コンビニ店員と並行して、ゲヘナ学園のオリ生徒の話も書いて行こうと思うのでよろしくお願いいたします。
それでは透き通る世界観(嘘)をご堪能ください。
『ゲヘナ学園』
学園都市ギヴォトスにおいて、一二を争うマンモス校。
自由と混沌を校風とするこの学園は毎日何かしらの事件・事故が頻発しており、それが日常となっている程に治安が悪い事で有名だ。
部活動と称してテロリスト紛いな事を起こしたり、そもそもの行政機関である万魔殿がマトモに学園を運営できていないこともあり、教育機関としての機能は無いに等しい。
そんな無法地帯であるゲヘナ学園に怒らせてはならない人物が2人いる。
一人は風紀委員会・委員長にして、最強と呼び名が高い空崎ヒナ。
ではもう1人が誰かと問う。
「正直………建物が崩壊しただけで済んだのが幸いだと思います」
スラム街を中心に破壊活動を行っていたとある生徒は語る。
仲間と何時ものように楽しみながら廃ビルを花火に着火するような感じで爆破していた。
形を保っていたものが一瞬で崩壊する様を美しいと感じるその生徒は余韻に浸っていた時、それは現れた。
一瞬である。
自分自身と仲間達が認識するよりも早く身体に強い衝撃を受ける。
加えて周辺にあったビル群が崩壊を始めて、多くの瓦礫が滝のように降り注いだ。
この時自身の身体の頑強さに感謝すると共に、あの存在に知覚されないように活動する事を誓った。
「もう食堂で騒ぐ事はしないと誓いました」
また別のゲヘナ生徒はこう語る。
クラスメイト共に食事をしていた時の事。
ある不良グループが食事を提供している給食部の一人にいちゃもんをつけていた。
話していたら麺が伸びているだの、目玉焼きにはマヨネーズだの、凡そ文句を言いたいだけのように思える。
他に食事をしている生徒達も便乗して騒ぎ立てて、罵声や怒号等も飛び交い始めた時、
『ガッシャン!!』
食堂の窓ガラスが割れる音が響く。
先程まで給食部の人にいちゃもんをつけていた不良達が吹き飛ばされたと分かったのは、それが現れた時だった。
辺りの人々はそれの怒りに触れまいと全員が口を噤む。
何が怒りのトリガーとなったのか分からない。
だがこの時から食堂にもう一つ暗黙の了解が追加された。
あの存在がいる前では黙食をしろと。
「あ、アイツには余計な手出しはしないと決めた……」
子鹿のように震える生徒会長はこう語る。
風紀委員会とのいざこざで鬱憤が溜まってた彼女は、それを晴らすために権力を行使してあの存在を呼び出した。
自身の配下に加わるなら普通の生徒ならば歓喜を上げて喜ぶ程の最大限の待遇をするという条件を提示する。
その存在がいれば、風紀委員会に対する抑止力になる上に戦力として据え置きできるのだ。
最大限級の条件を提示したから大丈夫。
そう思って高笑いをした生徒会長だが、
「要らねぇ」
その一言だけで一蹴された。
思惑が外れた上に、プライドを傷つけられた彼女は粛清という名の嫌がらせを開始した。
ある時はゼロコーラを滅茶苦茶甘くした物とすり替えたり、ある時は好物であるプリンの買い占めを行ったり、果てはその存在を落とし穴に嵌めようと数多くの策略で陥落させてやろうとした結果。
生徒会室全壊、保有している[超無敵鉄甲虎丸]を含む数台の戦車が爆発四散、加えて鎮圧に来た風紀委員長・空崎ヒナとその存在による戦闘の余波で学生寮が半壊するという前代未聞の被害が出る。
過去に起きたゲヘナの歴史的事件を遥かに上回るモノとなり、その存在は多くの生徒からこう呼ばれるようになった。
『
『あの子って粗暴そうに見えて意外に繊細なんですよ』
ある給食部の部長は語る。
自身が何時ものように料理を仕上げて、食堂を回していた時の話。
いちゃもんをつけたい不良生徒らの罵倒に嫌気がさして言い返そうと振り向いた時、何かが割れる音共に彼女は目の前に現れる。
「さば味噌定食を一つ」
淡々と注文を告げ、カウンターに立っている一人の生徒。
先程の音は彼女がいちゃもんをつけていた不良生徒らを窓まで殴り飛ばした音だったようだ。
目の前で起きた光景に呆けていた意識を元に戻し、注文されたさば味噌定食を調理した。
定食を受け取り、飲食スペースに座り込んで黙々と食べていく。
粗暴に見える見た目とは裏腹に、箸の持ち方や品を一つ一つ丁寧に口へと運んで咀嚼しており、食事のマナーがしっかりとしていた。
ものの数分で完食し、食べ残しもない綺麗な食器を下げた後、
「美味かった、また食いに来るわ」
そう一言告げると食堂を後にした。
それから彼女は食堂が開いている日は毎日利用している。
何度か対面している内に雑談を話す程仲良くなり、新作料理を作った際の試食役をいつも頼む関係になった。
味の改善点や工夫した方がいい所を言ってくれ、また美味しそうに料理を食べてくれる事が大変嬉しい。
料理人冥利に尽きるとはこの事を言うと本人は語ってくれた。
『アイツは正しく天災のようなモノだ』
あるツインテールの風紀委員はこう語る。
以前からマークしていたグループの一斉検挙の日にそれは起こった。
他の委員達と共にアジトを取り囲んでいた時、突如中から悲鳴と銃声が聞こえる。
仲間割れかどうかは分からず、ただならぬ事態に早急にアジト内へと突入。
「あぁ?何だ風紀委員会か……」
そこにいたのはアイツだった。
明らかな怒りの表情を浮かべており、こちらを睨みつけていた。
一瞬たじろぐが、すぐさま思考を切り替えて辺りを見回す。
彼女の足元を見ると検挙をすべき対象であったグループの面々は軒並み床で気絶した状態で転がっている。
合点がいった。
先程の騒動は彼女が引き起こしたものだと。
だが何故ここにいるのか分からない。
風紀委員会の妨害をするために来たという訳でもないだろう。
ふと彼女にここにいる理由を聞いた。
「コイツらが俺をイライラさせた、それだけだ」
至ってシンプルな返答。
こちらとしては捕縛する手間が省かれたこともあり、結果として楽になった。
他の委員に倒れている者達を運ばせ、一人残る。
「なんでお前は帰らねぇ?」
アイツは問うてきた。
だからこちらもこう返す。
お前の強さが気になると。
十数人はいたであろうグループをたった一人で容易く気絶させる。
風紀委員会の精鋭でも簡単には捕縛できない相手だったのは確か。
だからこそ、今後アイツが風紀委員会に牙を向いた場合に備えて強さを推し量ることにした。
「まあいいか、まだ目覚めが悪くて運動が足りないところだったわ」
そうして始まった戦闘。
戦う事に自信はあった。勝てる気も充分にあった。
だがそれらは一瞬にして打ち砕かれる事になる。
「ほらどうした?頑張れ頑張れ~」
当たらない。
どれだけ急所を狙っても一発も命中しない。
アイツは余裕綽々な態度で弾丸を避けては、此方を煽る。
正直ムカつくが敵の思う壺になるのは遺憾であり、冷静な心を保たねければいけない。
愛銃を棍棒のようにアイツに振り落とし、接近戦を試みた。
しかし容易く避けられ、その際に脚を引っ掛けれて転倒させられる。
「へぇ~随分大人なヤツ履いてるね」
あろう事か下着まで見られるという屈辱を味合わされる。
流石にこの時は冷静さを失って乱射をしたが、当然当たるはずもなく弾を浪費しただけ。
「まあ、そろそろ面倒になってきたし……悪いけど眠ってくれや」
するとアイツは自身の銃をこちらに向けて撃った。
回避を試みたが反応か遅れたため銃弾を脳天へと喰らい、そのまま意識が暗転した。
目覚めた時にはアイツは既におらず、自身はなかなか戻って来ない事を心配して様子を見に来た他の委員によって保健室まで運ばれていたという。
何たる屈辱。
大口を叩いておきながら、一撃も入れることなく大敗を喫する。
圧倒的なまでの戦闘能力の差も見せつけられた上に、下着まで見られた。
だからこそ次は負けない。
そう誓い、訓練へ励む事にした。
「フウカ~腹減った~」
長い黒髪を一つに纏めたポニーテールに、灰色のパーカーを全開にして着込んだ彼女の名は[五十嵐ルシア]。
ゲヘナの歩く天災と呼ばれる存在だ。
多くの生徒に畏怖されている彼女だが、空腹の余り机に突っ伏していた。
「はい、お待ちどうさま」
友人であるフウカはお盆に乗せてきた料理を机に置く。
ルシアの前に用意されたのは半熟のオムライス。
見るだけで食欲をそそられる料理に、ルシアは歓喜した。
「はぁ~フウカが作ってくれる料理は最高だねぇ
いただきます」
スプーンで一口掬い、口の中へと運ぶ。
美味い。
純粋に美味いという単語しか出てこない。
トロトロな半熟卵にケチャップが程よく浸透したご飯と絡み合い、より美味さを引き立たせる。
彼女の荒い部分しか見てない生徒は、これが本当にあのゲヘナの歩く天災かと疑うレベルの変わり様。
「俺男だったら間違いなくフウカと付き合ってたわ
こんなに美味しい物を作れる彼女なんて最高すぎるわ」
「もう~からかわないでよ~」
仲睦まじい二人。
互いに信頼しあってるからこそ生まれるこの光景に感謝を。
そう言い残し、一人の生徒は親指を立てて尊死した。
[to be continued]
ルシアの事を語っていた人物達は一体誰なのか…
次回は本格的に彼女について書いていこうと思うのでよろしくお願いします。
第2弾 ルシアとの絡みが見たいキャラは?
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陸八魔アル
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天雨アコ
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空崎ヒナ
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愛清フウカ
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銀鏡イオリ
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火宮チナツ
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ムッキー!!
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伊草ハルカ
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羽沼マコト
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大将
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創世の神