リボーン×東方~外界異変~   作:Lan9393

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三十二話、三十三話は閑話みたいな感じですかね・・・?
というわけで、とある二人の出会い話でもと。

友人が話の流れを書いたっきり「いつ入れようか?」ってなってたこのお話、今いれなければ!!
っていうか、入れようって二人で話して決まりました。

では、どうぞ。


三十二話:記憶喪失の少女と王子

  ここは日本。そして、今は夜。

 唐突で申し訳ないが、この平和だった日本に、悪さばかりしていたマフィアが逃げ込んだ。

しかし、そのマフィアはすでにほとんど壊滅状態で、残党らが逃げ込んできただけだったので、特に被害はなかった。

逃げていたせいで、誰かに危害を加えよう、なにかをしてやろうとなんて、考える者はいなかったのだが。

 そのマフィアを追って、その残党の始末を任された二人の男が日本に向かった。

 

 

―――――ドサッ。

 

 鮮血をまきあげながら、残党は倒れ伏した。

その背中を踏みつけ、男はあたりを見渡す。

首を動かすたびに、長い髪が揺れる。

 

「・・・う゛ぉ゛ぉい。これで終わりかぁ?」

 

低くそう言うと、懐から取り出した通信機で、もう一人の男に連絡を取ろうと、声をかけた。

 

「おい、ベル。こっちは全員殺ったぞぉ」

 

そう言うと、ベルと呼んだもう一人の応答を待つ。

だが、帰ってきた声は彼の呼びかけに対してのものではなく。

 

『あぁ・・・王族の血を流しちゃったよぉ~・・・』

「・・・・・・チッ。また意識飛ばしやがった。めんどくせぇなぁ・・・」

 

男は深くため息をついてから、その場から移動することにした。

 

 

☆  ☆  ☆

 

 青年が一人、そこに立っていた。

それを見た男はその青年に近づいて、彼の背中を蹴とばす。

 

「う゛ぉおおおおおい!!!!ベル、さっさと起きろぉ!」

 

受け身もとらずに蹴り飛ばされたベルフェゴールが正気に戻ったか、男のほうを見上げて、「あれ・・・?」と声を漏らす。

その場に座り、首を傾げたベルフェゴールに対して男は嘆息する。

男が顎で指し示す方向をベルフェゴールが見やると、そこは惨劇の跡が残されていた。

 死んだマフィアの残党たち。誰もが銃すら構えられぬまま無残に殺されている中、一人だけ銃を握ったまま倒れている男がいた。

 彼が、『ああなった』こととつなげて考えると、つまり、この男は必死に撃ったら一発当てて、―――そして、気をおかしくしたベルフェゴールによって――——。

男はベルフェゴールを見下ろす。

ベルフェゴールは申し訳なさそうに肩をすくめて、

 

「あー・・・スクアーロ、えっと・・・ごっめーん」

「ごめんで済むかァ!また派手に被害出しやがって・・・」

 

スクアーロはひどく呆れたようにベルフェゴールに対して言う。

ベルフェゴールは小さく縮こまって、スクアーロの小言を聞く体制をとっていたが、しかし。

 

「――う、ぅ・・・」

 

そんな声が聞こえて、二人があたりを見渡した。

 

「・・・ったく、どうせなら全員殺れぇ。まだ生きてるやつがいんじゃねぇか」

「だーかーら、ごめんって。ちゃんと殺してくるからさ」

 

ベルフェゴールが立ち上がり、声の聞こえたほうへ歩いていくと、緑の髪の少女を見つけた。

全身が紅い―――血でまみれており、着ていた服が真っ赤に染まってしまっていた。

 

「・・・女?」

「なんだ、一般人のガキか?」

 

痛そうにうめく少女を見てボソリとつぶやくと、様子を見に来たらしいスクアーロがそう問いかけた。

眉を寄せたベルフェゴールがスクアーロに対して指示を仰いだ。

 

「どうしよー、スクアーロ?」

「・・・はぁ。とりあえずイタリアに連れて帰れ、お前が」

「えー」

「もともとお前が原因だろォがぁ!」

 

不満そうにするベルフェゴールに一つ言い放って、何度目かのため息をついて、

 

「・・・それに、俺は『オミヤゲ』を買ってかねぇといけないらしい」

「お土産?」

「ああ、マーモンに『五円チョコ、ジャポーネ製の買ってきて!』って言われた。あとクソボス用の酒」

「・・・」

 

うわぁ、と明らかに嫌そうな顔をしたベルフェゴールは、少女を見下ろした。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ん・・・?」

 

 少女は目を開けた。

体が締め付けられているような感覚を覚えて、自分の体を見下ろした。

包帯だらけの自分の腕、胴、足―――とにかく、包帯を巻かれていたのだ。

 

「あれ?もう起きたの?結構傷深かったのになー」

 

そんな陽気な声が前の座席から聞こえてきて、少女はそちらのほうを見やった。

体を起こそうとすると、体に痛みが走る。

「痛っ」と声を上げながら前の座席に座るその青年を見た。

 

「・・・と、いうか、あの・・・あなた、誰ですか?それに、ここ・・・どこですか?」

 

二つの質問をすると、前に座っていた青年、ベルフェゴールが答えた。

 

「王子♪」

「・・・え?」

 

予想外の返答だった。

少女は自称王子と名乗ったベルフェゴールにいぶかし気な視線を向けた。

ベルフェゴールは少女のほうを向いた。

そのことで気づいたが、彼の目元は前髪で隠れており、目があっているかもわからない。

 

(王子様に見えない・・・)

「ん?どしたの?」

「ほ、本当、ですか・・・?」

「まーな」

 

嘘を言っている様子は見られないものの、少女にとっても信じられない、いや、信じたくないことだった。

 

(・・・この人が、王子様・・・?!)

「んで、ここでどこだかは秘密だぜ、しししっ」

 

軽くそう言い、面白そうに笑ったベルフェゴール。

その言葉に目を丸くした少女が戸惑いながら言った。

 

「でも、私帰られなきゃいけないんです、けど・・・」

「無理」

「っ、なんでですか!」

 

即答されて、少女は痛みを訴える体を乗り出して、ベルフェゴールに向けてそう聞いた。

彼は少女に向けて、

 

「理由はけっこーあるけどまあ、『ここ、イタリアだから』」

 

先ほども浮かべた笑顔で、そう言い放った。

少女はしばし硬直して、そして、「いっ、」と声を漏らす。

 

「イタリアって外国じゃないですか――——!どうしてですか―――?!なんで――――—!!!」

「しししっ、おもしれー」

 

パニックになる少女を見て、ベルフェゴールは心の底から楽しそうに笑っていた。

 

☆  ☆  ☆

 

 目的地にたどり着いたベルフェゴールは少女を連れて部屋の中に入る。

扉を開けて中へ入った彼を見つけたらしい、中にいた二人の人が顔を上げた。

 

「あら~ベル、おかえり~。早かったわね?」

「・・・」

 

ふわふわと浮いてる幼児と、オカマ言葉の派手な男が声をかけてきた。

そんなオカマ言葉の男――ルッスーリアに対して、ベルフェゴールは嫌そうに、

 

「うるせー、寄るな、オカマ」

 

とだけ言った。

ルッスーリアはむっと顔をしかめる。

 

「んまあ!つれないわねー!・・・ってあら?そっちのカワイイ子は?」

「・・・あ、の」

 

ルッスーリアの勢いに押されて、少女はベルフェゴールの背後に隠れてしまっていた。

涙をうっすらとにじませている。

 

「・・・これ、お前のせいだろ。すげーおびえてんじゃんか」

 

はぁ、とため息をついてベルフェゴールは少女を見下ろした。

 

「ところでベル、この子何者?」

「んー?一般じーん」

 

浮いていたマーモンが問いかけると、軽い調子でベルフェゴールが返す。

それを聞いてか、ルッスーリアが口をはさんだ。

 

「ちょっと、それまずいんじゃないかしら?スクアーロが責任とってボスに殴られちゃうわよ~?」

「いーじゃん。いつものことだろ?」

「あ、・・・すいません」

 

そんな二人の会話を聞いて、少女は申し訳なさそうにそう謝る。

ルッスーリアは少女の頭に手を置いて、ポンポンと撫でて、

 

「あなたは気にしなくてもいいのよ~。良い子ね、あなた。名前、聞いていいかしら?」

「わ、私の名前、ですか?」

 

優しい声音でそう聞いた。

少女は問われて、少し困ったように眉をハの字に寄せた。

 

「あ、それ俺も知りたい♪」

「・・・」

 

ベルフェゴールまでも聞きたがったので、言いにくそうに少女は頬を掻く。

そんなしぐさをするものだから、マーモンも声を上げた。

 

「ム・・・。答えたくないのかい?」

「違います」

 

マーモンの言葉を否定して、少女は言い放った。

 

「その・・・名前が、思い出せないんです」




ヴァリアーに着てしまった少女。
彼女、どうして記憶を失ってしまったのでしょう。とても不思議です(棒)

というわけで、次話も少女とベルフェゴールのお話となります。
それが終わったら、ついに黒曜編に入れるかな・・・?そんな感じですね。
少なくとも、来週くらいに黒曜編になるかと思います。
ではでは!
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