【推しの子】ヤケクソハッピーハーレムルート   作:ただの暇神

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推しの子

これまで多くの印象に残るライブが開かれてきた聖地、東京ドーム。

今日もこの場所は多くの人が集まり、活気と熱気が外で感じられるほどに人の想いと希望が渦巻いていた。

 

「本日は世界有数と言える規模に成長した芸能事務所、苺プロが主催する『苺プロアイドルフェスタ』の開催日!会場である東京ドームには、多くの人の姿が見られています!」

 

そんなドームの入り口付近で、女性アナウンサーがカメラに向けて笑顔を見せながら口にする通り、場内は多くの人が推しのグッズを購入しようと動き回っている。

 

「あっ!あちらに子連れの夫婦らしき姿がありますので、声を掛けて見ましょうか……すみません今お時間大丈夫でしょうか」

 

そう言ってアナウンサーは近くにいた二人の男女に声を掛ける。

二人してオシャレなお揃いのサングラスをかけており、そんな二人の間には、逸れないように両サイドから手を繋がれた小さな女の子がいた。

 

「パパ!ママ!見て見てアナウンサーさんとカメラさんだよ!お仕事おつかれさまです!」

 

まず女の子がカメラの存在に気付いたようで、ニコニコしながらその場でぺこりと頭を下げる。

女の子は、子役でもやっていそうな非常に整った容姿をしており、背中までかかる珍しい色の髪は、母親らしい人物と同じ色で、遺伝なのだろうなと強く感じさせる。

カメラの存在に慣れているような反応に、アナウンサーは首を傾げた。

 

「げっ……。あっ、大丈夫ですよ」

「ふふっ……大輝くん、『げっ……』はないよ。こんなに大勢の中から声掛けられるなんて持ってるね」

「いや、今日は仕事としてはオフなんだから仕方がなくないか?折角のんびり出来てたところで」

 

そんな娘の声にアナウンサー達の存在に気付いた男女は、一瞬嫌そうな反応をした男に対して、くすくすと笑みを浮かべる女と対照的な反応を見せる。

二人の会話を聞いて、アナウンサーはその楽しそうな夫婦の姿と最近バラエティー番組で顔を合わせたとある俳優と女優の姿が重なった。

 

「えーっと……あれ?もしかして……姫川大輝さんと片寄ゆらさんですか?」

 

恐る恐るといった形で確認したアナウンサーに対して、諦めたように男、大輝は頷いて口を開く。

 

「……そうだよ。まさかこんなピンポイントでインタビューされるとは思わなかったから油断した」

「今日はプライベートだから星野大輝と星野ゆらって呼んでくれると嬉しいな」

「なんというかすみません……その、今って大丈夫だったり」

「撮れ高って意味では文句なしだろうし、いいぞ」

 

会場にいる多くの人の中から偶然抜かれるとは思わないという大輝の声に、アナウンサーも流石に申し訳なさそうな声を出す。

ただテレビに出る者として、流石にここで『やっぱりやめときます』というわけにはいかない。

自分たちが関わる上で、こういう思わぬハプニングが今後の仕事につながる可能性も捨てきれないのだ。

ここは空気を読んで大輝達は大人しく時間を差し出す判断を下す。

インタビューの了承が得られたところで、アナウンサーは先程から気になっていた子供の正体を確認することにした。

 

「ところでそちらの子はもしかして」

「星野清梨華です!パパとママがいつもお世話になってます!」

 

元気いっぱいに挨拶するその姿は、どちらかと言えば両親よりも叔母であるルビーに近いものがある。

おそらく最近は一緒にいる時間が多かったため、影響されたのだろう。

両親からスターの資質を十二分に引き継いだらしいカリスマ性を持つ少女は、将来芸能界を騒がせそうだなとアナウンサーにも予感させた。

 

「こんなことになるなら、アクアの奴と一緒に行動しとけば良かったな。アイツの方がこういうインタビューは得意だろ」

「得意だとは思うけど、今日は邪魔されたくないんじゃないかな。麦ちゃんにもお使い頼まれてたし」

「あっアクアさんとも一緒に来ているんですか?」

 

しれっと出たアクアという名前にアナウンサーも当然食いつくように反応する。

一大コンテンツなんて言われる星野アクアの名前はどうしてもテレビとしても気になるのである。

この場にいるだろうということは想像されていても、身内からの情報はまた違った濃い内容が期待できた。

そして当然それを理解して大輝は時間稼ぎに名前を出したわけである。

 

「まっ世帯分けはされてるとはいえ、同じ家に住んでるし、一緒に会場まで来たぞ。アイツはいつも通り推しグッズの購入をするのに別行動中だけど」

「あー……流石世界一有名なドルオタなんて言われているだけはありますね」

 

その言葉にアナウンサーもアクアが何をしているのか簡単に想像がついてしまう。

グッズ販売の売店がいくつか分散しているのだが、その中にあれほどのスターが混ざっているというのは中々複雑な物があった。

アクアの名前が出たのを聞いて、清梨華も反応する。

 

「見て回るならアーくんも一緒が良かったね」

「その呼び方やめとけ。せめていつもみたいにアー兄って言っとかないと面倒なのに絡まれるぞ」

 

普段はアー兄と呼ぶ清梨華が、とある人物がテンションが昂った時に使用する呼び名を使っているのを聞いて大輝は忠告する。

 

「かな姉はライブの準備あるからだいじょーぶ!」

「流石にかなちゃんも子供と呼び方被ったくらいで……うーん、嫉妬だけで済むと思うけど」

 

おそらくこの会話を聞けば、本人は『私をなんだと思ってんのよ!?』ということ間違いなしだ。

この場にいないが、家族だからこそな気安い弄りを聞いて、アナウンサーは思わず笑みを浮かべた。

 

「ふふっ初めてご家族が揃っているところ見ましたけど、本当に仲が良くてほっこりしますね。さて、そろそろ本題に入らせてもらいましょうか。どうですか今日のイベント、楽しみなポイントなどはありますか?」

「そうですね、俺は弟ほどアイドル詳しくはないですが、苺プロのメンバーは馴染み深いので、やっぱりライブが見たいとこですね」

 

大輝が質問に対して答え、それに合わせてゆらと清梨華もこくこくと同意するように頷く。

やはりメインイベントであるライブは身内から見ても楽しみの一つということらしい。

 

「なるほど!やはりライブですか……。これは聞くだけ野暮かもしれないですが、三人の気になるグループはどんな感じですかね?まずは大輝さんから」

「個人的にはやっぱり義妹補正もあるが、復活のB小町Rが一番興味あるとこではあるな。ようやく全員復帰したから3年ぶりか?」

「流石に弟さんの嫁グループは外せませんか。一番人気のユニットですし鉄板どころですね。もう3年以上も空いていたって事にびっくりですよ」

 

B小町Rはここ3年、とある理由で休止となっていた。

メンバーが欠けている状態では、基本的にライブはしない方針のB小町Rなので理由も想像がつくだろう。

SNSで休止の告知をした時は数多の残念がる声と、それ以上に多くの祝福が送られた。

 

「ゆらさんはどちらのグループが気になりますか?」

「私は自分の後輩メンバーをおすすめしたいからC式部だね。MEMがプロデューサーになって初めてのライブだし、どんな演出するのか今から楽しみかな。今年入った子はルビーちゃんとも縁のある子だしね」

「あの『28時間テレビ』で感動して私このテレビ局に入ったなんて経緯があったりするので、私も凄い楽しみですよ……夢を叶える少女って魅力的というか」

「本当にすごかったよ。とても努力したんだろうなって伝わってきて、歌も踊りもいいけど、それ以上に応援したくなる子だから楽しみにしててね」

 

ゆらは自分も在籍していたC式部を取り上げる。

メンバーを入れ替えながらも現在も活動を続けているC式部。

いよいよ初期メンバーが今年から全員いなくなっており、完全に新グループとなった。

だが受け継いできた技術や表現はしっかりと残っており、その点がゆらは元メンバーとして嬉しく思う。

 

「D納言です!ルー姉たちみたいに絶対的スターが集ってるって感じじゃないんだけど、でも皆輝いててアイドル好きって伝わってくるのが好き!」

「まだ完全自由公募でのデビューから4年ですが、他のグループとは違うタイプの温かみがあっていいですよね!苺プロのグループは皆個性豊かですよ」

「はい!それにドームで歌うのは単独ではないとはいえ初なのでどんな感じになるかも楽しみです」

 

D納言は苺プロ三つ目のアイドルグループとして公募が行われたアイドルユニットだ。

C式部が最初に募集された時と同じで、一度上がりに上がっているハードルを下げる目的で別グループとして募集されていた。

ただ彼女達も熱意は本物で、苺プロのアイドルとして恥じることない活動をしており、十分人気のアイドルとして成果を上げている。

しっかり三人とも違うグループを口にしたのは、大人二人はともかく、清梨華もまだ2歳だというのに気遣いが上手な子供だった。

 

それからもう少しと言った様子でインタビューをしたアナウンサーは、十分にいい話が聞けたと判断し、これ以上は申し訳ないと言って別グループに取材をするため、お礼を言ってからその場を後にした。

そんなアナウンサーとカメラマンを見送って、ふぅと大輝が息を吐いたところで、少し離れたところで様子を伺っていたらしいやたらオタクな格好を装備した長い黒髪をした男が、三人へと近付く。

大輝はその姿に誰かすぐ特定して声を掛ける。

 

「アクア、相変わらず凄い荷物だな」

「ここでしか売られない限定グッズが数多くあるからな。流石にここを逃してはファン一号は名乗れないだろ」

 

オーラ皆無になる演技をしつつ、先ほどまで周囲に溶け込んでいたアクアは堂々と言い切る。

彼にとって推しでもあり、家族でもある彼女達のグッズを万が一にも買い逃すなどあってはならなかった。

 

「というか変装ガチガチだね。初めて見るタイプの変装かも」

「今回はフェスってことで先入りが禁止されたからな。この人の中に紛れるならこれくらいしかないだろ」

「あ~前よく使ってた変装は多分バレちゃうからか」

 

ゆらはアクアの言葉に納得する。

以前のアクアは、こういう場面で吾郎の姿を模した変装を使う事が多かったのだが、ここ最近その変装を下手にすればアクアとばれるリスクが上がる出来事があったのだ。

そのため、アクアはこれまでしたことがない謎のロングヘアスタイルになっている訳である。

 

「アーくん、ゴローせんせスタイルはもうやらないの?」

「清梨華にもゴローせんせで通じるくらいには有名になったから流石にな。去年の『28時間テレビ』でここまで有名になるとは思わなかった。『15年の嘘』だとちょい役だったんだが……」

 

アー兄と普段呼んでくれている姪の存在はアクアからしても可愛いと思っており、よく演技の練習にも付き合っていた。

そんな彼女の予想外の呼び方に苦笑しながら答える。

去年の『28時間テレビ』で再びMCとして声を掛けられたアクアは、記念ドラマでとある少女の物語の先生役を演じていた。

実話をモデルにした話で、スポンサーである女性の後悔と娘がいたことを知って欲しいという気持ちが込められた作品『生まれ変わってもきっと』。

『15年の嘘』に出ていた医者が関係しているドラマという話もあって、そのエピソードは多くの人の心を揺さぶるクオリティに仕上がっていた。

その結果、ゴローせんせは正体こそあまり追及されないものの、謎の人気キャラクターと化している。

ちなみに、病気の娘役は結局苺プロに在籍したままとなっているツクヨミが演じており、この役には自信があると妙に張り切っていたのがアクアとしては印象的だった。

 

「というかアーくんってなんだ、かなの真似か?」

「えへへ〜可愛い?」

「ああ、可愛いぞ。最高だ」

 

笑顔の姪に対してアクアは素直に褒める。

相変わらず身内には甘い男だった。

 

「おい、アクア。流石にシスコンマザコンハーレム野郎にロリコンまで追加するのは笑えねぇからな?娘はやらんぞ」

「なんで姪を可愛いって言っただけでそこまで言われなきゃならないんだっつの」

「あはは、本当大輝くんとアクア君は仲良いね〜妬いちゃうよ」

 

そんな感じでその場で大輝たちと話した後、アクアは一度荷物を片付けてから自分のイベント席へと戻る。

席に近付くと、ワイワイと楽しそうな声が聞こえてきた。

 

「おかえり~アクア。早速でごめん、ちょっと手が足りないから早く手伝って~ヒカルなんてもうへとへとだから」

「僕はまだ……大丈夫……た、ただ今後はもうちょっと鍛えようかな。最近社長業ばかりで体力作りを怠り過ぎた感じがあるよ」

「……なんというか母さんも父さんも悪いな」

 

子供達のパワフルさに圧倒されている二人を見て、アクアは自分のグッズを一度車に置いてきて正解だったと確信する。

先に戻っていた大輝たちも手伝っているが、やはり人数が多いのでパワー負けしていた。

 

「パパ〜〜〜!!」

 

周囲の状況を観察していたアクアに、まだ幼い金色の髪の少女が一早く気が付いて、大きな声を出しながらとてとてと一目散に近付いてくる。

まだ幼いために足取りは怪しいが、元気の良さは一級品だ。

それを見たアクアは、とりあえずうっかり転んだりしないよう、そのままひょいっと少女を抱き上げて抱っこの姿勢を取った。

抱えられた少女はキョトンとした後、状況を理解したのか笑顔でアクアに話しかける。

 

「おかえり~!ママのグッズ、ちゃんとむぎのもかってくれた?」

「勿論麦穂の分も買ったぞ。一人二個制限だったからそこは抜かりない。前日にあかねがパンフ作ってくれたし取りこぼしもなしだ」

「わーい!パパだーいすき!!」

 

アクアは喜ぶ様子にお母さんそっくりだなと思いながら、抱き上げている少女、麦穂の身体を軽く揺らしてやるとキャッキャと更に笑顔を見せた。

技術の発展どころかワープ進化したような遺伝工学の近年の爆発的進化により五体満足の健康体として生を受けた少女は、今日も元気いっぱいである。

まだ他の子に比べて幼く一歳になったばかりだが、推し活という概念を最速で習得しており、まさに母親の英才教育の結果と言えるだろう。

 

「まーたパパったらあかねママに頼ったの?あかねママが凄いからって頼りっぱなしだとカイショーが足りないってなっちゃうんだから!」

「皐月?手厳しくないか」

 

そんな末娘を抱きしめるアクアに、赤っぽく見えるポニーテールを自信ありげに揺らす勝気な少女、かなの娘である皐月が声を掛ける。

ツンケンとした様子に、どこか彼女の母であるかなの子供の頃を思い出すアクア。

最近のかなは、ツンデレと言える状態を維持しつつもデレの割合の方が多いため、少し懐かしい気分になっていた。

ただ当時の彼女と違い、ポニーテールなのが趣味嗜好が違う別人なのだなとアクアをほっこりさせる。

 

「さっちゃんがパパ大好きだからあかねママに嫉妬しちゃってるだけだよね、もっと皐月を頼ってって感じで」

 

そしてそんなツンツンした様子を見せる皐月を、漆黒の髪にツインテールという身内ではこれまでいなかった髪型をした少女が、いたずらな笑みを浮かべながら揶揄う。

彼女はフリルの娘である沙織。

『仮面ライバークロノス』のヒロインからその名を付けられた少女は、性格は特にヒロインには似ず、母親以上に家族を揶揄うのが好きなイタズラ好きな性格になりつつある。

 

「はっはぁ!?別に私パパのことが好きなんて言ってないし!沙織は適当なこと言わないで!」

「ツンちゃんだね。ママに見せてもらった昔のかなママみたい。パパのこと好きなら、今のちょっとツンとした様子を見せたと思えば、次の瞬間デレるチョロかわで素直なかなママを見習ってほしいよね」

 

母であるフリルとは違い、随分と表情豊かで、小さな頃のフリルに似た容姿でありながら受ける印象はかなり変わってくる。

ただ、その本質はかなり母親に近く、仲の良い相手を揶揄う時などアクアから見てもそっくりだった。

 

「だからパパが好きなんて言ってな……嫌いってワケじゃないから勘違いしないでよパパ」

「分かってるから心配するなっての」

「そっ、分かってるならいいのよ、分かってるなら」

 

アクアの視線を感じ、突然不安そうに見てくる皐月に分かってるとアクアが笑いかければ、プイッと恥ずかしそうに視線を横へ逸らされる。

そんな皐月を見て、沙織はにまっと表情を楽しげに緩める。

 

「おっと……ここですっと差し込むパパへのデレ。中々にツンデレを理解してるね。流石要所でデレる天才子役改め重賞で勝てる天才子役」

「10秒で泣ける天才子役だから!どっちも違うから!!ママからけいしょーしたの!!!」

 

アクアの子供達で一番芸能界に入るのが早かったのが皐月だ。

物心付いてすぐに芸能界に入りたいと言い始め、星野皐月という芸名を使い、鮮烈デビュー。

その演技力は本物で、界隈では芸能界のサラブレッドなだけはあると注目を集めている。

ただ子供達同士の中では、その性格上どうも揶揄われがちなポジションを築いていた。

 

「沙織も皐月を揶揄うのは程々にな?」

「えへへ、はーい!さっちゃん揶揄い甲斐すごいからついやっちゃうんだよね」

 

アクアは子供達には甘い。

二人ともじゃれあいのレベルで収まってるのもあって沙織にも軽く言うに止める。

その辺りは母と同じく愛ある弄りを理解しているのだろう。

アクアの言葉に対しても楽しそうに笑いながら元気な返事をするあたり、引き際も弁えていた。

 

「皐月がまた沙織に負けたなぁ。いつか勝てる日来るんやろか」

「まぁいつも通りだね。どう考えても一番の勝ち組は、素直にお父さんに抱き着いてる麦穂だと思うんだけど……そっちはいいのかな?」

 

やいやいと言い合う妹達を見ていた先に生まれたお姉ちゃん達は、すっかり序列が形成されきっている二人の関係を見て話し合っていた。

青みがかった黒髪の少女、鞘の言葉通り、実際誰が一番嬉しい思いをしたかと考えれば、末娘である麦穂になるだろう。

少し髪をウェーブにしており、母の親友に近い髪型にしているが、それもよく似合っている。

母が演じたとあるキャラクターから付けられたからか、皆をまとめるのが得意で、娘組のバランサーを務めることが多い。

 

「まぁ麦穂は生まれるまでも色々あったみたいやから皆甘くもなる気持ちも分かるわ。……そういう鞘ちゃんはどうなん?今ならしれっとパパに甘えられると思うよ?」

 

光の当たり方によっては桃色にも見える特質な髪とその特徴的な話し方を母から継承し、苦労人気質が見えるのは珊瑚だ。

頭に二つあるお団子がその存在感を主張している。

母であるみなみが、宝飾類から名前を取りたいと言った結果、一番名前として違和感のない珊瑚という名を与えられた。

そんな彼女は持ち前の気遣いを見せて、姉である鞘に尋ねる。

 

「ここは良い子にしてた方が、お父さん的に嬉しいだろうから様子見かな。私は長女だから多少は皆に譲ってあげないとね」

「なんというか大人過ぎひん……うち一応同い年なんやけど勝てる気せんのやけど!?」

「珊瑚は珊瑚の良さがあるんだから気にしなくてもいいと思うよ?私にはない柔らかい空気とかお父さんにいい癒しになると思うかな」

 

達観したような、この年でやたらと大人なことを言う鞘の後ろに、皐月たちを満足させた後でやってきていたアクアは、その頭にスッと手を置いて優しく撫でる。

抱えていた麦穂も一度母に預けて、完全に鞘のために身体を空けていた。

 

「鞘は遠慮し過ぎだ。もっと甘えてくれていいんだぞ」

「……お父さん、髪乱れちゃうから程々にね?」

 

普段から気を回し過ぎる彼女に父からそんな言葉が送られる。

撫でるアクアを見て、仕方がないなぁと言いたげな鞘だが、その表情は先程までのクールな様子から一転、少し緩んでいる。

今世のアクアはルビーにお願いされてかなり頭を撫でるのは上手になっていた。

そして結局彼女もまた父のことが大好きなファザコンの入った娘の一人という事で、大人びていてもまだ甘えたい盛りなのだ。

 

「あれ?これ実は一番勝ち組やの鞘ちゃんやない?まさか計算なんやろか」

「珊瑚もな。お姉さんとして頑張ってくれてるのはよく知ってるし、程よく力を抜いていいんだ」

「そう?ならパパにもうちょっと甘えよかな?もっと撫でて〜」

 

鞘よりは珊瑚の方がよほど普段から甘えるようにしているため、彼女の方はごく自然に父の愛を受け入れる。

年長組は結果的に二人とも父からしっかり可愛がってもらえた。

本日の勝負……年長組の勝利。

 

 

アクアはもう動き回れる娘たちの相手を一通りした後、一息つく。

今日の子供達は、母が彼女達の前でやる初めてのライブがあるということで余計に張り切っているのだろう。

いつも以上に体力が消耗させられるのを感じる。ただそんなところも可愛いと思うのは、良い親になれている証拠なのかもしれない。

アクアが落ち着いたタイミングで、先程までアイとヒカルと一緒にいた星の瞳を持つ少女がアクアの方へとやってきた。ほんのりと紫にも見える黒い髪は、彼女の母とお揃いである。

 

「大人気だね~さっすが私のおに~ちゃん」

「相変わらず恋はちっちゃい母さんみたいだな」

 

アイとヒカルの次女である星野恋。名付け親はヒカルである。

にぱっと笑みを浮かべるだけで容易く周囲の視線を本来集める強烈な引力を放つ少女だ。

幸いこの場には同じくらいの視線を集める存在が山ほどいるお陰で特別に注目されはしないようである。

 

「え?ホント?やっぱおに~ちゃんにも私の溢れ出るカリスマ性は隠せないよね~」

「ホントそういうとこが恋は母さんそっくりだよ」

「えへへ~最高の誉め言葉だよ!おね~ちゃんにも似てるしもう私最高だよね」

 

誰もがお母さんってアイちゃんでしょと言いたくなるその外見は、まさにミニ星野アイ。

一番星の生まれ変わりなんてものがいるのなら彼女のことで間違いないと言いたくなる程にそっくりだ。

祖母であるあゆみなんて見た時はアイが小さくなったのかと疑ったほどだ。

 

「あんまりおに〜ちゃん独占しちゃうと行けないからこの辺にしとこっかな〜。清梨華ちゃんあそぼー!」

 

それからも少しアクアと話していた恋だが、年の離れた兄に絡んで満足したのか、今度は大輝の傍にいた清梨華と絡むために離れていった。

こういうコミュニケーション能力が強いところは、母よりも姉や姪にそっくりである。

 

「父さんが圧倒されたらダメだよ。頑張ってくれないと、ウチみたいな圧倒的女所帯じゃ僕らの人権無くなるから」

 

そんな恋に圧倒されていたアクアの背後から少し呆れた様子で彼に話しかけてきたのは、黒髪の整った顔立ちをした少年だ。

アクアとあかねの息子であり、鞘の双子の兄である海刀である。

 

「息子にそんなこと心配される程じゃねぇだろ……ないよな?」

「いや、おばあ……アイ姉さんが抱っこしてすやすやしてるだけの優斗はともかく、僕は結構肩身狭い。赤ちゃん組も女の子の方が圧倒的に多いからね」

「……あーそればっかは天運だからな。悪いな海刀」

 

海刀は、あかねのプロファイリング能力や頭脳を継承したのか、色々と気が利く長男に育っていた。

ただ見え過ぎる故に今後苦労するかもしれないと親達からは少し心配もされている。

ただ子育てのことを考えると、妹達の世話もよくするしっかり者の彼が、星野家の長男なのはアクアにとっても幸運と言わざるを得ない。

その整った容姿とクールな性格は、将来女泣かせになること間違いなしと星野家女子組からは太鼓判を押されていた。

双子の妹にも全力で兄を遂行するその様はお兄ちゃんの鑑と言っていい。

 

「父さんが皆に優しいのは分かってるけどさ、もっと毅然とした態度でも良いんじゃないかな」

「……お前まだ3歳にもなってないのに気にし過ぎだろ」

「兄だから。これだけ大家族だと責任感身につくのも早いよ」

 

ただそれはそれとして、星野家の男のヒエラルキーが低いのではないか?という疑いは持っていたようである。

現状は問題ないが、子供達の健やかな成長を考えるならばある程度意識したほうがいいのかもしれない。

ワイワイと今なお騒ぐ子供達をまとめるため、それだけアクアに伝えて去っていくのは、既に兄として覚悟が決まり過ぎているなとアクアは感じられた。

 

「ホントどの子も元気いっぱいって感じだね、君の子達は」

「まぁそうだな。母さんは賑やかな家族で大喜びしてるけど毎日大変だ」

 

特に久しぶりでもないツクヨミ。何なら結局役者として苺プロに残っている関係もあってそれなりに共演していたり、事務所であったりと会わない日の方が珍しい。

そんな彼女に、アクアは昔思わせぶりなことを言っていた彼女の言葉を思い出した。

 

「そういや、あんな思わせぶりなこと言ったのに結局毎日のように会ってるよな」

「……仕方がないよ。それもまた運命というものだからね……というかもう何年も前の話なのにいつまでネタにしているのかな?しつこい男は嫌われるよ」

「何が運命だよ。昔から愛瑠のごり押しに弱くて結局アイドルやることになった癖に」

「節操ないくせに口だけは達者だね君。あとまだアイドルは未確定、子役は続けているけど、自立した生活のための貯金が欲しいだけだから」

 

ピキピキと青筋を立てながら成長して美しくなってきた顔を恐ろしくさせつつもアクアを睨みつけるツクヨミ。

だが、アクアどころか子供達すらまるでビビる様子がないのがツクヨミがこのメンバーに馴染んでいる証拠でもあった。

ぷつんと来ているツクヨミを宥めるように、幼児組の面倒を見ていた愛瑠も会話に混ざる。

 

「つくちゃん、にいのことあんまり睨まないの。ちゃんとお嫁さんになりたいなら一度ねえ達に相談しなきゃ」

「愛瑠、その勘違いはいつになったら直してくれるのかな。私がこんなスサノオも驚くような女好きになんか好きになるはずがないよ」

「神話レベルかよ。流石に言いすぎだろ」

「神でも妻五人はそんなにいないからね?誑し込んだ数だけならまだいるし、言われても仕方がないと思うけど」

 

辛辣なツクヨミに仲介する愛瑠。そんな二人との会話はアクアも嫌いではなく、むしろ楽しんでいた。

アクア達がそんないつも通りの会話をしていると、会場がスッと暗転する。

どうやらイベントのメインパートが開始時間となったようだ。アクア達も子供達も一斉に静まり返る辺り、子供とはいえ芸能一家の一員なだけはある。

そしてそれから数秒して、スポットライトに照らされた二人の女性がステージに現れた。

どちらもアクアにとって非常に馴染み深い人物である。

 

「レディース&ジェントルマン!皆、準備は良いかな~!!苺プロアイドルフェス、始まるよ~!!」

「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

 

アイドルをついに引退し、C式部のプロデューサーと配信者の二足の草鞋になったMEMちょの声に会場全体からは大きな声が返される。

野太い声がどちらかと言えば大きいが、苺プロのアイドルは女性ファンも多く、かなりバランスがいい歓声と言っていいだろう。

 

「ホントにすごい声……。会社を挙げたフェスって地味に初めてだよね」

「そうだね~これまでは同時に2グループまでしかアイドルがいなかったから中々機会もなかったんだよね。今回のフェスはアイドル部門に限定されてるけど、そのうち苺プロ皆でやりたいって副社長言ってたしこれからは増えるんじゃないかな?」

「えぇ……私自分がメインだったら……緊張で死んじゃうかも」

 

MEMちょの相方としてトークを行っているのは、ミミだ。

彼女は今人気配信者なだけでなくコスプレイヤーモデルとしても活躍しておりテレビなども慣れたはずだが、このドームの歓声には押され気味らしい。

久しぶりにコミュ障な一面が出そうになっているミミの姿を見て、会場から「頑張れ~!」とエールが送られる。

彼女の小動物感は一部からアイドル的な人気があり、この応援もそんなファンからのものだろう。

 

「今日は私たち苺プロが誇る三グループ全てが輝くドームステージ!他にも今後のイベントなんかも告知しちゃうよ~」

「は、配信で見てる皆も現地にいる気分で、その、応援してね」

「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

 

それからイベントは、アイドルフェスの名に恥じないよう、苺プロが持つアイドルグループが順にステージにやって来てはトークとライブを披露していく。

 

トップバッターであるD納言は、初のドームライブということでいつか単独でもこの舞台に立つと宣言した。

今後も苺プロはユニットを増やす方針であり、彼女達は良い先輩になるだろうと多くの人が期待している。

そして向上心の高い彼女達は、良い手本に今後なっていくことだろう。

歌は恋や愛より友情がメインのものが多く、あまり疑似恋愛要素は強めないグループ方針だが、B小町Rという先人がいるため、あっさりと受け入れられている。

合同という形とはいえ念願のドームということで歌ったあとはグループ皆が涙を流していた。

 

二番手であるC式部は実は苺プロの現存するアイドルユニットで一番の古参グループだ。それだけ長く追いかけているファンが多く、新しいメンバーの紹介にも皆が笑顔で受け入れている。

いよいよMEMちょも抜け、初期とは全員メンバーが変わったが、メンバーが変わってもその芯にあるアイドルとしての誇りは変わっていないと古参ファン達も大満足だった。

MEMちょとの入れ替わりの新メンバー披露で、『28時間テレビ』で難病だった子が出てきた時は、会場から大きな拍手が送られた。

その後のライブではしっかりとエピソードだけでなく実力で選ばれたことを証明し、未来のエースとして多くのファンが期待することになる。

 

そしていよいよ最後のグループの出番がやってくる。

勿論これまでの二グループも皆から応援されてはいたのだが、この瞬間を待ち侘びていただろう人がやはりもっとも多いだろう。

 

「そしてオオトリを務めるのは~皆さんお待ちかね!!あの伝説のグループです!!!ついに全メンバーの産休が終わって復帰、それでいきなりドームライブなのが流石だねぇ〜」

「子育て滅茶苦茶大変な中でレッスンしてたの凄い……見ててもよく動けるなって思ったというか」

 

アイドルの常識を変えた伝説のグループと言われている彼女達。

身内としてその努力も見てきた二人は、その驚異的な復帰スピードに驚きを隠せない。

 

「いや~ホントだよねぇ。アクたんもアイさん達も私達も協力してるとはいえ、アレだけ皆元気いっぱいな子達の相手もしながらだからね~私だと倒れちゃいそうだよ~」

「MEMちゃんは相手が」

「ミミちゃんやめて!?それ滅茶苦茶グサっと刺さってるから!?というかミミちゃんも相手いないじゃん!!」

「うっ……やめようこの争いは不毛」

 

一人身な二人がそんなトークをすれば、会場の至るところから笑い声が聞こえる。

それに嘲笑の意図はないが、恥ずかしいのか二人はステージで顔を赤くした。

MEMちょはその気恥ずかしさを誤魔化すように本日のメインキャスト達へと声を掛ける。

 

「とにかく!それでは、B小町Rの皆さんです。どうぞ!」

 

彼女の声に合わせてぷしゅーとスモークが焚かれる。

それから五人の女性が以前にも増して美しくなった姿でステージ上へと現れた。

その堂々とした姿に、会場のファンは皆、拍手で彼女達を歓迎する。

中心に立つリーダー、ルビーが元気よく声を掛ける。

 

「皆~久しぶり!元気にしてたかな?」

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」

 

久しぶりに東京ドームに響いた皆に元気を分け与えるような明るい声に返事をするよう、地鳴りのような音と共に大歓声がステージを包む。

相変わらずのカリスマ性に、会場のボルテージは最高になっていた。

 

「私は女優としての活動は再開してたんだけど、アイドル活動は久々ね。独特の緊張感あるから少しドキドキするわ」

「流石にダンスの勘とか取り戻すの結構大変だったかなぁ。私二回目の休養もしちゃったし流石に体力落ちちゃってたよ」

 

この全メンバー産休期間に複数回子を産んだメンバーもおり、芸能活動の期間はかなりまばらだ。

そのため、本人達も自信があるレベルまで戻すのにはかなり苦戦したようである。

あかねの言葉にはその苦労が透けていた。

 

「私なんてここ三年丸々活動してなかったから体力もだけど、世間から忘れられてないか心配だった。でも紫のサイリウムもあるし心配なさそうかな」

 

フリルはこの期間巡り合わせもあって妊娠と出産を繰り返しており、テレビや映画などの芸能活動を完全に停止していた。

そのため、実は復帰することを少し心配していたフリルだが、変わらずに応援してもらえていると気づいてほっとしていた。

 

「フリルちゃんはTwitterの活動は活発やったから皆印象深いんやない?というかうちら配信とかは普通にしてたしなぁ」

 

妊娠期間なども配信など身体の負担が少ない活動は続けており、変わらず楽しそうな姿を見せていたからこそ、人気がしっかりと維持された面は大きいだろうとみなみは思っていた。

今後は再びテレビでの活動も増やしていく方針を打ち出しており、私生活とのバランスを意識していくことになるだろう。

 

「今日は苺プロ初めてのアイドルフェス!私も本当はお客さん側で楽しみたい気持ちもあったよね!おにいちゃんなんてそれが理由で司会しなかったみたいだよ」

「まっアイツらしくていいんじゃない?」

「それはそうかも!まっ夫のワガママを聞いてあげるのも妻の優しさだよね!!」

 

休止前同様流れるようにいじられるアクアは少し気恥ずかしくなる。

子供ができても変わらずに夫婦仲は特殊だが良好だった。

 

「えへへ、折角なので今日はお母さんになった私たちが送る新曲を披露したいと思います。聞いてください『Mother and Children』!」

 

サプライズ的に発表された新曲。

変わらぬ……いや休止前よりパワーアップしたパフォーマンスと歌唱力は一体どうやって磨かれたのかと多くのファンを驚かせる。

母親となった彼女達は以前より精神的に成長しており、それがパフォーマンスにも発揮されていたのだ。

新曲が終わった後は続けて定番曲を繰り広げていくが、そのどれもが目を見張る完成度に仕上がっていた。

結局一通りライブが終わるまで、B小町Rのカリスマ性に会場は完全に呑まれ、全ての曲が終わるまで時が飛んだかのように一瞬にファン達には感じられるほどに、その会場にいる全ての意識を持って行った。

 

 

予定されていた曲が終わり、静まり返ったところで、会場はようやく音を取り戻したかのように拍手と歓声の嵐に見舞われる。

当然アクア達のいる一角にいる子供達も、いつも一緒にいた母達のこれまでとは違う芸能人としての姿に大興奮の様子を見せていた。

 

「ホント皆すごかった!勿論ママ達B小町Rが圧倒的なんだけど!私も大きくなったらママ達みたいなキラキラなアイドルになりたいなぁ!」

 

以前からアイドルになりたいと言っていた麦穂が最初にそんなことを口にする。

これまでは色々な夢を見ていた子供達も、母達のライブを見て一瞬でアイドルという存在に魅せられたのか、娘達は口々に私もなれるかな?なんて言っているのが聞こえてくる。

 

「ね!パパ!私たちもママ達みたいなアイドルになれるかな?」

「麦穂達なら絶対なれる」

「わーい!!」

 

アクアの力強い返事に麦穂だけでなく、今この瞬間アイドルになりたいと思った少女達は歓喜する。

彼女達にとって父の言葉にはそれだけ信頼があった。

 

「いいの?そんな簡単になれるなれるって言っちゃって……親バカなのかな」

 

アイがこそっとアクアに近づいて小声で尋ねる。

アイドルをやっていたアイは、アイドルというのが楽しいだけの仕事でもない上、狭い門なのを理解していた。

それなのにそんなに言い切っても大丈夫なのか?と心配したわけである。

 

「母さんにだけは言われたくねぇよ……でもきっと大丈夫だ」

「ふーん、すごい自信だね~、どうしてかな」

 

アイが上目遣いで尋ねる中、アクアは堂々と、だが簡潔に答えた。

 

「この子達は俺の推しの子だから」

 

そんな根拠と言っていいのかという言葉を言い切るアクアにくすりとアイは笑みを溢す。

 

「ふふっそこで俺の子だからじゃないのがアクアだね~」

「良いだろ別に。ドルオタなんだからそんなもんだよ」

 

二つの星は、堕ちることなくステージ上で手を振る五つの星を楽しそうに笑い合いながら見届ける。

これから先もずっと傍で、彼らの推しの子と共に。




本編最終回です。これまで長い作品でしたがご愛読いただきありがとうございました。
皆様の応援のおかげでここまでやり切ることができたと思います。
今後の更新ですが、今週末に原作最終巻的なオマケを1話だけ乗せて完全に締めたいと考えております。
蛇足気味にはなりますが、よろしくお願いします。
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