竹藪を抜けた先には、闇が魁星から逃げるように隠れており、
唯一屋敷だけが堂々と神秘的に、竹藪の奥地へと建てられていた。
レミリア「なんて立派な屋敷なんでしょう。」
レイナ「宴会やった所ぐらいかな?」
レミリア「そのぐらいかしらね。」
と言うと、レミリアが玄関の引き戸に手を掛け、
右へと軽い音を鳴らしスライドさせた。
と、同時に何かが弾かれるような音が屋敷の奥から聞こえてきた。
次の瞬間レミリアは玄関の引き戸を力任せに閉めた。
この時、力を入れすぎたからか、扉が粉々に粉砕されてしまった。
すると、粉々に砕けた破片の1つに何かが掠り、
それがレミリアから軌道が変わり、横腹を少し掠らせ、
竹藪の奥へと月明かりを反射させながら、暗闇に飲み込まれて行った。
レミリア「随分と素晴らしい歓迎だこと。
ここまで歓迎されたら嬉しくなっちゃうじゃない。」
槍を顕現させ、何か弾いた相手を、
珍妙な物に、敵意を向けるように視線を向けた。
???「勝手に家を破壊して⋯
イタズラにしては早すぎるんじゃないかしら?」
レミリア「長く生きていると、
時間感覚が分からなくなっちゃうのよね。
ゴメンなさいね?」
???「疑問文で謝らないでくれる?
どうせ怒られるの私なのだから。」
レミリア「へ〜、ソイツが今回の黒幕なのかしら?」
???「黒幕?一体なんの事かしら?」
レミリア「声のトーンが少し高くなった⋯
嘘ね。貴女達が月を⋯是非返して貰いたいのだけれど⋯
戦うの面倒臭いし。」
???「それじゃあ何故その手に槍を持ってるのかしら?
というよりそれ、普通の槍じゃないですよね。
相手の命を刈り取るほどの狂気を感じる⋯
一体どんな人生を歩んだらそんな物を作ろうと言う思いになるの?」
レミリア「貴女に私の運命なんて分かんないわよ⋯
まぁそんな事良いわ。それで?
満月を返してくれるかしら?」
???「海賊が自分の手に入れたお宝⋯
手放すと思うかしら?」
レミリア「認めたという事で良いかしら?」
???「さぁ?そう言うのは、吐かせるものだと思うのだけれど⋯」
レミリア「そうね、それには賛成だわ⋯えーっと?
こんなに会話してるのに、貴方の名前知らないわ。」
???「そういう時は自分からじゃ?」
レミリア「そうね⋯私は、レミリア・スカーレット、っでこっちが⋯」
レイナ「レイナだ。」
???「私は⋯そうね、適当にイナバとでも⋯」
レミリア「それじゃあイナバさん。
返して貰いましょうか?」
イナバ「望むところ⋯」
と言うと、手を水平にこちらを向け、すると⋯
イナバ「だ!」
と言うとまた何か弾かれるような音が聞こえてきた。
レミリアと今まで対話していたので、
レミリアは自分が狙われると思い、防御体勢を取っており、
レイナは自分が狙われるとは思っておらず、
防御をするのが遅れてしまい、モロに受けてしまった。
レミリア「は?」
レイナの背中に血液が散乱し、音を立てて、倒れてしまった。
レミリア「え?」
しんじららない。
レミリア「なぜ?」
なぜ、れいなが?
イナバ「誰が2:1をするバカが居るんですか?」
⋯⋯そうね
イナバ「それじゃあ、貴女も1人にならないよう、一緒の所へ⋯」
と、手を向けた刹那、手によりレミリアが隠れた時、
眼前にはレミリアがおり、槍をお腹へと、突き立てようとした。
が、何故か体に自制がかかり、刃先とは反対の方の棒の方で、
みぞおちを的確に突き、その衝撃で、
襖を突き破り畳の摩擦により、体が止まった。
いきが⋯いきが⋯
出来ない⋯
その時、何者かの足が眼前にもうあり、振り抜かれた。
気付くと、外に出ており、竹藪の1本に激突し、勢いが止まった。
そして、重力により身体が地面に着く瞬間、浮遊感が身体を襲った。
首を掴まれたらしい⋯そのまま、また屋敷へと投げ飛ばされた。
そして、壁にぶつかる前、上から頭に強い衝撃を受け、
頭だけ、屋敷の木の床を貫通した。
そして、レミリアが足を振り上げ、かかと落としを決めようとした⋯
次の瞬間。横から何か音が聞こえてきた。
極限まで神経を張り巡らしていたレミリアはそれにも反応し、
槍を顕現し、投擲しようとしたが、
僅かな理性により、それが誰なのか朧気に見え、
その時には、もう身体を止めていた。
め、めーりん?
美鈴「はい、めーりんです。」
その言い方に、懐かしさを感じた。
あなた、れいなになにして?
美鈴「これは、多分いけますね。」
「いけるって⋯」
美鈴「治せます。」
レミリア「ほんと!?」
と、目を赤から黄色に光らせ、
美鈴に嬉々とした声をかけた。
美鈴「か、カンペキは無理ですが、
今の状況から息を吹き返すぐらいなら⋯」
レミリア「十分よ!何分で治せるかしら?」
美鈴「分?この程度なら30秒ですよ。」
レミリア「じゃあその間ちょっと時間稼ぎすれば良いわね。」
先程まで地面に埋まっていた者と視線を交錯させた。
イナバ「大分休めたわ。」
レミリア「そう、貴女程度なら休みを取らせようが関係ないわ。」
イナバ「そう⋯、それじゃあ」
と言うと、手をまた前にだし、攻撃を撃とうとした。
レミリアはそれに応戦しようとしたが、
上手く槍を顕現する事が出来ない。
レミリア「あれ?」
先程までリミッターを解除し、暴れ回った代償か、
体力がゴッソリと持ってかれてしまった。
そして、レミリアの脳天にそれが当たった⋯
かと思ったが、美鈴が
美鈴「ごめんなさい!」
と言うと、レミリアを蹴り飛ばした。
すると、頬を掠め後ろへと飛んで行った。
レミリア「ごめんなさい、私の身体が上手く動かないばっかりに⋯」
美鈴「大丈夫です、ここは私が何とかします。」
と言うと、後ろから、
レイナ「っーし、完全復活!
レミリア、後は僕達が何とかするなら休んどけ。」
レミリア「えぇ、体力が回復したら戻るわ。」
そう言うレミリアに相槌を打つと、向き直り
臨戦態勢に入った。
回復早すぎんだろ!