麗花   作:不思議の国の爱丽丝

60 / 63
今日は、少々、お花の名前が多く出てくるので、
ご了承ください。


これを平和と呼ばずなんと呼ぶ

いきなり春が放出され、

少し経った為、段々と春が落ち着いていき、

段々と暖かくなっていっている。

汗がシャツに滲み、肌に張り付く。

夏が段々と近付いているのがわかる。

桜は花吹雪により、枝が見えて来ている。

老いたら、次の世代にバトンが渡されていく様に、

ブーゲンビリア、ルドベキア、そして、向日葵。

そんな花々が、美しく賑わいを見せている。

そして、アサガオが花開く時間。

紅魔館が光に照らされ、より紅が目立つ。

ハイビスカス色の鮮やかな、紅色のした髪が、

ハラハラと音を立てて、持ち上がっていく。

 

美鈴「んぁー、ん?ここは?紅魔館…なんで?」

 

いつもより寝心地が良かった枕から、

掛け布団を退かし、目を擦りながら上体を起こしていく。

ラムズイヤーの葉の緑色を抜いた色をした髪の毛が、

はらりと起き上がった少しの振動により揺れる。

いつも、あの人の隣を通ると香る紅茶の匂いが鼻を掠める。

優しく、可愛らしく、燻った様な、寝息がきこえてくる。

首を回し見ようとしたが、普段しない無理な動きをした為、

無意識に腰が回る。

そして、其方に目をやると、

透き通った様に透明感のある柔肌、

人形の様に自分より一回りぐらい小さな体、

それでいて、羨ましさを超え、美しさすら感じる足の長さ。

勿論といっていいほど整い過ぎた顔立ち。

銀色の髪がカーテンから少し漏れた光を反射して、

更にその顔の深みを際立たせる。

顔が重力に従い、傾いている。

それに可愛さを感じてしまう。

自分の気持ちに改めて気付いてしまう。

そして、違和感に気付く。

改めて自分が寝ていた所を見る。

自分があの夜に言ったことを思い出す。

フツフツと血液が沸騰する感覚がする。

心臓が何やらうるさく緊張を告げている。

息も上がっている。

どちらも同じぐらい五月蝿い。

興奮からなのか、緊張なのか、はたまた高揚からなのか。

ただ心が何かを叫んでいる。

そして、何を思ったのか、

また、自分の体に掛け布団をかけながらゆっくりとした所作で、

床に就く。

自分でも自分の行動に疑問符を浮かべながら、

瞼を閉じていく。

しかし、一向に睡魔はやってこない、

目はとっくの昔に覚めてしまっている。

 

美鈴『きょうの、あさごはん、なんだろな、』

 

などと、とんちんかんな方向へと、脳が働きかけている。

そして、そんな幸せを噛み締めていると、

何やらこの均衡を崩す様に、

何かが、急速に近付いて居ることに気付く。2人ほどだろうか…

が、敵意も殺意も感じる事が出来ない。

ただ、この幸せを邪魔する奴は、

手を抜かず本気で潰しに掛かってしまうだろう。

前にレイナと戦った時、

体力の消耗を少なくする為、

相手の初手の戦い方を見て、

力をどれ程抜くか決める。

が、そんな昔の癖が、

完全に相手の技量を見誤り敗北をしてしまった。

初めてだった。

だが、人は学ぶ物。

あれから戦いは全力で最初からぶつかっている。

が、今回の戦いでは圧倒的な差があった。

目に見ることが出来ないほどの…

だが、確実に、着実に、昔の自分に近付いていっている。

そんな感覚がしている。

能力も、前までは自分にしか使えなかったが、

今なら相手のものまで…

白い紙の様に、今ならどんな事にも応用が効きそうだ。

相手が近付いて来ている。

突撃をしてくる勢いだ。

泊まれないだろう。

場所は1階のパチェの図書館だろう。

丁度いい。

パチェの事だ。

結界は完璧だろう。

暴れても問題無い。

そして、ゆっくりとベットから立ち上がる。

音が聞こえない足取りで、気付いた頃には、

もう廊下に出ていた。

狙いを定める。

自らの脈でタイミングを図る。

驚く程今は、頭が澄んでいる。

きっと今、私以外、寝てしまって居るだろう。

 

『私が片付ける以外…ない』

 

まさに背水の陣。

逃げる事は許されない。

血液の流れ。心拍数。そして気の巡り。

五感が鋭くなっていく。

そして、美鈴は地面に人差し指と中指を、立てて接着させる。

そこからの動きは、まるで音が聞こえなかった。

そこには既に美鈴は居なく、

立っていた場所には、人一人入れるか、際どい穴が、

空いていた。

その下には、ルドベキア‘チェリーブランディ’の様な、

黒い三つ編みの髪と、赤いリボンが靡いている。

その上に丁度乗りかかり、来ると予想していなかったからか、

 

霊夢「へは???」

 

と、なんとも情けない声を出し、

広い図書館の床に叩きつけられそうになる。

そして、そこから遅れて、

スカビオサ の様に、

黄色の髪と、少し大きい帽子をかぶった、

少女が箒にまたがりら飛び込んできた。

と同時、霊夢は突風の様に移動し、

霊夢を抱き抱え、地面に立っていた。

そして、ゆっくりと下ろす。

そして相手の方を改めて向き直る。

靴が良いからか、床の木が良いからなのか分からない。

が、2人が距離を詰める度に、乾いた音が、

一定のリズムで近付いていく。

空気が裂ける様な感覚がする。

1歩、また1歩と近付いてていく。

近付いて行く度に、

2人の間の空気が、ピリついていく。

そして、もう、後お互い、五歩もあるけば、

ぶつかってしまう程の距離。

魔理沙は魔法の発生装置を、

美鈴は、足に力を込め、距離を詰めようとした時、

 

霊夢「やめて!魔理沙!私は怪我してないから!」

パチェ「落ち着きなさい、美鈴。彼女は悪じゃないわ。」

 

と、間に割って入ってきた。

方や、怪我をして欲しく無いという、切実な思いと、

怪我をおわせて欲しくないという、

気持ちが混ざり合い、涙が滲んだ、

クシャクシャな顔。

方や、宥める様に落ち着いた声で、

相手が必ず止まるとゆう、確信を持ち、

美鈴に話しかける。

対称的に話しかけるが、

根底にある、怪我をして欲しくないという、

そういう気持ちは変わらない。

双方、落ち着きを取り戻す。

 

美鈴「すみません…昨日の事かあったんで、

ちょっとピリついてて」

 

魔理沙「こっちこそ、ごめんなさい。

霊夢が怪我したと思って、

頭に血が上り過ぎたみたい」

 

といい、矛をどちらも鎮める。

 

パチェ「それで?どうしてあなた達が来たの?

異変の事?それならもうとっくに…」

魔理沙「あ、いや、違うんだ…」

 

パチェ「じゃあ何?いきなり朝から押しかけてきて。

昨日の事があって、眠たいのだけれど…」

 

霊夢「朝色々あって、それで、

行く宛てもなく。一番最初にここが思いついたから…」

 

パチェ「来ちゃった。と…」

 

少しの沈黙の後、

 

パチェ「まぁいいわ。

少しゆっくりしていきなさい。

この後どうせ、異変の主犯の屋敷にいくのだから」

 

美鈴「それじゃあ私はもう一眠りしてこ…」

パチェ「あんたは壊した部分の修復でしょ?」

 

と、そそくさとら消えようとした美鈴の首根っこを掴み。

そう言い放った。

 

美鈴「ほ、ほら??お前の魔法でちょちょっと…」

 

パチェ「ん?聞こえないな〜?もー1回言って?」

 

美鈴「…私が直します」

 

パチェ「よろしい」

 

といい、美鈴の首根っこを離した。

 

パチェ「それじゃあ、私は眠たいから寝るわ。

あ、私が寝るからって、直して無かったら…」

 

思わず眉唾を呑む。

 

パチェ「その無駄に付いた脂肪の塊。引きちぎるぞ☆」

 

妬みからか、怒りからか、はたまた嫉妬なのか。

分からないが、顔は笑顔だと言うのに、

言葉の節々に殺意を感じる。

これ多分本気だということが伺える。

霊夢達は息を殺す。

そしてパチェは自室に戻っていく。

緊張の糸が解れる。

そして、美鈴は急いで穴の箇所に戻る。のだが、

この後、修理音で、咲夜さんにもバレて、

こってり絞られるのだった。




楽しそう(すっとぼけ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。