異能戦争のメシア 作:めし
「ハンバーグ」
『ハンバーグが1』
子供達の食事の配給の為、オウムの様に繰り返す。
「ハンバーガー、ステーキ、カルボナーラ、グラタン、スシ。天ぷら、スキヤキ、トルティーヤ、パエリア」
『ちょっと待て。待ってくれ』
思わずそこでストップを掛けると。
「はい、どうかしましたか?」
平然とした顔で部下は俺に尋ねる。いや良いか、別に。俺が覚えれば良いだけだし。
『いや、何でも無い。ほら、ハンバーグ。ライス付きだ』
熱々の鉄板の上には音を立てて待っているハンバーグがいる。そして、その上にはソースがたっぷりと掛かっていた。そして、もう片方の手にはツヤツヤに輝いた白米が乗った皿がある。
まるでウェイターみたいだな。と思いながら、俺はそれにカバーを被せて両手でそれを部下に渡すとリレーの様に他の部下へと渡して行く。
「いつ見ても、美味しそうですし。まるで手品みたいですね……救世主様の異能」
救世主はやっぱり辞めて欲しい。調子に乗ったら、ロクでも無いのは過去の人類が証明してるしな。
確かに、俺の異能。
人によってそのデメリットには違いがあって、寿命だったり身長だったり髪の毛だったり色々ある訳だが。俺の場合は……。
カロリーだ。その料理のカロリー分が俺の身体から引かれる。だから、無限に食糧を出せる訳では無いのが注意だ。
次は、ハンバーガーか。
……きっと、皆腹が減ってるんだろうな。笑顔になって貰えると良いなと思いながら、脳みそを動かして行く。
その作業は暫く続き、少し休憩を取る事にした。そろそろ交代の筈だしな。
『サラ、アレあるか?そろそろキツくなって来た』
「ありますよ。ちょっと待ってくださいね」
鞄の中をゴソゴソ探って探しているのを待ちながら俺は少し横たわる。
やっぱり、しんどい。何度やっても慣れないこの倦怠感。そして、まるで何時間も運動をしたかの様な疲労感。
実際は椅子に座って作業をしていたにも関わらずだ。やっぱり消費カロリーが多いせいだろう。空腹感を超えて気持ち悪さが身体全体を占めている。
「あった!はい、空腹を抑える薬と、鬼甘エナドリとカロリーバーです」
『うぷっ』
吐きそうになりながら、薬を無理矢理エナドリで流し込む。
『……遅く無いか?』
「確かに、もう時間から十分過ぎてます。珍しいですね」
カロリーバーを齧りながら考える。まさか、何かあったんじゃないか?捕まったのでは。
そんな考えを吹き飛ばすかの様に、テントの扉が開いた。
「はぁ、はあ。隊長」
『遅かったな、プンス』
一体どうしたのだと言う事は言わない。息切れをして、肩で息をしてるその状態で何かあったのは確実だ。取り敢えず、残ったカロリーバーを無理矢理口に放り込んで彼女が落ち着くのを待った。
「異能力者が出ました」
『まじか』
忙しい時の仕事は増えるけれど減る事は無い。そんな事を思いながら現場へと俺は向かった。