毎週の仕送りがどう考えても実家から来ていない件 作:カンピロバクター卍
ゴミ捨て場でカラスの乱交パーティーがあったと実しやかに囁かれていますが、私は元気です。仕送りの処分方法にはもう少し慎重になったほうが良いかなと思わされた1週間だったよ。何でとは言わないけどさ。
それはさておき今週も今週とて飽きずに送られてくる仕送りの中身は何だろなのコ~ナ~。イエーイ。今回の送り主は犯罪帝国ウバンガのマルムシュさん。いやー随分物騒な国にお住まいで。
そんな物騒な国から送られてきた荷物(私はこれを仕送りだとは認めない)がまともなはずもなく、箱を開封してみれば血塗れのストラップと赤く染まって判読不可能になったお手紙が一通ご登場。触ったら病気になりそうだなと思いつつビニル手袋を嵌めてストラップをつまみ上げる。最近イカれた荷物(イビルゲルの干し首だとかムコムコの腸トロフィーとか)に遭遇しすぎてこの程度では驚かなくなってしまった。確実に感性が死んできているのを感じるよ。
血塗れでよくわからなかったが、照明にかざせばストラップの表面に何かしら文字が書かれているのがわかった。これもまた日本語ではない謎の言語で綴られていたのだが、相変わらず私には何故かその文字が読めていた。謎だ。
「完全犯罪……?」
だからなんだ。
いや、言葉の意味は知っているが、それが書かれていたからどうしたというのかという話だ。
今回はハズレかなという考えが頭をよぎってしまうあたり、私はだいぶこの仕送りに頭を侵されているようである。普通思ったよりも変なものではなくて良かったと安心するべきシーンだろ、そこは…いや、安心するのもおかしい気がする。やはり何処かおかしくなっていやしないか、私。まあ、いいや。
ストラップなので、用途通りに使えば何か起こるかもしれないと考えた私は、しっかりと血痕を洗い落として鞄に付けてみることにした。
異常性は、大学での小テスト中に発露した。
簡単な小テストではあったが、テストはテスト。スマホの使用は当然厳禁であるから、鞄にでもしまっておくのが普通というもの。しかし私はそんなことも忘れて机の上にスマホを置きっぱなしにしてしまっていたのだ。見つかれば咎められることは間違いない。だというにも関わらず、講師は私の机上にスマホが置いてあることを確認してもなお、私を咎めることをしなかったのだ。試しに講師の目の前でスマホを操作してみるものの、彼は全く意にも介さない。
なんだかおかしいぞ。
そう思った私は、椅子から立ち上がってみた。しかも思い切り音を立てて!
なのに誰もこちらを見ようとすらしない。まるで私がそうすることが当然だとでもいうように。
なので私はカンニングをしてみることにした。
結果、誰も私を注意することはなかった。
これはもう間違いなくあのストラップ、完全犯罪ストラップの効果だろう。間違いない。
恐らくは身に着けていれば社会通念上、或いはルール、法律で禁じられていることに手を染めようとも咎められないというのが、このストラップの効果!
便利…いや危険すぎる!
たとえ私が今ここで隣の席のやつをぶっ殺したところで、誰も私を罪に問わないということだよそれは!現代の免罪符かよ。
いかんいかん、こんな物を持っていては倫理観が根こそぎ削がれてしまう気がする。というか、現段階でだいぶ削れてきてる気がする。今だってほら、カンニングをするのが止められない!いやー、この講義あんまり真剣に聞いてなかったから助かるわーとか考えちゃってる!駄目だよこんなの!
アパートに帰る途中、最寄りの家電量販店からフィギュアを盗んだ。
だって、宇宙戦士メロメロのハイクオリティフィギュア、欲しかったんだもん。二万三千円くらいしてて、ちょっと手が出せないなと思ってたところだったんだもん。
今回だけ!今回だけだから!
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追記
友人への聞き取りから、どうやら犯行の記憶が喪失しているわけではないと判明した。私がテスト中に突然立ち上がってカンニングをし始めたこともバッチリと覚えているそうだ。あくまでも私が行うすべての動作が、当たり前のこと、普通のことと認識されているだけのようである。
良かったぁ、調子に乗って野外全裸開脚オナニーとかしなくて。
これ以上恥を晒さないようにするため、完全犯罪ストラップは衣装棚の奥に仕舞っておくこととする。
犯罪ダメ。ゼッタイ。