◇アビドス居住区・45ブロック地区
ヘルメット団の基地襲撃の翌日の早朝。住宅街で知っってる顔に出会った。
「うっ・・・な、何っ!?」
”おはよう”
『おはようございます、黒見セリカさん。』
「な、何が「おはよう」よ!なれなれしくしないでくれる?」
「私はまだあなた達の事を認めてないから!」
『ほう、アビドスの黒猫は朝の挨拶もできないのか?』
「誰が黒猫よ!・・・まったく、私は忙しいからのんびりしていられないの!」
”セリカちゃんは、これから学校?”
「な、何よ!何でいきなりちゃん付けで呼んでんのよ!」
「私が何しようと、別に先生には関係ないでしょ?私はもう行くから!」
そう言うとセリカはさっさと走って行ってしまった。
残された先生とハルガはお互いに顔を合わせると、砂埃を立てて走っていくセリカの後を追いかけ始めた。
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しばらくの間、先生たちとセリカの追いかけっこが続いたが、先生が断念したことによってそれは終わりを迎えた。もちろん、ハルガがその気になれば永遠に追跡することも可能だったが、先生はあえてしないように言った。
その後は二人でアビドス高校へと向い、対策委員会の教室へと入った。
そこにはセリカ以外のメンバーがそろっており、何やら話をしていたようだ。
”おはよう、みんな。”
「お、先生。ちょうどいいところに来たね~」
「ちょうど今からみんなでセリカちゃんのバイトを見に行こうとしていたところです~☆」
”バイト?”
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◇紫関ラーメン・店内
紫関ラーメン。そこはアビドスに残った数少ない飲食店であり、大将の作る絶品ラーメンをリーズナブルなお値段で楽しめる場所だ。
そんな場所でセリカはアルバイトをしており、今日も元気に働いていた。
しかし、そこに(セリカにとって)思わぬお客がやってきたのだった。
「いらっしゃいませ!・・・って、えぇっ!?」
「あの~☆6名なんですけど~!」
「あ、あはは・・・セリカちゃん、お疲れ・・・」
「お疲れ。」
「うへ~やっぱここだと思った。」
”どうも~”
『砂漠にラーメンとは・・・いや、後から砂漠化したんだったな。』
扉の開く音に、元気よく挨拶をしたセリカ。
しかし、その先には自身の通う学校の仲間とシャーレの先生と部員がいたのだった。
「先生まで・・・もしかしてストーカー!?」
「うへ、先生たちは悪くないよー。セリカちゃんのバイト先と言ったら、やっぱここしか無いじゃん?だから来てみたの。」
「ホシノ先輩か・・・!ううっ・・・‼」
悔しそうに呻くセリカ。
「お、アビドスの生徒さんか。セリカちゃん、おしゃべりはそれくらいにして、注文を受けてくれな。」
「あ、うう・・・はい、大将。それでは広い席に案内します。・・・こちらへどうぞ・・・」
セリカの案内で広めのテーブル席に案内される。
対策委員会は次々と座っていき席が埋まっていく。ホシノとシロコ、アヤネとノノミのちょうど2人ずつに分かれており、先生はどちらに座ろうか迷っていた。
「はい、先生はこちらへ!私の隣、空いてます。」
「・・・ん。私の隣も開いてる。」
美少女二人のお誘いに先生は悩む。
そしてその時になってようやく一人足りないことに気が付いた。
”あれ!?そういえばハルガは?”
「そういえばいませんね。どうされたんでしょうか?」
全員が店内を見渡すと、ちょうど厨房に面した席、いわゆるカウンター席に座っているハルガを見つけた。
”おーい!ハルガもこっちで一緒に食べようよ!”
ハルガに向けて呼びかける先生。しかし、隣にいたセリカが止める。
「先生、あの人もう食べてるよ・・・」
”ええっ!?”
よく見るとハルガの前には空になったラーメンの器が置いてあり、それは彼が先にラーメンを食べていることが分かった。
誰にも気づかれずに注文をし、知らぬ間に完食していたのだ。先生はもちろん、対策委員会のみんなも驚いていた。
『いやー、久々においしい物を食べさせてもらいましたわ。柴大将。』
「兄ちゃんも言い食いっぷりだったぜ。気に入ったら是非また来てくれ。」
驚く先生たちをよそに楽しそうに談笑するハルガと大将。
ここでヘルメットを外すと思っていた先生はかなりショックを受けていた。
”ハ、ハルガ!?もう食べちゃったの!?”
『ん?あ、・・・えぇ、先にいただきました。』
”早すぎない!?”
「ん、顔が見れると思ったのに・・・」
「ム~・・・残念です。」
先生と同じように顔が見られると思っていたのか、ノノミもシロコも残念そうにしている。しかし、当のハルガは嫌そうな雰囲気を出してヘルメットを押さえている。
『絶対にお断りだ。・・・あまり人に見せられる顔じゃないんでね。』
”う~・・・嫌なら仕方ないけど、せめて一緒に食べたかったな。”
『申し訳ございませんね。こればかりはどうにも・・・』
「そ、それよりも!注文は?」
「「ご注文はお決まりですか。」でしょー。セリカちゃーん、お客様には笑顔で親切に接客しなくちゃー?」
「あうぅ・・・ご、ご注文は、お決まりですか・・・」
全員が自身の注文を始める。
ノノミはチャーシュー麺、シロコは塩ラーメン、アヤネは味噌ラーメン、ホシノは特性味噌ラーメンに炙りチャーシューのトッピング、先生は看板メニューの紫関ラーメンを頼んだ。
ちなみにハルガは特盛紫関ラーメンを注文していたようだ。あの短時間で特盛を・・・
「・・・ところで、みんなお金は大丈夫なの?もしかして、またノノミ先輩に奢ってもらうつもり?」
「はい、私はそれでも大丈夫ですよ☆このカードなら、限度額までまだまだ余裕ありますし。」
『あれは・・・・マジかよ。』
そう言って懐から輝くゴールドカードを取り出すノノミ。それを見たハルガは少し驚いた様子を出していた。もちろん、誰かが気付いたわけでもないが。
「いやいや、またご馳走になるわけにはいかないよー。きっと先生が奢ってくれるはず。だよね、先生?」
”は、初耳なんだけど・・・”
ねだる様な声でのぞき込むように先生を見るホシノ。
しかし、先生は冷や汗をだらだらと流し始めた。
「今聞いたから良いでしょ!」
それを聞いた先生は一目散に入口へと逃げ始めた。
「そうはさせないよ!」
しかし、身体能力の差か、ホシノに簡単に捕まってしまった。
そして先生の体を調べたホシノはひとつのカードを見つけた。
「うへー大人のカードがあるじゃん。これは出番だねー!」
『そういえばここに来る前も早瀬さんにこっぴどく説教されてたけど・・・本当に大丈夫か?』
”うん・・・大丈夫大丈夫。”
「ホシノ先輩・・・最初からこうするつもりでご飯に誘ったんですか?」
「先生としてはカワイイ生徒の空腹を満たせるチャンスじゃーん?」
どこか、遠くを見る様な目をした先生に、さすがのハルガも心配していた。
そんな先生に、ノノミが近づき、何かを・・・先ほどのゴールドカードをこっそりと渡した。
「先生、こっそりこれで支払ってください。」
”いや、大丈夫だよ。私は大丈夫だから。”
「でも・・・」
”私だって大人だから・・・”
そう言って全員分の会計を済ませた先生。あとで早瀬さんに問い詰められたときは全力でフォローしようと思うハルガであった。
もちろんハルガは自腹で会計を済ませていた。
今回はここまでです。久々に(他シリーズ含めて)平和な話を書きましたわw
特盛のラーメンを汁まで完食したらセリナが飛んできそうですよね・・・ミネ団長にも誤救護されそうです。
それではまた次回・・・