクアはそこまで鈍いわけでもない。

これから起きることをなんとなく察しながら、そしてその先の答えももう決めている。

みなみもその事は察しており、一種の出来レースのようなものだ。

だが関係を変えるのに必要な一つの儀式、心に残る思い出としてみなみは敢えて学校を選択した。

ゆっくりと二人並んで歩いて屋上へと向かう。

顔が知られているアクアとみなみの二人が並んで歩いているのを見ても、散々ネタにされたりしているからかまたあの二人かとしか思われず、特に邪魔される事なく屋上へと辿り着いた。

 

「ウチあんまり屋上来た事なかったんやけど、思うてたよりずっと広いなぁ」

「今は俺とみなみの二人しかいないし余計にそう感じるのかもな」

 

閑散とした屋上に二人だけ。

特別な雰囲気を感じるのも無理はないかもしれない。

みなみはまだ落ち着かないため、アクアに正直に話して時間をもらう事にする。

 

「アクアさんは結構察しええ人やし、分かってるんやろうけどちょっと待ってくれへん?ここからはうちのターンやから」

「ああ、準備ができるまで待つつもりだ」

「ありがとうな。少し時間掛かるかもやけど」

 

そう言ってみなみは深呼吸をして熱った頬が少しでも冷めるように、バクバクと音を奏でる心臓が少しでも落ち着くようにと祈りながら時間を待つ。

みなみとしてはあまりアクアを待たせたくないという気持ちもある。

ただ流石にこのまま口を動かせば大事故必至だろう。

少ししてみなみはようやく落ち着いてきたと自覚を持てたところで、彼女にとって人生で一度きりの機会になるだろう言葉をアクアに伝えるため、口を開く。

 

「アクアさん、ウチと初めて会うた時の事覚えとる?」

「勿論だ。俺が神奈川でランニングをしていた時だな」

 

アクアとみなみの出会いはアクアが日課をこなすために公園で走っていた時のことだった。

当時のアクアは子役としては破格の人気を誇っており、みなみはそんなアクアの一ファンでしかなかったため、この出会いは偶然の代物だった。

 

「そうそう、アクアさんを見かけて思わずウチが声かけたんよね。今思うとウチもよう勇気出したなぁって感じなんやけど」

 

みなみにとってアクアは遠い存在。

少しでも近くで見てみたいと番組の観覧に参加して、初めて本物の『星野アクア』を見た時、こんなにかっこいい人が存在するんだと感動すら覚えた程に憧れた。

 

「ちょうどその時ウチが芸能界に入るのを悩んでいて、ウチはアクアさんと出会ってから思わず相談しちゃったんよね」

「……懐かしいな。あの時は君なら大丈夫と言ってはいたが、まさかルビーと同じグループになるなんて夢にも思ってなかった」

「ウチもその時は全然思うてなかったよ。それでアクアさん、ルビーちゃんみたいな綺麗な子と比べてもウチはやっていけるって言うてくれて本当に嬉しかった。……そりゃあアクアさんはリップサービスもあった思うんやけどね」

 

たまたま会っただけの他人なみなみの相談にも真剣に答えてくれたアクア。

そんな彼にみなみはかなりの勇気をもらっていた。

 

「みなみはルビーにもない魅力があるから本心で言っただけだ」

 

アクアがさらりと言った言葉にみなみの頬に少し朱が差す。

相変わらずアクアのこういう所にはなれないみなみは、なんとか言葉を続ける。

 

「そうなん?……ありがとうな。とっとにかく、その言葉がほんまに嬉しかった。元から憧れていた相手ではあったんやけど、その時に有名になったらこの人と共演したいなんて思うようになって……そんなある日ルビーちゃんから連絡が来たんよね」

 

ルビーが仲のいい相手として最後のB小町Rのメンバーとして選んだ彼女。

声を掛けられた当時、みなみは勿論悩んだ。

だが、憧れの人のすぐ傍で、彼の言葉が間違っていなかったと証明したかったのもあってその提案を受け入れる。

 

「最初は勿論親元離れることやアクアさんや四人が長い付き合いなのもあって不安やった。でも皆優しくていつの間にか仲ようやれるようになってた」

「そこはみなみがいい奴で努力家だったからだろ。本気でルビー達と一緒にトップを目指そうって気があったから皆自然と受け入れたんだ」

 

みなみは彼女が言った通り加入が他のメンバーよりかなり遅れていた。

正直並大抵の覚悟では自分と他のメンバーの差を感じて諦めてしまっても無理はないくらいに。

ただみなみは自分が不足していると理解した上で皆に追いつくために、自分の良さを活かせるようにずっと努力をしていく。

その甲斐もあって今では他のメンバーと比べても遜色ないほどのパフォーマンスを会得していた。

 

「ウチがそこまで頑張れたのはアクアさんのあの言葉があったからなんよ。アクアさんにとっては何気ない一言やったと思う。でもウチにとっては人生を変えられたんよね」

 

みなみはずっとその言葉に支えられてやって来れていたのだ。

 

「そんな憧れだったアクアさんの色々な一面が一緒に過ごす上で見えてきて、ウチの中で偶像から一人の人になった頃にはもうウチは恋してたと思う」

 

決定的な言葉を口にするが、そのまま最後まで自分の気持ちを伝えていく。

アクアにしっかり思いが伝わるように祈りを込めて。

 

「アクアさん、ウチは他の皆に負けないくらいアクアさんのことが好き。不健全なのは分かってるんやけど何番目でもいいんよ、アクアさんが見てくれるなら。……アクアさん、ウチと付き合って」

 

想像より重い告白にアクアは驚かされる。

というよりアクアが何股もするなんて宣言をしたからこそ、みなみにここまでの覚悟をさせてしまった所があった。

みなみの告白をしっかりと頭で理解して、それからアクアは自分の言葉で返事をする。

 

「みなみ、俺はみなみ以外にも好きな人がいる。かなり優柔不断通り越して気が多い男だ」

「知ってる。ルビーちゃんにあかねさん……あとは言うてないけどフリルちゃんもやろ?かなさんにスケコマシやホストって言われるのも無理ない思うよ?」

「それについては弁明の余地もないな」

 

アクアの言葉に対してみなみの返事が鋭く、アクアは苦笑する。

それから誤魔化すことなく自分の気持ちを素直に口にした。

 

「みなみの努力家な一面や自分を磨く努力を怠らないところが俺も好きだ。……これからもよろしくな」

「……っ!?」

 

みなみだってアクアの前世や複雑な気持ちを吐露された時に、自分が告白さえすれば受け入れてもらえるだろうと思うことはできていた。

ただ実際にアクアから受け入れられたと言う現実が来ると、彼女が想像していたよりも胸に来て、

 

「あーほんま嬉しいわ……これからよろしゅうな」

「これ、使っていい」

 

みなみが嬉し泣きをしているのを見て、アクアはポケットから新品のハンカチを取り出す。

人に渡せるように常に新品で使わないハンカチを数枚用意しているあたり、謎の用意周到さがアクアにはあった。

渡されたみなみも流石に少し苦笑する。

 

「さりげないハンカチ、やっぱそういう仕草かっこええ思うよ?前世で勉強したん?」

「ノーコメントで」

「まぁええけどね!ウチらを大事にしてくれたらそれで」

 

少しタラシな一面を見せたアクアだが、みなみ達B小町Rに対して数こそ多いものの本気で向き合ってくれていることは知っている。

それ故に出た言葉だった。

アクアはウチらという言葉にこれまでされてきた今世の告白を思い出す。

そして一つ気が付いたことがあった。

 

「よく考えたらこんな普通に告白されたの、今世だと初めてかもしれないな」

「そうなん?……そういえばルビーちゃんもあかねちゃんもちょっと変わった感じやったみたいやし、フリルちゃんは絶対変な告白してるやろうからそうかもしれんね」

 

普通の告白が逆に珍しくなるだろうと考えて学校での告白を選択したみなみの予想が見事的中したというわけだ。

別にアクアはシチュエーション被りなんて気にしないだろう。

ただ乙女心として他の相手と被せたくないと考えてしまうのは仕方がないことだった。

 

「気にしなくても俺はみなみ達の気持ちさえ本物ならそれでいいんだけどな」

「あーええこと言うねアクアさん。ますます好きになりそう。……でもせっかく恋人なったんやし……えい!」

「おっと」

 

いつも以上に過剰なスキンシップとしてまずはルビーやフリルがやるような抱きつきを披露するみなみ。

恋人になった事で今まで以上に積極的に動こうと考えるようになったみなみを見て、アクアはこれから大変だなと思うのだった。

 

 

その頃、ルビーとフリルはかなとあかねを捕まえてアクアに言った通りクレープ屋に来ていた。

 

「なんでクレープ屋になったのよ」

「そりゃーおにいちゃんと別れ際に咄嗟にクレープ屋行くって言っちゃったからね〜。おにいちゃんに嘘つきたくないならここに来なきゃ。それに私ちょっとクレープの気分だったし!」

 

突然下駄箱付近で合流したかと思えば、当たり前のように『クレープ屋に行くよかな先輩、あかねちゃん!』とルビーに宣言されてここに来た経緯のかなは、どうしてここになったのかもよくわかっていなかった。

 

「はー相変わらずブラコン拗らせてるわね。流石実の兄に求婚した女よね」

「えへへ〜それほどでもないよ。先輩もいいこと言うね」

「褒めてないわよ!?」

 

ルビーとかながいつものように戯れあっている横で、あかねとフリルはそんなかなに聞こえないようヒソヒソと話をしていた。

 

「ねぇ、みなみちゃんもしかして今告白中?」

「うん。学校で普通の女の子みたいな告白にしたいんだって」

「……あー私もそのパターンは思いついていなかったなぁ。流石だねみなみちゃん」

 

その会話はみなみが不在の理由だ。

あかねは不自然なこの買い食いには意図があると予想して、すぐにいない二人から起きている出来事を予想していた。

フリルもあかね相手に隠し通すつもりはなく、むしろ彼女の一人であるあかねは知っておくべきだと思っているためあっさりと肯定する。

 

「てことは……残ったのはかなちゃんだけかな。フリルちゃんは多分撮影現場で告白しているでしょ?」

「どうだろうね、それは内緒」

 

B小町Rで唯一告白しておらず、アクアと付き合っていないのは有馬かな、ただ一人となった。

彼女はごく一般的な感性があるからこそ、今のハーレム状態に少し抵抗がある。

そうでなくとも素直になれないのだから一人だけ残るのは無理もなかった。

 

「あれ?あかね思ったより心配してないね」

「そうかな?うーん、ちょっと前は心配してたんだけどね。きっとアクアくんが何とかするって信じてるから」

 

アクアが自分から動いて攻略して、攻略されるならばハーレム環境に所属することを考えてもいいと彼女は言っていた。

アクアもB小町Rに対して深い思いを持っているのは確実。

一般的な男性と異なり思いの幅こそ広いものの、その深さはそれよりずっと重い。

 

「まぁ確かに。マリン昔からかな先輩のこと結構見てたしね」

「倒れそうな時とかも気にしてたりしてたからね。だから大丈夫」

 

あかねは自分の恋人を信頼している。

自分の憧れで親友を悩みから解放してくれるヒーローだと。

そんなあかねの望みが叶うのはそう遠い事ではないだろう。

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