海上のカンパニュラ   作:千里亭希遊

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30.日常

「ルリちゃんほんまに強いなあ。へーじはまだまだやな」

「やかましい。自分に剣術の何が分かんねん」

 

 あはははは。

 ガープさんにしごかれた我々と比べるのは酷かもしれないよカズハちゃん。

 それにくいなとゾロの方がヤバイと思う。ヒロとケンジもね……。

 

 門下生たちは何も寝食以外一日中剣振ってるとかないので、子供たちは普通に村のみんなと遊んだりしてるのだけど。

 へーじ君とカズハちゃんお互いに、異性といい感じに見えたら不機嫌になるの可愛すぎる。

 

「ふふふ分かりやすいねえ」

 

 我々は三人でこっそりニヤニヤしてる。

 道場のみんなも分かってるみたいで似たようにニヤニヤしてる。

 

 あと、二人は我々の一つ上で、ルフィと同い年だ。

 新鮮!

 あでも、漫画で読んだ初めの頃は年上だったなと思い出す。長期連載すごいわあ。

 

 家にはたまに手紙を出してるんだけど、気付いたら月一以上のペースで、こんなに送りたくなる家族でつくづく幸せ者だと思う。

 ……自分でもそんな両親に心配かけたくないのよ……でもその実konozama☆

 ……すません……。

 

 あと里帰りは、交通の便がほとんどないからガープさん頼みになってしまってる。

 度々お願いするのも気が引けるし、修行に本気になってるのもあるしで、頻度は低くしてもらった。

 うちだけじゃなく、ヒロとケンジの家族もそのへん説明したらすんなり納得してたけど……ほんとは心配だろうことは明白……す、すません……巻き込んでる二人自体もほんとすんません……いやほんとに。

 

 けどその話をすると二人は笑う。

 ちゃんと目的があって来てるんだ、って。

 

 ヒロは実は学生時代長く剣道を嗜んでたらしい。

 だから逮捕術に組み込むとしたらコレ、だったみたい。それで今生も剣術を中心にした立ち回りを鍛えたいらしい。

 なのにスナイパーで組織に見出されてたんだもんね。マルチだね器用だねほんとすごいわ……。

 

 ケンジは剣術への興味もあるけど、ホシホシの能力のイメージを膨らませたいんだって。

 今は篭手造り(特にじんぺー用)にハマってるけど、ゆくゆくは武器も作れないかな? と、刀剣を観察に来たそうな。

 

 二人ともしっかり目標あってすごいなあ。こっちは身から出た錆で流されてるだけだもんな……ハハハハハ。

 

「やー!」

 

 ゾロは今日も元気にくいなに勝負を挑んでる。

 そしてこっちにも来るのだ。ひぃ、恐縮です。

 現在の戦績は3,862対0、1,357対0。……わお……。

 

 女の子は男の子みたいに強くなれないって泣いてたくいなは、ちょっと明るくなってた。『あたし』も一緒に世界一目指してるからもあるらしい。恐縮です。

 ……女の子は世界一になれないなんて娘に言っちゃうとこだけは感心しないよコウシロウ先生。

 

 道場での鍛錬が終わったあとはみんなで一緒に筋トレするのが常。

 岩を負荷にしてるんだけど、最初くいなは躊躇ってた。こんなのを……? みたいな。多分正常です。

 自分はガープさんに岩投げられてたくらいだから、岩使うことに抵抗は生じなかったね……(遠い目)。

 けどくいなも今じゃゾロに負けず劣らずを負荷にしてる。

 女の子を舐めちゃならんのだ。この世界だぞ? せっかくだからどこまでも行こうじゃん?

 

 ……自分は岩やら周囲の風やらの性質を伺って、最も力の要らない持ち上げ方を探ってるからちょっとずるい気はする。

 でもこの感覚を鍛えたいのはあるし(見聞色の一種だと思うんよ)、くいなのやる気に繋がってるなら嬉しいし、まあいいか。

 

 ヒロとケンジも初めは引いてたんだけど、彼らも横で筋トレ始めた。

 彼ら筋トレの種類をかなり熟知してるから、ゾロはかなり喜んでた。

 

 年月が経つと男子たちはだいぶモリモリしてきた。

 自分は筋肉が付きづらい体質だから嫉妬してる。

 くいなは『女の子らしい身体』にはなってると思うけどさ、それでもしっかり美しい筋肉ついてると思うよ。

 あんまり筋肉つけると人によっては重くなりすぎるとかで邪魔になるしね。太くても見せ筋になっちゃう人だっている。

 

 それにさ。

 

「うがあーーー! 勝てねェェエエ!!!」

 

 現在の戦績は5,936対0、3,471対0。

 力よりも速さと効率に重点を置き、『眼』を鍛えてる我々だって強いのだ!! もちろん力だって鍛えてるよ!

 ゾロが弱い訳じゃないのは原作見てれば明らかなんだし!

 このままコウシロウ先生をぎゃふんと言わせるためにも、我々は絶対に勝ち続けてやる!!!

 

「ルリちゃん細いなあ」

「あんなにヤバイトレーニングしてるのにな」

「しかもちゃんとヤバイ強さしてるのにね」

 

 ケンジとヒロがじーっと見つめてくる。

 

「うるさい気にしてるんだぞゴリラどもめがっ!」

 

 鍛えたら順当に太くなる奴にこの嫉妬は分かるまい……。

 

 ケンジの手がそろーっと伸びてくる。おい。

 ぺちんと払う。

 

「セクハラ反対。触るだの見るだのしたらその時点で失格な」

「エエー、無情……」

 

 ケンジがしょげた。雰囲気で察しろ!!

 

「でもこの様子じゃ『身体が成長したら』な時期になってきたんじゃないか?」

 

 ふふふヒロは甘いな。

 

「女性たちを全員思い出せ。ここ(・・)じゃ女性みーんなお胸がばかでかいんだ、おひんひんがいないんだ。同年代がそうなる頃だ!」

「……」

 

 ケンジとヒロが引いている。でも事実だからな? 真理ですらあるぞ!

 

「……仮にでかくなってもルリちゃん縄巻いて隠しそう」

「どうだろうね〜」

「そこは隠さないでくれよ、永遠に終わらないだろ……」

 

 二人はげっそりしていた。

 うーん、さすがにそういう歳になったら性別隠さないでおこう。

 彼らをからかうのは楽しいけど、限度はちゃんとしとかないとな。

 

 彼らは、他に人が居ない時に探るように下ネタトーク始めたりとかしやがった。

 

「ええ? まだ◆▲□〒してないから♬●◇※◎とかしないわ。お前たちもう♯■○△※てんの? そっちも◎◇かよ」

「……ウッ」

「エグいよ……エグいから……」

 

 頭抱えられた。

 心外だ。

 下ネタについていけるかどうかで男女の判断しちゃだめだろ。







✦付喪神さんたち
 オリ主は彼らから話を聞けるおかげで、非生物からも情報をいただけます。多分疑似的に『万物の声を聞く能力』を持ってるようなものです。
 自然物や武器等の性質を探り当てて、一番効率のいい扱い方ができるのも、それ系の能力。
 今の所本人含め誰も気付いていません。
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