超越者   作:邪眼

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お待たせいたしました

ゆっくり進んでいくのが
わたくしの進みかたになってしまいましたね......

感想等お待ちしています

では、ごゆっくり


8話

・・・・・

 

 

 

 

アインクラッド全体に募りに募った不安や恐怖の重圧

 

 

一層目の攻略もままならないまま、一ヶ月の時が経過してしまった

 

その間に死亡したプレイヤーは、約千人......アインクラッドに幽閉された十分の一のプレイヤー住人が消えたことになる

 

もし

このままのペースで進めば、現実世界リアルに還りつくのがとてつもなく遥か彼方になってしまう......

 

 

焦燥感に突き動かされた者が、遂に『この世界を引っ張っていくであろう者達』攻略組にその思いをぶつけたのだった......

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

「みんなで足並み揃えてやっていく言うなら、まず謝罪せなあかん奴等がここにも居るはずや!自分等絶大な『情報』っちゅうアドバンテージを持ちながらも、それを開示しようとせずに自分だけの命ほしさに自己の強化に走り、はじまりの街の大勢の初心者を見捨てたやつが!!

 

 

......βテスターがそないなことせんかったら、もっと被害は少なかったはずや!何にも知らされずにこの世を去ったプレイヤー達にこの場で謝罪せい!

 

せんかったら、ワイはβテスターとうまくやっていかれへん!」

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

SAOは初回一万本の限定生産となったが、そのうちの約千本がβテスターに優先的に回されることとなった

 

これは、SAO製作に当たって貴重なソードスキルの実践情報やバグの改善等に協力したテスターへの感謝の気持ち、という名目ですべてのβテスターに正式版を優遇するようにした茅場の計らいのである

 

 

当然、正式サービスで加入するプレイヤー達よりもソードスキルの組み立て方や序盤モンスターの傾向等、『デスゲーム』となった今、それらの情報はすべてのβ以外のプレイヤーは、喉から手が出るほど欲しいものになっている

 

 

情報過信が命を散らす......これは、逆にアドバンテージがあるβテスターに当てはまることだった

 

制作者である茅場は、皮肉にもβ版と正式版で異なった内容をプレイヤーに提供したのである

 

 

公平性を何よりも重んじる茅場の苦肉の策だったのだろう......しかし、それがβテスターの半数の命を奪ってしまう事態になってしまったことは、当の茅場も想定していないことだった

 

 

命のかかった場面での油断は、絶大な隙になる。後に『はじまりの犠牲』と呼ばれることになる、約千人の犠牲者の内βテスターが驚くことに約半数の450名を占めていた

 

 

 

・・・・・

 

 

 

「それだけやないで!貴重な効率のいい狩り場を公開せずテスター同士で占領して、経験値ソースを独占しコルや装備をがっぽり溜め込んでるんやろ

 

 

......それらを出してもらおか、出して均等に分けなワイは、協力できん!今後レアアイテムを独占するかもしれん奴等とは組めんからな」

 

以上だ。と言わんばかりに手を降って黄色いサボテン男は自分の座っていた席に戻った

 

 

 

長い沈黙がトールバーナの広場を包み込んだ

 

 

 

隣の男が急にモゾモゾと居心地が悪そうに動きだし、俺の横腹を誰にも気づかれないようにつついてきた

 

誰も身動きしない場において、この男が既に非常に目立っていることは告げないでおいた

 

 

「 おいおいキリトぉどーすんだよ、あいつの言う通りにするのか?」

 

 

おい!クライン、てめぇ......その発言は俺がβテスターだって周りに教えてるようなもんだぞ......わざとやってんのかっ

 

 

 

ひどく静かな場でのひそひそ話はもはや秘密にはあらず、とは良くいったものである。

 

 

周囲にβテスターだと知られたせいか、やたらと視線が集中し俺の背中が思いの外熱く......処理負荷かかったせいか......少し熱く感じられた

 

 

 

あーっもう!仕方ないか......

 

 

 

期待に応えるべく俺が立ち上がろうと、腰を少し浮かしたときだった

 

 

突然発言許可を求めた男が現れた

俺にはそいつが神の化身かなにかに見えた

 

......要するに坊主頭だった訳だが

色黒に無骨な顔、焼けた肌に180㎝は有ろうかという身長......彼が右手を上げたときは、おぉ神か!と思ったが、ディアベルから発言を許され『ヌッ』と立ち上がった彼のその背中に......じゃないな、うん。と思ったのだった

 

 

「これをもらわなかったか?」

巨漢の男は、おもむろに『やけに見覚えのある』手帳のような小さい本を右手にオブジェクト化してサボテン男に......いや、この場にいる全員にきりだした

 

あれ、俺と一緒のやつだ!なんていってる奴がほとんどだ

 

 

......よかった。みんなに行き届いてるんだな

 

 

俺はふと、β時代世話になった可愛らしい『髭』が特徴の小柄なフードをまとった女性プレイヤーを思いだし、密かに感謝した

 

まぁ、この前会ったときは、まだ手にいれてなかったのかトレードマークの『髭』のついていない、とても可愛らしい女性のままだったが......

 

 

「道具屋に無料でおいてある情報書だ。みんなも貰っただろ?こんなに正確な情報がNPCから提供されるわけがない......流石に制作者を割り出すことは叶わなかったが、これがβテスターによって作られ、配布されていることを先日知ったんだ。

 

そしてこれは、常に情報が更新されて道具屋におかれているんだ

 

俺たちは、簡単に情報を手に入れられた。それに救世主だっていたんだ......彼のお陰で何人助かったか......だが『犠牲者』がでた

 

 

しかも、聞くところによればその半数がβテスターだったらしい」

 

 

男は言葉を切り手帳を握りしめるそぶりを見せた

犠牲者のことを思ってのことだろう......隣のクラインも下を向いてしまっている

 

 

「俺達は、βテスターに感謝する立場ってわけだ。『償え』なんて筋違いも大概だと俺は思う

 

それに、皆がここに来たのは一層の攻略のためだろう。こんな話をするために来たんじゃないんだがな」

 

 

男は自嘲気味に笑い、もといた場所に戻っていった

 

 

誰も何も発することができない

問題を投げ掛けたサボテン頭の『キバオウ』はもちろんだが、まとめ役のディアベルでさえ我を忘れて手帳を見つめている

 

 

 

「ディアベル、続きを頼む」

 

 

石段の上から呆けているディアベルに呼び掛け、腰を据えた俺に意外にも隣のバンダナからダメ出しが溢れてきた

 

「はぁ......キリトぉ、オメェ空気読めねえなぁ。あいつが良いこと言って場が和んでたってのに」

まだ隣でブツブツ言ってやがる......

 

 

 

............て、てめぇ空気を読まないのは、お前だっての!!

 

現実世界リアルでは、確実に年上だろうと思われる男に俺は、綺麗な右ストレートを決めたのだった

 

 

 

 

・・・・・

 




今回は、忙しく次回予告まで手が届きませんでした......

申し訳ないです


はて、この次回予告は必要なのか......

では。

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