【芳賀ツヅミ視点】
ミレニアムでの研究資料、データは粗方回収した。元々私自身が複製して取っておいたものが、処理されずに残されていた。不用心にもほどがある。
ここまで中枢に侵入できたのには、理由がある。死体ちゃん事、鉤スイの死体である『シスイ』。
ハズハの神秘で動かされているのか、サイバーチックなヘルメットから見える瞳には、生気がなく虚ろなままこちらを観ている。
ツヅミ「こっちは終わったから、別行動で良いよ」
そう言うと、シスイは頷き。侵入者撃退ロボの残骸が散らかる廊下の奥へ、音を殺して消えていった。
まるで暗殺者のようだった。
さて、個々からは私個人の趣味である。目的は私が制作していたサンプルの回収だった。コレばかりは、資料庫では無く厳重に管理されている、保管庫に行かなくては成らない。その為にはセミナーのこの許可か、あの娘に暗号を解いてもらう必要がある。
向かうは、反省部屋であるあの金庫。
【明星ヒマリ視点】
気がついた時、私は拘束されていました。額からは血流が乾いており、そこそこ時間が経っていました。
最後の記憶は、部室が爆発によって、完膚無きまで破壊され、暗くなった部屋に、後輩2人を放置。連れ去られたこと。
エイミが無事なのかどうか。今まで蚊帳の外でした。大丈夫でしょうか。後輩2人は朧気ですが軽症だったはず。問題は私自身ですね。この虚ろな目をした顔もわからぬナニカは何処へ行く気でしょうか。
物言わぬナニカは資料室へと向かっていった。
私は目を疑いました。いるはずの無い
???『やァ、シスイ。ツヅミの命令はしっかり聴けたかな』
機械のような音声で、シスイと呼ばれたナニカが無言で、頷く。私はその時とんでもないことに気が付きました。
ヘイローが割れた状態で、瞳孔が開いた状態で、動いている。その事実に底知れない恐怖を感じましたが、それと同時に誰の身体なのかを、考えました。
???『オイオイ、また拾いものか。君はゴミ拾いの癖でもあるのか? アァ、成る程。確かにその子は必要カモネ』
ヒマリ「…何方ですか?」
ハズハ『オット、自己紹介が未だでしたねヒマリ嬢。私は、波村ハズハ。しがないフリーターだよ☆』
ヒマリ「どういう事です。貴方は今市街地にいるはずです」
ハズハ「アラ? やっぱジャミングしてても目測されてる感じ? ウ~ン。だとしたらあんま意味なかったかなぁ」
ヒマリ「…遠隔操作で此処に居ると?」
ハズハ『…やっぱ「全知」って凄えわ。ノーヒントでコレかよ。油断したわぁ。』
ヒマリ「目的は、ミレニアムの非公開の研究資料ですか。それとも『芳賀ツヅミ』の情報ですか」
ハズハ『…』
ヒマリ「両方ですね」
ハズハ『やりにくいわぁ~ホントに。コレじゃァ「オバロ」の「ラナー」じゃん。』
ヒマリ
「お褒めにあずかり光栄です。ソレくらいの推察から、日常的にこなしていますので。…残念ですが最新の研究情報は各部活動で自己管理してもらっております。諦めて下さいませ」
ハズハ『やっぱりかぁ。まあデモお目当てはもう一つ。ぶっちゃけ頼み事だね。』
ヒマリ「犯人探しのですか?」
ハズハ
『ツヅミちゃんの件なら本人と話し合ってよ。でもツヅミちゃんは研究だけしたいみたいだし。このまま放って置いたほうが、良いんじゃない? 頼み事ってのは自分の方』
ヒマリ「貴方の? 調べごとですか?」
ハズハ
『察しが良いね。話が早くて助かるよ。調べて欲しいのは、過去五年で死亡した生徒の情報。勿論、行方不明もお願いしたい。もし約束してくれるのなら、ツヅミちゃんの研究成果を定期的にそちらに送ろう。本人からも許可は取ってるしね。あ、重要なこと忘れてた。ツヅミちゃんが生きてることは内緒ね』
ヒマリ「…わかりました。」
恐らく、彼女は芳賀ツヅミの死亡事故について詳細と犯人がミレニアムに残っていることを、気にかけている。
現在、ミレニアムで捜索中であるが、進展はしていない。
彼女が死亡者や行方不明者を探す理由はわかりかねますね。
ハズハ『では我々は此処で手を引くよ。もう二度とミレニアムには手を出さないだろうよ』
ヒマリ「出来れば、永遠と会いたくないですね」
ハズハ『厳しいこと言うね』
ヒマリ「この高嶺の花を丁重に扱わなかった罰ですよ」
ハズハ『ハハ、まぁ当然だよねぇ』
そういい終わると、ハズハが動かしていたロボットが分解をはじめ、複数に分かれてドローンに運ばれていった。
取り敢えず、何とかこのイベント戦は終わらせられそうです。