早めっつってもどれくらいがいいかよく分からんから、張り切って六時に基地に着いた。
既に色々始めてたアイリッシュ准将が、びっくりしたような呆れたような表情をした。
手続きやら建物の案内やら、色んな担当の人たちにゆっくりやってもらえたし、別にいーじゃん……?
制服も支給してもらった。ちょうどいいサイズのが数着余ってて助かった。
この制服結構好き。あと半袖に雑用の『雑』入ってて面白い。
早速掃除とか洗濯とか野菜の皮むきとかあるかな? とかミーハーにわくわくしてたら違った。運動場に連れてかれた。
ちょうど、出勤時間って聞いてた九時。
皆さんの前でいきなり新兵だって紹介されて、おっかなびっくり敬礼した。……何でわざわざ全員の前……?
んでさっそく準備運動。
軽くジョグ三周、柔軟体操はしっかり十五分以上かける、流しで走り込み……等々。
鍛錬メニュー本番に入って、徐々に内容が濃くなってく。
400メートルエンドレスリレーとか前世だと10周くらいで限界だったのに、この世界とガープ中将の特訓がトチ狂ってるからか、まだまだ余裕で草。
はっきり距離分かる環境になったらこれだ。ヤバすぎて笑うしかない。
面白くて調子に乗って、何周か数えるのすらやめてたら、気づいたらほとんどの人がギブアップしてて半笑いになった。ドン引きされた。ガープさんのせいだ。
筋トレはゾロと一緒に岩担いでやってたせいで、ますます奇異の目で見られた。
回数もだけど、負荷の重量もきっちり分かる環境以下略。
アイリッシュ准将がめちゃくちゃ大笑いしてる。
「おい貴様らァ! 新兵に負けてんじゃねえ!!」
って言いながらすごく楽しそうなのは何なん!
海兵のみなさんは「ヒッ」とかなりながらも、必死に「「はっ!」」って元気良く返事した。
い、居心地悪いィ……。
昼食後はグラウンド整備してから、戦闘系の訓練。
竹刀で色々素振りしたり、組んで打ち合ったり。
……何故かアイリッシュ准将と拳でスパーリングしたり。
普通新兵同士でしょ! ま、まあ、手加減してくれてる感じはする。
けど何で楽しそうにしてるの???
体術は何人かと組んだんだけど、皆投げちまった。
嘘やん。
色々鍛えてくれたガープさんと一心道場と前世警察学校五人組、マジ異常すぎ。
……なんかここまで来たら、一体どこまで行けるもんか突き詰めてやりたい気がしてきた。笑う。
そしてやっとこさお掃除とか野菜の皮むきとか始まった。
「……なあお前、雑用からやる必要あるのか?」
同じく半袖に『雑』がついてる赤毛の少年が、ジト目を向けてきた。
何だよ新人いびりとかか?
「当たり前です。自分には全くここの勝手が分かりません。こういうことからちゃんと積み重ねなきゃ、空っぽになる気がします」
年とか見た目じゃ分かんないけど先輩なことは確かだから、一応丁寧語。
少年は怪訝な顔をした。
「……変な奴」
ピキ。
……んなこと言って来た奴は、エース……いやロジャー以来だ。
思わずこっちもジト目したら、少年は口をひん曲げた。
「……おれはニール。絶対お前に勝ってやるからな」
きょとんとする。
いびりじゃなくて対抗心だったのか?
「おいおいニール、正気か? あ、おれはブラッド、よろしくな!」
黒髪の少年が気さくに言った。
「あたしジェナ! よろしくね!」
金髪の少女が元気に言った。
思わずにこっとしちゃう。
「わたしはルリです。よろしくお願いします」
「もー、同じ雑用なんだから、丁寧語はいいよ!」
「は、はい」
「もー!」
あはは。
ジェナの明るさは和むなあ。
「……って、お前、女?」
……。
ニール?
「……そうだけど?」
「ニールあんた……」
「っ、はあ……?」
何か嫌そうな顔してる。
マジ何なんだよ!?
「……絶対勝つ……」
目ぇ据わってやがる。
性別とか関係ないだろ!!