『テーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がるなぁー』
◇連邦生徒会・調停室
「はい、必要な書類はすべて確認しました。お疲れ様です。」
『よし・・・んじゃあ後は頼んだよ、調停室長。』
連邦生徒会における書類の振り分けを担当する調停室。
そこへ必要な書類の提出を終わらせたハルガはヘリポートへ向かう為、エレベーターに乗った。
『はぁ、まさかA-10がやられるなんてな・・・もっと装甲を盛るべきか?いや、砂漠の高い気温がコンピューターに何か知らの影響を与えたのか?・・・うーむ。』
先の戦闘で損傷したA-10は、あの後何とか基地に帰還する事が出来た。
しかし、左エンジンは原形が無くなる程弾け飛んでおり、さらにその破片などが垂直尾翼に突き刺さり機能を失わせている状態だった。
もちろん修理自体はできるし、すぐにでも飛べる状態にできるだろう。しかしまた同じことが起きないとは言い切れないし相手も対策をしてくるだろう。
『だが砂漠ってのも厄介だな。兵器も銃もどれだけ整備しようがすぐに不調を起こしやがる。もういっそのこと試作機だがあれを使ってみるか?』
誰もいないことをいいことにエレベーターの中で延々と独り言を言い続けるハルガ。
エレベーターが最上階のヘリポートへと到着すると、ハルガは自身のヘリへと向かった。
『VTOLか・・・いや、タイタンかAC130・・・ACやメタルギアはやりすぎか?』
ハルガはヘリへと補給用の弾丸や爆薬、装備などを次々と積み込む。
ヘリはCH‐47・・・大型の輸送ヘリである。アビドス用に徹底的な防塵加工とレーダーとエンジン出力の強化、さらに装甲はロケットランチャーすら数発は防げるほどの強度になっている。
『・・・今更だが最初にアビドスに来るときもヘリでこればよかったな。』
準備を終えたハルガは、操縦席へと乗り込むとエンジンを始動させる。
2基のローターが回転を始め、その大きな機体を空へと持ち上げ始める。
『さてと、先生も待っているだろうしさっさと行きますか。』
先生は対策委員会で会議があるだけだと言っていた。
そのためハルガは、出かけない限りは危険はないだろうと補給と報告書の提出の為に連邦生徒会へと戻っていたのだ。
だから予想なんてしていなかったのだ。
先生たちがブラックマーケットで銀行強盗をしているなどと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ほら!先生急いで!」
”はぁ・・・はぁ・・・ごめん、みんな。”
ブラックマーケットを疾走する6つの影。
覆面を付けた対策委員会と紙袋を被ったトリニティ生・・・ヒフミ、そして黒いバラクラバ*1を付けた大人・・・シャーレの先生だ。
「うへぇ・・・これは本格的にまずいかもね。」
「あいつら硬すぎ!どんな装甲付けてんのよ!」
「マーケットガードは違法改造された装備を使ってます。少なくともその辺の不良よりかは手ごわいかと・・・」
仲間の要請を聞きつけ各所から集まるマーケットガード。逃げる先々に現れては行く手を阻んでくる上、装備も上質な物が多い為、倒せなくはないが面倒な相手だ。
そのため、先生の指揮とアヤネのナビゲートで比較的包囲の薄い部分を選んで逃げるしかない。
「前方に敵複数です!」
”ホシノ、突撃!シロコはドローンで援護して!”
「まかせて~。」
「うん、わかった。」
”ノノミとセリカとヒフミは後ろの敵を!”
退路にいる敵をホシノとシロコが倒している間、追いかけてくる敵を足止めする。
だが、マーケットガードの集まるスピードが想像よりもかなり速い。このままではジリ貧になるだろう。
”何かいい方法は――――”
ドゴォン!
ドォン!
「うひゃあ!」
”ホシノ!大丈夫!?”
突然、ブラックマーケットに鳴り響く二つの轟音。
ホシノが居る方から聞こえる砲弾の様な着弾音に思わず声を掛ける。
「おじさんは大丈夫だよ~」
返ってきた余裕そうなホシノの返事に胸をなでおろす。
そしてホシノの方に視線を向けると、そこには原形が分からない程破壊されたマーケットガードの盾と完全に戦闘不能になっている盾の持ち主がいた。
”ホシノ、今の音は?”
「・・・多分、狙撃だね。それもおじさんやシロコちゃんを避けて正確に敵だけを狙って。」
”誰だろう・・・”
「わかんない、でも撃ってこないなら少なくとも敵じゃないと思う。」
”そうだね、今のうちに逃げちゃおっか。”
倒れたマーケットガードを横目に対策委員会は逃走を再開した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はひー、息苦しい。もう脱いでもいいよね?」
「のんびりしてられないよー、まだ追っては来るだろうからねー」
狙撃による援護によって、何とか先生たちはブラックマーケットから脱出する事に成功した。
「急いでください、まだ封鎖区域内ですよ。」
「うへ~疲れたよ~・・・お迎えとかないの~?」
「ホシノ先輩・・・そんなのある訳―――『あるぞ。』―――うぇっ!?」
背後から突然聞こた声に、全員が振り返る。
そこには狙撃銃を持ったハルガとそれよりも大きな狙撃銃を持った見知らぬ少女がいた。
”ハ、ハルガ!?びっくりしたぁ・・・”
『先生・・・びっくりしたのはこっちですよ。なんてったってブラックマーケットに・・・まぁ、話を聞くのは後です。さっさと脱出しますよ。』
そう言ってハルガは後ろに止めていたハンヴィーを指さす。
「えっと・・・そちらの方は?」
『私の部下だ。それよりも急ぐぞ。』
運転席に乗り来むハルガ、それを追って隣の席に少女が乗り込む。
先生たちが後ろの席に乗り込んだのを確認し、ハンヴィーはアビドスへ向けて走り出した。
今回はここまでです。
すまんね、最近忙しくて忙しくて・・・こんなに期間が開いちまった。
ハルガの部下については次の話で書きます。
そろそろ長期休みに入るので投稿頻度は上がるはずです・・・多分。
それではまた次回・・・