麗花   作:不思議の国の爱丽丝

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友情と愛情って難しい…


「友情」時々 (愛情)

 目の前の巫女からは、笑っているのか、

無表情なのかすら分からない表情。

風が止まり、

敵は重力からも意思からも解き放たれたように立っていた。

だがその無音の中に恐怖の種が息づいていた。

地面が静かに唸る。草木でさえ動きを止めた中、空気が尖ってゆく。

地面を蹴った音などしなかった。

ただ、気づいた時には、空気が悲鳴を上げ、

殺気だけが先に、肌を斬った。

 

レミリア「な?!」

 

1拍遅れて聞こえた風切り音。

その瞬間にはもう、敵の姿が眼前に迫っていた。

その時、後ろから引っ張られる感覚が体を刺激された。

 

魔理沙「コイツは私の大切なツレだ。」

 

と言うと、何処からか出てきた八角形の物体を前に構えると…

 

魔理沙「マスタースパーク…」

 

確実に仕留めるように、傷つけぬように優しく…

それでいて、攻撃をするのを躊躇うように…

その八角形から光の太い線の様な弾幕が放出された。

間髪入れずに入れた攻撃は直撃し、その体は光に包まれ、

勝負は着いたかのように見えた。

が、光の中からお祓い棒が投擲され、魔理沙は思わぬ攻撃に思わず、

攻撃は皮一枚で、避ける事が出来たが、

八角形の物体を落としてしまった。

その時魔理沙の下に霊夢が移動しており、

その拳を固く握り締められていた。

次の瞬間、魔理沙の顎目掛け、強烈なアッパーが空気の音を立て、

スピードを加速させ、迫ってきた。

その攻撃は、殺す程ではなくとも、

意識を一撃で刈りとるには十分な程の力だった。

当たったかと思われたが、紫色の光の線が魔理沙の前を、

横に通過していった。その攻撃は霊夢の横腹目掛け攻撃された。

霊夢はその拳を引っ込め 、バク転をしながら後ろに下がった。

この時魔理沙は落とした物を拾い上げた。

そして、霊夢がバク転から着地する時の足を、

レイナは、何かを蹴り狙った。タケノコだ…

月光の逆光により、それが何なのか良く見えない霊夢は、

バク転をする時に着いた手をバネのようにし、高くとびあがった。

が空中に浮いた霊夢は無防備な状態。

レミリアの運命を込めた槍が放物線を横に描き、

霊夢に向かい飛んで行った。

が、その攻撃は霊夢の体を透けて後ろへと飛んで行った。

 

運命【狙った相手に当たる迄、投擲した槍が追尾する】

 

と言う運命が果たされ、紫色の粒子で出来た槍が、

空中で光の粒子となり、霧散していった。

そして、霊夢は音を置き去りにするような速度で…

それは、まるで自らが消えた様に思わせる程に。

レミリアは同じ手が喰らうまいと、警戒をしていたが、

いつまで経とうが攻撃が着弾する事は無かった。

かと思うと鈍い音が張り詰めた静寂を破り捨てた。

その音は、レイナからしていた。

霊夢は回し蹴りをレイナの頭に叩き込んでいた。

その攻撃にレミリアは先程とは比べ物にならないような速度で、

槍を相手に投擲した。

この時、レイナは余りの威力に脳のキャパがオバーしてしまい、

その場に後ろに倒れ込んでしまいそうになる。

レミリアはレイナの頭を守れるよう全力で駆けつけようとしたが、

レイナは倒れる時、万歳のポーズをとり、頭を守る様にした…

かと思えばそのまま霊夢がやったバク転を見様見真似でやってのけた。

すると、足を上げた時回し蹴りをした霊夢の足に当たり、

片足で立っていた霊夢のバランスが思いがけない攻撃に、

ふらついてしまった。

この時、レミリアがレイナを抱き抱えようと近づいいていた為、

保護する体制から拳を固め攻撃の体制に変えた。

霊夢は流石にこの攻撃は予想出来なかったからか、

レミリアの拳が霊夢のみぞおちに綺麗に入った。

と同時、先より攻撃力を上げるため少しチャージをしていた魔理沙が、

 

「恋符「マスタースパーク…」」

 

その攻撃は霊夢に当たり、

後ろへと竹を折りながら後ろへと飛ばされていった。

その攻撃の通った跡は整備された後の道のようなものが出来ていた。

が、霊夢は着地を当たり前のようにしており、

土汚れが服に着いた程度で切り傷すらない。

霊夢の目の前にはまるで車のブレーキの様に、

2つの線が肩幅程の間隔で引かれていた。

引かれているというよりも、

それは抉れていると形容するのが正しいのかもしれない。

その直後霊夢が前傾姿勢となり…袖に手を突っ込んだ。かと思うと、

メデューサに睨まれ石化したかのように、ピタリと固まってしまった。

かと思うと、袖から手を抜き後ろを見た。

そして、もう一度魔理沙達の方を見ると、

ハイハイから立ち上がったばかりの赤ちゃんの様な足取りで、

魔理沙達へと転けながらも駆け寄ってきた。

それを見兼ねた魔理沙がレミリア達の、

 

「罠かもしれない!」

 

という制止を振り切り、霊夢に駆け寄った。

魔理沙にはとてもその様に霊夢が、

罠を仕掛けて居るようには見えなかったのだ。

そして、霊夢がまた転けそうになった時に、

魔理沙が霊夢を抱き抱えた。

 

レイナ「あれ大丈夫か?」

 

と言い、体の重心を少し前にした。

が、レミリアが右手を水平にレイナの前に突き出した。

 

レミリア「いや、そんなことする必要ないわ。」

 

この時のレミリアの横顔は、

慈愛に満ちた表情を浮かべていた。

レイナはこの様な表情を見た事がある気がする…

いい加減無視するのがむず痒くなってきた。

 

レイナ「あれ?今頭にあるこの記憶は…いや、これじゃない…

あぁそうだ、違う…あれ?何が違う?

あれそもそも、何を疑問に思っていたんだ?まぁいいか…」

 

レミリア「どうかしたの?」

 

レイナ「いや、なんでもない。忘れるぐらいのちっぽけな事さ。」

 

レミリア「そ、ならいいわ。」

 

レイナの記憶はゆく宛などない春風と共に消えてゆくのだった。

 

 

霊夢を抱き寄せた魔理沙は、

霊夢が少し震えている事に気づいた。

これは昔に感じた事が有る物とは少し違う…

などと思っていると、霊夢が言葉を紡ぎ始めた。

 

霊夢「魔理沙…」

 

魔理沙「なんだ?霊夢」

 

霊夢「私の事…嫌いになった?」

 

魔理沙「どうして?」

 

霊夢「今回の事貴女じゃないのに私は…」

 

と、息を詰まらせながら霊夢は言った。

そんな霊夢霊夢に魔理沙は首を横に振った。

 

魔理沙「私は全く気にして無いんだぜ。」

『こんなに弱々しいのはあの時以来…』

 

霊夢「で、でも私、貴女のことを…」

 

その続きのセリフを霊夢の唇に人差し指をそっと付け、

言わせないようにした。

 

魔理沙「それ以上自分を卑下しないで…

私がちゃんと伝えてなかったのが悪いんだぜ。」

 

霊夢「でも…」

 

魔理沙「『でも』も、『だって』も、『クソ』も無いんだぜ。

霊夢は何も悪く無いんだぜ。

大丈夫、私は少しも恨んでなんか無いんだぜ。」

 

と言うと、より一層抱き締めた。

その時、霊夢は魔理沙に呼応したように、強く抱き返した。

そして、静かに涙が頬を伝った。

 

霊夢「あれ、何でだろう…ごめんなさい、私のせいで魔理沙の服が…」

 

と、離れようとする霊夢の事を魔理沙は離さなかった。

 

魔理沙「大丈夫、服なんて別に…霊夢、

私は別に何処にも行かないし、離れないよ。

まぁお前から離れろと言ってきたら流石の私も離れるけどね。」

 

と少しはにかみながら霊夢と見詰めあった。

 

霊夢「私が魔理沙から離れるもんですか。」

 

と言うと、霊夢がまた強く抱き寄せた。

すると目から今度は蛇口を捻ったように涙が何故か出てきてしまう。

こんなに信頼してくれている、

魔理沙を疑ってしまった事による罪悪感によるものか、

改めて魔理沙の温かさを感じる事ができたからか、

それは誰にも、霊夢自身にすら分からないただ…

 

魔理沙「そう言って貰えると、嬉しいんだぜ。」

 

霊夢はもう魔理沙を疑う事をする事は無いだろうと、

心に刻み込むのだった。




紫「いや〜、今はちょっと早いのよね〜。」
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