長かった…本当に長かった…
ピンクに染まっていた木々が、段々とその着飾りを脱いでいき、
青々とした本性が、段々と見えて来ている。
風が吹き、葉が巻き取られ飛ばされていく。
その風に乗って仄かに甘いひまわりの匂いが、
ふわりと空気にコントラストを生んでいく。
その風が少し、窓を通り、色付いていく。
レイナ「ん?」
ルーミア「どうしたの?」
レイナ「なんか…いや、なんでもない」
ルーミア「ちょっと気になる…」
レイナ「行ってみるか?」
ルーミア「貴方に任せるわ」
レイナ「正直、凄く気になる」
ルーミア「じゃあ、一緒に」
レイナ「行こう」
といい、レイナは少し空いた窓を、全開にした。
ルーミア「何か、今凄く嫌な予感がするのだけど…
いや、まさかね…どうして窓を全開にしたの?」
レイナ「そんなの決まってるじゃないか」
といい、ルーミアの事を軽く抱き抱えた。
それに、少し顔に桜が咲いた。
かと思うと、その桜はすぐに散ってしまった。
窓の縁に足をレイナがかける。
ルーミア「ねぇ?普通に降りよ?ね?」
レイナ「大丈夫だ!」
ルーミア「前回もこんな事してなかった?
あの時誰が私の家に運んだと思ってぇぇえええ!!!」
と言う頃には、もう既に空中へと1歩を踏み出していた。
そして、重力に身を任せ、落ちていく。
強い音が辺りを鳴り響かせた。
が、皆前日の疲れにより、普段なら気付く音にも、
誰一人として気付く者は居なかった。
ルーミア「死ぬかと思った…」
レイナ「大丈夫だったろ?」
ルーミア「いやそういう問題じゃ…」
と言おうとしたが、嬉々とした表情を見ると、
そんな事を言う気力は、失われてしまった。
そして、暫く匂いが感じた方向に向かい、歩いて行くと、
木々が無くなり、拓けた場所へと着いた。
そこの美しさに、思わず言葉を失ってしまった。
そこは、ただ肩までの高さの、向日葵が咲き誇った平野。
その数え切れない向日葵が1本1本紡がれていき、
広大な絨毯の様だった。
ルーミアは身長が低い。
向日葵の頭の所に、ルーミアの頭がくる。
更に、髪色が金髪な為、はぐれてしまえば、もう見つけれないだろう。
そう思ったレイナは、ルーミアの手を絡ませる。
頬が軽く鮮やかな、ピンクに染まっていく。
これならば、きっと見失っても見つける事が出来るだろうが、
ルーミアは気恥しさに、面を上げることが出来ない。
レイナは、そんなルーミアを見て、
自分がした事を、改めて考え、レイナも頬が染まっていく。
肌が白い為、より鮮明に、鮮やかなピンクへと変わっていく。
気恥しさから、少し、早く足が動く。
が、2人とも早くなっている為、気付かず進んで行くのだった。
???「あら?珍しい客人かしら?異変の元凶では無さそうね…」
風が吹き、髪が揺れる。
見惚れてしまう程の、美しい顔が向日葵のように咲いている。
幽霊の様に、それは、寂しく咲いている。
香しい匂いが立ち込めている。向日葵と同じ様な甘さが…