【推しの子】ヤケクソハッピーハーレムルート   作:ただの暇神

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動物園

宮崎旅行最終日。

仕事が終わりMEMちょとゆらが合流したことで更に賑やかになった苺プロ一行は車内ですら騒がしさを増している。

 

「いやぁ中々面白い旅をしていたみたいですなぁアクたん」

「何の話だよ……」

 

助手席に座っているMEMちょがニマニマとしながらアクアへと声を掛けてくる。

ここ数日面白そうな気配を感じながらも別行動だった鬱憤を晴らすつもりなのだろう。

アクアはそんなMEMちょの気配を感じて嫌そうに言葉を返す。

 

「ほら、アクたん昨日トレンド入りしてたじゃん?動画も切り抜きで沢山回ってきてたし、女の子に囲まれて男の子としては良い旅行だったんじゃない?」

「……そういえばそんな事もあったな」

 

アクアを揶揄えて楽しそうなMEMちょは昨日のSNSを席巻した話題を口にする。

それに対して、MEMちょの発言を聞くまでフリルが撮っていた動画が、かなりバズっていた事を忘れていたアクアは少し惚けたような返事をしてしまう。

あの後に雨宮吾郎の墓参り、前世バレ、二股交際とアクアからすればそれ以上にインパクトのあるイベントが連続したため、アクアの記憶からは抜け落ちてしまっていた。

 

「え!?あ、アクたん流石にあんなインパクトあるバズ忘れちゃダメじゃない?業界人としてさ〜」

「そうは言われても色々あったんだよ」

 

数字大好きなMEMちょからすればとんでもないと思うのも無理はない事だった。

動画の再生数も1日の間に500万回を超えており、B小町Rと言えども珍しい規模のバズり方をしているので無理もないだろう。

 

「そうは言っても皆と順番に杉回ってただけだけどな」

「ただ回っただけじゃなくて、ちゃんとご丁寧に手を繋いで5人と回ったのは流石B小町Rキラーのアクたんって感じだよね」

 

そう言いながらMEMちょは自身のスマホを操作して特にお気に入りのツイートを表示しながらその内容を口にした。

 

「特に『10秒で泣ける恋する乙女』のタグで回ってきた切り抜きとかお気に入りだよ〜」

「ちょっと待ちなさい!!何そのふざけたタグ!?」

 

メンバー全員と順番に恋愛成就の杉を回ったスケコマシには当然の報いよねと言いたげに、楽しそうな笑顔を浮かべていたかなは、急な流れ弾に驚愕する。

慌てて自分のスマホでかなが検索を掛けてみれば確かに何個もそのタグが付けられたショート動画があるのが確認できた。

 

「アップされた動画の中身まで見てなかったけど何私の泣きシーン入れてんの!?」

 

実は変なシーンはカットするだろうと確認していなかったかなは、予想外に発覚した自分の痴態に驚きと羞恥に襲われ、犯人だろう人物、フリルへと鋭い視線を送る。

ただ元動画をアップした張本人はどこ吹く風でいつもの変化が乏しい表情で答える。

 

「重ちゃんが勝手に杉回るところだけだと思っただけだよ?私はちゃんと『え?一部始終だよ本当にいいの?』って聞いたのに」

「……たっ確かにそんな事言ってた気がする……けど!あの時はちょっと冷静じゃなかったから意識していなかったっていうか……」

「かなさんあの時は号泣やったもんね」

 

フリルの言葉に記憶を辿ったかなは、確かに彼女の発言にそれらしい言葉が入っていたと思い出す。

そんなかなにみなみが慰め半分揶揄い半分で声を掛ける。

 

「うっさいわね!アンタらが行動的過ぎるんでしょうが!!……というか?一応私だけアイツから誘われた訳である意味私の一人勝ちみたいなとこあるわよね〜。どうせネットで拡散された物は今の時代挽回できない訳だし」

「重ちゃんポジティブだね」

 

一通り不満をぶつけた後は、もう広がっているから仕方がないと割り切るかなを見て、フリルは彼女の切り替えの早さを素直に褒めるのだった。

 

 

「愛瑠ちゃん今日は私と一緒に居ようね。結局仕事が終わる時間が遅かったせいでこの旅行中あまり構えなかったよ」

「ゆーちゃ、くすぐったい!!」

「可愛いなぁ〜」

 

もう一人の追加参戦であるゆらは、この不毛な争いには参加せず、愛瑠の横を陣取ってその小さな手をにぎにぎとしたり、頬をつついたりして過ごしていた。

それに対して愛瑠も機嫌良さそうにキャッキャと笑顔を浮かべて反応しており、ウィンウィンの関係であることが窺えた。

 

「ホント愛瑠ちゃん見てると子供欲しくなるね」

「ゆら?お願いだからもし子供が欲しいってなっても事務所に相談せずに勝手に子供作って事後承諾とかしないでよ?お願いだから」

「あはは、当たり前でしょミヤコさん。それに残念だけど今のところ相手がいないし」

「「「……」」」

 

念押しのように言うミヤコにゆらはケラケラと笑って返事をする。

ただ星野家の秘密を聞いてしまったB小町Rの面々は、ミヤコの言葉が魂からの物で実に切実な願いだという事が理解できて複雑な気持ちになっていた。

微妙な空気を生み出す理由となった張本人、アイはどこ吹く風であり、こういった部分が最強のマルチタレントに彼女を押し上げているのだろうなと一部のメンバーは想像する。

 

「とはいっても苺プロは別に恋愛禁止にもしていないから、もし相手ができたら事務所にだけは教えて頂戴ね。スキャンダルが起きてからの対応にも差が出るんだから」

「はーい」

 

ミヤコは恋愛そのものを否定している訳ではないと事務所の意思を伝える。

それはゆらに限らずアクア達も対象に含まれている。

アクアはいつかはミヤコにも伝えないといけないよなと自業自得とはいえ胃が痛くなるのだった。

後日、ミヤコはこのアクア以上に胃が痛くなる事になるのだが、それはまた別の話である。

 

 

楽しい旅行ももうすぐ終わり。

人数が増えた状態でも順調に観光を続けていた一行は、最後の観光地である自然動物園を訪れていた。

流石に全員一緒に見て回ると大人数になり過ぎるため、多少分かれて見て回っている。

 

「動物より私たちを見てる人の方が多いと私たちが動物になった気分になるよね」

「有名税って奴だよ〜あっフリルちゃんあのキリンの写真一緒に写らない?」

「是非、自撮り棒もあるので任せてください」

 

MEMちょと久しぶりにまとまった時間が取れたフリルは、SNS映えする写真を撮るべく一緒に行動している。

推し活は人生の活力になると考えているフリルは、いつになくテンションが高い。

MEMちょもフリルという自分にとって一番のファン兼同業者との時間は楽しいため笑顔で過ごしていた。

ただMEMちょには少し気になることがあった。

 

「でも良かったの?アクたんと一緒に過ごさなくて」

 

MEMちょは頃合いを見てフリルに気になっていた事を質問した。

彼女自身は特に相手がいないが、恋バナには興味津々であり、B小町Rの恋模様にはいつも目を光らせていた。

そんなMEMちょからすれば折角の旅行という機会にフリルが自分を選んだことを少し意外に思っていた。

勿論フリルがMEMちょを最推しにしていること自体は全く疑いを持っていないのだが、他のメンバーはアクアと一緒に行動しており、出遅れないかと心配しての問いかけである。

 

「推しに心配されるの……いい。今なら100mを9秒で走れそう」

「それ女性だと世界記録じゃない?」

 

いつものフリル節を聞いてMEMちょはツッコミを入れる。

推しのツッコミに更に気分を良くしたフリルは自分の作戦を口にした。

 

「大丈夫、今度ここで一緒に過ごせなかったのを理由にマリンと二人だけで動物園に行こうと思ってるから」

「えぇ!?」

 

フリル節で少し気が抜けたところで、突如放り込まれた情報にMEMちょは驚きの言葉が出る。

 

「実は今度マリンと共演するけど、ここの撮影期間で勝負をするつもり」

「わぁ……ほ、本気なんだ。わ、私は誰を応援したら……でもやっぱりフリルちゃんを応援するべきだよねぇ」

 

下の子が複数人いるMEMちょは、姉気質なところがある。

面倒見の良さもあってB小町Rの子達は妹のように思っていた。

そのため誰を応援したらいいのかとずっと悩んでいたが、こんな相談をされたならばフリルを応援しようと覚悟を決める。

 

「よーし!フリルちゃん、アクたんを落とせ〜!」

「頑張る……二番手以降でもいいから受け入れさせる」

「がんば……ん?ん〜〜〜〜??」

 

MEMちょはフリルの決意が籠った言葉を聞いて、更にエールを送ろうとしたが、彼女の言った言葉を理解するにつれて頭に大量の疑問符が浮き上がる。

どうしても理解できなくなったMEMちょはフリルに尋ねることにする。

 

「えーっと……二番手ってどういう意味?」

「うーん直感?一番は厳しいと思ってるから。まぁ一番好きなところもあるって感じにはしたいところだね」

 

フリルはあかねに次ぐ観察眼を持っている。

そのためアクアの中で誰が一番大切かは予想もついていた。

あかねが何か計画しているのも知っており、その内容にもおおよその見当が付いていた。

そんなフリルの言葉にMEMちょは冷や汗を流しながら彼女へ問いかける。

 

「そっそれはちょーっと不健全じゃない?」

「うん、大スキャンダル待ったなしだね、だからもし上手くいってもMEMちょは言っちゃダメだよ?」

「あっ教えてくれるんだ……そりゃ〜言わないけどさぁ……にしても二番でいいって凄い覚悟だね」

 

まだ恋という恋をせず仕事に生き続けているMEMちょには、そんな思いの強さを羨ましくも思える。

 

「まぁマジで好きだからね。絶対捕まえたいから」

「うわぁ可愛い表情するなぁ。思わず撮っちゃった」

 

珍しく顔を赤らめてその整った顔を綻ばせるフリル。

MEMちょは万人を魅了しそうないい表情を見せた彼女を思わず持っていたスマホで撮影する。

 

「あっそれあとで送って欲しい。Twitterとインスタにマリンとの旅行でのワンショットって書いてアップするから」

「……うん、フリルちゃんならアクたん落とせると思う」

 

MEMちょは応援しなくてもこの子なら大丈夫なんじゃないかな?と思うのだった。

 

 

 

そんなフリルMEMちょペアとは別ルートには子連れの一団がいた。

 

「そういえばアイ、アクア達と一緒にいなくていいのかしら?」

 

普段は何よりもアクアとルビーを優先するアイが珍しくこちらにいるのを見て

 

「ちょーっと寂しいけどたまにはね、親の監視がない時間も欲しいかな〜って」

「あら?珍しく子離れ出来てるわね。その調子でもうちょっと干渉しないようにしてあげたら?」

「それはヤダ!今日だけは特別!……まぁ三人っきりじゃないけど」

 

世間一般では息子は恋人といるのを母親に見られたくないらしいとアイは昨日調べて知った。

そのためアイなりに少し気を遣った結果、愛瑠を可愛がろうとミヤコ達と行動している。

 

「ゆーちゃ!ぱおーんおっきい!」

「かわいい癒されるぅ!本当に大きいね象さん」

 

これまで愛瑠は動物園に行ったことはなく、暇つぶし用として与えられているYouTubeの動画で見るくらいだった。

本物の動物達を見た愛瑠はとても喜んでおり、高いところから見えるようにと抱っこをしているゆらに声を掛けている。

ゆらもアイドルと女優業で鍛えてきた身体能力でグッと愛瑠が高いところから動物達を見られるように高くあげている。

 

「あっ今の可愛い!ゆらちゃん愛瑠ちゃん撮るよ〜はいチーズ!」

「ふふっアクア君のくせ移ってるよアイさん」

「うっ……アクアのせいで私までおばさんみたいとか言われちゃったらどうしよう」

「アイさん私より若く見えるから大丈夫じゃないかな」

 

少し不安そうな表情をするアイに対してゆらは苦笑いしながら返す。

アイは一体本当に歳を取ってるのかと疑いたくなる美貌を維持し続ける魔女である。

そんな彼女の腕の中にいた愛瑠も二人の会話に反応する。

 

「にい!?どこ!?」

「愛瑠、アクアがいるわけじゃないから落ち着きなさい」

 

アクアの名前を聞いて思わず反応して周りを見回す愛瑠。

先程別れて行動するとなった時も少し寂しそうにしていた。

あいつ幼女すら誑かしてるんじゃあるまいなとミヤコはジト目をするのだった。

 

 

そしてそのアクア達はといえば。

 

「見てよアクアくん!レッサーパンダが美味しそうに竹食べてるよ?可愛くない?」

「流石語源なだけあって美味しそうによく食べてるな」

「ふふっ確かにそうだね。それを考えるとレッサーって呼ばれるようになっちゃったのはちょっと可哀想かな」

 

アクアの腕を取りながらレッサーパンダを指差すあかね。

いつもより上機嫌なのは昨日の今日故に仕方がないことだろう。

ただそんな微妙な変化でも身内、特に長い時間を共にした人は気が付くものである。

 

「……なーんかいつもよりあかね甘えてない?『今ガチ』の時みたいな空気を感じるわね」

「え?そっそうかな?かなちゃんが羨ましくてそう見えちゃっただけじゃない?」

「ぐっ……べっ別にそんな事ないわよ?」

 

あのあかねと言えども特殊な形とはいえ恋が実った直後ということで普段より脇が甘かった。

何か怪しいという視線を向けつつも、かなはこれ以上突くと意外と鋭いあかねの反撃が来そうだと思い諦める。

代わりに視線をアクアの方へと向けて、さっきの二人の会話で気になったポイントを尋ねた。

 

「ところでアクア、今アンタが言った語源ってどういう意味よ」

「1825年にヒマラヤで初めてレッサーパンダを見た西洋人が現地のネパール人に『あれは何?』と質問し、それにネパール人は『ネガリャポンヤ』って答えた。そのポンヤが訛ってパンダになった訳だが、『ネガリャポンヤ』がどういう意味かと言うと『竹を食ってる奴』って意味なんだよ」

「何その雑学、どっかのYouTuberみたいね……。使う場面ある?」

 

アクアが思い出しながら自分の知る雑学を披露するが、かなはあまり興味がなさそうに雑に流すように返事をする。

かなのあんまりな返しにアクアは呆れたような視線を彼女へ向けた。

 

「お前な……自分で聞いといてその返しはないだろ」

「でもかな先輩って今度クイズ番組出るし、もしかしたら出るかもよ?」

「げっ……あり得るわね。アクア、もう少しレッサーパンダに関する雑学教えてくれていいわよ?」

 

かなの手のひら返しにアクアはため息を吐きながらもレッサーパンダに関する雑学の続きを話す。

 

「ちなみにさっきあかねが言ったレッサー呼びが可哀想って件についてだが、元々パンダってのはレッサーパンダを指す言葉だったんだよ」

「え?パンダ言うたらあの白黒の大きいパンダやないん?」

 

アクアの言葉に気になったみなみも首を突っ込む。

こういった雑学は役に立つとは限らないが、意外と聞いていると興味をそそられるようだ。

 

「最初はレッサーパンダだけが見つかっていてパンダと呼ばれていたんだ。だけど後々白黒のジャイアントパンダが見つかって二つのパンダを区別する必要が出てきた訳だ。それでレッサーパンダと名付けられた訳だが……今ではパンダといえばジャイアントパンダの方を指す言葉になったな」

「へー面白いなぁ。今度アクアさんもYouTubeのチャンネル開設したらええんやない?『星野アクアの雑学ちゃんねる』なんてどうやろ」

 

みなみはアクアの言葉に感心して目を輝かせながらそんな言葉をアクアへ話す。

どうやら本気で言っているらしくアクアも反応に困るが、新しいファン層を獲得したり仕事を獲得するのには意外と悪くないのか?なんて前向きに考えた。

ちなみにみなみはただ自分がファンとして見たいだけだったりする。

 

「勘弁してくれ、苺プロ公式の動画とかならまだいいけど自分のチャンネルなんて放置する気しかしない」

「まぁアクアくんSNSもやらないもんね……」

 

アクアの拒否反応にあかねは苦笑しながら返す。

ただ内心では、これまでどうしてSNSを若い子が使うツールと呼んで、拒否反応を示していたのか理由がわからなかったが、ついに謎が解けてまた一つアクアのことが分かったと、喜ぶあかねは笑顔を見せる。

それを見てかなはやっぱなんかあるのよね〜と頭で思いつつも口には出さず、五人はのんびりと動物園を回るのだった。

 

 

動物園を見終わって空港への移動の前にトイレに向かっていたアクア。

流石に皆を長くは待たせられないと急ぎ目に集合場所に向かっていたアクアは、正面に現れた存在を見てぴたりと足を止めた。

 

「……何でここにいる?」

「私くらいの子供ならここにいるのも不思議じゃないでしょ?」

 

銀髪を靡かせる少女、ツクヨミはアクアの質問に笑顔で答える。

アクアにはまだこの少女の正体がまるでわからないため、警戒してしまっていた。

 

「怖い顔ー」

「……まぁいい、何か用か?」

 

旅行の締めとあって折角の気楽な空気を乱されたくないアクアは、さっさと本題を引き出そうとツクヨミに問い掛けた。

 

「ふふっ使命を見つけられたかな〜って思って様子を見にきたの。ほら、人を導いてあげるのも私の仕事だからさ」

「神様ごっこかよ……ああ、それっぽいものはな」

 

アクアの言葉にツクヨミは目を見開く。

その姿を見てアクアはようやく彼女が少なくとも全知の存在じゃないと理解した。

 

「俺の使命は、B小町Rの皆と付き合って子孫を残す事だ」

「……はぁ?」

 

ツクヨミは衝撃を受けて実にわかりやすい唖然とした顔をしている。

それを見てアクアはこの生意気な子供に一泡吹かせられたと内心で嬉しく思いながらも、演技を解かずに言葉を続ける。

 

「……どうしてそんな結論になったのか聞いてもいいかな?」

「いくらなんでもルビーとあかねの提案が俺に都合が良過ぎる。神様が俺に子孫を数多く残させるために導いたと言われた方が納得がいく」

「……何話したか知らないけど君が女たらしなのは使命にこれっぽっちも関係ないよ。君が女好きで女にだらしないのを神のせいにしないでくれないかな」

 

神をなんだと思ってるのかな?と言いながらツクヨミは呆れ顔でアクアを見る。

ただアクアはそんなツクヨミを見てホッと一息を吐いた。

 

「流石に冗談だ、良かったよお前が全知全能って訳じゃなくて。二人の判断がちゃんと二人が考えた結果で神の操作とかそう言うのじゃないって分かって一安心した」

「……カマを掛けたね?はぁ……私が分からないからって神が全能じゃないとは限らないよ」

 

深いため息を吐くツクヨミを見て、アクアは自分の考えと決意を口にする。

 

「少なくとも表立って俺たちに絡んでくるのはお前くらいだからな。本当の使命はまだ分からないが、俺は俺の人生を歩く。それだけはもう決めた」

「……そう?ふふっ……じゃあ頑張らないとね星野アクア」

 

アクアの言葉を聞いて満足そうに笑顔を見せて去っていくツクヨミ。

アクアはそんな彼女を見て結局何しにきたんだあいつと思わされるのだった。

 

こうして激動の宮崎旅行は終わりを告げる。

楽しい数々の思い出を作った充実した旅行を胸に、皆ドームライブに向けて更に頑張る事になるのだった。

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