暗闇の廊下に静寂が辺りを木霊している。
そんな暗闇に、赤い二つの光がレイナと美鈴を照らしている。
すると、片手をまた水平に挙げ、レイナをまた狙ったが、
流石に2回目は当たらない。
水平に挙げた時、レイナは来るタイミングを予想し、
イナバウアーをすると、その上を音を立て空気を掠め、
後ろを通って行った。
レイナ「危ねぇー!また僕かよ!」
その時レイナの横を何かが爆発した様な音と同時に、
足に振動が伝わる。
相手の攻撃かと思い、イナバウアーの姿勢から、
無理やり上半身を回転させ、そのまま下半身も回転させ、
何が起こったのか、音のする方を見た。
美鈴「攻撃後は、気を付けなきゃ」
と言いうと、美鈴が距離を刹那の時に詰めていた。
音の震源地は美鈴だった様だ。
今までの本調子の体の状態で考え、回転したから、
無理やり着地しようとした瞬間、体に痛みが走り、
そのまま横向きの状態で地面に激突してしまった。
美鈴は、イナバの足を、自らの足で薙ぎ払い、
イナバの身体を、こかせるように、宙に浮かせた。
そして、薙ぎ払う時の回転を使い、もう片方の足で、
回し蹴りを頭に決めようとした。
身体が宙に浮居ている。避ける事など出来るはずがない。
かと思うと、イナバの身体がいきなり後ろへと下がった。
美鈴は何か能力なのかと思いながら、空ぶった足をすぐに引っ込め、
出来るだけ隙をゼロにした。
すると、イナバは何者かに首根っこを捕まれていた。
???「私が来るまで、頑張ったわね。
下がっていなさい。休憩よ。」
イナバ「私じゃ仕留める事が難しそうです。すみません。矢心様。」
矢心「優曇華、上の名前で呼ばないでと、何回目?
矢心じゃなくて、永琳って呼びなさい。様はどっちでもいいから、
せめてこう呼びなさい。」
と言うと、イナバは表情筋を強ばらせながら⋯
イナバ「え、え、えい、えいり、え⋯」
永琳「壊れた?⋯まぁ良いわ。
薬で治してあげるわ。後で。」
イナバ「永琳!永琳様!」
永琳「喋れるじゃない。まぁ、その怪我だし治してあげるわ。
薬で、私が。」
顔色が悪くなる。
心做しか汗が垂れてきている様にも見える。
イナバ「ち、因みにその薬は⋯」
永琳「大丈夫⋯たぶん⋯」
イナバ「いや!大丈夫です!このぐらい時間で治ります!」
永琳「遠慮しないで。時間じゃ長くなっちゃうでしょ。治るまで。
誰が世話するの。その間。」
イナバ「気合いで私が何とかしますから!」
永琳「そう。
じゃあ休んでなさい。この水でも飲んで。
じゃないと、困るの。私が。治らないと。」
と言うと、イナバを廊下の奥に、
隠す様にし、目の前に居る2人を見つめた。
永琳「ゴメンなさいね、私が出るべきだったのに⋯
客人がこんなに来たのだから。」
その間、美鈴は今まで会ってきたどんな人より、妖怪より、
もしかしたら、自分より強いと、瞬時に理解した。
音がゼロ、更に、気配すら感じる事が出来ない。
永琳「それじゃあ、改めて、再度、私が⋯歓迎しましょう。」
すると、レミリアが後ろから、歩いて、顔を出した。
美鈴「もう、休憩しなくていいのですか?」
レミリアに目線を合わせられない。
合わせたら、その隙を狙われるんじゃないかと、
相手からは、何も感じる事が出来ないため、
その様な恐怖を感じるからだ。
それはレミリア自身もそうだ。
今回の相手は、これまで戦ってきた相手の比にならない程だと感じた。
レミリア「大丈夫よ。
何せ私は吸血鬼よ。体に限界は無いわ。」
美鈴「正直助かります。」
永琳「もし、勝ったら。あなた達が。治してあげなくもないわよ。
傷や怪我を、」
レミリア「誰が敵に施しを受けなきゃならないの。
それに、治すなら月を治してちょうだい。
妖怪は月が満月じゃないと、力が上手く出せないの。
私含めね。」
と言い終わると、レミリアの下から何かが立ち上がった。
レイナ「あ〜、クッソが!
まじムカつく!僕は、何もやり返せず、ずっとサンドバック!
お前が犯人かよ!顔面盆地にしてやるよ!」
永琳「へえ〜、面白い子も居るものね。⋯これは中々⋯」
相対する相手は強ければ強い程⋯