麗花   作:不思議の国の爱丽丝

49 / 63
お前…万能やな…

竹藪を抜けた先には、闇が魁星から逃げるように隠れており、

唯一屋敷だけが堂々と神秘的に、竹藪の奥地へと建てられていた。

 

レミリア「なんて立派な屋敷なんでしょう。」

 

レイナ「宴会やった所ぐらいかな?」

 

レミリア「そのぐらいかしらね。」

 

と言うと、レミリアが玄関の引き戸に手を掛け、

右へと軽い音を鳴らしスライドさせた。

と、同時に何かが弾かれるような音が屋敷の奥から聞こえてきた。

次の瞬間レミリアは玄関の引き戸を力任せに閉めた。

この時、力を入れすぎたからか、扉が粉々に粉砕されてしまった。

すると、粉々に砕けた破片の1つに何かが掠り、

それがレミリアから軌道が変わり、横腹を少し掠らせ、

竹藪の奥へと月明かりを反射させながら、暗闇に飲み込まれて行った。

 

レミリア「随分と素晴らしい歓迎だこと。

ここまで歓迎されたら嬉しくなっちゃうじゃない。」

 

槍を顕現させ、何か弾いた相手を、

珍妙な物に、敵意を向けるように視線を向けた。

 

???「勝手に家を破壊して⋯

イタズラにしては早すぎるんじゃないかしら?」

 

レミリア「長く生きていると、

時間感覚が分からなくなっちゃうのよね。

ゴメンなさいね?」

 

???「疑問文で謝らないでくれる?

どうせ怒られるの私なのだから。」

 

レミリア「へ〜、ソイツが今回の黒幕なのかしら?」

 

???「黒幕?一体なんの事かしら?」

 

レミリア「声のトーンが少し高くなった⋯

嘘ね。貴女達が月を⋯是非返して貰いたいのだけれど⋯

戦うの面倒臭いし。」

 

???「それじゃあ何故その手に槍を持ってるのかしら?

というよりそれ、普通の槍じゃないですよね。

相手の命を刈り取るほどの狂気を感じる⋯

一体どんな人生を歩んだらそんな物を作ろうと言う思いになるの?」

 

レミリア「貴女に私の運命なんて分かんないわよ⋯

まぁそんな事良いわ。それで?

満月を返してくれるかしら?」

 

???「海賊が自分の手に入れたお宝⋯

手放すと思うかしら?」

 

レミリア「認めたという事で良いかしら?」

 

???「さぁ?そう言うのは、吐かせるものだと思うのだけれど⋯」

 

レミリア「そうね、それには賛成だわ⋯えーっと?

こんなに会話してるのに、貴方の名前知らないわ。」

 

???「そういう時は自分からじゃ?」

 

レミリア「そうね⋯私は、レミリア・スカーレット、っでこっちが⋯」

 

レイナ「レイナだ。」

 

???「私は⋯そうね、適当にイナバとでも⋯」

 

レミリア「それじゃあイナバさん。

返して貰いましょうか?」

 

イナバ「望むところ⋯」

 

と言うと、手を水平にこちらを向け、すると⋯

 

イナバ「だ!」

 

と言うとまた何か弾かれるような音が聞こえてきた。

レミリアと今まで対話していたので、

レミリアは自分が狙われると思い、防御体勢を取っており、

レイナは自分が狙われるとは思っておらず、

防御をするのが遅れてしまい、モロに受けてしまった。

 

レミリア「は?」

 

レイナの背中に血液が散乱し、音を立てて、倒れてしまった。

 

レミリア「え?」

 

しんじららない。

 

レミリア「なぜ?」

 

なぜ、れいなが?

 

イナバ「誰が2:1をするバカが居るんですか?」

 

⋯⋯そうね

 

イナバ「それじゃあ、貴女も1人にならないよう、一緒の所へ⋯」

 

と、手を向けた刹那、手によりレミリアが隠れた時、

眼前にはレミリアがおり、槍をお腹へと、突き立てようとした。

が、何故か体に自制がかかり、刃先とは反対の方の棒の方で、

みぞおちを的確に突き、その衝撃で、

襖を突き破り畳の摩擦により、体が止まった。

 

いきが⋯いきが⋯

 

出来ない⋯

 

その時、何者かの足が眼前にもうあり、振り抜かれた。

気付くと、外に出ており、竹藪の1本に激突し、勢いが止まった。

そして、重力により身体が地面に着く瞬間、浮遊感が身体を襲った。

首を掴まれたらしい⋯そのまま、また屋敷へと投げ飛ばされた。

そして、壁にぶつかる前、上から頭に強い衝撃を受け、

頭だけ、屋敷の木の床を貫通した。

 

そして、レミリアが足を振り上げ、かかと落としを決めようとした⋯

次の瞬間。横から何か音が聞こえてきた。

極限まで神経を張り巡らしていたレミリアはそれにも反応し、

槍を顕現し、投擲しようとしたが、

僅かな理性により、それが誰なのか朧気に見え、

その時には、もう身体を止めていた。

 

め、めーりん?

 

美鈴「はい、めーりんです。」

 

その言い方に、懐かしさを感じた。

 

あなた、れいなになにして?

 

美鈴「これは、多分いけますね。」

 

「いけるって⋯」

 

美鈴「治せます。」

 

レミリア「ほんと!?」

 

と、目を赤から黄色に光らせ、

美鈴に嬉々とした声をかけた。

 

美鈴「か、カンペキは無理ですが、

今の状況から息を吹き返すぐらいなら⋯」

 

レミリア「十分よ!何分で治せるかしら?」

 

美鈴「分?この程度なら30秒ですよ。」

 

レミリア「じゃあその間ちょっと時間稼ぎすれば良いわね。」

 

先程まで地面に埋まっていた者と視線を交錯させた。

 

イナバ「大分休めたわ。」

 

レミリア「そう、貴女程度なら休みを取らせようが関係ないわ。」

 

イナバ「そう⋯、それじゃあ」

 

と言うと、手をまた前にだし、攻撃を撃とうとした。

レミリアはそれに応戦しようとしたが、

上手く槍を顕現する事が出来ない。

 

レミリア「あれ?」

 

先程までリミッターを解除し、暴れ回った代償か、

体力がゴッソリと持ってかれてしまった。

そして、レミリアの脳天にそれが当たった⋯

かと思ったが、美鈴が

 

美鈴「ごめんなさい!」

 

と言うと、レミリアを蹴り飛ばした。

すると、頬を掠め後ろへと飛んで行った。

 

レミリア「ごめんなさい、私の身体が上手く動かないばっかりに⋯」

 

美鈴「大丈夫です、ここは私が何とかします。」

 

と言うと、後ろから、

 

レイナ「っーし、完全復活!

レミリア、後は僕達が何とかするなら休んどけ。」

 

レミリア「えぇ、体力が回復したら戻るわ。」

 

そう言うレミリアに相槌を打つと、向き直り

臨戦態勢に入った。




回復早すぎんだろ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。