あるかな?
この世とあの世の境に咲く細い小径を、
まるで永遠の子供たちがさまようように、
三人は楽しげに歩いていた。
レミリア「月が、綺麗ね…」
魔理沙「満月じゃないのが残念なんだぜ〜。」
レイナ「それをこれから解決しに行くんだろ?」
レミリア「そ、そうね…」
『あれ?レイナに通じてない?
確かに本にこう言えば好意が伝わるって、
書いてあったはずなのだけれど…
違ったかしら?
それに、魔理沙が答えちゃってるし…』
レイナは紅魔館の図書館によく行く。
レミリアが図書館で知り得た情報を知らない筈がない。
が、初めて会った時に殴り合いをした相手だ。
そんな可能性、除外している。
だから通じないのも無理は無い。
その時、ふと疑問に思った事を口にした。
レミリア「そういえば、
慧音が言っていた方向、こっちであっているのよね?
周りを見回しても竹ばかり…」
魔理沙「それは…
きっと合ってるに決まってるんだぜ!」
確信なんてない。
レミリア「私、少し恥ずかしい事に方向感覚が少し悪くて…」
と、レミリアが気恥しそうに魔理沙に言った。
魔理沙「え?私がある訳ないだろ?」
と、2人が同時に先頭切って歩くレイナを見た。
レイナ「え?お前らが何も言わないから、
このまま突き進んできたけど…」
少しの静寂が訪れた。
さっきまで確かにあった道が、
竹のざわめきとともにぼやけていき、
少女たちは目を合わせて、不安げに、
それでいて愉しそうに笑った。
3人で居るからか、不安よりも全員が馬鹿やった事の現状に、
つい笑ってしまったのだ。
魔理沙「まぁ何とかなるだろ!
取り敢えずこのまま突き進んで行くんだぜ!」
レミリア「何とかってねぇ、
まぁそれも悪くないわね…このまま突き進みましょうか!」
レイナ「それじゃあこのまま行くか!」
といい、1歩、歩を進めた時、
月に照らされぬ黒い塊が、静かにこちらを見ていた。
獣か、影か、それすらもわからぬまま、少女たちは声を失った。
霊夢「こんな深い夜、人が居ない所で何してるのかしら…」
魔理沙「な、なんだ霊夢か…ビックリした…
って何してるんだぜ?れ、霊夢?」
霊夢は、お祓い棒をゆっくりと構え始めた。
その目は、その口は、その顔に映る表情。
月光により照らされているが、光なんて感じる事が出来ない。
そんな霊夢に思わず呼吸がふと浅くなる。
口を半開きにしたまま、音を立てずに息を呑む。
霊夢「魔理沙…貴女だけは…異変を起こさない…
そう…思っていた…そう思った…の、だけれど…」
魔理沙「誤解だ!ただここで異変の主犯を探していただけだ!」
霊夢「月の異変…一体…何を…企んでいるか…
後で聞けば…いい事…」
レミリア「これはもうダメよ!
理性が働いてない!」
と言うと、槍を手に顕現させた。
魔理沙「クソ!戦うしかないのか…霊夢と…」
魔理沙は、思わず足が竦む。
大好きな霊夢と戦い、傷つける。傷つけられる。
それが嫌だからだろう。
レミリア「残念ながらもう避けられない。
そうゆう運命だったと受け入れるしかないわ。
もしも嫌なら、後ろで待機していなさい。
私達で何とかするから。」
レミリアは立ち尽くす魔理沙に声を掛けた。
レミリア、レイナは前回戦ったが、明らかに雰囲気が違う。
空間に張られたガラスが、
いつ割れてもおかしくないほど薄くなっていた。
霊夢「大丈夫…少し…懲らしめる…それだけ…」
霊夢は、喜怒哀楽、全てに当てはまらない表情でこちらを見てきた。
レイナ「これは…」
レミリア「少しまずいわね…」
全く勝てるビジョンが見えない。