一応多少1話と絡めた描写にしてたりします。
イシュタル・ファミリアはとある闇派閥と繋がっていた。
都市を破壊しようという思想に共感したわけでもなければ、何か神の役割を全うしようという意識があったわけでもない。
嫉妬。
自分を見下ろす別の美の女神と、自分に見向きもしない美の女神へのカウンター存在である秩序の女神への矮小な嫉妬。
どちらも自分の子どもよりも優れた漢を侍らせ、自分を馬鹿にしているなんていうただの被害妄想はオッタルが水月に脅されミノタウロスを鍛えに中層へ潜ったことと、水月がアイズとベルを引き連れて深いところに向かったことで爆発した。
嫉妬は神の目すら曇らせる。
隙なんてあるはずもないのに。
例えば初手ヘスティアの殺害に踏み切った場合、水月は深層からだろうが恩恵なしで帰還し、アストレア・ファミリアに入団。
草の根分けて悪の断絶に奔走するだろう。
そして今回のように人質としてヘスティアを利用した場合、敵の思惑はすべて破壊され尽くされるのだ。
今回踏み切った理由には、地上が手薄になった(イシュタル視点)ことだけでなく、水月によって自分が協力していた悪党の企みが瓦解したことも理由の一つとして挙げられたが、そのほとんどが嫉妬心の暴走だった。
そして、水月は来た。
リンチにするため、自分の城の真正面でヘスティアを縛り上げ、そして無関係の人間を全て排除し悪の巣窟と化した歓楽街の女王として首にナイフを当てるイシュタルは、邪悪な笑みを浮かべる。
周りで諦めたように空を見上げている一部の自分の眷属たちにも気づかず舌なめずりをする様は、あるいは結末を知っているものからすれば酷く滑稽だった。
「水月…あんた、相変わらずいい男だね。どうだい?こんなチビなんかじゃなくて、私の下へ来るってのは」
「へぇ…」
「ふふっ…。この私の身体を、好きにしたっていい」
「断る。俺が欲しけりゃ自慢のおもちゃで潰してからにしろ」
「くくっ、そうするとしようか!」
自分の身体を艶めかしく見せつけたイシュタルは、にべも無く唾を吐き捨てた水月に、蛇のような絡みつく目線を向ける。
それを見ることもなく、ヘスティアだけを見つめる水月の青い瞳は酷く凪いでいた。
ヘスティアは内心で『あちゃーこりゃ相当水月くんキレてるよ。やばいなー、オラリオ消失とかしないよね?』と冷や汗をかいていたが、彼がその内心に気づいたところで止まるわけがないことを彼女はよく知っていた。
「…ヘスティア。そこを動くな」
それは、獣の唸り声に似た低い声だった。
長い耳が絞られ、蹄が地面を打つ。
明らかに殺意しかないその言葉を降伏のサインだと受け取ったヒキガエルが一歩、前に出た。
「あたいに殺される覚悟はいいかい?」
「
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スキル【詠唱拡大】成立。拡声による威圧効果発動。全生物に恐慌状態付与。
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スキル【詠唱諦鎖】。魔法の使用を確認。ステータス低下を解除。
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スキル【破顔詠唱】成立。魔力の消費効率を向上。使用可能回数の増加。
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スキル【累積詠唱】成立。倍率、威力強化。
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スキル【連続使用】成立。倍率、威力強化。
【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】。
スキル【明鏡止水】成立。倍率強化。
【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】【うんこ】。
スキル【統率者】。詠唱の連結を確認。術者の階位を上昇。
警告。
このままでは、世界に甚大な損傷を与える可能性があります。
術者からの要請を再度確認。
要請を承認。
──────【権能全開放】
「じゃあ死ね」
世界が割れた。
命あるものから、無いものまで。
総ての存在の頸が斬り落とされる。
絶死無音。
音すらも殺され、耳鳴りすら許されない。
雁首揃えて仲良く地獄行き。
バラけて解けて離れて、己の魂がその果てを観測する。
「──────ッ!」
永遠にも感じられたたったの1秒。
自分の絶命にようやく気付いた世界の断末魔が遅れて響き渡る。
あるはずもない世界の関節が外れた音が聞こえた。
そして、そこからさらに遅れて自分が死神の鎌から逃れたことに気付いた全ての生命が息を吹き返す。
神すらも首を斬られた
「………………は?」
ようやく息を整えたイシュタルが見たのは空白。
瓦礫一つすら残らない街の消失。
やらかすために人払いをしていた結果、自分の眷族と闇派閥しかいない街は、へたり込んだ彼ら彼女らを残して全て消えていた。
イシュタルがこれまで積み上げてきた歓楽街丸々一つ、城すらも地上から消し去られている。
いっそ清々しいまでの消去。
それこそ神が文明を一つ消し去ったような光景がそこには広がっていた。
たった一刀。
切断対象を取捨選別した上でまとめて斬り倒して世界を殺す、神ですらないただ人から放たれた斬撃。
全てを等しく斬り伏せながら、生かすも殺すもその剣士の意思一つで決定づけられたという事実は、その場にいる全員の心をへし折った。
ただ一柱、斬撃の通り道にいなかった彼の女神を除いて。
「ひっ…!やめ…!!」
赤。
煉獄。
世界との軋轢によって生まれた摩擦が、刀に火を灯す。
それは聖火ではない。
その男は秩序の執行者でもない。
ただの焔だ。
ただの殺戮者だ。
そして。
「あばよ、アバズレ───『やめるんだ』」
女神の沙汰が下る。
断頭刃が直前で止められる。
頸に添えられた鈍らが皮膚を裂き神に血を流させるが、それだけだ。
水月は、青い瞳でヘスティアの方を見やる。
そこに心配とまんまと女神を奪われた自身への怒りを垣間見たヘスティアは、呆れたように笑う。
「まったく……君は僕のこと大好きすぎるなぁ」
「………いいんだな」
「良いのさ。……帰ろう、僕らの家に」
「そうかよ。じゃあついでに知り合いも貰って帰るか」
水月はイシュタルの顔面にヤクザキックを入れて気絶させたあと、ずかずかとへたり込む人波の中へと足を進め、その中から一人の金髪の少女の首を引っ掴む。
「にょわ!?私でございますか!?」
「そうそうあんただよお嬢。なんでこんなとこにいんのかしらねーけど」
「それはその、やむにやまれぬ事情がありましてと言うか、そもそも水月様のせいと言うか…」
「俺のせいで歓楽街落ちは意味わかんねーんだけど。あと元従者に様付けってどーなのよ」
「その、水月様…さん。勘当されたでしょう?幼い私はそれを追いかけて、盗賊に捕まって…」
「
「あ、違うんです!助けていただいたんです!ですがその、アマテラス様にお仕えするはずの商品が盗品の中にあって、それを壊してしまったとのことで…」
「めっちゃはめられてんじゃん」
「今思えばそうかも知れません…ですが!こうして会えたのなら、水月さんがよくおっしゃってた結果オーライというやつでは?」
「やめろよ俺が悪影響与えたみたいな感じにするの!」
「ですが脱走のし方や盗み食い、大人の目を盗んでする昼寝の方法を教えてくれたのは水月さんで…」
「あーあー聞こえない!俺はそんな不良従者じゃありませんでした〜!そんな事実は記憶にございません!」
「ああ!ずるいですよずるい!私を染めたのは水月さんのくせに!」
「うるせー!知らねー!」
神と多数の冒険者。
一刀で全員の心を無惨にへし折った猛獣と、それを従える秩序の女神。
その二人の後を追うように狐が駆ける。
街と同じ大きさの円形に斬り割かれた雲から漏れる月光が、そんな三人を優しく照らしていた。
へたり込んでいた闇派閥の下っ端からヴァレッタ等の幹部連中や邪神は軒並みアストレア・ファミリアに捕縛され、イシュタル・ファミリアもまた心折られて素直に何でも話してくれる協力者たちから数々の証言と、街の下から出てきた悪事の証拠たちによって解体。
神イシュタルは天界へ送還。
この一連の騒動を全て後から知った神々は言った。
『まぁ、そうなるな』
世界最強の尾を踏む、あるいは逆鱗に触れるとどうなるか。
暗闇に潜む彼らは、街と女神という代償をもって思い知るのだった。
●
「…!おかえりなさい師匠!神様!」
「ただいまベルくーん!聴いたぜすごい冒険してきたんだって!?水月くんの冒険はすぐ終わっちゃうからつまらないんだよね〜!ぜひ聞かせておくれよ!君の冒険を!」
「おーバカ弟子。宿見つかったか」
「うっ、師匠…それがですね、宿を探してたらリリに声かけられて、その数日過ごせる宿を見繕ってもらったのはいいんですけど…」
「あ、もういいわ。もうオチ読めたわ。どーせバカみたいな額の金額に気が付かずに契約したとかだろ。返済するか俺がソーマのとこ行くかみたいな話になったんだろ」
「見てたんですか!?」
「あいつずっと自分のとこに俺引き抜こうとしてんだよ。もう何回目だよ戦争遊戯すんの」
「もう5年くらい頑張ってるよね彼女」
「ストーカーかよ」
「君が人の脳を焼くのが悪いよ」
「はー!なんでも俺のせいかよすみませんねぇ世界最強でぇ!」
「ふっふっふ、水月様?今回は一味違いますよ!水月様はステータス封印!あとうざいくらい頼み込んできたアポロン・ファミリアも私たちの味方として参戦!その代わり試合は1ヶ月後かつFランクのファミリア一つだけ協力者として呼んでよし!話を聞く限りベル様もランクアップしたようですし、神回もあるでしょう。準備もどうぞ。試合形式は攻城戦です!」
「めんどくせー!!」
「よっしゃぁ!これで水月様ゲットですよ!」
リトル・ルーキー。
1ヶ月半でのランクアップという偉業は、水月の街一つ消せる世界最強っぷりのおかげで鳴りを潜め。
まぁヘスティア・ファミリアだし、という妙な納得を周囲に与えていた。
1ヶ月後に行われた戦争遊戯でも、その異常っぷりは世間に知らしめられる。
そもそも恩恵なしでレベル2を殺したことがあり、魔法を技術だけで斬れるようになったりと素の能力が成長している上に、ステータスがなくなったおかげでむしろ鎖がなくなり体が軽くなったうんこに、鬼教官リリが鍛えた冒険者たちとはいえレベル2の彼らが叶うはずもなく、なんなら殺さないように手加減されてノックダウン。
最後はサポーターのくせに、手数と知恵でレベル4とも渡り合えるリリをベルが撃破。
1ヶ月でレベル3へとランクアップするという偉業を成し遂げた。
ついでに、ヘスティアとベルに異常な執着を見せるアポロンは追放。
リリは、かー!事を起こした責任取らないとなー!かー!しょうがないよなー!と嬉しそうにヘスティア・ファミリアへ人質として移籍。
どっちに転んでもよかったと笑う彼女は、間違いなく勇者や白エルフに並ぶ策士だった。
春姫を助けてもらったという恩と、水月がタケミカヅチの元弟子という縁もあって助っ人として参加したタケミカヅチ・ファミリアの面々は、もうあいつらだけでいいんじゃないかな…と呟いていた。
───彼らの冒険はここから始まっていく。
悲劇大好き酒クズ野郎によってもはややけくそ気味にニーズホッグが召喚されたり、グランド・デイにとあるモンスターの残滓が目覚めたり、春姫の魔法を使って実質レベル10になった水月がうんこの魔法と剣で黒龍を消し飛ばしたり。
端的に言えば、だ。
男は最強だった。
だから何だ俺はうんこだと男は嗤った。
これは、語るべき物語の存在しない英雄譚。
うんこの魔法。
それを否定したくてその男はレベル8になった。
その魔法以外の可能性を引き出したくて女神は本気で自分の眷族の恩恵と向き合ってきた。
だが、ヘスティアも水月も結局魔法を使う以外の選択肢を恩恵から引き出すことはできなかった。
男は最強だった。
最強だったが孤独ではなくなった。
その男は雲を切り、時を断つ。
彼の剣技を前にして生き残る道は、慈悲をかけられたときのみ。
慈悲を向けられなかった敵は、万象一切塵となる。
彼は、楽しそうな顔で刀を振る。
並び立とうとするものは、案外いた。
神と人は、彼を希望と畏怖を込めてこう呼んだ。
───迷宮喰らい、と。
お疲れ様でした!
これにて『うんこみたいな魔法』完結です。
ダンまち二次で一番うんこを連呼した小説だと思います。
誰からもうんこみたいなっていうかうんこそのものじゃんみたいなツッコミは来ませんでしたが、1話で終わる予定だったにしては本当によく続いたし案外綺麗な感じで終わったなと思います。
うんこいっぱい出せてスッキリしました。
たくさんの評価と感想も嬉しかったです。
お付き合い頂きまして誠にありがとうございました。