【推しの子】ヤケクソハッピーハーレムルート   作:ただの暇神

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熱愛報道

アクアとかなのデートから数週間が過ぎて、11月が目前と迫った頃となった。

二人の関係は、特に進展らしい進展はしていない。

ただ、かなはディズニーから更にもう一回、アクアと放課後に出掛ける機会があり、更に今週も一日は出掛ける機会があると聞いて、非常に上機嫌だ。

その分、他のメンバー達ともバランスが取れるように、ないはずの時間を捻出しているようだが、忙しい中、しっかりと皆を平等に扱おうとしようとしているのが伝わってきて、彼女達からは好印象ですらある。

 

(アクアも結構私に連絡してくれてるし、本気で落としにきてるって感じがしてドキドキするわね……まぁアイツも頑張ってくれてるみたいだし?そろそろアイツが告白してきたら4つもコブ付きとはいえ考えてあげてもいいんじゃないかしら)

 

るんるんとスキップしそうな彼女は、学校に向けて歩いている。

平日なだけあって、周囲には同じく高校に向かっている学生が何人か見受けられた。

 

「みた?今日の週刊誌の情報!」

「見た見た!よっぽど自信あるのかな?」

「大人気の女優と俳優の密会デートって話だけどお昼が待ちきれないかも」

 

そんな中、一つのグループが話していた会話が、かなの耳にも届く。

内容としては何者かのスキャンダルが公開されるという事だ。かな個人としてはそこまで興味が持てない内容だったりする。

 

(女優と俳優の熱愛記事??どこも大変ね〜苺プロはこれまでそういうの食らった事ないから安心感あるわ)

 

密会と言われているが、要するに熱愛記事だ。

あまりにも捏造が過ぎると自分達が訴えられるため、少し濁した言い回しにすることが多いのだ。

昔から芸能人にはプライバシーなどないと言いたいくらいに不倫や犯罪などではない普通の恋愛すら記事になっており、それはイメージの低下やトラブルを巻き起こしてきた。

ただ、他人事だと思いながら聞き流していたかなは

 

「しかもあの苺プロ!これまでスキャンダル一つなかったのに、誰だろ……」

「苺プロの俳優って言ったらアクア様しかいないじゃん……あぁB小町Rの誰かに捕食されちゃったのかな」

「あんたってアクアさんのファンだもんね……でもどっちが苺プロ所属って書いてないから別の人の可能性もあるんじゃない?」

 

続けて聞こえてきた言葉に目を見開く事になる。

つい先程自分たちには関係ないと思っていたのに、むしろ思い切り名前が出てきていた。

 

「うーん、悔しいけどアクア様へのB小町Rの想いは本物だもの。もしあかねちゃんなら祝福するわ」

「他の子はダメなんだ……」

「ダメってわけじゃないけど、私に可能性がないなら、アクあか推しなのよ!あの公開告白を最初にやった勇気は報われるべきだわ」

 

そんな話をしながら通り過ぎていく二人の女子高生を尻目に、かなは慌てていた。

心当たりがあったからだ。

 

(ま、まさか……私とアクアのデートがバレた!?)

 

アクアは普段B小町Rと出掛ける時、熱愛を疑われるようなことはしない。あくまでテレビなどの演出がある時だけ、言い訳が用意されるからか、普段より外でも甘くなる。

これは、かなと二人の時も同様だ。

ただアクアと二人で手を繋ぎながらディズニーを回ったあの件は、傍から見た時には熱愛と疑われても仕方がない。

しかも、その後かなを送るため、同じマンションに入っており、状況だけ見れば黒だ。

 

「私もアクアも変装してたのに……ど、どうしよう」

 

こういう時は大体先に事務所へ連絡が来て、本人も交えて対策をするとかなはミヤコに聞いていた。

だが、どうやら記者は、これは絶対に出さないとと考えて事務所にも連絡していないようである。

かなり攻めた行動だが、どうにかしないといけない。

 

『もしもし、どうしたのかなさん。今日のレッスンの予定とか変更したいとかだったら無理よ?』

「ち、違いますよミヤコさん。大変なんです!!」

 

かなはミヤコに先程聞いた話をする。

その内容的にもしかすると自分とアクアかもしれないと伝えると、ミヤコが少し重めのため息を吐くのが電話越しにも聞こえる。

 

『あの子は本当に……しょうがない子ね。全員には説明していないのね……大丈夫よ、それはかなさんの記事じゃないわ』

「え?」

『ただ、確かにウチに連絡は来ていないみたいね。アクアも記事の話が来てから皆に伝えようとしてたのかもしれないわ』

 

どうやらアクアは記事に関係あるらしいが、かなは関係ないという事らしい。

そうなると疑わしいのは他のB小町Rのメンバーだ。

かなは、やきもきした気持ちを抱きながらも、大人しく記事が出るまで待って欲しいとミヤコに言われて電話を切る。

いったい誰がやらかしたのか、だから五股なんてするもんじゃないんだ、と内心でアクアに文句を言いながら、かなは少し不機嫌そうに昼を待つのだった。

 

 

やってきた昼の時間。

真相が気になり過ぎてあまり授業に集中できなかったかな。

そんな彼女にあかねが昼食の誘いを掛ける。

 

「かなちゃん!一緒にご飯食べようよ」

「……そうね、というかどうせなら他の子達も誘って屋上にでも行かない?確か今日は仕事なかったわよね」

「うん、今日は皆お仕事が放課後からだったと思う」

 

誰がやらかしたのかは分からないが、その人物は公のアクアの交際相手、世間的に見ると正妻になることになる可能性が高い。

かなは動き出しが遅かったので、仕方がないかと苦々しくも思いながら、誰が抜け駆けしたのかは判明し次第、一言文句を言ってやろうと思っていた。

他のメンバーを誘うため、一年生の教室にやってきたかなとあかね。

B小町Rのメンバーとアクアがいないかと見まわすが、あの目立つ金色の髪がない事に気が付いた。

ついでに言えば同じ髪色の妹の方もいない。

 

「あれ?アクアとルビーは?」

「二人なら急な仕事が入ったって言うて1限目終わったとこで学校から帰ったよぉ」

「へぇ……ホントかしら」

 

みなみの言葉にかなは、妙にタイミングのいい話に胡散臭いと感じていた。

本当に仕事かしら、かなはそう疑いながらもいないものは仕方がない。

 

「まぁマリンはこれの対応に忙しくなるだろうし」

「え?」

 

フリルが自身のスマホで表示した画面をかなの方へ向ける。

そこには例の週刊誌のオンライン記事が表示されており、かなは、緊張した面持ちで確認する。

 

『【写真あり】”一番星”アイ(32)、”月9俳優”星野アクア(17)と密会!?一途な想いが生んだ≪本物のアイ≫』

 

目立つフォントで書かれたその文字を見て、かなは目を丸々とさせながら口を開いた。

 

「なんでよ!?」

 

記事のタイトルを理解したかなの絶叫は周囲の注目を集め、彼女は少々恥ずかしいと思いながら他のメンバーを連れて教室から外に出るのだった。

 

―――――――

『【写真あり】”一番星”アイ(32)、”月9俳優”星野アクア(17)と密会!?一途な想いが生んだ≪本物のアイ≫』

 

10月も初旬。セキュリティーが厳重なマンションの前に並ぶ二つの人影。

漆黒の髪と金色の髪の対比は芸術的ですらあり、人気のない一帯すら輝いて見え――。

 

【寄り添う男女がマンションの中へと消えていく写真】

 

◆◆◆

 

●”一番星”の異名を持つ最強のマルチタレント

 

今日本で、アイ(32)を知らない人は殆どいないのではないだろうか。

地下アイドルという過酷な環境からドームライブをする国民的大スターまで駆け上がり、アイドルを辞めた後も、ドラマや映画、バラエティーなど多岐に渡る活躍をし続けている彼女は、日本一有名なタレントと言っていいだろう。

演技力も並外れており、同事務所の片寄ゆら(25)が台頭するまでは完全に女優界一強状態になっていたほどだ。

ここ10年、世界最高の顔とまで称されるようになったアイの美貌に多くの人が惑わされている。

 

 

●仕事終わりに出会った相手は

 

そんなアイが、激務から解放されて向かった先は自宅のマンション……ではなく人気の少ない公園だった。

何故このような場所に?と疑問に思っていると現れたのは、まるで天使かのような相貌を持つ美青年。

その特徴的な容姿ですぐにそれが誰なのか気が付いた。星野アクア(17)である。

【暗い公園で会う二人、明らかに待ち合わせをしていた様子の写真】

 

星野アクアと言えば子役時代から活躍し続けている俳優であり、一時期身体の成長が終わるまで休止したいと申し出るなどストイックな面が目立つ。

先月まで放送されていた『才ある鷹は陰でひっそり爪を研ぐ』の主人公、鷹野浩一を演じ、ラストシーンでは、同じく苺プロに所属している不知火フリル(17)との熱烈なキスシーンを見せるなど、もう子供ではないのだと言わんがばかりに活躍の場を広げている。

また、同事務所のB小町Rメンバー達との恋の行方も注目を集めている。

『今からガチ恋始めます』伝説の回で共演した黒川あかね(18)を始め、メンバーは皆が彼に好意を寄せているらしく、普段からインターネットでは誰と結ばれるかというのも彼の知名度に拍車を掛けていた。

そんな芸能界きっての色男を一体誰が射止めるのかと、皆が注目を集める中、思わぬ伏兵が現れる事になる。

 

●ヲタ芸赤ちゃんは成長し、立派な青年へ。だが内に秘めた想いは変わらず――

 

先程星野アクアといえば子役で有名だった俳優という話があったが、実は彼にはそれより前の”デビュー作”と呼べる物が存在していた。

それは毎年年末年始になると多くの人が目にするだろう『B小町の振り付けに合わせてヲタ芸を披露する赤ちゃんズ』という動画である。

【ヲタ芸赤ちゃんズの写真】

 

この赤ちゃんの片方が星野アクアその人なのだ。

B小町とはアイの所属していたアイドルユニット。

まさに生まれた時からアイという輝きに魅せられていた赤ん坊。

そんな子供が成長した今、気持ちが落ち着いたかと思えばそうではない。

 

『『アイの愛情たっぷり料理!アクアは何点つけますか』……こんなの食うまでもなく満点オーバーに決まってんだろ』

 

これは先日アイと久しぶりの共演をした彼が、苺プロのYouTube内で言っていた言葉である。

彼は真顔で恥ずかしがることなくハッキリと言い切っており、共演こそ子役時代より大幅に減っていたものの、アイとの仲は今なお良好と言っていいだろう。

 

●密会の末に

 

冒頭に戻るが、アイと星野アクアは公園で密会をしており、楽しそうに会話をした後は変装をしてから二人並んで会話をしながらスーパーへ。

重いものを”推し”に持たせる訳にはいかないとばかりに荷物を全て持って移動するアクアは、実にモテ男らしい対応だ。

こういった所に、アイも幼い頃から見てきた男の子が大きくなったのも合わさって心が揺れ動いたのかもしれない。

これまで二人とも住所が掴めていなかったのだが、この様子を見る限り、このマンションに住んでいると考えていいのだろう。

【荷物を全て持つアクアに微笑みかけるアイとそれに笑みを返すアクアの写真】

 

この写真など二人ともまるでカメラの存在が分かっているかという程のベストショット。

これまで何人もの芸能人の熱愛を見てきたが、ここまで自然な笑顔は見たことがないくらいである。

 

この後二人は話しながら特に緊張した様子もなくマンション内部に入っていった事から以前から家に通う仲であることは容易に想像できる。

この日、マンションに入ったが最後、二人は朝まで出てくる事はなかった。

 

●純愛の障害

 

このような経歴を持つ二人の愛を本誌としては応援したい。

ただそれにはいくつかの問題が存在するのもまた事実だ。

注目すべきは星野アクアの年齢と生い立ちである。

彼は17歳、まだ”未成年”、そして事務所の社長令息であるという点だ。

確かに彼は憧れの存在であるアイと近付けて嬉しかったのかもしれない。

アイも昔から自分を一途に思ってくれていた相手に心動かされてしまったのだろう。

ただ未成年と自宅で密会となればバッシングは避けられない。

更にそれが事務所社長の息子ともなれば、あらぬ噂を立てられかねない。

これまで清純の極みとまで言われ、男の影すらろくになかったアイに初めて現れたスキャンダル。

『アイドル』で歌われた≪本物のアイ≫の行く末がどうなるのか、今後の二人の動向に注目したい。

 

―――――――

 

逃げるように屋上にやってきたかな達は、一度落ち着いて記事の内容を確認する。

そしてある程度状況が理解できた所で、かなが最初に口を開いた。

 

「これ、例の件よね?確かに作戦決行日は私達にも秘密にするとは聞いてたけど、タイミング悪いから勘違いしちゃったじゃない!!」

「あー、ちょうどかなさんが、ディズニーデートしてから時間も空いとらんもんね」

 

誤解しても仕方がないかもとみなみは、かなに労わるような視線を向ける。

みなみも、アクアとアイのスキャンダルなんて予想もしていなかったため、驚いて教室で声を出してしまったくらいだ。

 

「というかなんで熱愛記事?これ作戦大丈夫なの?」

 

週刊誌を利用して情報を広めると聞いていたが、おかしな方向に解釈される記事が出ている事にかなは混乱していた。

そんなかなにあかねが補足をする。

 

「あくまでアクアくんの計画は週刊誌のリークを利用するってだけだから。変な情報を加えられないように自然と口にするキッカケを作るって事だったみたい」

 

あかねは作戦考案者の一人として細かい所まで知っていた。日付こそ今日になるのは予想外だったが、内容自体は計画通りである。

それに対してかなは、自分は教えられていなかったことに不満を口にした。

 

「アイツ……というか手伝うって言ったのに」

「えっと……」

 

そんな彼女の言葉に、事情を知っていたあかねが、なにやら言いづらそうにしながらも理由を説明する。

 

「『かなは、演技してない時なら誰が見ても分かりやすい反応するから不意打ちで驚かせた方が周りも知らなかったって信憑性が増す』……ってアクアくんが」

「アイツ今度会ったら覚えときなさいよ」

 

あかねからの回答に、かなは怒りに震えながら想像の中のアクアをののしる。

そういう頼られ方をしたかったわけじゃないと言いたげだった。

かなの詰問が終わったところで、フリルが今後の作戦を確認するべく、質問を投げかける。

 

「あかね、この後の方針は?」

「えっとね、そろそろ……来たよ」

 

そう言ってあかねは自分のスマホ画面を見せる。

先程のフリルとは異なり、見慣れたTwitterの画面にはアイのアカウントが表示されていた。

 

―――――――

アイ@AI_Bkomachi

今日週刊誌が出した話について私から皆に伝えたい事があるんだ〜!

どうして私とアクアが同じマンションに入ったか、気になる人はこの配信に集合!!

ちなみにアクアもいるよ!コラボ楽しみ!!

【重大発表】アイより皆様に大切な報告があります【見逃し厳禁】

―――――――

 

スキャンダルを起こしたとは思えない軽いメッセージと共に貼り付けられた苺プロ公式ちゃんねるに予約された配信URL。

欠片も悪い事をしていないという圧倒的自信の表れというべきか、平常運転のツイートだった。

 

「メンタル化け物なの!?」

 

ツイート内容を読んだかなは、アイのあまりにも軽い感じの書き込みに思わずツッコミを入れる。

ツイートに関してはフリルも自分の意見を述べた。

 

「こういう時って堅苦しい文章になりがちなイメージあるけど、流石はアイさんだね」

「まぁ悪い事してないわけやし、変に縮こまるよりはいいんやない?」

「いや、隠し子は結構黒寄りのグレーでしょ」

 

法律的には問題こそないが、当時未成年のアイがというのは、正直常識的にはあまりいいとは言えないため、全員がかなの言葉に苦笑いを浮かべた。

一体どんな発表の仕方をするのか、四人も楽しみにする。

 

 

苺プロが用意した会場には、既に多くの報道陣が詰めかけていた。

あくまで放送権は苺プロの公式チャンネルのみが保有しており、色々と交渉はあったものの、一切を認めずに独占公開としている。

ミヤコは、折角なので更に苺プロという存在をアピールしてやろうという腹積りだった。

ちなみに愛瑠は流石に連れて来られないとして、きゅんぱんの元へと預けられている。

 

「アクア、ルビー、ちゃんとツイートしてきたよ〜」

「……母さんらしいツイートだよな」

「でもママがいつも通りなおかげで、皆も決めつけは良くないってなってるみたい!」

 

下手にかしこまってしまうとどうしても悪い事をしたと印象付いてしまうところだが、アレだけ軽そうに話せばまず誤解だろうと思う人が多くなる。

アイがそこまで計算しているかは不明だが、少なくとも効果テキメンのようだ。

 

「それにしてもまさか不意打ちを仕掛けてくるとはな」

「そうだよね〜かなちゃんがたまたま気付いてくれて助かったかも」

 

元々アクアとアイは意図してこの状況を作り出していた訳だが、それでも事前に記事の内容を確認してくると踏んでいた。

その連絡があってから記者会見の準備をしようと考えていたというのに、このままでは挽回のチャンスすら奪われるところだったと、アクアは内心で怒りを秘めている。

 

「というか、なんで母さん嬉しそうなんだよ。一応勝算は高いと言っても、下手したら母さんの芸能活動が終わるってのに」

「え?そりゃーアクア達が必死に考えてくれた作戦だよ?失敗する訳ないもん」

「ママ、可愛すぎる……」

 

アクアの疑問に対して、アイは笑顔でそんなことを口にする。

推しであり、母の笑顔は昔から変わらず一番星のように輝いており、アクアを魅了してやまない。

ルビーも自分の心の支えであった彼女が、人間だとしっかり理解している今でさえ、笑顔一つで目をキラキラさせながら蕩けた笑みを浮かべていた。

 

「それに……これでようやく二人を自分の子供として扱えるんだよ?こんなに嬉しいことないよ」

「母さん……」

「ママ……」

 

本心からの言葉にアクア達も思わず声が漏れる。

アクアとルビーも母に対して接し方を意識してきたところはあった。

だが、折角自分の見つけた愛を世間にバレないよう偽り続けるのは、きっとアイにとって想像以上に辛いことだったのだろう。

 

「……アイ、アクア、ルビー」

 

そんな三人の元へそろそろ時間だとばかりに壱護がやってくる。

 

「どうしたの壱護社長、珍しく覚悟決まった目をして」

「俺の名前はさいと……は?」

 

初めてアイから呼ばれた自分の名前に、混乱して思わず尋ね返す壱護。

そんな姿がおかしいのかクスクスとアイは笑みを溢す。

 

「あはは、ごめん間違えちゃった佐藤さん」

「別に直さなくていいし斉藤だ、クソタレント!お前わざと間違えてやがったのか?」

「覚えたのは愛瑠ちゃんが生まれたくらいだけどね〜流石にアレだけお世話になったら覚えるよ」

「それでも相当おせぇけどな……」

 

誰よりも早く知り合ったはずなのに悪い扱いに、ミヤコの名前は結構すぐ覚えてたよなと少し悲しくなる壱護。

ただそれよりも名前を覚えられたことの方が嬉しいのか、少し笑みを浮かべている。

 

「とにかく、最初は会社の代表として俺、当事者のアイとアクア。この三人で会見に臨む。そして暴露が終わったら」

「私の出番だね!」

 

壱護の言葉にルビーが楽しそうな声色で返事をする。

アイのことが言えないくらいルビーも嬉しそうで、アクアは二人のために出来ることは全てやらないとなと気合を入れ直す。

元気のいい返事を聞いて、壱護は頷いた。

 

「そういう訳だ。合流したらあとはもう好きにやれ」

 

あとは家族の話を思う存分記者に見せてやればいい。

それだけで、一部の例外を除いて叩くのは難しくなるのだから。

 

「頑張ろうね、アクア」

「……ああ」

 

スキャンダルを利用したスキャンダルの暴露が今、始まる。

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