だがそこも良い!
『月が絹糸を垂らす盛りの中、風が歌い、森が囁く夜の舞台で、
光の糸を踊るように、進む人達が、目につく。
目につく?誰が見ているかって?
そう…何を隠そうこの十六夜咲夜さんが、
紅魔館の窓から見ているんだぞ!
とまぁ、そんな事はどうでも良いんだけれど、
お嬢様が夜に森に出ていっているのが心配で心配で…
まぁ美鈴がついて行ってくれてるから大丈夫だろうけど…
やっぱりお嬢様について行きたい〜!
…でもそうなると妹様だけになってしまう…
パチェリーが居るから大丈夫かもしれないけれど、
パチェリーは知っての通り喘息持ち…
レイナ達みたいに魔法特攻もってたりしたら…
妹様は極度に能力を使うのを嫌ってらっしゃる。
だから出来るだけ使わせたくない。
…美鈴、お嬢様を任せましたよ。』
昨夜は窓に映る後ろ姿を指でなぞり、見送るのだった。
咲夜「さて、包帯とご飯の用意をしておきましょう。」
身体を翻し、暗い廊下をまるで舞台に出て躍り出る様な足取りで、
キッチンに向かい足を向けるのだった。
美鈴「一体私達は何処へ向かってるのでしょう。」
レミリア「さぁ?私に聞かないでちょうだい。
聞くなら今先陣を切って居るあの子に聞きなさい。」
レミリアは、大きい黒い帽子を被り、
右手には何か白と黒を基調として作られた六角形の、
小物のようなものを、
左手には箒を携え、森の奥深くへと突き進んでいる。
美鈴「あの魔理沙さん、一体何処へ向かっているのでしょうか?」
魔理沙「ん?まぁ取り敢えず、
今1番近い人間の里に手始めに行ってみるんだぜ。
で、聞き込みをしてみるんだぜ。
まだ村の人が全員寝るには早すぎるから、
少し手掛かりはつかめるんじゃないかな?
と思って今向かってるんだぜ。
で、もしも知らなかったら次はあそこの妖怪の山に行って…」
と、魔理沙が計画的に回ろうとしており、
一同、空いた口が塞がらない。
魔理沙「ーー今は夜だから…って何よ」
一同が、目を見開いて驚いた様に見てきているのに気付き、
何処こちらを見ているのか疑問に思い、
質問する事にした。
ルーミア「魔理沙って知的キャラだっけ?」
レイナ「よく考えてんだな。」
美鈴「流石ですね。」
レミリア「関心関心…」
魔理沙「嗚呼もう!さっさと行くんだぜ!!
私についてきて!!!」
一同「ハ━━━━━━イ!」
魔理沙「嗚呼もう!私は先生じゃない!!もう行くよ!!!」
と、ぷくっと膨らんだ頬を隠しながら、バタバタと駆け出すのだった。
魔理沙「違和感…」
美鈴「ですね…」
闇にくすぶっていた炎が、徐々に燃え上がる。
レイナ「なんか違和感あるか?」
ルーミア「なにか、感じる気がするけどコレが何なのか、
私には分からないわ…一体この胸のざわめきは…」
レミリア「そ、そそそそ、そんな事も分からないの?
それはアレよ、アレアレ。ちょっと待ってね、
えーとね、うーんとね…」
レミリアは悩むように、自分のモブキャップのエッジを掴み、
深く被り込み悩むのだった。
その姿が、身長が小さいと言うことも相俟り、思わず
一同『カワイイ』
と、思うのだった。
すると、美鈴の方をチラチラと見て、
助け舟を出して欲しそうに、こちらを見ている。
皆もう分かっていないということが、分かっている。
美鈴は一度咳払いをし、
美鈴「あれですよね?
もう村が近いのに、
虫の音1つしないこの静けさが違和感なんですよね?」
レミリア「そうそれ!そうなのよ!静か過ぎるのよ!」
と、便乗する様に言った。
その姿ですら愛おしいと思うのだった。
もう3月が終わるねー。