霊夢達が帰って行った後、
幽々子がゆっくりと立ち上がった。
幽々子「あぁ、
ちょっと油断しちゃったわね〜。
流石は博麗の巫女だわ〜。
あの威力の攻撃を溜めなく出せるだなんて…
あのままいけば歴代最強になるわね〜。
それにしても、
この古い書物に記されてた、
(西行妖は、何者かの亡骸によって封印されている)
って、
結局誰だったのかしら?」
と言い、
胸の所からボロボロの書物を取り出して、
呟いた。
???「それは、
妖夢が知っているはずだけれど?」
という声が、
何処からともなく聞こえたかと思うと、
幽々子の目の前に急に裂け目ができた。
幽々子「あら。
冬眠から起きるのが少々遅いんじゃ無いかしら?
紫さん?
と言うより、
妖夢が知っているってどういう事かしら?」
八雲 紫「そのままの意味よ。
妖夢の祖父の魂魄妖忌を覚えているかしら?」
幽々子「えぇ覚えているわ。
妖夢によく
「斬ればわかる」
って教えを施していたわね〜。
まぁそもそもが、
私の護衛兼庭師を300年も務めて居たのよ?
忘れる訳無いじゃない。」
紫「さすがに覚えているわね。
まぁそこが重要な訳じゃないのだけれどね。」
幽々子「それで?
どうしてそこで妖忌が出てくるの?」
紫「妖忌が妖夢に言ったのよ?
西行妖に封印されて居る人の事を。」
幽々子「あの子ったら…」
と、
呆れたように幽々子はため息混じりに、
言葉を発した。
幽々子「まぁ、
妖夢が妖忌とよく話して居たのは、
子供の時の事だから、
忘れたと言った所かしらね〜。
妖忌も、
妖夢には
(斬ればわかる)
なんて無駄な事を沢山教えて居たからね〜。
だからそんな大切な事、
妖夢が聞き逃しちゃうのよ…」
と、
今度はクソデカため息をはいた。
紫「まあまあ、
あの人も悪気は無かったからね。」
幽々子「それで?
西行妖を封印する為の亡骸は一体誰なのかしら?」
と、
幽々子が当然の問いを紫にぶつけた。
紫「それを言うには、
ちょっと時間が掛かり過ぎてしまうわ。
今回あなた達が起こした異変を解決したから、
あの子達、
宴会を開くらしいわよ。
その時にお酒を飲みながらでも話ましょ。」
幽々子「その時に、
しっかり話してくれるのなら良いのだけれどね〜。」
紫「あら?
私は嘘は付かないわよ?
ただ、
長生きをしていると、
どうも忘れっぽくなってしまうのよね〜。」
幽々子「お互いさまでしょ?」
と、
幽々子は紫に振り回され輝のだった。
幽々子「そういえば、妖夢は?
私、お腹減っているのだけれど…」
紫「さっき殺し合いをしていた人のセリフだとは思えないわね。」
幽々子「食べる事は生きている物にとって、
これ以上ない幸せだと、
私は考えるのよね〜。」
紫「あなたは本当に食べる事が大好きね。」
幽々子「あら?
あなたは食べる事、
嫌いだったかしら?」
紫「少なくともあなた程じゃないわ。」
幽々子「あらそう…
残念だわ。
まぁいいわ。
それはそうと…」
と、
先程までふわふわした口調から、
一気に真面目な雰囲気を出して、
紫に問いを投げかけた。
幽々子「あの、
私に戦いを挑んできたあの白髪の子。
あの子、
貴女が連れてきた子なんじゃないの?」
紫「…どうしてそう思うのかしら?」
幽々子「あの子、
私と近しいものを感じたのよね。
しかもあの子、
外来人でしょ。
外来人であそこまで異様とも言える体つき…
貴女が用意したとしか思えないのよね〜。」
紫「やっぱり、
勘が鋭い貴方は嫌いだわ。
どうして貴方と友人になってしまったのでしょう。」
幽々子「何か、
あの子…
人に対して異常なまでの嫌悪感を感じるのよね〜。
ただ、
何か自分の中でそれを否定している感じがするのよね〜。
まぁ、
全部私の戯言なのだけれどね。」
紫「…あなた。
そこまで来るともう怖いわよ。」
と、
引き気味に言った。
幽々子「あら、
あなたに褒められるだなんて思ってもいなかったわ。」
紫「そういうつもりで言ったのじゃないのだけれどね。」
幽々子「それで?
あの子は人を殺すような、
異変を起こさないのよね?」
紫「それは…
あの子達の最後を見届けてみないと、
分からないわね。」
幽々子「あの子には、
貴方をそこまで突き動かす何かがあるのね。
私も気になるわね〜。」
紫「今はただ祈りましょう。
あの子達の旅が、
ハッピーエンドで終わる事を。」
幽々子「あなたは手を出さないのね。
ハッピーエンドを願う割には…」
紫「まぁね。
これも私の暇つぶしの一環でやってるものだからね。
私が手を加えると、
面白く無くなっちゃうじゃない。」
幽々子「ふーん。
長生きすると人で遊ぶ様になるのね〜。
こうは、
なりたくないわね〜。」
紫「まぁ貴方も、
あの子達の過去を見ると、
見届けたくなるわよ。
ハッピーエンドとはほど遠いのだから…」
と、
話が一段落した所で、
何者かが、
階段を上がって来る音が聞こえてきた。
その音に1番最初に反応したのは、
幽々子だった。
幽々子「妖夢ー!」
と言い、
その音の主に走って行き、
抱き締めに行った。
妖夢「ちょっと待ってください。
今喉の調子が悪いので…」
そんな元気いっぱいの幽々子を見て、
紫「あなた…
本当に即死級の技を2連続も食らった後なの?
あまりに元気過ぎない?」
と、
あまりの元気にちょっと引くのであった。
そして、
幽々子は妖夢にご飯を作らせまくり、
妖夢が倒れ掛けたのは、
また別の話であった。
妖夢「や、休みを…」
と、
ガラガラな声で小さく呟いた、
切実な願いは誰の耳にも届かなかったのだった。
仲が悪いけど、
なんやかんやで友達で居続ける関係…
悪くない!