麗花   作:不思議の国の爱丽丝

39 / 63
なんで戦闘の時より文字数多くなってんだよ!


混沌と書きカオスと読む

昼下がりの太陽が、桜の花弁を透かし淡く輝かせており、

青空を背景に陽の光を浴びてきらきらと瞬いている時間。

まるで和の絵画のように、

桜の木の下でそっと白いおにぎりを持ち上げ、

ふんわりとしたお米の塊がゆっくりと唇に運ばれてゆく。

ゆっくりと目を閉じ、一口頬張るとほんのり嬉しそうに微笑む。

欲張りに頬張ったせいで、頬がほんのりと膨らんでいる。

其の様子を、ジトっとした目で所作一つ一つ見ている。

 

紫「ねぇ」

 

幽々子「ŧ‹”ŧ‹”ゴックン、何?」

 

紫「貴方はその量のおにぎりをこのお昼の時間に食べるの?」

 

幽々子「その量?たったの間違いじゃないの?」

 

目の前にはおにぎりのヒマラヤ山脈が連なっていたが、

段々とみじかくなっていっている。

 

紫「貴女夜ご飯、と言うよりご飯作れるの?」

 

そう、何を隠そう紫は、妖夢に家事を頼まれたが、

全くやってこなかった為出来ないのである。

幽々子もそれが適用される。

が、その事を紫は人に言っていない。

と言うより人?と話す機会は幽々子ぐらいしか居ない。

それに、幽々子とすらあまり話さない為、

其の様な事を話す機会がなかった。

もう幽々子が家事が出来るということを祈るしかないが、

 

幽々子「出来ると思う〜?」

 

と、唇の先に米粒を付けながら言ってきた。

 

紫「はぁー、まぁその事は後で考えましょう。」

 

幽々子「そうそう、後は野となれ山となれってやつよ!

後のことは後の私に託せば良いの!」

 

と、アンデス山脈の様な胸を張り上げて、

答えるのだった。

 

紫「これ、食べてもいいかしら?」

 

幽々子があまりにも美味しそうにおにぎりを頬張る為、

紫も食べたくなってきてしまったのだ。

 

幽々子「良いわよ〜。でも、食べすぎないでね?

私も食べるのだから。」

 

紫「貴女程食べないわよ。」

 

と言うと、「はむっ」と口に入れた瞬間、

目を真ん丸くして幸福そうに微笑んだ。

紫は、ご飯を食べなくても生きていける為、

ご飯を久しぶりに食べたからか、

とてもご飯が美味しく感じた。

 

紫「美味しいわね!これ!」

 

と、紫が口にお米の塊をほどきながら、

幽々子の方を向いて語り掛けた。

 

幽々子「ふっふっふ!そーでしょ!」

 

と、ロッキー山脈の様な胸を張り上げて答えた。

 

紫「これも、妖夢が作ったの?」

 

幽々子「そうよ!私の自慢の庭師なの!」

 

などと、食べながら話していると、

ヒマラヤ山脈程あったおにぎりがもう無くなってしまい、

幽々子のおにぎりに伸びたはずの手が空をきった。

その時、幽々子から声にならない声を発生させた。

その声にビックリしたせいか、紫の口の中でほどけたお米の粒が、

器官に入ってしまい、

 

紫「ゲホゴホちょっと!いきなり何よ!」

 

幽々子「おにぎりが…そんな…おにぎりが…」

 

紫「あの〜?幽々子?いや〜夢中になっちゃって食べ過ぎちやったわ。

ごめんなさいね?」

 

と、謝罪をしたがそんな声聞こえちゃ居なかった。

 

紫「ねぇ、ご飯一緒に作りましょ?

そうすれば貴女の食べたいだけ作れるし、

好きな味付けに出来るわよ。」

 

幽々子「! それもそうね!

そうと決まれば、即決即行!」

 

と言うと、キッチンに走って行った。

紫もキッチンの場所を知らない為、

幽々子の後ろをついて行く事にした。

 

 

…………結論を言おう、

 

紫・幽々子「「迷った!!」」

 

幽々子の屋敷は冥界を管理する場所という事もあり、

とても広く、もしかしたら東京ドーム程のデカさがある。

それに幽々子はあまり家を歩き回ったりしない為、

自分の部屋と宴会会場、

そして庭を見る為の縁側位しか場所を知らない。

それに幽々子が家事をするはずない為、

キッチンの場所なんて知るはずがない。

 

紫「あんたがなんで迷ってるのよ!

ここの主でしょ!」

 

幽々子「五月蝿いわね!

こんな広い屋敷だなんて私も知らなかったわよ!」

 

心做しか、口調が2人とも悪くなっている気がする。

と、幽々子のお腹から夜のアラームが鳴った。

 

紫「ちょっと、妖夢に家事頼まれたのに、

段々と暗くなっていってるじゃないの!」

 

外から入る光が紅くなっている事から、

今が茜時だと言うことが分かる。

 

幽々子「ウア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

 

と、幽々子が膝をつきながら床に台パンを食らわした。

 

紫「っさいわね!」

 

幽々子「も゛う゛た゛え゛ら゛れ゛な゛い゛!!!」

 

紫「ちょっと黙りなさい!」

 

紫『妖夢を呼ぶのも良いかもしれないが、

ここで呼べば絶対落胆され…』

 

ヌッ

妖夢「幽々子様どうされましたか?」

 

紫「え?」

 

と妖夢が出てきた事により、

幽々子の暗かった表情が綻び、晴れやかになってゆく。

 

幽々子「よ゛う゛む゛ち゛ゃ゛ん゛!!!

よ゛か゛っ゛た゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」

 

と言うと、ハイハイをし妖夢に近ずき、

抱き着いた。

 

妖夢「わっわ!ちょっと?!幽々子様!?

どうされましたか!?」

 

と、寝起きで働いてない頭が、

スポーツカーのエンジンの様にフル稼働した。

そして、どうすれば良いか分からず、

とりあえず、目の前にある頭を優しく撫でた。

それにより、

幽々子のキモ…気持ちが少し安定してきた。

そして、妖夢は紫に状況確認のため、

どうしてこうなったのかを聞くことにした。

 

妖夢「どうして、幽々子様がこんな泣かれてるんですか?

まさか…紫様が何かやったんですか?」

 

と言うと、腰に携えた太刀の刃先を紫に向けた。

 

この後、無事誤解はとけ、

妖夢は床に穴が空くほど謝り倒した。

 

 

妖夢「そういえば、紫様の能力を使えば、

キッチンになんて一瞬じゃないですか。

なぜ使わないのですか?」

 

紫「私の能力は、

移動するには、ある程度正確にその場所を想像出来ないと、

そこに移動出来ないの。」

 

妖夢「あ、ふーん。

と言うより、何で大の大人2人が家の中で迷子になるんですか…」

 

と溜息をつきながら言った。

 

紫・幽々子「「返す言葉も有りません…」」

 

妖夢「そういえば、ある程度想像出来る場所なら、

何処にでも行けるんですよね?」

 

紫「?そうだけどいきなりどうしたの?」

 

妖夢「なんで庭に戻らなかったのかなって…

そこからなら幽々子様だって、

ある程度の道は分かるんじゃないですか?

少なくとも、迷子は脱出できたと思いますけど…」

 

幽々子「……」

 

何やら幽々子が、じっとこちらを見て来ている。

 

紫「……てへぺろ☆」

 

この後、屋敷の襖に大人の頭程の穴が空いたとか…

 

 

幽々子「それじゃあ妖夢ちゃん、

ちょっとキッチンまで案内してくれる?」

 

妖夢「は、はい分かりました。」

 

と、キッチンまで案内してもらった。

 

妖夢「本当に大丈夫なんですか?」

 

幽々子「大丈夫よ、流石の私もおにぎりぐらい作れるわ。

だから、安心して寝ていらっしゃい。

というより、起こして悪かったわね。」

 

妖夢「それに関しては別に良いんですけと…

困ったら呼んでくださいね?」

 

幽々子「わかったわ。」

 

と言うと、妖夢は自室へと戻って往くのだった。

 

幽々子「それじゃあ作りましょうか。」

 

紫「はい」

 

と言うと、紫と幽々子は腕まくりをして、

おにぎりを作る体勢を整えた。

 

幽々子「じゃあまずおにぎりの形を整えましょうか。」

 

と言うと、手に水をつけてご飯を少し取り、

グッグッと音が出る程思いっきり握った。

 

紫「なんかちっちゃくなっちゃったわね。」

 

幽々子「じゃあご飯を足してみる?」

 

紫「そうね。」

 

と言うと、おにぎりを握った。

それはもう、1合程の米がおにぎりの大きさに収まってしまった。

 

幽々子「私、焼きおにぎりが食べたいわ。」

 

紫「いいわね。」

 

幽々子「それじゃあ、どうしよう…」

 

紫「この竈じゃないかしら?焼くと言えば」

 

幽々子「それもそうね。」

 

と言うと、薪を突っ込んで、火を付けた。

 

紫「そういえば何か塗ってるわよね?」

 

幽々子「それもそうね…何を塗ろうかしら。」

 

と周りを見てみると、

 

幽々子「塩じゃないかしら?」

 

紫「いいねぇ!」

 

と言うと、塩をこれでもかと塗りたくった。

 

幽々子「なんか焼けない気がするわ。」

 

紫「油とか塗ってみる?」

 

幽々子「いいわね!

そっちのほうがいい感じに焦げ目が出来そうだわ!」

 

と言うと、油に1度沈めて油が滴るぐらい付けた。

 

紫「よし!それじゃあ串を刺して焼こう!」

 

と言うと、おにぎりを竈の中に入れると、

竈が水を経た魚の様に、火が燃え上がった。

 

紫・幽々子「「イヤーーー!!!」」

 

と、甲高い叫び声により妖夢がまた助けに来た。

そしてこの時妖夢は、

 

妖夢『二度と家事をこの人達にやらせちゃいけない』

 

と、思うのだった。




次の次位で永夜抄に多分入るんじゃないかな?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。