麗花   作:不思議の国の爱丽丝

43 / 63
誰かを下げる発言は、
相手によっては命に関わる。


これが咲夜なら…考えたくも無い…

 どこかで微かに囁くような音がするが、それが風なのか、

別の何かなのか分からない。

 

レミリア「レイナ?どうしたの?」

 

レイナ「…いや、なんでもない…」

 

風が囁くたび、心の奥の古い扉がわずかに軋む。

 

美鈴「体調不良ですか?何時でも言って下さい。

こう見えて力持ちなので、おんぶぐらいなら余裕ですよ。」

 

自らの腕をくの字に曲げ、

上腕二頭筋に力を入れた。

 

レイナ「…体調は大丈夫だ…

ただ…いや、なんでもない。」

 

言葉が喉の奥で詰まり、

まるで鍵のかかった扉の向こうに閉じ込められたようだった。

 

魔理沙「無理はするんじゃないんだぜ…」

 

影が月の光に伸びて重なる。

相手の疲れが少しでも和らぐよう、焦らず静かに歩く。

 

魔理沙「見えてきたな。」

 

長い月明かりに照らされた森の中を抜け、

人里が見えてきた。

霊夢に阻まれた時に比べると、

家々は静かに並んでおり、窓にはどれも灯りがなく、

まるで眠っているかのようだった。

足音が響くたびに、町の静けさが際立ち、

こちらを拒むような冷たい空気が漂っていた。

 

レミリア「伏せ!」

 

普段は発さない大きな声に驚き、

思わず一同はしゃがみ込んだ。

すると、無数の何かが通った次に風を切る音が軽く聞こえた。

が、まるで来る事が分かっていた様にレミリアの左手には既に、

槍が握られており、その槍の物量で、

その何かを撃ち落とした。

 

レミリア「これがこの村の歓迎かしら?

咲夜に買い物は任せてるから、知らないのよね。」

 

???「そんな歓迎あると思うのか?」

 

レミリア「さぁ?もしかしたら、

私が知らない文化を持ってるんじゃないかと思ってね。

それで?これは歓迎してくれてるのかしら?」

 

???「ある種の歓迎かな。

真夜中に里を襲おうとする奴らへのね。」

 

レミリア「私は、別に飢えていないのだけれど…」

 

美鈴「お嬢様。怪我をしては大変です。

下がって置いて下さい。

それにこの後にも、戦いがあるでしょう。

お嬢様に限らず、レイナさん、魔理沙さん、ルーミアさん。

休憩がてら、お嬢様と一緒に隠れておいてください。」

 

レミリア「えぇ、じゃあ任せたわよ。」

 

???「1人で勝つ気?大した自信ね。」

 

美鈴「さぁ、戦いましょうか。

その前に、あなたの名は?

私は紅美鈴。

門番をしている者。」

 

???「私か?

私は白鳥沢慧音。

一応寺子屋で教師をしている。」

 

美鈴「ほう、教師ですか。

それは大変でしょ。」

 

慧音「言う程よ、さて雑談はこの位にして…」

 

美鈴「やりましょうか。」

 

と言うと、慧音は弾幕を広く展開した。

まるでこちらの動向を確認するように。

ルーミア達は飛び火が危ないため、

ルーミアが闇から、空洞の半球、

いうなればシェルターの様なもの作り出し、

その中に入った。

 

魔理沙『これは…魔法?

では無いな…能力による生成と言った所か…

あれにあまりにも酷似しているが…』

 

レイナ「ルーミア〜!こんなでかいもん作って。

無茶しやがって。」

 

魔理沙『流石に違うか…』

 

レミリア「魔理沙さん?

一体どうしましたか?何か考え事をしている様でしたが…」

 

魔理沙「いいや、なんでもない。」

『きっとただの思い過ごしだ…』

 

そんな会話を横目にルーミアは疲れてしまい、気絶するように、

眠りにつくのだった。

 

 

慧音の弾幕を、美鈴はスケートで氷の上を滑るように、

華麗に避け、蹴りが届く位置まで近づき、

蹴りを膝に叩き込もうとすると、

そこに来る事が分かっていたかのように、

高密度の弾幕球を、足に向かい展開した。

が、その弾幕を美鈴は見てから蹴りの体制の足を、

お腹に付くぐらいに丸め込み、回避をした。

そして、丸め込んだ足を、地面に向かい思いっきり伸ばし、

その勢いでバク転をし、距離を取った。

そして、最後にバク転で地面についた時、

足を思いっきり曲げ、解き放つように、

足を伸ばし、スタートをきった。

今度は拳を固め、みぞおちに叩き込んだが、

後ろに倒れる様にバックステップをすると同時に、

お腹と拳の間に腕を入れ、防御の姿勢を取った。

それにより、気絶するような攻撃を、

ほぼ無傷で後ろに足を地面につけ、

家にぶつからないように、

土煙を立たせながら、音を立て吹き飛ばされた。

 

慧音「むむ、お前何者だ?」

 

美鈴「言ったでしょう?ただの門番だと。

それに貴女、もう後が無いのでは?」

 

慧音「お前にはそう見えるのかい。」

 

美鈴「えぇ、防御は入れるが、

肝心の攻撃手段があまり無いように見える。

まぁ、今日が満月では無いのだから…

妖怪にとっては弱体化でしょう。」

 

慧音「よく見てみな。悪魔達よ。」

 

美鈴「私の問はスルーですか。

で?誰が悪魔ですって?」

 

慧音「ここには何も無かった。

そう見えるだろ?」

 

美鈴「ここは人里だろ?

よく咲夜さんの後をつけて、ここに来る。

それに、うちの館の道具は人間製の物が結構ある。」

 

慧音「よく見て…見ての通り、

ここには何も無かったんだよ。

いいから、さっさと通りすぎな。」

 

美鈴「なんか嫌な態度ね。」

 

慧音「誰が悪魔にいい態度を取るんだよ。」

 

美鈴「まぁ良い。で?

里と人間を何処へやった?」

 

慧音「分からんのか?

そもそも、人間は居なかったことにした。

ここの里の歴史は、今私が保護している。」

 

美鈴「これは、お嬢様達の家庭教師良さそうですね。

郷土歴史学の先生って感じがして。

まぁ、もう知識人は居るからいらないんだけどな。

それに、居た所で勉強はしないだろうな。」

 

慧音「私は何故勝手に見定められて、却下されてんだ?

まぁいい、いいか、もう一度言う。

ここには元々何も無かった。

人間も人間の里もだ。」

 

美鈴「どうも、その言い方が引っかかる。

物凄く急いでいるが…」

 

と、また臨戦態勢を整えた。

 

慧音「紫髪の悪魔の歴史も私が頂こうか?」

 

美鈴「お前、お嬢様に何をする気だ?

ワーハクタクの分際で…

歴史ばかり見ているお前に、運命は変えられない。

お嬢様!時間を少し頂かせてもらいます!」

 

と言うと、シェルター越しにOKサインが出た。

 

と同時に、今度は美鈴から仕掛けるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。