毎週の仕送りがどう考えても実家から来ていない件 作:カンピロバクター卍
結論。
デビル・スターちゃんによって引き起こされたユビキタス・バースト*1によって、神奈川県川崎市は魔界に接続されるに至った。
魔界。
悪魔とか亡者が住んでいて、ぺんぺん草一つ生えていなさそうなあの魔界である。
何故そうなったのかはスターちゃん曰く、「キク江を魔界に封印するためじゃろうな」とのこと。デビル・スターちゃんをもってしてもキク江を殺しきる事は出来なかった模様で、自らの体内にキク江を取り込んだ上で魔界に封印されることで、実質的に使命を果たそうとしたのである。
な、なんて健気なんだ!感動した!(小泉内閣)
制御下を離れて暴走する激やば怪人だなんて思ってごめんね!君は少しやんちゃなだけで、しっかりと使命を果たそうとする義理堅い怪人だったんだね!感涙した!
目覚めた瞬間にポッドを突き破ったのは、川崎にキク江が潜伏していると感じとったからだったんだ!そしてキク江封印のために魔界の門を開くため、市民を精神汚染して儀式に利用したんだね!
なお魔界と接続された川崎は、悪魔蔓延る末法へと姿を変えた模様。
デビル・スターちゃんは魔界と川崎の接続が完了すると同時に半径五百メートル全ての命を吸収し、
私はデビル・スターちゃんに敬意を評し、彼女の変じた大樹を『魔大樹ニワトコ』と呼ぶことにした。これからは君はニワトコちゃんだ!
ちなみにニワトコちゃんが大樹と化しても川崎の魔界化は留まるどころか加速するばかりで、ついには川崎に存在する全ての生き物が魔物と化してしまった。
そのままの勢いで神奈川全域を魔界に堕とすかと思われたのも束の間、突如として現れたスターちゃんと謎の小学生によって展開されたサイコフィールドのおかげで、魔界川崎の完全封鎖がなされた。
これによって魔界の拡張は停止し、事態は収束へと向かったのである。
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目を覚まし、ルコプコの繁茂するベランダに出るとニワトコちゃん(全長一万km)がよく見える。
ユビキタス・バーストから丁度1週間が経つが、その間私とスターちゃんは魔界川崎の全容を把握すべく、川崎に使い捨て怪人を偵察に出したりしていた。
スターちゃんには怪人培養ポッドで培養していたスターちゃんクローン(スターちゃんの全身各所の細胞を投入して作られた)を勝手に破棄したことについてはしこたまキレられたが、川崎の魔界化については特に文句を言われなかった。
流石はエル・カルカ星人、倫理観が地球人とはまるで違うな。
しかしあの時テレビに映っていた、スターちゃんと共に現れた小学生は一体何者だったのか。壊れかけのマイクが拾い上げた音声では「師匠!」だの「あれが、闇の化身……!」だの聞こえたが、私には何が何やらさっぱりだ。あと未だに川崎を隔離している虹色のサイコフィールドは何なんだよ。
そこんところをスターちゃんに問いただしてみたところ、案の定というか「まだ秘密じゃ」と返されたのでとうしようもないのだが。
そのスターちゃんはといえば、今は魔界川崎から帰還してきた『ラジコン怪人・プロペローダー(ラジコンヘリを材料にした偵察用怪人)』にスキュラギアを突き刺してデータを抜き出す作業をしていて忙しそうであった。でも笑顔だし、充実してるなら良いんじゃない?
私は私で、『妖刀怪人・ムラサメ』の性能把握で忙しいし。
『妖刀怪人・ムラサメ』は、先日新たに送りつけられてきた仕送り“妖刀ムラサメ”と、プロペローダーが魔界川崎から拾ってきた赤ん坊の死体とを怪人培養ポッドに投入することで誕生した、戦闘型怪人である。
戦闘型怪人とは言っても、赤ん坊とミキシングされた影響なのかムラサメは赤子そのものな見た目で、言葉を話すこともままならず、果てはハイハイでしか移動できない有様だった。
なので私は、ルコプコで稼いだ金でベビーシッターを雇って、ムラサメを育てさせてみることにしたのである。
使い物にならなければ、ポッドの怪人強制停止コマンドで破棄してしまえば良い。*2
ベビーシッター、もとい
怪人にする前のムラサメは、鞘から抜けば刀身にジェット水流を帯び、高速で刀身を駆け巡るそのジェット水流の勢いのままに敵を切り裂く強力な日本刀であったが、それが怪人としてどのように反映されていくのかが楽しみだ。
『元気でちゅね〜ムラサメちゃん、おばちゃんがミルクあげるからね〜』
モニターに映るムラサメは、由良部にあやされてご機嫌そのもの。妖刀としての威厳がまるでなかったが、そこは成長次第といったところだろう。
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追記。
スターちゃんが私の秘蔵フォルダを発掘して笑っていた。
由良部の入浴シーンとか、トイレシーンをまとめた画像コレクションである。
や、やめろよ!
そういう目的で雇ったわけではないよ!わかってる?何がわかってるんだよこの女狐!ちょっと、プリントするんじゃない!