真剣で猟犬に恋しなさい!!   作:勿忘草

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投稿ペースが落ちて亀更新となってすみません。
今回からある作者さんの所のキャラが登場します。
許可は取らせていただいております。


『遠い日の怒り』

キャップと話したあの日から一週間が過ぎた。

六月になるよりも半月も前のある日。

2-Sではある一つの問題を抱えていた。

それは数分前に遡る。

 

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.

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「葵君、葵君!!」

 

トーマを呼ぶ声が響く。

よく通る声だ。

そんな声を発しているのは不死川心である。

一体何が有ったのだろうか?

 

「どうしたんですか、不死川さん?」

 

トーマを白い歯を見せて微笑む。

流石は学園で『エレガンテ・クアットロ』と呼ばれるだけはある。

普通の女性ならこのワンアクションだけでくらっとするだろう。

 

しかし流石は不死川。

くらっとせずに毅然な態度でトーマを見ている。

トーマがどうしたか聞くと、待ってましたといわんばかりに早口で話し始めた。

 

「なるほど、賭場で負けましたか……」

 

話の内容としては賭場で負けてそれで悔しいから解決して欲しいという事だ。

方法としては『決闘』になるだろう。

 

「不死川、負けた時にもしかして風間か直江がいたんじゃないのか?」

 

不死川は運も武力も結構なものを持っている。

普通の相手では負けないはずだ。

そこで俺はF組で倒せるであろう心当たりの人間が関与していないかを念のために聞

 

いた。

 

「風間は居なかったものの確かに直江は居たが……それがどうかしたのか?」

 

俺はその瞬間額を掌でたたく。

完全にやられたってわけだ。

イカサマに対して無警戒だったんだろう。

まだキャップならば運で負けたというので納得できる。

しかし大和が相手となればそういう事をしたのが容易に想像できる。

 

「イカサマされたかもね、ざんねーん」

 

ユキがそんな身も蓋も無い事を言う。

まぁ、正直警戒心も出さずにやっていたら食い物にされるのは確実だろうね。

 

「というかそういう時にその状況で勝負するのは間違いだろ……」

 

準が言うように大和がいたら危ない場面だ。

俺だって万が一勝負なんてあったら少しの備えはするつもりだ。

 

「黙れ、ハゲ、此方が山猿相手に逃げるなど恥じゃ!!」

 

準の言葉に反論をする不死川。

 

「その結果負けてちゃダメだよー」

「うるさいわ!!」

 

しかし次の瞬間にユキが再び実も蓋も無い事を言った。

ユキの言う事は正論ではある。

引いた方が良いのに引かずに負けたら格好がつかない。

 

「で……不死川さんは具体的にどうして欲しいんですか?」

 

「あの直江と一緒にいた島津とか言う奴も含めて一泡吹かせてやりたいのじゃ!!」

 

ガクトか……まぁ、八極拳使えばあっという間なんだけどね。

 

「いや、だから具体的にどうする気だよ?」

 

「戦闘による決闘じゃ!!」

 

準の質問に瞬時に答える。

想像していた通り、そちらの方法か。

 

「直江の策に島津の力……考えたら結構めんどくね?」

 

準が言う事は分かる。

ガクトの力だけならまだ楽に戦える。

だがそこに大和の策が加われば勝算は低くなる。

 

「準の言う事は間違っていません」

 

トーマも流石にその脅威は分かっているようだ。

こちらに顔を向けると言うことはできる限りの戦力を投入する気なのだろう。

ユキでも十分に勝てるだろうが万が一の事態を避けたいというトーマの気持ちも納得

 

できる。

 

「準、キョーヤ……この願い引き受けられますか?」

「若、残念だが用事で無理なんだ、戦うのは今日なんだろ?」

 

トーマの願いに準が断る。

まあ、流石にいきなりだから仕方は無い。

そして不死川に戦いの日程が今日かを準は聞いていた。

 

「そうじゃ、速くやっておかねばF組の奴らが増長するからの」

 

その言葉を聞いて不死川は頷く。

俺はその瞬間頭を抱えた。

それじゃあ助けてもらえる可能性も低くなるのが当たり前だ。

こちらの予定を完全に無視して喧嘩を売るのは止めてくれと心底思った。

今回は予定がないけれど仮に有ったらどうしようもない。

 

「不死川の代わりに決闘やる奴は準が無理となると俺だな」

 

俺は頬をかいてそういった。

この中で誰も手を上げなければ俺になるだろうし別に問題はない。

 

「そうだな……頼むわ」

「キョーヤ……良いんですか?」

「なーに、槍じゃなくてこっちなら十分さ」

 

そう言って握り拳を作る。

昔よりガクトが強くなっているとはいえ俺も強くなった。

血の滲む努力を繰り返してきた分、差は縮んでいないはずだ。

 

「待てよ、キョーヤ……手を上げた奴が居る」

 

「えっ、誰?」

 

「あそこで本呼んでいる奴さ」

 

「アレは確か……港って奴じゃないのか?」

 

そう、俺は面識はないが名前は知っている。

 

一年生の時からのS組でガタイも悪くない。

調べた所によると空手をやっていた過去を持っている。

実力としてはかなりのものだとだというのが肌で感じ取れた。

 

そんな港君の前に座り一言発する。

 

「急な話だけど良い訳?」

「何がだい、用事は無いよ」

 

人の良い笑顔で俺の質問に答える。

しかし目の奥には何か黒いものがあるような感じだった。

 

「そうか、別に無理はしなくて良いんだぜ」

「別に無理でもないよ、なんでそう思うんだい?」

 

「この一ヶ月見ては無かったけどこういうのに乗るタイプではないからな」

「そりゃ僕だって羽目を外す時もあるさ」

 

指をワキワキとさせて微笑む。

どうやらやる気は満々のようだ。

 

「そうか、不死川の頼みだしどうにかしてやってくれ」

「当然、君にいわれなくてもやるよ」

 

こちらの頼みに対して微笑を返す港。

しかしその目は笑ってはいない。

さながら蛇のようでこちらを上から下まで見ている。

まるでこちらの実力を見定めているような……。

そんな考えを浮かばせる目だった。

 

「お前ら何二人でいい気になっているんだよ」

 

そんな風に話していた俺たちに後ろから話しかけてくる。

確か彼はテニス部の仲村君か。

 

「何でってそりゃ俺の代わりに不死川の試合をやってくれるって言ってるんだぜ」

「港がやるくらいなら俺がやってやるよ」

 

その言葉を聞いた瞬間俺は顔を引きつらせていた。

 

「黙れ、アホ、君が島津に勝てるとか思ってるのか?」

 

出来るだけやさしい声で俺は言う。

しかし侮蔑の意味をありったけ込めてだ。

多少トーンが変になったが問題はない。

 

「なっ、テメェ!」

 

その言葉を聞いて仲村君が怒る。

怒っても全然怖くもなくこちらとしてはつまらない。

 

「俺は港君に頼んだんだ、お前じゃ島津を倒せない」

「お前、ナメてんのか!!」

 

俺の正直な言葉を聞いて仲村くんは完全にキレる。

わざわざ回るのをめんどくさがって机から乗り上げるようにして殴ってくる。

馬鹿だな。

 

そんなぬるい攻撃じゃ俺を倒せない。

ガクトなんてもってのほかだ。

 

その拳を避ける。

そしてその振り切った腕を引っ張って顔を殴る。

人中に最速で拳を叩き込む。

 

攻撃についてはあまりにも雑すぎる攻撃だ。

そして防御面なんて紙のように脆い。

回避ができないならばせめて防御をすれば良いのに。

今の一撃でもう頭が揺れているようだ。

ここはもう決めさせてもらうことにしよう。

 

机を経由して仲村君の方へ進んでいく。

机をヒザに例えて飛び上がる。

俺は無防備な中こめかみにシャイニング・ウィザードを叩き込んだ。

 

仲村はその一撃でうつ伏せに倒れこんだ。

この程度は本気ではない。

こちらとしてはウォーミングアップのようなものだ。

 

「悪いな、港君、見苦しい所を見せた」

「あっさりと倒しちゃったね、残念だよ」

 

こちらに笑顔を見せて賞賛をする港。

一瞬背筋に冷たいものが走ったがなんだったのだろうか?

 

「偶然だよ、それともそっちが羽目を外す前哨戦をやっておきたかったかい?」

「いやいや構わないさ、あと僕のことを君付けで呼ぶのやめてくれるかな、港で良いよ」

 

こちらは表情を悟られないようにして偶然を装ったような物言いをする。

呼び捨てにしても良いというのでコレからはそういう風に呼ばせてもらおう。

 

「そう言えば時間の方は、どうなってるのかな?」

 

「放課後ですよ、港君」

 

「トーマ、気配を消して近づくな」

「葵、どうもありがとうな」

 

それだけ伝えてトーマは席に戻る、お前は一体何がしたいんだ。

 

時計を見たらその意図に気づく。

あぁ、5時間目が始まる前に自分の角度から見えるように話しかけたのか。

さすがだなトーマ。

だがそういうことは素直に言え。

『女心をくすぐる方法ですよ』とかの返答はいらないから。

 

「とりあえず島津の試合は頼んだ」

「分かったから戻らないと、人間学の授業が始まるよ」

 

俺はそう言って席へと戻った。

宇佐美先生の授業は今日は税務署関係の話であった。

父さんからも抜け道はあるんだと教えてもらっていたから良く分かった。

 

副業で二十万以上か……

また株を始めたら可能性はあるな。

 

そして放課後。

グラウンドではすでに決闘の用意がされていた。

どうもこの熱狂が俺は慣れない。

そんな事を思いながら俺は俺でグラウンドの後ろの方で観戦する。

 

いやー、こうしてみたらやっぱりガクトはでかいな。

身長は俺より高いから180センチ台か190センチ台といったところ。

筋肉の搭載量を考えたら体重の方は確実に三桁に届いてるだろう。

 

鍛え上げられた筋肉が今にもうなりを上げようとしている。

 

一応ルールはこんな感じだ。

 

2分3ラウンドの判定による勝敗はなし。

時間切れは引き分けとなる。

 

オープンフィンガーグローブの着用と武器になる道具の使用の禁止。

 

目潰し、喉突き、金的蹴り、噛み付き、脊椎への攻撃の禁止。

 

ダウン後にカウント5で立ち上がれない。

もしくは戦闘続行不可と審判が判断したら敗北。

 

ギブアップもアリ。

その場合はKO負け扱いとなる。

 

また明らかに戦意を喪失している場合などはTKO扱いで敗北。

 

以上が本決闘でのルールだ。

 

さて……港三千尋の決闘が始まる。

 

空手していてさらに柔術をしている。

どれ程の腕前なのかな?

 

リーチはガクトに分がある。

しかしガクトは多分柔術使いという事まで頭が回っていないだろう。

なぜなら馬鹿だから。

細かい事だと思って考えては居ないだろう。

 

打たれ強くても関節は鍛えられないからそこをどうするかが鍵だ。

 

打撃だけでもどうにかしようとするその構えだけは良いと思うよ。

何の対処もなくやるよりかはね。

 

「両者、前へ!」

 

学園長、いつも思うんだろうけど大丈夫なのかなぁ。

こんなに力んで声上げると体に障るんじゃあないだろうか。

 

そんな事を考えた俺ははっとして頭を振る。

俺は一体何を考えているんだ。

 

集中力を切らせるような余裕はない。

ましてや初めて見る相手なのだ。

きちんと観戦して対策を練らなくてはいけない。

余計な事は考えずに目の前の決闘を観戦する事に集中だ。

 

「2-F、島津(しまづ) 岳人(がくと)!」

 

「2-S、港(みなと)()千尋(ちひろ)

 

ガクトの奴は相変わらず元気だなー。

 

対照的に港の方は自然体だ。

それともガクト位じゃあそれほど入れ込まなくても勝てるという自信の表れか?

 

「では、始めぃ!!」

 

開始早々俺は信じられない光景を目の当たりにする。

 

待っている?

あのガクトが?

先手必勝とか言ってガツガツ攻め込む気性のあいつが?

 

ファイティングポーズの構えをして顔面をガードしている。

秒殺とかそういう壮言大語をはいていても勝ちに行っている。

 

フルコン空手の攻撃を防ぐ為に大和が入れ知恵したか?

 

確かにフルコン空手は近接の間合いからの攻撃。

そしてコンビネーションはすさまじく発達している。

 

港が待っている状態からあからさまに体勢を低くした。

レスリングの構えだろうか?

迷いを誘ってその隙をつく作戦という訳か。

 

その方法はガクトには通用するだろう。

しかしそれが通用しない奴がこの学園に何人いるやら。

 

俺はそんな事をされた場合、方法は一つ。

正面突破だ。

成功するかは分からないが一気に踏み込んで一撃で仕留めに掛かる。

踏み込む動作に要する時間はその低くする間の時間で十分だからだ。

 

そんな事を考えていたらガクトが動き始めていた。

一気に踏み込んで拳を振るう。

しかしそれは今までのイメージとは違っていた。

 

振りぬくのではなくジャブによる牽制。

港との間合いを計る為に放つ攻撃。

 

港はその一撃に対して後ろに下がって回避をする。

受け止めるにも相手が相手だから無理もない。

ガクトほどのパワーがあればジャブでも大きなダメージを与える事ができる。

そう考えれば後ろに下がったほうが賢明な判断だろう。

 

その攻撃の中冷静に港はたたずんでいる。

そしてジャブの隙を突いて針の穴を通すように見事な蹴りを腹に向かって放っていた。

 

「ハッ!!」

「グッ!!」

 

そんな港の蹴りが見事にガクトの腹に入る。

しかしガクトは僅かに顔を歪ませただけで腕を振るう。

 

「……ヌンッ!!」

「チッ!!!」

 

港はそれに対して舌打ちをするが逃れることは出来なかった。

 

それによって港の蹴りを腹筋で耐えた後にガクトが顔面へ拳を直撃させる。

しかしその拳にはダメージが与えた事が分かるほど力がなかった。

その為僅かに港の顔に当たっただけでダメージを与えることは出来なかった。

 

しかし顔面に当てた事で距離感を掴んだのだろうか。

港に対して的確に連打をしていくガクト。

細かく攻撃をしていって堅実にダメージを与えている。

 

ただ港も無防備に喰らっているわけではない。

受け止めて延々と機会をうかがっている。

体を丸めて腕で両脇を固めて顔を隠している。

さながら亀のようにしてガクトの連打をやり過ごしていた。

 

流石に痺れを切らしたのか投げ技に移行するガクト。

 

港の足を取りに行く。

港は足を上げて回避をする

港が距離をとって呼吸を整える。

 

ガクトはその間に港を見る。

どう動いてくるのかを考えているのだろう。

 

再び足を取りに動くガクト。

それをじっくりと見て状況に対応しようとする港。

一瞬見えていたのはあの怖気の走る蛇のような目だった。

 

足を抱えようと動かしていた掌が拳を形作っている。

つまり抱える動きはフェイントでこのアッパーが本命。

最後に頼ったものはやはりパワーだった。

 

流石に裏をかかれたのか驚いた顔になる。

しかしそこは実力者。

一瞬で顔を戻して信じられない行動に出る。

 

港はアッパーに対して脱力をして待ちかまえる。

そしてそのままアッパーの勢いに身をゆだねる。

物干し竿にかけられる洗濯物のようになる。

そしてここから瞬きも許されない関節技が始まる。

 

足を払って極めにかかる。

ガクトが足をつけて逃れるがいつの間にかガクトの上に乗っている。

 

腕力で強引に解こうとするが港が腕を取り足で挟むようにする。

さらにその際に片方の足を腹に当てている。

そして一気に前転をする。

その勢いを活かしてポジションを整えて完成させる。

 

その結果……

 

港の腕が。

港の足が。

 

ガクトの腕に絡み付いて固めていた。

綺麗にその技が決まっていた。

 

「ギブ!!、ギブアップだ!!」

 

完璧に極まっている為に痛みが先行したのだろう。

港が聞くよりも早くガクトはギブアップと言っていた。

 

「そこまで!」

 

その声を聞いて、港はガクトの右腕への拘束を解いてやった。

 

元からガクトが無理をしなければ怪我させるつもりもなかったようだ。

 

無理に粘ったらそのままへし折るつもりだったかもしれないな。

俺ならば躊躇いもなくそうしただろう。

もしかしたら誰だってそうするかもしれない。

何故ならば勝てるから。

そうすることで勝利が手堅くなるからだ。

 

「勝者、港三千尋!!」

 

学園長が、先ほどよりも一層大きな声で宣言した。

 

俺はその結果を聞いて見回す。

そしてその中には見知った顔の人が居た。

 

「由紀江さん、見に来たんだね」

「はい、私はガクトさんの決闘を応援に……」

 

「そうか、残念だったね、でどういう関係なんだい、ガクトと?」

 

最悪の結果を考えた上で俺は質問をする。

大和の決断がどうだったのだろうか。

ユキのように拒絶をしたのだろうか。

 

「風間ファミリーの一員になりましたから、それでですよ」

「そうですか……それは良かった」

 

言葉では祝福をする。

しかし心には怒りが渦巻いていた。

憎悪が活火山のマグマのように噴出していた。

 

「ヒッ!!?」

 

雰囲気だけでも察知してしまったのか由紀江さんは驚いていた。

 

「あっ、あの……」

 

「話さないといけない事ができたな、ユキはいるか?」

「どうしたの、お兄ちゃん?」

 

ユキを呼ぶとすぐに来た。

多分近いところで見ていたんだろう。

 

「ユキ、俺についてきてくれ!!」

 

俺は大きな声でユキに呼びかけていた。

しかし俺の鬼気迫る雰囲気に由紀江さんが少し驚いていた。

 

「そっ、その……」

「まゆっちが驚いてるだろうが、キョーヤ」

 

キャップが現れて俺に落ち着くように促す。

俺はキャップの方へ振り向いて質問をしていた。

 

「キャップ……大和は一体どこに居る?」

「今頃寮に帰っているだろ」

 

キャップが俺の目を見ながら言っている。

鬼気迫る雰囲気に二の足を踏まないとは流石だといわざるとえない。

 

「怒りすぎだよ、ちょっとクールダウンして」

 

モロがいまだに収められていない『気』に対して指摘をする。

悪い悪い、収めようと思ったんだけど上手くいかなかったみたいだわ。

 

「でもなんなの、大和に話って?」

「それは追々話すから案内頼むよ」

 

モロの質問に対して流す。

別にこの後に話をするから待っていてもらおう。

 

「俺様が案内してやるから着いて来いよ」

「私はユッキーを案内してやろう」

 

ガクトが前に立ちモモ先輩がユキの肩に手を回す。

 

「わーい、僕にもお姉さんができたよ、おにいちゃん!!」

「良かったな、お姉ちゃん欲しいっていってたもんな、ユキは」

 

ユキが無邪気な笑顔で喜ぶ。

余りにもべったりと引っ付こうとしているのは流石にいただけない。

モモ先輩も迷惑だと思っているかもしれないというのに。

 

「うんうん、素直で可愛いなー」

 

そんなやり取りをして俺は皆と大和がいる島津寮へと向かう。

あの日の言葉を裏切った怒りが『気』となり噴出しそうになっていたのだった。




今回から『真剣でアイツに恋してる! Restart』のオリキャラである港三千尋が登場しています。
許可してくださったモーディスさんには大変感謝しています、この場で今一度感謝の意を伝えたいと思います。
彼はまたいろいろな話で登場させていく予定です。

またおかしな点などございましたら指摘のほどお願いします。

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